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第2章 精霊王
1話 ダンジョン
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そうそう、俺の休みの話をもう少ししようか。
まぁまずは討伐したオークキングのドロップアイテムだ。
【猪豚王(オークキング)の堅歯】
【王之一槌(キングスハンマー)®️】
【王之胸当(キングスプレート】
【王之具足(キングスアーマー)】
一体倒しただけだというのに一気に4つの装備品が手に入ったのだ。
まぁ、残念ながら補正付きの鉄装備には敵わないから、そのまま《現》ギルド長に譲ったのだけど。
なかなかに似合っているのでそのまま使ってくれているようだ。
実はもう一つドロップしていて、これは問題になりそうだったから黙っていた。
【スキルの書:使用するとスキルを習得する、巻物】
拡げるまでわからない…かぁ。
残しておいても意味のない物だし、さっさと開いてみることにした。
【W付与能力(エンチャント)】
どうやら、エンチャント済みのものをもう一度エンチャントできますよってことらしい。
エンチャントに関しては、謹慎の後には教えを請いながら練習したのだけれど…。
才能が無いのだろうか、調整も何もなくやっぱり一度で全部の魔力をもっていかれるのだったから。
非常に使いどころが難しい。
とはいえ、俺は基本的に魔法は使わないからな、今のところ特に問題でもないだろう。
5日間の休暇を終えると、流石に身体も動かしたくなるものだ。
休みが明けてもしばらく街はゴタゴタしていたので、さらに3日ほどは冒険らしい冒険もしていなかったのだけれど。
その翌日から、本格的に活動する事になった。
そう、俺は魔法使いのローズと共に。
さらに召喚術師レギ、ピルスルの4人でダンジョンへと向かうことにしたのだった。
なんといっても皆さんランクD以上!一人は上位職のバトルマスター。
正直こんなにも恵まれたパーティーはいないだろうと思う。
リキングバウトの中でも実力者揃いである。
今日は爆発はやめてくれっていうピルスルのお願いで、普通の矢を使うところなのだけど、せめて火属性は持たせてほしいってお願いした。
まともにエンチャントできない俺に気を使ってローズとピルスルの二人でエンチャントしてくれて、火の矢を8束も用意してくれた。
「普通は1束持っとったら十分やし、そない荷物だらけになっとったら身動きも取れんのやけどな…。
あんさんほんまにずっこいわ…」
なんてローズは喋りながらも、ちゃんと矢にエンチャントを施してくれていたのだった。
こうやって間近でエンチャントを見ると自分もやってみたくなる。
1束の炎の矢を受け取り、それにさらに俺が魔力を全て使ってこっそりとエンチャントした。
そして、その矢は【焔の矢】に変化して、矢尻だけでなく矢全体が橙に染まってしまう。
【焔の矢:攻撃力5、火属性、飛び火、対象に火属性ダメージその周りの敵にも同等のダメージを与える】
これはまた、かなり優秀な範囲攻撃じゃないか、と一人ほくそ笑むのだった。
さて、一人いない事に気がついただろうか?
ピルスルがここにいるのだから察してほしいものだ。そう、彼はギルド長を継ぐことになった。
ドルヴィンは、今はギルド長見習いという事で、王宮より派遣された上官に付いているのだ。
まぁ、モルツやヴァイツもそのまま受付に立っているのだし、特に今までと変わらず街は平和みたいだった。
それもこれもどれも全部、このピルスルの都合のいいようにやっているとも言えるのだろうけど。
イフリートと出会い、昔を思い出したものだから、自身我慢できなくなったってとこなのかもしれない。
とにかく今日は初陣なわけだ、俺以外は多分違うけど!絶対違うけど!
こんなパーティー戦まともに経験していないし、ローズにはいいところを見せてやりたい気持ちだってある。
さぁて、と歩みを進めようとすると、ピルスルに首根っこ掴まれる。
「お主は…ここがどんなところか分かってるのか?」
え?ダンジョンです。
あ…何が出るかとか、そういうことだったのかな?
どんなところなんだろうか…?
「……わかっているのか?ここはダンジョンだ。
ダンジョンとは魔素の源泉とも言える存在、上位種がいて当然な場所なのだぞ?
お主はまた一人であのキングのような魔物と対峙するつもりなのか?」
え?だってここ、普通の冒険者も来るんじゃないの?だったらそんなに強い敵出ないよね??
なーんて思ってた。
実はこういうダンジョンに潜る冒険者、すぐに逃げ帰る準備万端!
取れるだけアイテム取って逃げ帰ってるらしい。
「あ…そうなんだ…」
おれはそれ以上の言葉が出てこなかったのだった。
だけどあれ?なんか…その…持ってないんですけど帰還アイテムみたいなの!
