35 / 134
2-14 そんな事実は知りたくない
しおりを挟む
「やっぱりそうか……」
あかりはそう呟いて、魔法で作った剣を消滅させた。レックスはやれやれと起き上がってソファにどっかり座る。腰をしきりに叩いていた。
「え、ん、どういうこと? 何一つ分かんないんだけど?」
理解の早いあかりと対照的に、私にはレックスの説明が一つも分からなかった。いつもとはまるで逆だ。
「もう一度言うぞ? 三百年に一度、女王の歌声から蜜をとって、ハニーナっていうモンスターに供えにゃならん。だから、誘拐した。これは、国王に頼まれたんだ。代理の王様ではあるが、昔からよく面倒を見てやったもんで、協力してやろうと思ってな」
「それはさっき聞いたわ。それで、なんで、マナをさらうのか、分かんないって言ってるんだけど?」
「ほぁ?」
「は?」
レックスと私は首を傾げ、唯一、事情の分かっていて、それでいて楽しげなあかりの方を見る。まゆはまだ寝ていたが、起きるまで放っておいていいだろう。
「えー、どーしよっか──」
「早く言いなさい」
「……じゃあ、言っちゃうけどさ──女王って、アイちゃんのことだよ?」
「…………………………………………は?」
「沈黙が長い!」
「は?」
「気持ちはすごく分かるけど、頑張ってのみこんで!」
「のみこむのみこむ……いいえ、理解不能。無理ね」
「マナって、そんなに女王っぽくなかったか?」
「うーん。まあ、色々あったからさ」
「……それだけで変わるほど、あの子は弱くないと思ったけどな」
「だから、色々なんだって」
「そうかぁ……」
レックスが後頭部をガシガシかいた。もう、目に入るものを追うので精一杯だ。
「つまり、逃亡中の『王女』っていうのが、アイちゃんなんだよ」
「……千里、いえ、万里譲って、それが事実だとしても、なんで学校に通ってて、今まで普通に過ごしてたの?」
「ノア学園の経営者が魔族だからだよ。隠れ魔族も結構多いみたいだし、身柄を隠すには一番いいんだってさ。単に、頭がいい学校ってだけじゃないんだよ──って、まなちゃんが教えてくれたんじゃなかったっけ?」
教えた可能性は大いにある。あかりから聞く以前に知っていたからだ。だが、そういうことを言っているわけではない。脳が理解を拒んでいる。拒否反応だ。
「ほら、マナ・クラン・ゴールスファじゃん。この国、ルスファって、名前でしょ? あと、クランは王位継承者の称号」
「逃げ場が失われていくわね……」
「それにさ、アイちゃん、なんでもできるって気しない? 未来の王様として、色々と習得してるんだよ」
言われてみると、確かに、そうかもしれない。授業中は寝ているか、落書きしているかのどっちかなのに、テストは毎回満点だし。よく色んな部活から助っ人を頼まれている上、体育でも活躍している。足も速い。魔法もすごくできる。そして、可愛い上に、女性的な起伏に富んだ体型をしており──、
「全然気づかなかったわ……! むしろ、弱点とかなくない? 宝石を片手で潰すくらいにはお金にも困ってなさそうだし、いいえ、王族だから当たり前ね……。あ、朝が弱いとか!」
「あれはねえ、起きる気がないだけで、放っておけば、一人で起きられるんだよねえ。ま、王様の朝は早いからさ」
「ええぇ……!?」
毎朝起こす、あの苦労が無駄骨の可能性を指摘され、全身から力が抜けたかのように私は項垂れる。
「あ、そういえば、料理は? 前に、あたしが風邪引いたとき、すごいものができてた記憶があるんだけど」
「あれね。アイちゃん、お姫様だから、料理したことないんだよね」
「それを言われると……」
私も最初からできたかと言われると、そうではない。昔は釣ってきた魚を炭にして食べたりしていた。そこは勝てるポイントに入れてもいい気がするのだが、マナが練習して上手くなったら勝てない気しかしないので、プライド的に、却下。
「まあ、それはひとまず置いておくとして。マナの……女王の歌声を蜜にする、三百年に一度の行事ってことは、多分、相当大きなお祭りですよね?」
「その通りだ。とはいえ、王都っつっても広いからな。中心、つまり、城に近づくほど、審査が厳しくなる仕組みだ。祭りに参加しようと思ったら、中心に向かって、あと二つ、門を超えなきゃならん」
