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冒険者の狂想曲《カプリッチオ》
新たなる依頼
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「えーっと何々、トロールの殲滅?
場所は、えっとシェリンの町………って帝国の西端じゃない
また遠いとこね」
フィルが依頼書を読み上げる。
ふむ、トロールって北欧の妖精にそんなのがいるって本で見た記憶があるけど。
「む、あの無駄に大きくて臭い奴らかぁ
確かに町の近くに居ついちゃったら殲滅しないとだけど
何でまたこれをマリス達に?トロール退治って確か
レベル30からぐらいだったよね?
マリス達まだ平均レベル10も行ってないんだけど?」
………何か思ってたのと違うね、巨人みたいな感じの奴なのかな?
体格差があるとなるとまた攻撃が通じにくそうだね。
「そうなんですけど、先に依頼を受けた冒険者が何やら
揉め事を起こしているらしくて、町のギルドから救援要請が出てるんですよ」
「揉め事って………一体何をやらかしてるの、その冒険者達」
私の問いにアイシャちゃんは困った顔をして
「どうやら報酬の値上げを要求してるみたいなんです
でないとトロール退治はしないぞって」
「何でまた、報酬はギルドが提示してそれで納得して受けたんじゃないの?」
意外だね、ギルドとして取り仕切ってる以上そう言う事はさせない
風になってるのかと思ってたけど。
「実は、こういう事はよくあるんです。
帝都から離れた場所にある町や村は治安維持の兵士が少なめなので
その近くに魔物が出没したら冒険者に頼らざるを得ないんです。
そこに目を付けた冒険者達が依頼を受けるだけ受けた後、他冒険者達を
中々たどり着けない様にして現地に行き、そこで『早く退治して欲しければ
報酬を上乗せしろ』と要求するんです」
うわ~、お金稼ぎとしては理にかなってるけど
本末転倒に近い事やってるね、それで奇襲なんかされたら町の危機だよ。
それに、そんな事を繰り返してたら信用問題になって仕事を回して
貰えなくなる可能性もあるのに、浅はかな事をするね。
それだったら退治して交渉する方がよっぽどマシだよね。
「成程ね、それでマリス達にお話が回って来たんだ
マリス達ならリーゼに乗ってひとっ飛びだから」
「はい、ママは恐らくレンさん達が現地に着くことでゴネてる冒険者達を
焚きつけてトロール退治させたいんだと思います。
実力は兎も角、本来ならマリスさんの言う通りレベル的にトロール退治を
依頼する訳にはいきませんから」
ふむふむ、それならば私達向きの依頼と言えるかも。
話通りにいけば何も危険はない訳だけど………
「もしその冒険者達が失敗してトロール退治が出来なかったら
それを私達を引き継いでも構わないの?」
「はい、その為に依頼内容が『トロール退治』なんです
それにその依頼書を見せれば冒険者達にプレッシャーをかけることも
出来ますから」
成程、マイーダさん考えてるね。
まぁ、それくらいじゃないと荒くれ者だらけのギルドマスターなんて
やってられないか。
「トロール退治をする事になってもならなくても報酬は支払います
受けて貰えるとギルドとしては助かるんですが………」
「どうする?レン」
フィルが私に水を向けてくる。
さて、どうしたものかな。
「トロールとの戦闘に関しては心配しなくていいよ~
このメンバーなら10匹以上相手にしても勝てると思うし
ぶっちゃけ私達ってレベル詐欺なんだよね、あははははは」
ふむ、最悪を想定してトロールと戦う事になっても何とかなりそうなのね。
だったらお金も潤沢にある訳じゃないし、何よりギルドからの信頼を得なきゃ
お仕事回してもらえなくなるかもだし、ここは受けたほうが賢明かな。
「分かった、この依頼受けようと思うけど皆はそれでいいかな?」
多分みんな反対しないだろうけど、一応聞いてみる。
「律儀ねレン、けどその気遣いは嬉しいわ
私は勿論賛成よ」
「マリスも異議なしだよ~
さてさて、今回はどんなお楽しみがあるかな~」
