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そして
しおりを挟む鮮血が飛び散り、ロレアントはどさりとその場に倒れた。ロレアントが胸にかけていた銀のペンダントがぐうッと浮かび上がり、その中の紅玉もパン!という音と共に割れた。
さすがに驚いた常夜が<おい!>と声をかける。だがロレアントの胸からはどくどくと血が流れ出し、顔色はどんどん白くなっていく。
常夜はロレアントの身体を見下ろした。
愛する人のために自分の命を犠牲にできる人間もいるのか、と思った。
だが、何の意味もない行為だ。
この人間が死んだとて、常日が入っている少女が戻るわけではない。
少しずつ冷たくなっていっているであろう人間の身体を、ただ黙って常夜は見つめた。
ふわり、とロレアントの胸から流れ出した血潮が空に浮かんだ。
何事か、と目を瞠った常夜をよそに浮かび上がった血潮は卵の方へ一目散に流れ揺蕩っていく。卵はどんどんロレアントの血潮を吸収してとうとう真っ赤な色の卵に変化した。
ぱりん。
卵は割れ、中から真っ白な常日が現れた。薄翅もそのままだ。
<常日!>
思いがけず早く肉を形成した伴侶に喜び常夜はすぐさま常日を抱きしめた。
だが、卵の中からはもう一人‥リオーチェも浮かび上がってきてゆっくりとロレアントの近くまでやってきた。そのままロレアントの隣に安置される。
常夜の腕の中で、ゆっくりと常日が目を開いた。
<常日!‥ようやく肉を得たのか!ああ、常日‥>
常日はそっと常夜の唇に指を当てると、すうっとリオーチェとロレアントの傍にやってきた。
<自らを犠牲にしてまで、相手を想う愛情。‥その大きな感情のおかげで、私は肉を得ました。‥常夜、力を貸して>
呼ばれた常夜もすうっと常日の横にやってくる。常日はリオーチェの、常夜はロレアントの手を握り、そのまま二人は唇を重ねた。
かっと真っ白い光が辺り一面を包んだ。
眩しい光がようやく薄らいだ時、リオーチェは目を開けた。
「う‥ん‥」
ゆっくりと起き上がる。頭がくらくらする。今自分はどこにいるのだったろうか‥?
そう考えて何気なく横を見た時、倒れたロレアントを見つけ血の気が引いた。
「ロレン様!‥ロレン!!」
傍に落ちている剣は何を意味しているのか。
紙のような顔色をしているロレアントをリオーチェはかき抱いた。そして常夜と常日の二人に気づいた。
「何が‥何があったの?ロ、ロレン様は‥」
常日は優しく笑った。
<大丈夫、少し血を失ったけど彼は生きている。‥リオと生きていけるわ>
「常日さん、身体が‥」
そう言いかけたリオーチェの傍に常日はやってきてふわりと座った。そしてリオーチェの手を握った。
<この人は、心からあなたを愛している。あなたのために自分の命をなげうったの。その大きな感情で、私は肉を得ることができたわ>
そんな。
ひょっとしたら自分のせいでロレアントが死んでいたかもしれなかったのか。そう考えただけでリオーチェの身体はがくがくと震えた。かき抱いたロレアントの身体はまだ冷たい。本当に大丈夫なのか‥?