王都は円形になっている。門が二つということは、つまり、同心円状に、王都が三つの区画に分かれているということだろうか。
「なるほどねえ。つまり、アイちゃんはそこにいるってわけだ」
王女であり、次期女王であるというのが事実ならば、当然、王都の中心、王城にマナはいることになる。正直、まだ疑っているけれど、いずれにしても、一度、マナに会ってみないことにはどうにもならない。
「それで、どうすんだ?」
「どうするって?」
「じゃあ聞くが、お前さんたち、二つも門を突破できると思うか? あかりは論外として、まな二号。お前さんは何か後ろめたいこととかないのか?」
二号はやめてほしいと言ったはずなのだが。まあ、レックスには何を言っても無駄だろう。本当に嫌なのだが、諦めるしかなさそうだ。まゆについては触れなかったが、ご覧の通り。好奇心のままに行動するため、前科などいくらでもある。民家に侵入したりとか。お店のものを持ってきたりとか。
私の場合もそうだ。魔族であるということを抜きにしても、掘り返されたくない過去はある。
「門を通るときには過去の洗いざらいを調べられる。家庭環境とか、人間関係なんてのもな。一つでも問題だと思われる事項が見つかれば、通ることはできない。とはいえ、オレみたいな例外もいるにはいる」
「王様の奴隷は別ってことね」
「奴隷じゃねえっつの!」
なんの問題もなく、ただ平和に暮らしてきた人間など、果たしてこの世に何人いるだろうか。加えて、人間関係も調べられるそうだから、周りに問題のある人がいては入れないということ。そうなると、ますます、入るのは難しいだろう。
「とりあえず、試すだけ試してみましょう」
「僕は遠慮しておくよ。まなちゃんだけで行ってきて」
あかりは行くとは言わなかった。確かに、彼の素行の悪さなど、今に始まったことではないが、王都入口で私に試してみろとしつこく誘ったわりに、やけに、諦めがいい。
「本当に行かないわけ?」
「うん。絶対通れない自信があるからね。まあ、他の方法で入れないか考えてみるよ」
それは法律に触れるのではないか。
しかし、マナは誘拐されているのだ。本来ならルールの中で戦うべきだが、ここは相手のやり方に合わせることとしよう、と、私は無理やり自分を落ち着かせる。
「それで、その門とやらはどこにあるわけ?」
「一番近いところだと、ここから歩いて一時間くらいか?」
「は? え、ちょっと待って。……もしかして、乗り物とかないの?」
「唯一、馬車がある。だが、速度制限があるからな、人が歩くのと大して変わらん」
車が空を飛ぶ時代に、馬で移動している人が国内にいるなどと、誰が予想しようか。あかりが言うように、本当にトレリアンはど田舎なのかもしれない。というよりも、田舎を超えている。超田舎だ。
「文句なんて言ってられないわね。──その辺の馬車を拾えばいいの?」
「そうだな。ヒッチハイクってやつだ。まあ、今の時期は門に直接向かうやつらも多いだろうし、なんとかなるだろ。頑張れよ」
私はレックスとあかりとともに外に出る。というのも、私一人ではここから降りられないからだ。
「じゃあ、お姉ちゃんをよろしくね」
そうして私は鞄に掴まり、下に降ろしてもらった。行動するなら、早い方がいいだろう。そうして、私は馬車の見えるところに向かって、歩き始めた。
──まなが去った後。
「……行きはいいけど、帰るのめちゃくちゃ大変じゃない?」
「無理やり馬車の流れに逆らって進むか、流れに従って一周するか。どっちにしろ、早くても六時間はかかるだろうな」
馬車の流れに逆らうのも不可能ではないが、ほとんどの道で歩道が整備されておらず、地面はブロック状の石を合わせて作られており、平らではない。馬車が通るだけで地響きがするような場所だ。危険であることに変わりはないだろう。
「ほんっと、性格悪いよね……」
「なんとでも言えぃ」
あかりはそう呟いて、魔法で作った剣を消滅させた。レックスはやれやれと起き上がってソファにどっかり座る。腰をしきりに叩いていた。
「え、ん、どういうこと? 何一つ分かんないんだけど?」
