「ばらされたくなかったら結婚してくださいませんこと?」「おれの事が好きなのか!」「いえ全然」貴族嫌いの公爵令息が弱みを握られ令嬢に結婚させら

天知 カナイ

文字の大きさ
上 下
5 / 10

何が正解??

しおりを挟む
カイザははっきりと呆れた顔でアレスティードを見た。あれだけ様々なパーティーで貴族女性を侍らせ話しまくっているのに、この主人は何を言っているのか。
「あの、アレス様?冷静になってください、今までも、ものっすごい数の女性とお話されてますよね?」
「‥自分から話しかけたことは、ない‥」
「‥え~‥‥」
「しかも、好きな女性、に話しかけたこと、なんて全くないからわからない‥いつも女性の方から勝手に話しかけてきてたし‥」
カイザは目の上に手を当てて天を仰いだ。まさか自分の主人がここまでめんどくさ‥拗らせているとは。容姿端麗身分上等も考え物だなとカイザは思った。ソファに座り、がっくりうなだれて膝の間に頭をめり込ませている様子は、とてもじゃないが『麗しの貴公子』などと呼ばれている人物だとは思えない。
言葉だけ聞いていれば鼻持ちならないが、これだけ落ち込んでいる主人を見ていれば本気で悩んでいることはカイザにも見て取れた。
「まあ‥とりあえずは挨拶から始めて、とにかく何でも話しかけることですよ、天気の話でも何でも」
「‥天気の話で俺の事がタイプになるのか」
「‥はい?」
「どちらかと言えば嫌いなタイプ、って言われたんだ、半年前‥」
カイザは深いため息をついた。何と主人はマイナスからのスタートを切らねばならないようだ。
「え~‥とにかく、まずは奥様に好意を伝えてみてはいかがですか?奥様もご自分から結婚を迫ったという罪悪感はお持ちかもしれませんし、いや俺君のこと好きだよ~ってアピールしないと!今のところ旦那様の方が世間話に花が咲いちゃってますから!」
言われなくてもわかっていることをカイザにダメ押しされ、がっくりきたアレスティードだったが、確かにサイーシャとは事務的な話しかしてきていない。
しかもさっき、「できるだけアレスティード様のお目に触れないよう、気をつけますわ」なんて言われてしまったから、下手をしたら彼女の方からは全く話しかけてもらえない可能性がある。
アレスティードは頭を上げ、カイザの持っていたカップを横から取り上げ残っていたお茶をぐびりと飲み干し立ち上がった。
「‥彼女の部屋に行く!」
おお、素直だな。カイザはそう思いつつも少々の不安を感じて主人に釘を刺すのを忘れなかった。
「いいですかアレス様。笑顔ですよ、笑顔!いつも家の中では仏頂面なんですから。それでは女性は脅えてしまいますからね!」
「‥わ、わかった!」
パーティー用の営業スマイルを思い出せば行ける!
アレスティードは、とにかくさっきのような暗い顔を彼女にさせたくないという一心でサイーシャの部屋に向かうことにした。

夫婦の寝室からつながっているドアを叩こうか、普通に廊下側からのドアを叩こうか散々迷った挙句「どっちでも変わりませんって!」と雑にカイザに追い出され、仕方なく廊下側から行くことにした。
だがなかなかドアをノックできない。この扉を開けたらまず何といえばいいのか、ずっと考え続けていたら急に中から扉が開いた。
扉を開けたらアレスティードが立っていたので、サイーシャは驚いた。
「ア、アレスティード様、どうされたんですか?‥何か御用でしたでしょうか?」
アレスティードはぴしりと固まってしまった。

なんだ、これ、
あれ?
サイーシャ嬢って、こんなにかわいかったっけ?

よく考えれば自分の気持ちをはっきりと自覚してから初めてサイーシャの顔を正面からまともに見たのだ。アレスティードの視界にはもう、初恋フィルターがかかり、サイーシャの周りに薔薇が飛んで見えるほどだった。
下から見上げるように自分を見つめている、澄んだ青い瞳。少し開き気味の桜色の唇。小さめの目がぱちぱちと瞬きを繰り返しているのも愛らしい。
アレスティ―ドは完全に言葉を失ってしまっていた。
「あの‥アレスティード様‥?」
怪訝そうにもう一度サイーシャが呼びかける。アレスティードはようやく(何かしゃべらなければ)と気持ちが切り替わり、そしてそれによってまた慌ててしまった。
「いや、あの、えー‥」
何か言おうとしているな、と思ってサイーシャは大人しく待っている。アレスティードは(何でもいいから一回部屋に入れてくれたらいいのに)と思いつつもそれを口に出せない。
えーとえーととアレスティードがもごもごしているうちに、サイーシャの侍女であるナタリアが部屋の中から遠慮がちに声をかけてきた。
「あの、おじょ‥サイーシャ様、若旦那様にお部屋の中に入っていただいたらいかがでしょうか?」
「‥そうね、申し訳ございませんアレスティード様、気がつかなくて。どうぞお入りになって」
ようやく部屋の中に招かれ、ソファに座ってアレスティードは少し落ち着くことができた。そう言えばこの部屋について、何も言われていない。自室はどのようにしたいのか、と尋ねた時のサイーシャの答えは「必要最低限のものさえあればそれで構いません」というものだった。その時はアレスティードもかなり苛々していたので、サイーシャの部屋については結構適当な指示をしたような気がする。
そう思い返して部屋の中を見てみれば、本当に必要最低限のものしか置いていなかった。さすがに家具は上質のものを揃えているが、飾り気はなく実用一徹のものだ。壁紙やカーテンなどもこれといった模様や装飾は施されておらず、一見しただけでは到底若い娘の部屋とは言えないものだった。
サイーシャが座っている状態で初めてこの部屋を見たアレスティードは、この部屋の主である若い女性に全くそぐわないものであることに気づいた。そこでおずおずとその事について訊いてみた。
「あー‥この部屋は、あまり装飾もなく少々殺風景かもしれない。申し訳ない。サ、イー‥シャ嬢の好きなように変えてもらって構わないが」
サシャ、と呼びたかったがどうしても呼べなかった。
だがサイーシャの方はそんなアレスティードの気持ちなどわかるわけがない。朝の事から考えてもどうもアレスティードは機嫌が悪いようにしか思えなかった。だがそれを押してサイーシャの部屋を訪ねてきたということは、何か話があるがなかなか言い出せないのでは、とサイ―シャは考えていた。
‥ある程度サイーシャの考えは当たっていたのではあるが。
サイーシャは少し考えてから言った。
「いえ、‥‥どうせあと一年ほどしか過ごしませんし特に困ってはおりません。お気遣いいただきありがとうございます、アレスティード様。‥あの、何か私にご用事がおありだったのでは?」
どういうタイミングならサシャと呼んでも不自然ではないだろうか、それにしてもかわいい、こんな殺風景な部屋にいるのにかわいく見えるとはどういうことなんだろう、等と考えていたアレスティードは、サイーシャの言葉に再び固まった。なぜ、無理やりにでもカイザを伴わなかったのか酷く後悔しながら、必死で次にいうべき言葉を探した。
‥そう言えばどんないきさつであれ、自分たちは新婚夫婦だ。新婚夫婦と言えば、
「ああ、あの、そう言えば、新婚、旅行について、話していなかったと思ったのでな」
「新婚、旅行、ですか‥?」
サイーシャは、思いもよらない、といった顔をした。
それはそうだろう。サイーシャにしてみれば自分は脅しをかけて結婚してもらった身の上だ。よもや普通一般の夫婦のように新婚旅行に行くという選択肢があるとも考えてはいなかったのだ。
そのサイーシャの顔を見て、あ、断られる!とアレスティードは思った。新婚旅行という我ながらいいアイデア(おそらく父はついてこないだろうし)を思いついたと考えていたアレスティードである。何としても断ってもらいたくない。そこで慌てて付け足した。
「や、やはり結婚はしたのだから、世間一般の夫婦のように新婚旅行は行くべきだと思う!‥ので、サ、イーシャ嬢の希望を聞いておこうかと‥」
思いつきで話しているアレスティードの声はだんだん小さくなる。サイーシャは、本当に自分の事など好きでも何でもないのだ。新婚旅行の話を出しても、全く嬉しそうではない。どちらかと言えば、思いがけない提案に戸惑っている、という様子だ。
やはり断られるかも、と思って思わずアレスティードはうつむいた。ここにカイザがいたなら「アレス様!笑顔笑顔!」と言ってくれたに違いない。険しい顔でうつむいているアレスティードは、はたから見れば相当不機嫌そうな男だった。
そんなアレスティードの様子を見ながら、サイーシャは考えた。‥やはりアレスティード様はなぜ自分が結婚したがったのかを知りたいに違いない。いくら一年経ったら離縁していいと言ったとしても、その間既婚者としてアレスティードは振る舞わねばならないし、女性ほどではなくとも離婚は男性にも瑕疵となる。
ここはやはり新婚旅行の話を受けて、その時に詳しく事情を打ち明けてわかってもらうしかないかもしれない。
出来れば離婚した後も円満な関係性を持ちたいという気持ちもサイーシャにはあるのだ。
「アレスティード様、わかりました。お申し出ありがとうございます。」
アレスティードはさっと顔を上げた。わかりました、と聞こえたが聞き間違いだろうか?そう思ってじいっとサイーシャの顔を見つめた。
サイーシャは、今一つアレスティードの感情が読めないな、と思いながら言葉を継いだ。
「あの‥では、カラエン公領地の方などいかがでしょうか?私も領政などには興味がありますし、勉強させていただけたら嬉しいです」
「わかった!」
アレスティードはガタンと立ち上がった。そうともなれば色々な手続きや準備が必要だ。この七日の間に準備を済ませて、新たなる休みをもぎ取ろう。そう固く決意して立ち上がった。
扉まで見送りに来たサイーシャの方をばっと振り返る。眉にぐぐっと皺を寄せ、絞り出すようにアレスティードは言った。
「あー‥結婚、したのだから、私のことは、アレスと呼んで構わない。‥私も、その、サシャと呼ばせてもらう、ので‥」
そう言い捨てると大急ぎでアレスティードは部屋から出て扉を閉めた。


ナタリアはその様子を見てサイーシャに言った。
「あの‥私の勘違いかもしれませんが、若旦那様はお嬢様の事がお好きなのではないでしょうか‥?」
サイーシャは驚いてナタリアの顔をまじまじと見た。
「何言ってるの?私はアレスティード様を脅して無理矢理結婚した女なのよ?そんな女を好きになる人なんて、いるわけないじゃないナタリア。勘違いよ」
「そう、でしょうか‥?」
自分から見れば、あのアレスティードの様子は好きな子にどう話しかけていいかわからない小さな男の子みたいだったけどな、とナタリアは思った。
だが、自分の主人が恋愛ごとにとんでもなく疎いことも承知だったので、とりあえずはいいか、と口をつぐんでおくことにした。ただ(アレスティードにとっては大事な)一言を付け加えるのだけは忘れなかった。
「でもお嬢様、もうご夫婦なんですから次からは愛称でお呼びなさったらいいかと思いますよ。」
「‥そうね、ご本人もそうおっしゃっておられたし」
サイーシャはそう言って頷いた。



「カイザ!カイザいないのか!」
自室に戻るなりアレスティードはカイザを呼んだ。すると廊下からカイザがひょこっと顔を出した。
「アレス様、私もそこそこ忙しいんですけど。何かありました?」
「新婚旅行だ!」
「‥はい?」
「新婚旅行に行く!領地に向かいたい、今から手配をするから手伝ってくれ!」
「‥え~と、なぜ急にそんな話に?」
アレスティードは思いつきではありながらも、なかなかいい提案ではないかということやサイーシャが承知してくれたことなどを言って聞かせた。だが、カイザは難しい顔をした。
「アレス様お忘れじゃないですか?二週間後から旦那様は領地視察の期間に入られます。このままいくと、旦那様付きの新婚旅行ですよ」
「‥!!」
アレスティードは父親のスケジュールをすっかり失念していた。‥やはり、サイーシャは父親がいるから新婚旅行先に領地を選んだのだろうか。
先ほどとは打って変わって暗く落ち込む主人に、カイザは明るく声をかけた。
「まあでも、新婚旅行なんですから滞在先の屋敷を変えるという手もありますし!旦那様は本邸にご滞在でしょうから、アレス様と奥様はそうですねえ‥あの景勝地の別荘に泊まられるのはどうですか?湖のそばで気持ちのいいところですし散歩とかにもうってつけです。ある程度本邸からも離れてますし」
「カイザお前はできる侍従だな!‥よし、では手配をする。手が空いたら手伝ってくれ!それから騎士団にも行かねばならないから、先に騎士団への手紙を届けてもらおう」
ぱっと気分を切り替えた主人に、暗いよりはいいかとカイザは素直に従って手配を始めた。
しおりを挟む
BLのR18ですが、「就職先の公爵当主がおれにやたら執着してくるんですが」というスピンオフも書いています。アレスティードの父公爵、フォンティールと侍従カイザの恋愛騒動です。忌避感のない方、もしよかったら読んでみてください。
感想 1

あなたにおすすめの小説

婚約破棄させてください!

佐崎咲
恋愛
「ユージーン=エスライト! あなたとは婚約破棄させてもらうわ!」 「断る」 「なんでよ! 婚約破棄させてよ! お願いだから!」 伯爵令嬢の私、メイシアはユージーンとの婚約破棄を願い出たものの、即座に却下され戸惑っていた。 どうして? 彼は他に好きな人がいるはずなのに。 だから身を引こうと思ったのに。 意地っ張りで、かわいくない私となんて、結婚したくなんかないだろうと思ったのに。 ============ 第1~4話 メイシア視点 第5~9話 ユージーン視点  エピローグ ユージーンが好きすぎていつも逃げてしまうメイシアと、 その裏のユージーンの葛藤(答え合わせ的な)です。 ※無断転載・複写はお断りいたします。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

【完結】二度目の恋はもう諦めたくない。

たろ
恋愛
セレンは15歳の時に16歳のスティーブ・ロセスと結婚した。いわゆる政略的な結婚で、幼馴染でいつも喧嘩ばかりの二人は歩み寄りもなく一年で離縁した。 その一年間をなかったものにするため、お互い全く別のところへ移り住んだ。 スティーブはアルク国に留学してしまった。 セレンは国の文官の試験を受けて働くことになった。配属は何故か騎士団の事務員。 本人は全く気がついていないが騎士団員の間では 『可愛い子兎』と呼ばれ、何かと理由をつけては事務室にみんな足を運ぶこととなる。 そんな騎士団に入隊してきたのが、スティーブ。 お互い結婚していたことはなかったことにしようと、話すこともなく目も合わせないで過ごした。 本当はお互い好き合っているのに素直になれない二人。 そして、少しずつお互いの誤解が解けてもう一度…… 始めの数話は幼い頃の出会い。 そして結婚1年間の話。 再会と続きます。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので

モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。 貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。 ──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。 ……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!? 公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。 (『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

王太子妃専属侍女の結婚事情

蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。 未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。 相手は王太子の側近セドリック。 ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。 そんな二人の行く末は......。 ☆恋愛色は薄めです。 ☆完結、予約投稿済み。 新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。 ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。 そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。 よろしくお願いいたします。

【完結】愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を

川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」  とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。  これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。  だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。  これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。 第22回書き出し祭り参加作品 2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます 2025.2.14 後日談を投稿しました

妾に恋をした

はなまる
恋愛
 ミーシャは22歳の子爵令嬢。でも結婚歴がある。夫との結婚生活は半年。おまけに相手は子持ちの再婚。  そして前妻を愛するあまり不能だった。実家に出戻って来たミーシャは再婚も考えたが何しろ子爵領は超貧乏、それに弟と妹の学費もかさむ。ある日妾の応募を目にしてこれだと思ってしまう。  早速面接に行って経験者だと思われて採用決定。  実際は純潔の乙女なのだがそこは何とかなるだろうと。  だが実際のお相手ネイトは妻とうまくいっておらずその日のうちに純潔を散らされる。ネイトはそれを知って狼狽える。そしてミーシャに好意を寄せてしまい話はおかしな方向に動き始める。  ミーシャは無事ミッションを成せるのか?  それとも玉砕されて追い出されるのか?  ネイトの恋心はどうなってしまうのか?  カオスなガストン侯爵家は一体どうなるのか?  

処理中です...