<少し血を失ったから冷たいだけだ。しばらく休めば治る>
ぶっきらぼうに常夜が言う。そして常日の横に来てその腰を抱いた。
<私たちはこの森で静かに暮らす。森にあまり人間が入らぬようにしてくれ。浅いところで何かするのは構わぬが、オオクシアの樹とこの泉には近寄らぬよう>
言われてふと見やれば、黒い土くればかりだった場所に清冽な水が滾々と湧き出る泉が出来ていた。
常日の肉が得られたことで泉もよみがえったようだ。
常夜が言った。
<その男の愛に免じて、森の出口まで運んでやる。‥もう会うことはないだろう>
<‥リオ、本当に色々ごめんなさい。‥そしてありがとう。幸せになってね>
そしてまたリオーチェの意識はふっと途切れた。
気づけば森の入り口に移動させられていたようだ。ヘイデン騎士団の騎士たちが何やら騒いでいるのがかすかに聞こえる。痛む頭をおしてリオーチェはすっくり起き上がろうとした。それに気づいた老婆がリオーチェの背中に手を当てて助けてくれた。
「気がついたかい、お嬢さん」
「あの、ここは‥」
「ここはアコクの森の入り口さ。あんたと若様は少し前に個々に寝かされているのを見つけられたんだ。‥精霊が運んでくれたんだね?」
リオーチェは記憶を探りながらこくりと頷いた。老婆はにこやかな顔でうんうんと頷いた。
「若様も今は意識がないがおそらく大丈夫だ。少し眠ればよくなる。‥‥若様は自分の命を懸けたんだね‥」
最後の言葉はとても小さく、すぐ近くにいるリオーチェにだけようやく聞き取れるくらいのものだった。リオーチェはただ頷いた。
「その気持ちが精霊を動かしたんだね。よかったよ。さあ、あんたも少しお休み。寝ている間に運んでくれると言っていたからね」
老婆に言われるがまま、リオーチェは目を閉じた。
何だか‥頭の奥がもやもやする。変な感じ‥
そう思いながら眠ってしまった。
「リオ!やっぱりすごく似合ってる!」
ロレアントが準備した紫黒のドレスを身につけたリオーチェは少しはにかんだ。
「ありがとうございます、ロレン様。‥嬉しいです」
ガーデンパーティーの日を迎え、ヘイデン家はごった返していた。アコクから戻ってきたロレアントとリオーチェが意識を回復するとヘイデン侯爵は事の次第を二人から聞き取り、ガーデンパーティーを婚約披露の場にしてはどうかと持ち掛けた。突然のことにリオーチェは驚いたが、ロレアントがとても喜んでいるのでそれでもいいか、と思った。
自分がロレアントを愛していることは、もう間違いない事実だとわかっていたからだ。
驚いたのはクラン家の人々で、父は一瞬意識が飛んでしまったようだった。母はそんな父をなだめすかして何とか簡略な婚約承諾書を作成して侯爵と交わした。
そして今から、婚約発表だ。
常日がリオーチェの身体から抜けて以降、何だかすっきりとした頭になったとリオーチェは実感していた。自信がみなぎる、という訳にはいかなかったが変に卑屈になったり引っ込み思案になったりはなから諦めたりするような考えにはならないようになった。
横に立っているロレアントを見つめる。しばらく顔色が悪かったが、この二、三日でずいぶんよくなった。婚約が正式に決まってからは見る見るうちに回復して侯爵を「現金なやつだな」と呆れさせていた。
ロレアントはリオーチェの視線に気づいてニコッと笑うとリオーチェをそっと抱き寄せた。ああ、抱きしめてもらっている。リオーチェは嬉しかった。その耳元でロレアントは言った。
「リオ。‥これからもずっと愛している。ずっとおれの傍にいてほしい。一緒に生きよう」
「‥はい、はいロレン様」
涙が溢れてくる。ベラ渾身の化粧が落ちてしまうのでぐっと我慢して目を瞬かせた。ロレアントは少し笑いながらハンカチで涙を拭ってくれ、そっと目元にキスをしてくれた。
「‥では、ヘイデン侯爵令息、クラン伯爵令嬢です」
紹介の声が響く。目の前のドアが開かれる。明るく鼻の咲き乱れている庭園で、皆が喜び二人を出迎えた。
ロレアントはリオーチェの手を引いた。
「行こう、リオ」
「はい!」
そして、
ロレアントはものの見事に段差につまずきすっころんだ。
引っ張られてリオーチェもすっ転び、婚約発表の二人が地に伏しているという前代未聞の事態が巻き起こった。
一瞬、しん、とした会場だったが、そんな中リオーチェは、もうおかしくてたまらなくなって、「あははは!」と声に出して笑ってしまった。
それにつられて招待客の中にも笑い声が響き渡る。今日のパーティーの主な招待客はヘイデン家ゆかりの者や騎士団の者たちだ。遠慮のない笑い声は次第に会場を包んでいき、なぜか「万歳!」の声までが沸き起こった。
ロレアントは真っ赤な顔をしてリオーチェを抱き起こし「ごめん」と小さな声で謝った。
「どんなロレン様も、好きですよ」
リオーチェはそう言ってにこりと笑った。
立ち上がった二人は、人々の中に入っていき、祝福の声を浴びた。
二年後に結婚した二人は、時々ロレアントのおっちょこちょいに振り回されながらも幸せに暮らしたようだ。
リオーチェはいつもそんな夫の世話を甲斐甲斐しくしていたそうである。
さすがに驚いた常夜が<おい!>と声をかける。だがロレアントの胸からはどくどくと血が流れ出し、顔色はどんどん白くなっていく。
常夜はロレアントの身体を見下ろした。
愛する人のために自分の命を犠牲にできる人間もいるのか、と思った。
だが、何の意味もない行為だ。
この人間が死んだとて、常日が入っている少女が戻るわけではない。
少しずつ冷たくなっていっているであろう人間の身体を、ただ黙って常夜は見つめた。
ふわり、とロレアントの胸から流れ出した血潮が空に浮かんだ。
何事か、と目を瞠った常夜をよそに浮かび上がった血潮は卵の方へ一目散に流れ揺蕩っていく。卵はどんどんロレアントの血潮を吸収してとうとう真っ赤な色の卵に変化した。
ぱりん。
卵は割れ、中から真っ白な常日が現れた。薄翅もそのままだ。
<常日!>
思いがけず早く肉を形成した伴侶に喜び常夜はすぐさま常日を抱きしめた。
だが、卵の中からはもう一人‥リオーチェも浮かび上がってきてゆっくりとロレアントの近くまでやってきた。そのままロレアントの隣に安置される。
常夜の腕の中で、ゆっくりと常日が目を開いた。
<常日!‥ようやく肉を得たのか!ああ、常日‥>
常日はそっと常夜の唇に指を当てると、すうっとリオーチェとロレアントの傍にやってきた。
<自らを犠牲にしてまで、相手を想う愛情。‥その大きな感情のおかげで、私は肉を得ました。‥常夜、力を貸して>
呼ばれた常夜もすうっと常日の横にやってくる。常日はリオーチェの、常夜はロレアントの手を握り、そのまま二人は唇を重ねた。
かっと真っ白い光が辺り一面を包んだ。
眩しい光がようやく薄らいだ時、リオーチェは目を開けた。
「う‥ん‥」
ゆっくりと起き上がる。頭がくらくらする。今自分はどこにいるのだったろうか‥?
そう考えて何気なく横を見た時、倒れたロレアントを見つけ血の気が引いた。
「ロレン様!‥ロレン!!」
傍に落ちている剣は何を意味しているのか。
紙のような顔色をしているロレアントをリオーチェはかき抱いた。そして常夜と常日の二人に気づいた。
「何が‥何があったの?ロ、ロレン様は‥」
常日は優しく笑った。
<大丈夫、少し血を失ったけど彼は生きている。‥リオと生きていけるわ>
「常日さん、身体が‥」
そう言いかけたリオーチェの傍に常日はやってきてふわりと座った。そしてリオーチェの手を握った。
<この人は、心からあなたを愛している。あなたのために自分の命をなげうったの。その大きな感情で、私は肉を得ることができたわ>
そんな。
ひょっとしたら自分のせいでロレアントが死んでいたかもしれなかったのか。そう考えただけでリオーチェの身体はがくがくと震えた。かき抱いたロレアントの身体はまだ冷たい。本当に大丈夫なのか‥?
<少し血を失ったから冷たいだけだ。しばらく休めば治る>
ぶっきらぼうに常夜が言う。そして常日の横に来てその腰を抱いた。
<私たちはこの森で静かに暮らす。森にあまり人間が入らぬようにしてくれ。浅いところで何かするのは構わぬが、オオクシアの樹とこの泉には近寄らぬよう>
言われてふと見やれば、黒い土くればかりだった場所に清冽な水が滾々と湧き出る泉が出来ていた。
常日の肉が得られたことで泉もよみがえったようだ。
常夜が言った。
<その男の愛に免じて、森の出口まで運んでやる。‥もう会うことはないだろう>
<‥リオ、本当に色々ごめんなさい。‥そしてありがとう。幸せになってね>
そしてまたリオーチェの意識はふっと途切れた。
気づけば森の入り口に移動させられていたようだ。ヘイデン騎士団の騎士たちが何やら騒いでいるのがかすかに聞こえる。痛む頭をおしてリオーチェはすっくり起き上がろうとした。それに気づいた老婆がリオーチェの背中に手を当てて助けてくれた。
「気がついたかい、お嬢さん」
「あの、ここは‥」
