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帝国と王国の交声曲《カンタータ》
至高騎士の真意
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「へぇ………何故そう思うんだい?」
マリスの放った言葉にロテールさんは穏やかなの表情のまま返すけど
………目が笑ってなく結構鋭い視線だね、こりゃ疑われたかな?
マリスがの言葉により、比較的和やかだった雰囲気の至高騎士
達の気配ががらりと変わる。
何か一気に尋問風な雰囲気に早変わりだ、しかもすごく重苦しいね。
それを察知してか無表情を貫いてたリーゼの表情が一気に険しくなる。
フィルも強気な表情をしてるけど………よく見ると指の先が僅かに震えてる。
比較的この雰囲気に慣れてる私でも若干圧倒され気味になったんだから
慣れてないフィルが震えるのも無理は無いよね、むしろ良く
強気な表情を維持できるものだと褒めてあげたいくらい。
「フィル、リーゼ、怖い顔になってるよ
私達はやましい事なんてしてないだから、眉間に皺なんて寄せてちゃダメだよ」
私は2人を制しながらそっと震えてるフィルの指先を握る。
安心させようと思ってした行為だけど、フィルは一瞬だけ
へにゃッとした表情とした後直ぐにいつもの表情に戻る。
………見られてないよね、今の?
流石にこの雰囲気はちょっときついけど、変に横槍を入れて
会話をこじらせるのもマズいからここはマリスに任せた方がいいかな。
そう思ってマリスに視線を送るとマリスは「任せといてよ!!」と
言わんばかりのドヤ顔を返して来る。
予想はしてたけど、この状況も楽しんでるみたいだね………
心強いんだけど、面白そうだからって心臓に悪い選択肢ばかり
選ぶのはちょっと勘弁して欲しいかなぁ。
「まぁロテール兄ちゃんが人形達の宴にわざわざ訪ねて来た時から
マリスは違和感バリバリだったんだよね~
さっきも言ったけど、今の帝国と王国の関係を考えたら正直言って
王国の軍事の要である至高騎士が偽装までして帝国内に
潜入するなんてリスクが高すぎるんだよね。
潜入が疑われた時点で国家間の緊張が一気に高まるし、バレたらそれこそ
即開戦状態になってもおかしくない程のね
そんな綱渡り状態の事迄して潜入した理由が『鍛冶屋に会いに来ました』じゃ
流石にリスクとリターンが合ってなさすぎるよ」
マリスはドヤ顔のまま得意げに語り続ける。
「まぁあの偽装は念の入ったものだし、帝国の近衛魔導士クラスじゃないと
見破れないような見事な術式だから帝都内を歩くだけなら
バレる心配はないとは思うけどね、それでもリスクは高過ぎだと思うけど」
マリスの言葉にロテールさんの眉が一瞬つり上がる。
と言うかあの時そんな偽装をしてたんだ、確かにマリスは「偽装してる」
とは言ってたけど。
………ん?ちょっと待って、今偽装は念の入ったものって言ったよね?
そうするとマリスはそんな偽装を一目で見破ってたって訳!?
「恐らく『ケジン兄ちゃんに会いに来た』って理由は偽装が見破られたのを
察知してとっさに出た出まかせなんじゃないかな~とマリスは思うんだ。
確かに人形のメンテとかで5分前くらいにはいたし、それにケジン兄ちゃんの
お爺ちゃんは至高騎士の武器を作ったって
眉唾レベルだけど結構有名な噂があったしね
しかもその後本当に会いに行ってるから信憑性も高くなるしね」
そうなんだ、けど偽装を一目で見破るマリスもマリスだけど
それを一瞬で把握してとっさにそれっぽい理由で怪しまれないようにする
ロテールさんも大概だね………
「けど、ケジン兄ちゃんに会いに来たってのが偽り理由だとすると
何で態々人形達の宴に来たって話になるよね?
んで、その心当たりがあるかって言えば………」
………そういう事だね。
デューンさん達はどんな理由があるか知らないけど
奴隷娼婦の人達に料理を振舞っていた。
あの人達の人柄から慈善事業の一環かと思い込んでたけど
ロテールさんの視点から見れば確かに怪しいと思われても仕方ないね。
「ま、ただのマリスの推理だから間違ってるかもしれないけどね~
あははははは♪」
マリスはそう言って空気を読まずいつも通り高らかに笑う。
………下手すれば捕らえられても不思議じゃない状況で笑えるって
マリスのメンタルってホント凄いね、私も見習うべきかな。
さて、至高騎士さん達は豪胆に過ぎるマリスの態度を
どう受け取ったかな?