不安になって聞いたら、ピルスル『最悪儂が送ってやる、そういう魔法もあるのだ』と、昔はよくこれで街を移動していたのだそうだ。
「だが今回の目的はダンジョン探索ではなく…攻略だ」
そうピルスルが告げ、俺たちは再び一歩、踏み出した。
「そういや…持ってるな、帰還の鈴
結局返さなかったけど、使うとどこに行ってたんだろう?」
俺は鈴を眺め、一人つぶやく。
「なんやシュウ、ちゃんと準備して来てるんやん」
可愛くローズが顔を覗かせる。
まぁまずは討伐したオークキングのドロップアイテムだ。
【猪豚王(オークキング)の堅歯】
【王之一槌(キングスハンマー)®️】
【王之胸当(キングスプレート】
【王之具足(キングスアーマー)】
一体倒しただけだというのに一気に4つの装備品が手に入ったのだ。
まぁ、残念ながら補正付きの鉄装備には敵わないから、そのまま《現》ギルド長に譲ったのだけど。
なかなかに似合っているのでそのまま使ってくれているようだ。
実はもう一つドロップしていて、これは問題になりそうだったから黙っていた。
【スキルの書:使用するとスキルを習得する、巻物】
拡げるまでわからない…かぁ。
残しておいても意味のない物だし、さっさと開いてみることにした。
【W付与能力(エンチャント)】
どうやら、エンチャント済みのものをもう一度エンチャントできますよってことらしい。
エンチャントに関しては、謹慎の後には教えを請いながら練習したのだけれど…。
才能が無いのだろうか、調整も何もなくやっぱり一度で全部の魔力をもっていかれるのだったから。
非常に使いどころが難しい。
とはいえ、俺は基本的に魔法は使わないからな、今のところ特に問題でもないだろう。
5日間の休暇を終えると、流石に身体も動かしたくなるものだ。
休みが明けてもしばらく街はゴタゴタしていたので、さらに3日ほどは冒険らしい冒険もしていなかったのだけれど。
その翌日から、本格的に活動する事になった。
そう、俺は魔法使いのローズと共に。
さらに召喚術師レギ、ピルスルの4人でダンジョンへと向かうことにしたのだった。
なんといっても皆さんランクD以上!一人は上位職のバトルマスター。
正直こんなにも恵まれたパーティーはいないだろうと思う。
リキングバウトの中でも実力者揃いである。
今日は爆発はやめてくれっていうピルスルのお願いで、普通の矢を使うところなのだけど、せめて火属性は持たせてほしいってお願いした。
まともにエンチャントできない俺に気を使ってローズとピルスルの二人でエンチャントしてくれて、火の矢を8束も用意してくれた。
「普通は1束持っとったら十分やし、そない荷物だらけになっとったら身動きも取れんのやけどな…。
あんさんほんまにずっこいわ…」
なんてローズは喋りながらも、ちゃんと矢にエンチャントを施してくれていたのだった。
こうやって間近でエンチャントを見ると自分もやってみたくなる。
1束の炎の矢を受け取り、それにさらに俺が魔力を全て使ってこっそりとエンチャントした。
そして、その矢は【焔の矢】に変化して、矢尻だけでなく矢全体が橙に染まってしまう。
【焔の矢:攻撃力5、火属性、飛び火、対象に火属性ダメージその周りの敵にも同等のダメージを与える】
これはまた、かなり優秀な範囲攻撃じゃないか、と一人ほくそ笑むのだった。
さて、一人いない事に気がついただろうか?
ピルスルがここにいるのだから察してほしいものだ。そう、彼はギルド長を継ぐことになった。
ドルヴィンは、今はギルド長見習いという事で、王宮より派遣された上官に付いているのだ。
まぁ、モルツやヴァイツもそのまま受付に立っているのだし、特に今までと変わらず街は平和みたいだった。
それもこれもどれも全部、このピルスルの都合のいいようにやっているとも言えるのだろうけど。
イフリートと出会い、昔を思い出したものだから、自身我慢できなくなったってとこなのかもしれない。
とにかく今日は初陣なわけだ、俺以外は多分違うけど!絶対違うけど!
こんなパーティー戦まともに経験していないし、ローズにはいいところを見せてやりたい気持ちだってある。
さぁて、と歩みを進めようとすると、ピルスルに首根っこ掴まれる。
「お主は…ここがどんなところか分かってるのか?」
え?ダンジョンです。
あ…何が出るかとか、そういうことだったのかな?
どんなところなんだろうか…?
「……わかっているのか?ここはダンジョンだ。
ダンジョンとは魔素の源泉とも言える存在、上位種がいて当然な場所なのだぞ?
お主はまた一人であのキングのような魔物と対峙するつもりなのか?」
え?だってここ、普通の冒険者も来るんじゃないの?だったらそんなに強い敵出ないよね??
なーんて思ってた。
実はこういうダンジョンに潜る冒険者、すぐに逃げ帰る準備万端!
取れるだけアイテム取って逃げ帰ってるらしい。
「あ…そうなんだ…」
おれはそれ以上の言葉が出てこなかったのだった。
だけどあれ?なんか…その…持ってないんですけど帰還アイテムみたいなの!
不安になって聞いたら、ピルスル『最悪儂が送ってやる、そういう魔法もあるのだ』と、昔はよくこれで街を移動していたのだそうだ。
「だが今回の目的はダンジョン探索ではなく…攻略だ」
そうピルスルが告げ、俺たちは再び一歩、踏み出した。
「そういや…持ってるな、帰還の鈴
結局返さなかったけど、使うとどこに行ってたんだろう?」
俺は鈴を眺め、一人つぶやく。
「なんやシュウ、ちゃんと準備して来てるんやん」
可愛くローズが顔を覗かせる。
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