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第2章 精霊王
8話 弱点と耐性
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この層で現れたのは岩の塊だった。ロック族と呼ばれる奴らだ。
目に映ったのは全身に炎を纏った【火山岩】
厄介なことに、水・氷以外の属性攻撃はほとんど効かない上に、物理耐性をしっかり備えている。
それに、あの炎は熱そうだ…。
ただでさえこの階層に来て暑いのだというのに、魔物まで暑苦しいと嫌になってくるものだ。
「うわぁ…ウチの魔法、効くやろか…」
ローズが心配そうに杖を握りしめる。
レギはタマを指輪に戻して、皆に炎耐性の効果を与える。
心なしか涼しく感じられるようになったのだが、そのわずかな効果が非常にありがたかった。
「仕方ねぇ、通路を塞がれてる以上倒さなきゃならないんだし、行くぞ!」
なんて意気込んでいたのだけれど、ピルスルが『この階層は任せてくれ』と言い出した。
そして小さい短剣を取り出すと、そこから【水弾】を放ったのだった。
【水竜の剣®️:攻撃力12、使用する事で水魔法が使える、初級魔法ウォーターボール】
たったの一発で光になっていく魔物。
「こういう、耐性の多いやつほど弱点にはめっぽう弱い。
じゃから簡単な魔法でもすぐに倒せてしまうんじゃよ。まぁここまで極端な魔物はここでしか見たことはないがな」
ピルスルも、簡単な水魔法なら使えなくもないのだけれど、せっかく手に入れたコレクションを見せてやりたかったといった風に、長々と説明していたのだった。
しかし、ピルスルって魔法もしっかり使えるはずなのに、なせか【普通は覚えそうな魔法】って使わないんだよなぁ。
なんか魔物の動きを止めたり重力の操作したり…。
青魔法?時魔法っていうのかな、そんなのばっかり使っているんだよなぁ。
一応なんだが、ウォーターボールじゃ上位種が出てきた時に困るからって、強力な魔法を込めたカードを3枚取り出して見せていた。
「符呪士(まじないし)はレアじゃからな、かなりボラれたわい」
「え?いくらすんのそれ?」
…言いたくないほどの金額だそうだ。
できることなら使いたくないと言っていたのだけど、そんな時に限って使わないといけない場面に出くわすものなのだ。
フレイムロックよりも少し大きいだろうサイズの龍が、火の玉を吐き出してくる。
準備していましたかの早さでピルスルが構えており、1枚目のカードをかざす!
龍の吐いた火の玉ごと魔物を激流の渦に巻き込んでいた。
龍は壁に叩きつけられ崩れ落ちたものの、さすが上位種…。
すぐに態勢を整え、その小さな足で通路の隅を猛スピードで駆けてくるのだ。
こうやってみると龍というよりトカゲだな…。
「よしっピルスルもういっちょ!」
…あれ?