下手すると侮辱と取られかねない態度だけど、はてさて。
「………推論とは言え筋は通ってるし論理的だね
成程、君は見た目に反して相当油断ならない人物の様だ」
ロテールさんはそう言ってさらに鋭くなった眼光をマリスに向ける。
はっきり言って威圧に近い視線だ、こんなものを向けられたら
普通の人ならその視線だけで腰を抜かしてへたり込みそうだね。
実際視線を向けられてない私にもプレッシャーを感じるレベルだ
こんな視線と対峙するのは並大抵の修羅場なり潜ってないと
平然と受け流すことは難しいんだけど………
「そんな事ないよ~、マリスは何処にでもいる普通の魔導士だよ~
あははははは♪」
ロテールさんの人を威圧させることが出来そうな視線を向けられてなお
マリスは飄々とした様子を崩さない。
「アイツ、至高騎士に睨まれてるって言うのに
何でそんなに余裕なのよ………」
フィルがぼそりと呟く。
「トラブル好きのマリスの事だから今の状況を楽しんでるだけだと思うよ
あんな人達とこんな風に対峙する機会なんてほぼ無いだろうしね」
その呟きに私は小声で返しマリスの表情を見る。
虚勢を張ってる様子もない、いつも通り飄々とした笑顔を浮かべてるマリスだ。
うん、この状況を心底楽しんでる様にしか見えないね。
威圧な視線を送り続けるロテールさんにそれを受け流し続けるマリス。
この重苦しい雰囲気が永遠に続くのかと思った瞬間
「………ふぅ、ここまで飄々と受け流されるとはね
これが演技だったら大したものだ」
ロテールさんはため息1つ吐き、表情を和らげる。
それと同時に部屋内を支配していた重苦しい雰囲気が霧消する。
「いやいや、流石の至高騎士からのガン付けに
笑うしかなくなってただけだよ、あはははははは♪」
マリスの返事に思わず「どの口が言うか!!」と突っ込みたくなるのを堪え
私はフィルとリーゼに向かって苦笑いをする。
フィルは呆れたようにため息を吐き、リーゼは警戒を解いて普段の表情に戻る。
「………ロティ、流石にやり過ぎよ
可能性がゼロじゃ無いとは言え、この子達を威圧する必要は無かったはずよ」
状況を静観していたレティツィアさんも
頬に手を当てながら呆れ気味にロテールさんに言う。
「確かに、のせられたとは言え大人げなかったね
君達、不快な雰囲気にさせて申し訳ないね」
ロテールさんはそう言って私達に向き、頭を少し下げる。
「いえ、お気になさらず
私を含め、こういう雰囲気には慣れていますから」
「そう言って貰えると助かるよ」
私は笑顔を浮かべてフォローするとロテールさんは少し苦笑をして返す。
けど、私は敢えてそのままの口調で次の言葉を放つ。
「それに、状況は大体理解出来ました。
………貴方が私達に何をやらせたいのかも」
今のマリスとの会話を聞く限り、ロテールさんが帝都内に潜入してたのは
王国から連れ去られ、帝都で奴隷娼婦とされている
人たちの事を調べ、奪還する事だろう。
だけど、偽装をしていたとはいえ至高騎士が帝国内で行動するには
余りにも自由が利かなさ過ぎた、ならば………
「うん、君達に我が国から連れ去られた民の救出と
それを斡旋している輩を突き止め、可能ならば排除をお願いしたい
けど、その前に………」
ロテールさんはそれまでの微笑を消し、一転真面目な顔になって
そのまま私の顔をじっと見据えて来る。
ロテールさんから感じる視線、それはあまりにも私にとってこの世界に来る前から日常的だったもので、それ故にロテールさんの真意を把握する。
とは言えそのままイニシアティブを持たれたままなのもちょっと悔しい。
なので言われる前にこっちから言ってしまおう。
「………私の力を示せ、という事ですか至高騎士殿?」
そう言って私は意地悪な笑みを浮かべ、ロテールさんを見据えた。
マリスの放った言葉にロテールさんは穏やかなの表情のまま返すけど
………目が笑ってなく結構鋭い視線だね、こりゃ疑われたかな?
マリスがの言葉により、比較的和やかだった雰囲気の至高騎士
達の気配ががらりと変わる。
何か一気に尋問風な雰囲気に早変わりだ、しかもすごく重苦しいね。
それを察知してか無表情を貫いてたリーゼの表情が一気に険しくなる。
フィルも強気な表情をしてるけど………よく見ると指の先が僅かに震えてる。
比較的この雰囲気に慣れてる私でも若干圧倒され気味になったんだから
慣れてないフィルが震えるのも無理は無いよね、むしろ良く
強気な表情を維持できるものだと褒めてあげたいくらい。
「フィル、リーゼ、怖い顔になってるよ
私達はやましい事なんてしてないだから、眉間に皺なんて寄せてちゃダメだよ」
私は2人を制しながらそっと震えてるフィルの指先を握る。
安心させようと思ってした行為だけど、フィルは一瞬だけ
へにゃッとした表情とした後直ぐにいつもの表情に戻る。
………見られてないよね、今の?
流石にこの雰囲気はちょっときついけど、変に横槍を入れて
会話をこじらせるのもマズいからここはマリスに任せた方がいいかな。
そう思ってマリスに視線を送るとマリスは「任せといてよ!!」と
言わんばかりのドヤ顔を返して来る。
予想はしてたけど、この状況も楽しんでるみたいだね………
心強いんだけど、面白そうだからって心臓に悪い選択肢ばかり
選ぶのはちょっと勘弁して欲しいかなぁ。
「まぁロテール兄ちゃんが人形達の宴にわざわざ訪ねて来た時から
マリスは違和感バリバリだったんだよね~
さっきも言ったけど、今の帝国と王国の関係を考えたら正直言って
王国の軍事の要である至高騎士が偽装までして帝国内に
潜入するなんてリスクが高すぎるんだよね。
潜入が疑われた時点で国家間の緊張が一気に高まるし、バレたらそれこそ
即開戦状態になってもおかしくない程のね
そんな綱渡り状態の事迄して潜入した理由が『鍛冶屋に会いに来ました』じゃ
流石にリスクとリターンが合ってなさすぎるよ」
マリスはドヤ顔のまま得意げに語り続ける。
「まぁあの偽装は念の入ったものだし、帝国の近衛魔導士クラスじゃないと
見破れないような見事な術式だから帝都内を歩くだけなら
バレる心配はないとは思うけどね、それでもリスクは高過ぎだと思うけど」
マリスの言葉にロテールさんの眉が一瞬つり上がる。
と言うかあの時そんな偽装をしてたんだ、確かにマリスは「偽装してる」
とは言ってたけど。
………ん?ちょっと待って、今偽装は念の入ったものって言ったよね?
そうするとマリスはそんな偽装を一目で見破ってたって訳!?
「恐らく『ケジン兄ちゃんに会いに来た』って理由は偽装が見破られたのを
察知してとっさに出た出まかせなんじゃないかな~とマリスは思うんだ。
確かに人形のメンテとかで5分前くらいにはいたし、それにケジン兄ちゃんの
お爺ちゃんは至高騎士の武器を作ったって
眉唾レベルだけど結構有名な噂があったしね
しかもその後本当に会いに行ってるから信憑性も高くなるしね」
そうなんだ、けど偽装を一目で見破るマリスもマリスだけど
それを一瞬で把握してとっさにそれっぽい理由で怪しまれないようにする
ロテールさんも大概だね………
「けど、ケジン兄ちゃんに会いに来たってのが偽り理由だとすると
何で態々人形達の宴に来たって話になるよね?
んで、その心当たりがあるかって言えば………」
………そういう事だね。
デューンさん達はどんな理由があるか知らないけど
奴隷娼婦の人達に料理を振舞っていた。
あの人達の人柄から慈善事業の一環かと思い込んでたけど
ロテールさんの視点から見れば確かに怪しいと思われても仕方ないね。
「ま、ただのマリスの推理だから間違ってるかもしれないけどね~
あははははは♪」
マリスはそう言って空気を読まずいつも通り高らかに笑う。
………下手すれば捕らえられても不思議じゃない状況で笑えるって
マリスのメンタルってホント凄いね、私も見習うべきかな。
さて、至高騎士さん達は豪胆に過ぎるマリスの態度を
どう受け取ったかな?
下手すると侮辱と取られかねない態度だけど、はてさて。
「………推論とは言え筋は通ってるし論理的だね
成程、君は見た目に反して相当油断ならない人物の様だ」
ロテールさんはそう言ってさらに鋭くなった眼光をマリスに向ける。
はっきり言って威圧に近い視線だ、こんなものを向けられたら
普通の人ならその視線だけで腰を抜かしてへたり込みそうだね。
実際視線を向けられてない私にもプレッシャーを感じるレベルだ
こんな視線と対峙するのは並大抵の修羅場なり潜ってないと
平然と受け流すことは難しいんだけど………
「そんな事ないよ~、マリスは何処にでもいる普通の魔導士だよ~
あははははは♪」
ロテールさんの人を威圧させることが出来そうな視線を向けられてなお
マリスは飄々とした様子を崩さない。
「アイツ、至高騎士に睨まれてるって言うのに
何でそんなに余裕なのよ………」
フィルがぼそりと呟く。
「トラブル好きのマリスの事だから今の状況を楽しんでるだけだと思うよ
あんな人達とこんな風に対峙する機会なんてほぼ無いだろうしね」
その呟きに私は小声で返しマリスの表情を見る。
虚勢を張ってる様子もない、いつも通り飄々とした笑顔を浮かべてるマリスだ。
うん、この状況を心底楽しんでる様にしか見えないね。
威圧な視線を送り続けるロテールさんにそれを受け流し続けるマリス。
この重苦しい雰囲気が永遠に続くのかと思った瞬間
「………ふぅ、ここまで飄々と受け流されるとはね
これが演技だったら大したものだ」
ロテールさんはため息1つ吐き、表情を和らげる。
それと同時に部屋内を支配していた重苦しい雰囲気が霧消する。
「いやいや、流石の至高騎士からのガン付けに
笑うしかなくなってただけだよ、あはははははは♪」
マリスの返事に思わず「どの口が言うか!!」と突っ込みたくなるのを堪え
私はフィルとリーゼに向かって苦笑いをする。
フィルは呆れたようにため息を吐き、リーゼは警戒を解いて普段の表情に戻る。
「………ロティ、流石にやり過ぎよ
可能性がゼロじゃ無いとは言え、この子達を威圧する必要は無かったはずよ」
状況を静観していたレティツィアさんも
頬に手を当てながら呆れ気味にロテールさんに言う。
「確かに、のせられたとは言え大人げなかったね
君達、不快な雰囲気にさせて申し訳ないね」
ロテールさんはそう言って私達に向き、頭を少し下げる。
「いえ、お気になさらず
私を含め、こういう雰囲気には慣れていますから」
「そう言って貰えると助かるよ」
私は笑顔を浮かべてフォローするとロテールさんは少し苦笑をして返す。
けど、私は敢えてそのままの口調で次の言葉を放つ。
「それに、状況は大体理解出来ました。
………貴方が私達に何をやらせたいのかも」
今のマリスとの会話を聞く限り、ロテールさんが帝都内に潜入してたのは
王国から連れ去られ、帝都で奴隷娼婦とされている
人たちの事を調べ、奪還する事だろう。
だけど、偽装をしていたとはいえ至高騎士が帝国内で行動するには
余りにも自由が利かなさ過ぎた、ならば………
「うん、君達に我が国から連れ去られた民の救出と
それを斡旋している輩を突き止め、可能ならば排除をお願いしたい
けど、その前に………」
ロテールさんはそれまでの微笑を消し、一転真面目な顔になって
そのまま私の顔をじっと見据えて来る。
ロテールさんから感じる視線、それはあまりにも私にとってこの世界に来る前から日常的だったもので、それ故にロテールさんの真意を把握する。
とは言えそのままイニシアティブを持たれたままなのもちょっと悔しい。
なので言われる前にこっちから言ってしまおう。
「………私の力を示せ、という事ですか至高騎士殿?」
そう言って私は意地悪な笑みを浮かべ、ロテールさんを見据えた。
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