理解の早いあかりと対照的に、私にはレックスの説明が一つも分からなかった。いつもとはまるで逆だ。
「もう一度言うぞ? 三百年に一度、女王の歌声から蜜をとって、ハニーナっていうモンスターに供えにゃならん。だから、誘拐した。これは、国王に頼まれたんだ。代理の王様ではあるが、昔からよく面倒を見てやったもんで、協力してやろうと思ってな」
「それはさっき聞いたわ。それで、なんで、マナをさらうのか、分かんないって言ってるんだけど?」
「ほぁ?」
「は?」
レックスと私は首を傾げ、唯一、事情の分かっていて、それでいて楽しげなあかりの方を見る。まゆはまだ寝ていたが、起きるまで放っておいていいだろう。
「えー、どーしよっか──」
「早く言いなさい」
「……じゃあ、言っちゃうけどさ──女王って、アイちゃんのことだよ?」
「…………………………………………は?」
「沈黙が長い!」
「は?」
「気持ちはすごく分かるけど、頑張ってのみこんで!」
「のみこむのみこむ……いいえ、理解不能。無理ね」
「マナって、そんなに女王っぽくなかったか?」
「うーん。まあ、色々あったからさ」
「……それだけで変わるほど、あの子は弱くないと思ったけどな」
「だから、色々なんだって」
「そうかぁ……」
レックスが後頭部をガシガシかいた。もう、目に入るものを追うので精一杯だ。
「つまり、逃亡中の『王女』っていうのが、アイちゃんなんだよ」
「……千里、いえ、万里譲って、それが事実だとしても、なんで学校に通ってて、今まで普通に過ごしてたの?」
「ノア学園の経営者が魔族だからだよ。隠れ魔族も結構多いみたいだし、身柄を隠すには一番いいんだってさ。単に、頭がいい学校ってだけじゃないんだよ──って、まなちゃんが教えてくれたんじゃなかったっけ?」
教えた可能性は大いにある。あかりから聞く以前に知っていたからだ。だが、そういうことを言っているわけではない。脳が理解を拒んでいる。拒否反応だ。
「ほら、マナ・クラン・ゴールスファじゃん。この国、ルスファって、名前でしょ? あと、クランは王位継承者の称号」
「逃げ場が失われていくわね……」
「それにさ、アイちゃん、なんでもできるって気しない? 未来の王様として、色々と習得してるんだよ」
言われてみると、確かに、そうかもしれない。授業中は寝ているか、落書きしているかのどっちかなのに、テストは毎回満点だし。よく色んな部活から助っ人を頼まれている上、体育でも活躍している。足も速い。魔法もすごくできる。そして、可愛い上に、女性的な起伏に富んだ体型をしており──、
「全然気づかなかったわ……! むしろ、弱点とかなくない? 宝石を片手で潰すくらいにはお金にも困ってなさそうだし、いいえ、王族だから当たり前ね……。あ、朝が弱いとか!」
「あれはねえ、起きる気がないだけで、放っておけば、一人で起きられるんだよねえ。ま、王様の朝は早いからさ」
「ええぇ……!?」
毎朝起こす、あの苦労が無駄骨の可能性を指摘され、全身から力が抜けたかのように私は項垂れる。
「あ、そういえば、料理は? 前に、あたしが風邪引いたとき、すごいものができてた記憶があるんだけど」
「あれね。アイちゃん、お姫様だから、料理したことないんだよね」
「それを言われると……」
私も最初からできたかと言われると、そうではない。昔は釣ってきた魚を炭にして食べたりしていた。そこは勝てるポイントに入れてもいい気がするのだが、マナが練習して上手くなったら勝てない気しかしないので、プライド的に、却下。
「まあ、それはひとまず置いておくとして。マナの……女王の歌声を蜜にする、三百年に一度の行事ってことは、多分、相当大きなお祭りですよね?」
「その通りだ。とはいえ、王都っつっても広いからな。中心、つまり、城に近づくほど、審査が厳しくなる仕組みだ。祭りに参加しようと思ったら、中心に向かって、あと二つ、門を超えなきゃならん」
王都は円形になっている。門が二つということは、つまり、同心円状に、王都が三つの区画に分かれているということだろうか。
「なるほどねえ。つまり、アイちゃんはそこにいるってわけだ」