「我はマスターに従うのみです
どうぞ、思うがまま我の力をお使いください」
「………ありがと。それじゃアイシャちゃん依頼受諾の手続きお願いね
出発は早い方がいいかな?」
「任せてください、それと出発は早めでお願いします
ゴネた条件を了承されるとギルドとしても不都合なので」
まぁそだね、一度例外を出したらエスカレートするのが人間って生き物だ。
そうなると組織破綻の切っ掛けにもなりかねない、ギルドとしても
何としても阻止したいだろうね。
「それじゃ明日の朝には出発しよっか
みんな、今日のうちに各自準備と体調管理宜しくね」
私の言葉に皆が頷き、それぞれ準備を始める。
さて、私も気を引き締めていきますかね。
………
………………
………………………
「うっは~!!こりゃ凄いね
見晴らしもいいしさいこーう、あはははははは!!」
「あ………アンタよくこんなとこで騒げるわね!!」
翌日、私達は帝国西端の町シェリンに向かう為、龍に戻ったリーゼの背中に乗り
空の旅を敢行していた。
「え~っと、方角はこのままでいいんだよね」
「うん、このままっ直ぐ進んで行けば多分街が見えると思うよ~」
「そっか、リーゼこのままの方角でお願いね」
「分かりました」
私とマリスは地図を見ながらリーゼに指示を出し、方角の調整をする。
確認の為にリーゼの背中から身を乗り出して下を覗くと
それらしき町はまだ見えない、もう少しかかりそうかな。
「レ………レン!!そんな身を乗り出したらあ、危ないわよ!!
落ちるから!!絶対落ちるから!!」
そしてフィルはどうも高いところが苦手らしく、青い顔をして
私の左腕にしがみついたままだ。
こんなとこで何もないとは思うけど利き腕を塞ぐのは止めて欲しいなぁ
「大丈夫だよフィル、マリスが落下防止用に何か魔法かけてるんでしょ?
リーゼも保証してくれてたし落ちる事は無いって」
「で、でも………でもぉ」
涙目になりながらまるで小さな子供の様に見上げてくるフィル。
強気な表情ばかりだったからこんなフィルはちょっと新鮮かも。
「フィルミールお姉ちゃん可愛いね~
いつもそんな感じだったらもうちょっとレン姉ちゃんに
可愛がって貰えたかもしれないよ~、あはははははは」
「う、うるさい!!」
マリスのからかいセリフに涙目になりながらもフィルが噛みつく。
仲がいい2人だよね、ホント。
「あの、我の背であまり騒がないで貰えないでしょうか………
飛ぶのに集中できないので」
2人の騒ぎにリーゼが抗議の声を上げる。
ああっと、これは悪い事をしたね。
「ゴメンリーゼ、ほらフィル私にしがみ付いてていいから騒がないで
後マリスもほどほどにね」
「はいは~い、ゴメンねリーゼ、楽しくってついはしゃいじゃって」
「ううう………ホントに落ちないでよ」
「貴方達が騒がなければ落ちはしません、マスター
その2人を宜しくお願いします」
「うん、分かったよ」
そう口にしてリーゼは飛行に集中する。
町に着くのはもう少しかかりそうだね。
………
………………
………………………
「シュリンの町にとうちゃ~く
いやはやすっごい早く着いたよね、あはははは」
数十分後、上空で街を見つけた私達は、周辺の人気のない所へリーゼに降りて貰い
人化させて服を着せ、シュリンの町に入った。
「ふ~ん、流石に帝都と比べると活気は少ないけど
思ってより発展してる町ね」
すっかり普段の調子に戻ったフィルが街を見回して呟く。
ここって帝国の西の端って聞いてたけど。
「ここは魔導協会が近いから魔晶石の流通が盛んなんだよ
帝国の魔晶石の3割くらいはここで取引されてるんじゃないかな?」
成程、商業都市って感じなのね。
確かに町の作りとかが帝都と違って無秩序に店が広がってる感じだ。
遠目に見ると言われた通り魔晶石を並べてる露店が多い。
何となく目の前の露店にある魔晶石を手に取って見てみる。
「あ、その魔晶石落とさないでね
触るのは構わないけど衝撃を与えると爆発する様に調整してるから」
いきなり物騒な事を言う露店の店主。
ちょっ、そんな物騒な物目の前に置かないで欲しいんだけど!!