「ここはアコクの森の入り口さ。あんたと若様は少し前に個々に寝かされているのを見つけられたんだ。‥精霊が運んでくれたんだね?」
リオーチェは記憶を探りながらこくりと頷いた。老婆はにこやかな顔でうんうんと頷いた。
「若様も今は意識がないがおそらく大丈夫だ。少し眠ればよくなる。‥‥若様は自分の命を懸けたんだね‥」
最後の言葉はとても小さく、すぐ近くにいるリオーチェにだけようやく聞き取れるくらいのものだった。リオーチェはただ頷いた。
「その気持ちが精霊を動かしたんだね。よかったよ。さあ、あんたも少しお休み。寝ている間に運んでくれると言っていたからね」
老婆に言われるがまま、リオーチェは目を閉じた。
何だか‥頭の奥がもやもやする。変な感じ‥
そう思いながら眠ってしまった。
「リオ!やっぱりすごく似合ってる!」
ロレアントが準備した紫黒のドレスを身につけたリオーチェは少しはにかんだ。
「ありがとうございます、ロレン様。‥嬉しいです」
ガーデンパーティーの日を迎え、ヘイデン家はごった返していた。アコクから戻ってきたロレアントとリオーチェが意識を回復するとヘイデン侯爵は事の次第を二人から聞き取り、ガーデンパーティーを婚約披露の場にしてはどうかと持ち掛けた。突然のことにリオーチェは驚いたが、ロレアントがとても喜んでいるのでそれでもいいか、と思った。
自分がロレアントを愛していることは、もう間違いない事実だとわかっていたからだ。
驚いたのはクラン家の人々で、父は一瞬意識が飛んでしまったようだった。母はそんな父をなだめすかして何とか簡略な婚約承諾書を作成して侯爵と交わした。
そして今から、婚約発表だ。
常日がリオーチェの身体から抜けて以降、何だかすっきりとした頭になったとリオーチェは実感していた。自信がみなぎる、という訳にはいかなかったが変に卑屈になったり引っ込み思案になったりはなから諦めたりするような考えにはならないようになった。
横に立っているロレアントを見つめる。しばらく顔色が悪かったが、この二、三日でずいぶんよくなった。婚約が正式に決まってからは見る見るうちに回復して侯爵を「現金なやつだな」と呆れさせていた。
ロレアントはリオーチェの視線に気づいてニコッと笑うとリオーチェをそっと抱き寄せた。ああ、抱きしめてもらっている。リオーチェは嬉しかった。その耳元でロレアントは言った。
「リオ。‥これからもずっと愛している。ずっとおれの傍にいてほしい。一緒に生きよう」
「‥はい、はいロレン様」
涙が溢れてくる。ベラ渾身の化粧が落ちてしまうのでぐっと我慢して目を瞬かせた。ロレアントは少し笑いながらハンカチで涙を拭ってくれ、そっと目元にキスをしてくれた。
「‥では、ヘイデン侯爵令息、クラン伯爵令嬢です」
紹介の声が響く。目の前のドアが開かれる。明るく鼻の咲き乱れている庭園で、皆が喜び二人を出迎えた。
ロレアントはリオーチェの手を引いた。
「行こう、リオ」
「はい!」
そして、
ロレアントはものの見事に段差につまずきすっころんだ。
引っ張られてリオーチェもすっ転び、婚約発表の二人が地に伏しているという前代未聞の事態が巻き起こった。
一瞬、しん、とした会場だったが、そんな中リオーチェは、もうおかしくてたまらなくなって、「あははは!」と声に出して笑ってしまった。
それにつられて招待客の中にも笑い声が響き渡る。今日のパーティーの主な招待客はヘイデン家ゆかりの者や騎士団の者たちだ。遠慮のない笑い声は次第に会場を包んでいき、なぜか「万歳!」の声までが沸き起こった。
ロレアントは真っ赤な顔をしてリオーチェを抱き起こし「ごめん」と小さな声で謝った。
「どんなロレン様も、好きですよ」
リオーチェはそう言ってにこりと笑った。
立ち上がった二人は、人々の中に入っていき、祝福の声を浴びた。
二年後に結婚した二人は、時々ロレアントのおっちょこちょいに振り回されながらも幸せに暮らしたようだ。
リオーチェはいつもそんな夫の世話を甲斐甲斐しくしていたそうである。
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小説家になろう、ムーンライトノベルズにも投稿しております。こちらにはないものもありますのでよかったらご覧ください。https://xmypage.syosetu.com/x8912cl/
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