王女であり、次期女王であるというのが事実ならば、当然、王都の中心、王城にマナはいることになる。正直、まだ疑っているけれど、いずれにしても、一度、マナに会ってみないことにはどうにもならない。
「それで、どうすんだ?」
「どうするって?」
「じゃあ聞くが、お前さんたち、二つも門を突破できると思うか? あかりは論外として、まな二号。お前さんは何か後ろめたいこととかないのか?」
二号はやめてほしいと言ったはずなのだが。まあ、レックスには何を言っても無駄だろう。本当に嫌なのだが、諦めるしかなさそうだ。まゆについては触れなかったが、ご覧の通り。好奇心のままに行動するため、前科などいくらでもある。民家に侵入したりとか。お店のものを持ってきたりとか。
私の場合もそうだ。魔族であるということを抜きにしても、掘り返されたくない過去はある。
「門を通るときには過去の洗いざらいを調べられる。家庭環境とか、人間関係なんてのもな。一つでも問題だと思われる事項が見つかれば、通ることはできない。とはいえ、オレみたいな例外もいるにはいる」
「王様の奴隷は別ってことね」
「奴隷じゃねえっつの!」
なんの問題もなく、ただ平和に暮らしてきた人間など、果たしてこの世に何人いるだろうか。加えて、人間関係も調べられるそうだから、周りに問題のある人がいては入れないということ。そうなると、ますます、入るのは難しいだろう。
「とりあえず、試すだけ試してみましょう」
「僕は遠慮しておくよ。まなちゃんだけで行ってきて」
あかりは行くとは言わなかった。確かに、彼の素行の悪さなど、今に始まったことではないが、王都入口で私に試してみろとしつこく誘ったわりに、やけに、諦めがいい。
「本当に行かないわけ?」
「うん。絶対通れない自信があるからね。まあ、他の方法で入れないか考えてみるよ」
それは法律に触れるのではないか。
しかし、マナは誘拐されているのだ。本来ならルールの中で戦うべきだが、ここは相手のやり方に合わせることとしよう、と、私は無理やり自分を落ち着かせる。
「それで、その門とやらはどこにあるわけ?」
「一番近いところだと、ここから歩いて一時間くらいか?」
「は? え、ちょっと待って。……もしかして、乗り物とかないの?」
「唯一、馬車がある。だが、速度制限があるからな、人が歩くのと大して変わらん」
車が空を飛ぶ時代に、馬で移動している人が国内にいるなどと、誰が予想しようか。あかりが言うように、本当にトレリアンはど田舎なのかもしれない。というよりも、田舎を超えている。超田舎だ。
「文句なんて言ってられないわね。──その辺の馬車を拾えばいいの?」
「そうだな。ヒッチハイクってやつだ。まあ、今の時期は門に直接向かうやつらも多いだろうし、なんとかなるだろ。頑張れよ」
私はレックスとあかりとともに外に出る。というのも、私一人ではここから降りられないからだ。
「じゃあ、お姉ちゃんをよろしくね」
そうして私は鞄に掴まり、下に降ろしてもらった。行動するなら、早い方がいいだろう。そうして、私は馬車の見えるところに向かって、歩き始めた。
──まなが去った後。
「……行きはいいけど、帰るのめちゃくちゃ大変じゃない?」
「無理やり馬車の流れに逆らって進むか、流れに従って一周するか。どっちにしろ、早くても六時間はかかるだろうな」
馬車の流れに逆らうのも不可能ではないが、ほとんどの道で歩道が整備されておらず、地面はブロック状の石を合わせて作られており、平らではない。馬車が通るだけで地響きがするような場所だ。危険であることに変わりはないだろう。
「ほんっと、性格悪いよね……」
「なんとでも言えぃ」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜
みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。
魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。
目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた?