隣でカードを構えるピルスルがうつむき歯を食いしばっていた。
「…あぁあ!もう!くれてやるよっ!」
2枚目のカードは大きな氷の槍となり、龍の腹を突き刺し通路の隅に固定するのだった。
「ギャギャギャァァァ!!」
結局2枚のカードを使って上位種【溶岩龍】を倒したのだ。
やはり火の階層は火の魔物なのだろうな、なんて勝手に納得しながら、次の階層への道を進むのだった。
「く、くそぅ!金貨6枚も持ってかれちまった!」
お、おぅ…金貨6枚は痛いな…。
「龍でしたね!なんかカッコよかったです、ギルドに戻ったら自慢できちゃいますね!」
そんな事は御構い無しにレギが楽しそうだ、まぁ確かに龍なのだろうけど…。
俺の想像する龍は10mも20mもあるのだから、あれが龍だと言われてしまうとモヤモヤと、もって行き場のない気持ちになるのだった。
「暑いから…はよ次いこや…」
「せやな」
俺も金貨6枚がどうのより、ただここの暑さには耐えられなくなってきたのだった…。
目に映ったのは全身に炎を纏った【火山岩】
厄介なことに、水・氷以外の属性攻撃はほとんど効かない上に、物理耐性をしっかり備えている。
それに、あの炎は熱そうだ…。
ただでさえこの階層に来て暑いのだというのに、魔物まで暑苦しいと嫌になってくるものだ。
「うわぁ…ウチの魔法、効くやろか…」
ローズが心配そうに杖を握りしめる。
レギはタマを指輪に戻して、皆に炎耐性の効果を与える。
心なしか涼しく感じられるようになったのだが、そのわずかな効果が非常にありがたかった。
「仕方ねぇ、通路を塞がれてる以上倒さなきゃならないんだし、行くぞ!」
なんて意気込んでいたのだけれど、ピルスルが『この階層は任せてくれ』と言い出した。
そして小さい短剣を取り出すと、そこから【水弾】を放ったのだった。
【水竜の剣®️:攻撃力12、使用する事で水魔法が使える、初級魔法ウォーターボール】
たったの一発で光になっていく魔物。
「こういう、耐性の多いやつほど弱点にはめっぽう弱い。
じゃから簡単な魔法でもすぐに倒せてしまうんじゃよ。まぁここまで極端な魔物はここでしか見たことはないがな」
ピルスルも、簡単な水魔法なら使えなくもないのだけれど、せっかく手に入れたコレクションを見せてやりたかったといった風に、長々と説明していたのだった。
しかし、ピルスルって魔法もしっかり使えるはずなのに、なせか【普通は覚えそうな魔法】って使わないんだよなぁ。
なんか魔物の動きを止めたり重力の操作したり…。
青魔法?時魔法っていうのかな、そんなのばっかり使っているんだよなぁ。
一応なんだが、ウォーターボールじゃ上位種が出てきた時に困るからって、強力な魔法を込めたカードを3枚取り出して見せていた。
「符呪士(まじないし)はレアじゃからな、かなりボラれたわい」
「え?いくらすんのそれ?」
…言いたくないほどの金額だそうだ。
できることなら使いたくないと言っていたのだけど、そんな時に限って使わないといけない場面に出くわすものなのだ。
フレイムロックよりも少し大きいだろうサイズの龍が、火の玉を吐き出してくる。
準備していましたかの早さでピルスルが構えており、1枚目のカードをかざす!
龍の吐いた火の玉ごと魔物を激流の渦に巻き込んでいた。
龍は壁に叩きつけられ崩れ落ちたものの、さすが上位種…。
すぐに態勢を整え、その小さな足で通路の隅を猛スピードで駆けてくるのだ。
こうやってみると龍というよりトカゲだな…。
「よしっピルスルもういっちょ!」
…あれ?
隣でカードを構えるピルスルがうつむき歯を食いしばっていた。
「…あぁあ!もう!くれてやるよっ!」
2枚目のカードは大きな氷の槍となり、龍の腹を突き刺し通路の隅に固定するのだった。
「ギャギャギャァァァ!!」
結局2枚のカードを使って上位種【溶岩龍】を倒したのだ。
やはり火の階層は火の魔物なのだろうな、なんて勝手に納得しながら、次の階層への道を進むのだった。
「く、くそぅ!金貨6枚も持ってかれちまった!」
お、おぅ…金貨6枚は痛いな…。
「龍でしたね!なんかカッコよかったです、ギルドに戻ったら自慢できちゃいますね!」
そんな事は御構い無しにレギが楽しそうだ、まぁ確かに龍なのだろうけど…。
俺の想像する龍は10mも20mもあるのだから、あれが龍だと言われてしまうとモヤモヤと、もって行き場のない気持ちになるのだった。
「暑いから…はよ次いこや…」
「せやな」
俺も金貨6枚がどうのより、ただここの暑さには耐えられなくなってきたのだった…。
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