恐る恐る戻そうとするとマリスがそれを横から搔っ攫い
「面白そうな魔晶石だね、おっちゃんこれいくら?」
「それかい?2000ルクルでいいよ」
「お、中々良心的な値段だね。他にも同じようなのある?」
「あ~、それ1つしかねぇんだわ、悪いな」
「そっか、んじゃお金ね」
「毎度~」
マリスはあっという間にその魔晶石を買い、懐にしまってしまう。
「あ………アンタ、よくそんな物騒な物を平気な顔して懐に入れるわね。」
「だいじょぶだいじょぶ、直ぐに触媒として使うつもりだから
いや~、これでマリスの野望へ1歩近づいたよ♪」
「野望って………アンタホントに何なのよ」
フィルが呆れ顔でマリスを見ながらため息を突く。
ま、まぁマリスの事だから大丈夫だと思うけど誤爆だけは止めてね?
「け、けど、そんな発展してる町なのに冒険者は少ないんだね
魔晶石を売りに居ついてる冒険者もいるものだと思うけど」
気を取り直して周囲を見回して私が呟く。
けど、その呟きにマリスは首を振り
「確かに魔晶石の取引が盛んだけど依頼自体が少ないんだと思うよ
魔物討伐何かは魔晶石狙いの協会魔導士が速攻で倒しちゃうしね」
「けど、今回のトロールは協会とやらは動いてないっぽいけど?」
「あ~、トロールはあんまりいい魔晶石持ってないんだよ
それに魔法も効き辛い上に結構な再生能力持ってるからね
魔導士としてはあまり戦いたくない相手なんだよ」
成程ね、それを見越して依頼を受けた冒険者がゴネてると。
「成程ね、大まかな事情は分かったよ
取りあえずはギルドに行こっか、そこで詳しい話を聞いてみよう」
「そうね、タイミングが良ければゴネてる場面に遭遇出来るかもだしね」
私達はそう結論付け、この街の冒険者ギルドに向かって歩き出した。
場所は、えっとシェリンの町………って帝国の西端じゃない
また遠いとこね」
フィルが依頼書を読み上げる。
ふむ、トロールって北欧の妖精にそんなのがいるって本で見た記憶があるけど。
「む、あの無駄に大きくて臭い奴らかぁ
確かに町の近くに居ついちゃったら殲滅しないとだけど
何でまたこれをマリス達に?トロール退治って確か
レベル30からぐらいだったよね?
マリス達まだ平均レベル10も行ってないんだけど?」
………何か思ってたのと違うね、巨人みたいな感じの奴なのかな?
体格差があるとなるとまた攻撃が通じにくそうだね。
「そうなんですけど、先に依頼を受けた冒険者が何やら
揉め事を起こしているらしくて、町のギルドから救援要請が出てるんですよ」
「揉め事って………一体何をやらかしてるの、その冒険者達」
私の問いにアイシャちゃんは困った顔をして
「どうやら報酬の値上げを要求してるみたいなんです
でないとトロール退治はしないぞって」
「何でまた、報酬はギルドが提示してそれで納得して受けたんじゃないの?」
意外だね、ギルドとして取り仕切ってる以上そう言う事はさせない
風になってるのかと思ってたけど。
「実は、こういう事はよくあるんです。
帝都から離れた場所にある町や村は治安維持の兵士が少なめなので
その近くに魔物が出没したら冒険者に頼らざるを得ないんです。
そこに目を付けた冒険者達が依頼を受けるだけ受けた後、他冒険者達を
中々たどり着けない様にして現地に行き、そこで『早く退治して欲しければ
報酬を上乗せしろ』と要求するんです」
うわ~、お金稼ぎとしては理にかなってるけど
本末転倒に近い事やってるね、それで奇襲なんかされたら町の危機だよ。
それに、そんな事を繰り返してたら信用問題になって仕事を回して
貰えなくなる可能性もあるのに、浅はかな事をするね。
それだったら退治して交渉する方がよっぽどマシだよね。
「成程ね、それでマリス達にお話が回って来たんだ
マリス達ならリーゼに乗ってひとっ飛びだから」
「はい、ママは恐らくレンさん達が現地に着くことでゴネてる冒険者達を
焚きつけてトロール退治させたいんだと思います。
実力は兎も角、本来ならマリスさんの言う通りレベル的にトロール退治を
依頼する訳にはいきませんから」
ふむふむ、それならば私達向きの依頼と言えるかも。
話通りにいけば何も危険はない訳だけど………
「もしその冒険者達が失敗してトロール退治が出来なかったら
それを私達を引き継いでも構わないの?」
「はい、その為に依頼内容が『トロール退治』なんです
それにその依頼書を見せれば冒険者達にプレッシャーをかけることも
出来ますから」
成程、マイーダさん考えてるね。
まぁ、それくらいじゃないと荒くれ者だらけのギルドマスターなんて
やってられないか。
「トロール退治をする事になってもならなくても報酬は支払います
受けて貰えるとギルドとしては助かるんですが………」
「どうする?レン」
フィルが私に水を向けてくる。
さて、どうしたものかな。
「トロールとの戦闘に関しては心配しなくていいよ~
このメンバーなら10匹以上相手にしても勝てると思うし
ぶっちゃけ私達ってレベル詐欺なんだよね、あははははは」
ふむ、最悪を想定してトロールと戦う事になっても何とかなりそうなのね。
だったらお金も潤沢にある訳じゃないし、何よりギルドからの信頼を得なきゃ
お仕事回してもらえなくなるかもだし、ここは受けたほうが賢明かな。
「分かった、この依頼受けようと思うけど皆はそれでいいかな?」
多分みんな反対しないだろうけど、一応聞いてみる。
「律儀ねレン、けどその気遣いは嬉しいわ
私は勿論賛成よ」
「マリスも異議なしだよ~
さてさて、今回はどんなお楽しみがあるかな~」
「我はマスターに従うのみです
どうぞ、思うがまま我の力をお使いください」
「………ありがと。それじゃアイシャちゃん依頼受諾の手続きお願いね
出発は早い方がいいかな?」
「任せてください、それと出発は早めでお願いします
ゴネた条件を了承されるとギルドとしても不都合なので」
まぁそだね、一度例外を出したらエスカレートするのが人間って生き物だ。
そうなると組織破綻の切っ掛けにもなりかねない、ギルドとしても
何としても阻止したいだろうね。
「それじゃ明日の朝には出発しよっか
みんな、今日のうちに各自準備と体調管理宜しくね」
私の言葉に皆が頷き、それぞれ準備を始める。
さて、私も気を引き締めていきますかね。
………
………………
………………………
「うっは~!!こりゃ凄いね
見晴らしもいいしさいこーう、あはははははは!!」
「あ………アンタよくこんなとこで騒げるわね!!」
翌日、私達は帝国西端の町シェリンに向かう為、龍に戻ったリーゼの背中に乗り
空の旅を敢行していた。
「え~っと、方角はこのままでいいんだよね」
「うん、このままっ直ぐ進んで行けば多分街が見えると思うよ~」
「そっか、リーゼこのままの方角でお願いね」
「分かりました」
私とマリスは地図を見ながらリーゼに指示を出し、方角の調整をする。
確認の為にリーゼの背中から身を乗り出して下を覗くと
それらしき町はまだ見えない、もう少しかかりそうかな。
「レ………レン!!そんな身を乗り出したらあ、危ないわよ!!
落ちるから!!絶対落ちるから!!」
そしてフィルはどうも高いところが苦手らしく、青い顔をして
私の左腕にしがみついたままだ。
こんなとこで何もないとは思うけど利き腕を塞ぐのは止めて欲しいなぁ
「大丈夫だよフィル、マリスが落下防止用に何か魔法かけてるんでしょ?