国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。
義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です
渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。
愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。
そんな生活に耐えかねたマーガレットは…
結末は見方によって色々系だと思います。
なろうにも同じものを掲載しています。
誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
私はただ自由に空を飛びたいだけなのに!
hennmiasako
ファンタジー
異世界の田舎の孤児院でごく普通の平民の孤児の女の子として生きていたルリエラは、5歳のときに木から落ちて頭を打ち前世の記憶を見てしまった。
ルリエラの前世の彼女は日本人で、病弱でベッドから降りて自由に動き回る事すら出来ず、ただ窓の向こうの空ばかりの見ていた。そんな彼女の願いは「自由に空を飛びたい」だった。でも、魔法も超能力も無い世界ではそんな願いは叶わず、彼女は事故で転落死した。
魔法も超能力も無い世界だけど、それに似た「理術」という不思議な能力が存在する世界。専門知識が必要だけど、前世の彼女の記憶を使って、独学で「理術」を使い、空を自由に飛ぶ夢を叶えようと人知れず努力することにしたルリエラ。
ただの個人的な趣味として空を自由に飛びたいだけなのに、なぜかいろいろと問題が発生して、なかなか自由に空を飛べない主人公が空を自由に飛ぶためにいろいろがんばるお話です。
絶世の美女の侍女になりました。
秋月一花
キャラ文芸
十三歳の朱亞(シュア)は、自分を育ててくれた祖父が亡くなったことをきっかけに住んでいた村から旅に出た。
旅の道中、皇帝陛下が美女を後宮に招くために港町に向かっていることを知った朱亞は、好奇心を抑えられず一目見てみたいと港町へ目的地を決めた。
山の中を歩いていると、雨の匂いを感じ取り近くにあった山小屋で雨宿りをすることにした。山小屋で雨が止むのを待っていると、ふと人の声が聞こえてびしょ濡れになってしまった女性を招き入れる。
女性の名は桜綾(ヨウリン)。彼女こそが、皇帝陛下が自ら迎えに行った絶世の美女であった。
しかし、彼女は後宮に行きたくない様子。
ところが皇帝陛下が山小屋で彼女を見つけてしまい、一緒にいた朱亞まで巻き込まれる形で後宮に向かうことになった。
後宮で知っている人がいないから、朱亞を侍女にしたいという願いを皇帝陛下は承諾してしまい、朱亞も桜綾の侍女として後宮で暮らすことになってしまった。
祖父からの教えをきっちりと受け継いでいる朱亞と、絶世の美女である桜綾が後宮でいろいろなことを解決したりする物語。
オタクな母娘が異世界転生しちゃいました
yanako
ファンタジー
中学生のオタクな娘とアラフィフオタク母が異世界転生しちゃいました。
二人合わせて読んだ異世界転生小説は一体何冊なのか!転生しちゃった世界は一体どの話なのか!
ごく普通の一般日本人が転生したら、どうなる?どうする?
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる