私の主人はワガママな神様

どろろ

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1.1日のはじまり(1)

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 ピピッ、ピピッ……
 目覚ましの音が、1日の始まりの合図だ。

 時刻は5時30分。寒くて真っ暗な冬の朝でも、起床時間は変わらない。寝ていた布団から起き上がり、丁寧に布団を畳んで部屋の隅へ寄せる。
 自室を出て、まず向かうのはリビング。冷たい空気で冷えてしまった部屋を温めるには時間がかかる。寒がりな家主が困らないように暖房を付け、部屋を温めておく。さらにポットの中に水を入れてスイッチを入れた。
 そして次は自分の身支度だ。家主を起こさないようになるべく音を立てないように脱衣所へ向かい、なるべく静かにシャワーを浴びる。

 シャワーを浴び終えると、いつもだいたい6時になっている。そのあとは朝食の準備だ。今日は和食を食べたいと言っていた家主のために、米を研いで炊飯器のスイッチを入れる。昨日あらかじめ買っていた鮭をグリルで焼いて、その間に味噌汁と弁当を作る。
 定番の卵焼き、ウインナー。ほうれん草とベーコンの炒め物。昨晩から準備していた鳥の唐揚げを弁当箱に詰めていく。空いたスペースにミニトマトを詰めたら、彩りがよく見えた。弁当に入り切らなかったものは朝食にしようと、温め直した。
 6時半をまわる頃には日が登り始める。リビングのカーテンを開けると、一気に部屋が明るくなった。

 家主が起きてくるまであと少し。沸騰しない程度に味噌汁を温める。ポットの中の湯も温まってきたので、飲み物の準備をする。今日は和食だから緑茶が良いか、それとも家主の大好物であるミルクたっぷりのカフェオレか。どちらも直ぐに出せるように準備をする。

 そして7時。
 ジリジリとけたたましい目覚まし時計の音が廊下の方から聞こえてきた。そしてその音はすぐに止まる。
 本当は起こしに行きたいが、甘やかしすぎだと注意されてしまったばかりなので我慢する。しかし、目覚まし時計が止まってから5分経っても家主はリビングに顔を出さない。二度寝してしまったのではないかと心配になってくる。
 このままでは遅刻してしまうのでは。甘やかすなと言われているが、放っては置けない。起こしに行こうと家主の部屋へ向かう。
 リビングのすぐ隣にある、この家の中で1番広い部屋が彼の部屋だ。入る前にコンコンとノックをするが、返事はない。やはりまだ寝ているようだ。
 失礼します、とひと声かけてドアを開けると、まだシーツに包まった家主の姿。

「おはようございます。時間ですよ」

 そう声をかけて部屋のカーテンを開ける。もぞもぞとシーツが動いて呻き声が聞こえた。
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