リーゼも保証してくれてたし落ちる事は無いって」
「で、でも………でもぉ」
涙目になりながらまるで小さな子供の様に見上げてくるフィル。
強気な表情ばかりだったからこんなフィルはちょっと新鮮かも。
「フィルミールお姉ちゃん可愛いね~
いつもそんな感じだったらもうちょっとレン姉ちゃんに
可愛がって貰えたかもしれないよ~、あはははははは」
「う、うるさい!!」
マリスのからかいセリフに涙目になりながらもフィルが噛みつく。
仲がいい2人だよね、ホント。
「あの、我の背であまり騒がないで貰えないでしょうか………
飛ぶのに集中できないので」
2人の騒ぎにリーゼが抗議の声を上げる。
ああっと、これは悪い事をしたね。
「ゴメンリーゼ、ほらフィル私にしがみ付いてていいから騒がないで
後マリスもほどほどにね」
「はいは~い、ゴメンねリーゼ、楽しくってついはしゃいじゃって」
「ううう………ホントに落ちないでよ」
「貴方達が騒がなければ落ちはしません、マスター
その2人を宜しくお願いします」
「うん、分かったよ」
そう口にしてリーゼは飛行に集中する。
町に着くのはもう少しかかりそうだね。
………
………………
………………………
「シュリンの町にとうちゃ~く
いやはやすっごい早く着いたよね、あはははは」
数十分後、上空で街を見つけた私達は、周辺の人気のない所へリーゼに降りて貰い
人化させて服を着せ、シュリンの町に入った。
「ふ~ん、流石に帝都と比べると活気は少ないけど
思ってより発展してる町ね」
すっかり普段の調子に戻ったフィルが街を見回して呟く。
ここって帝国の西の端って聞いてたけど。
「ここは魔導協会が近いから魔晶石の流通が盛んなんだよ
帝国の魔晶石の3割くらいはここで取引されてるんじゃないかな?」
成程、商業都市って感じなのね。
確かに町の作りとかが帝都と違って無秩序に店が広がってる感じだ。
遠目に見ると言われた通り魔晶石を並べてる露店が多い。
何となく目の前の露店にある魔晶石を手に取って見てみる。
「あ、その魔晶石落とさないでね
触るのは構わないけど衝撃を与えると爆発する様に調整してるから」
いきなり物騒な事を言う露店の店主。
ちょっ、そんな物騒な物目の前に置かないで欲しいんだけど!!
恐る恐る戻そうとするとマリスがそれを横から搔っ攫い
「面白そうな魔晶石だね、おっちゃんこれいくら?」
「それかい?2000ルクルでいいよ」
「お、中々良心的な値段だね。他にも同じようなのある?」
「あ~、それ1つしかねぇんだわ、悪いな」
「そっか、んじゃお金ね」
「毎度~」
マリスはあっという間にその魔晶石を買い、懐にしまってしまう。
「あ………アンタ、よくそんな物騒な物を平気な顔して懐に入れるわね。」
「だいじょぶだいじょぶ、直ぐに触媒として使うつもりだから
いや~、これでマリスの野望へ1歩近づいたよ♪」
「野望って………アンタホントに何なのよ」
フィルが呆れ顔でマリスを見ながらため息を突く。
ま、まぁマリスの事だから大丈夫だと思うけど誤爆だけは止めてね?
「け、けど、そんな発展してる町なのに冒険者は少ないんだね
魔晶石を売りに居ついてる冒険者もいるものだと思うけど」
気を取り直して周囲を見回して私が呟く。
けど、その呟きにマリスは首を振り
「確かに魔晶石の取引が盛んだけど依頼自体が少ないんだと思うよ
魔物討伐何かは魔晶石狙いの協会魔導士が速攻で倒しちゃうしね」
「けど、今回のトロールは協会とやらは動いてないっぽいけど?」
「あ~、トロールはあんまりいい魔晶石持ってないんだよ
それに魔法も効き辛い上に結構な再生能力持ってるからね
魔導士としてはあまり戦いたくない相手なんだよ」
成程ね、それを見越して依頼を受けた冒険者がゴネてると。
「成程ね、大まかな事情は分かったよ
取りあえずはギルドに行こっか、そこで詳しい話を聞いてみよう」
「そうね、タイミングが良ければゴネてる場面に遭遇出来るかもだしね」
私達はそう結論付け、この街の冒険者ギルドに向かって歩き出した。
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