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1章 ようこそ異世界へ
新たな体
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「ひっろいな。」
唖然としながら城の内部を見渡す。
どんな感じかって言うと某ゾンビゲームに出てくる屋敷のような感じだ。
目の前には階段があり少し登ると左右にのびる階段へとたどり着く。
エントランスも立派な赤いカーペットやシャンデリア、美しい花を生けた花瓶など1泊するだけで数百万ほど吹っ飛びそうだ。
「ふふん、凄いでしょ。これでも神様ですからね。自分の住む家に妥協なんてしないよ。」
またしてもドヤ顔。この人はドヤ顔するのが癖なのだろうか?
「う、そんな反応してもらったの久しぶりなんだからいいじゃんか少しくらい。」
ぷくーっと頬を膨らましてジト目で見られる。
表情豊かだなこの神様は。
「と、とりあえず2階に君の体があるから今の体と交換するよ!」
俺の手を引いて1つ目の階段を駆け上がり右の階段へ行こうとする。
「ちょ、ちょっと待て、体の交換ってなんだ?」
「あ、そうだね、説明しないと。」
足を止め、べシールはこちらに振り向き話し出す。
「いいかい?この世界の人々は魔力を作り出すことが出来る。そして、魔力を作り出すにはマナを取り込まなければならない。」
「へぇ、どうやってマナを取り込むんだ?」
「簡単なことさ、息を吸うだけ。さっき言ったでしょ?大気にマナが溢れてるって。その取り込んだマナはこの世界の人の体内にあるマナ変換器官って言う器官でマナを魔力に変化させるんだ。そして、魔力を使うことが出来る。ちなみに魔力を使う行為、例えば魔法を使ったりすると、その魔法が消滅した時に魔法がマナに変換されるんだ。だから、マナが世界からなくなることはありえない。」
「なるほど、そして俺はこの世界の人じゃないから、そのマナ変換器官ってのがないから体をこの世界の人と同じようにする……てことか?」
ニコリと笑ってべシールは再び階段を登りだした。
「そうだね、まぁそれ以外にも色々理由はあるけどね。たとえば君はこの世界についての知識はないだろう?準備している君の体の脳には最低限ではあるけど、この世界についての情報を入れてる。あまりにも情報を入れすぎるとその体に移った時に一気に情報が入ってきて脳がオーバーヒートするからね。」
階段を登りきって沢山ある扉の1つをべシールが開く。
「……これが、俺の体か?」
扉を開けて見えるのは中に液体が入っている巨大な2つのカプセル。2つのカプセルから線が伸び、その線の行き先には1つのスイッチがある。
そして左側のカプセルには俺の体が入っていた。
「そうだよ、今日のために何年もかけて1から作ったんだ。」
「作ったって……どうやって?」
「この世界の魔力はうまくすれば魔力を体を構築する細胞や血液に変化させることが出来るんだ。僕達神でも完全な人の体を作るのに年単位もの時間がかかったけどね。」
苦笑いをしながらべシールは呟く。
「さぁ、覚悟が決まったら君は服を脱いでもう1つのカプセルに入ってくれ。このスイッチを押せば魂をもう1つの体に移すことが出来る。」
「分かった。」
べシールの言う通りに服を脱ぎ、カプセルの後ろ側へと移動する。そこには土台があり、カプセルの上のふたを開けるとそこからカプセルの中に入ることができるようだ。
「すぅー、はぁー」
別に死ぬわけじゃないが、緊張する。
手の震えをもう片方の手で掴んで強引に止め、カプセルの蓋を開き、液体の中にダイブした。
(温かい……そして、眠い。)
液体は見た目よりも温かい。しかし、睡眠薬でも入っているのか途端に眠くなってしまう。
もちろん、液体の中にいるから息も出来ず、ずっとこのままだった場合俺は窒息死するだろう。
(……。)
意識が無くなる直前に安心させるように穏やかな表情をしたべシールがスイッチを押すのをカプセル越しに見て……俺の意識は消えていった。
唖然としながら城の内部を見渡す。
どんな感じかって言うと某ゾンビゲームに出てくる屋敷のような感じだ。
目の前には階段があり少し登ると左右にのびる階段へとたどり着く。
エントランスも立派な赤いカーペットやシャンデリア、美しい花を生けた花瓶など1泊するだけで数百万ほど吹っ飛びそうだ。
「ふふん、凄いでしょ。これでも神様ですからね。自分の住む家に妥協なんてしないよ。」
またしてもドヤ顔。この人はドヤ顔するのが癖なのだろうか?
「う、そんな反応してもらったの久しぶりなんだからいいじゃんか少しくらい。」
ぷくーっと頬を膨らましてジト目で見られる。
表情豊かだなこの神様は。
「と、とりあえず2階に君の体があるから今の体と交換するよ!」
俺の手を引いて1つ目の階段を駆け上がり右の階段へ行こうとする。
「ちょ、ちょっと待て、体の交換ってなんだ?」
「あ、そうだね、説明しないと。」
足を止め、べシールはこちらに振り向き話し出す。
「いいかい?この世界の人々は魔力を作り出すことが出来る。そして、魔力を作り出すにはマナを取り込まなければならない。」
「へぇ、どうやってマナを取り込むんだ?」
「簡単なことさ、息を吸うだけ。さっき言ったでしょ?大気にマナが溢れてるって。その取り込んだマナはこの世界の人の体内にあるマナ変換器官って言う器官でマナを魔力に変化させるんだ。そして、魔力を使うことが出来る。ちなみに魔力を使う行為、例えば魔法を使ったりすると、その魔法が消滅した時に魔法がマナに変換されるんだ。だから、マナが世界からなくなることはありえない。」
「なるほど、そして俺はこの世界の人じゃないから、そのマナ変換器官ってのがないから体をこの世界の人と同じようにする……てことか?」
ニコリと笑ってべシールは再び階段を登りだした。
「そうだね、まぁそれ以外にも色々理由はあるけどね。たとえば君はこの世界についての知識はないだろう?準備している君の体の脳には最低限ではあるけど、この世界についての情報を入れてる。あまりにも情報を入れすぎるとその体に移った時に一気に情報が入ってきて脳がオーバーヒートするからね。」
階段を登りきって沢山ある扉の1つをべシールが開く。
「……これが、俺の体か?」
扉を開けて見えるのは中に液体が入っている巨大な2つのカプセル。2つのカプセルから線が伸び、その線の行き先には1つのスイッチがある。
そして左側のカプセルには俺の体が入っていた。
「そうだよ、今日のために何年もかけて1から作ったんだ。」
「作ったって……どうやって?」
「この世界の魔力はうまくすれば魔力を体を構築する細胞や血液に変化させることが出来るんだ。僕達神でも完全な人の体を作るのに年単位もの時間がかかったけどね。」
苦笑いをしながらべシールは呟く。
「さぁ、覚悟が決まったら君は服を脱いでもう1つのカプセルに入ってくれ。このスイッチを押せば魂をもう1つの体に移すことが出来る。」
「分かった。」
べシールの言う通りに服を脱ぎ、カプセルの後ろ側へと移動する。そこには土台があり、カプセルの上のふたを開けるとそこからカプセルの中に入ることができるようだ。
「すぅー、はぁー」
別に死ぬわけじゃないが、緊張する。
手の震えをもう片方の手で掴んで強引に止め、カプセルの蓋を開き、液体の中にダイブした。
(温かい……そして、眠い。)
液体は見た目よりも温かい。しかし、睡眠薬でも入っているのか途端に眠くなってしまう。
もちろん、液体の中にいるから息も出来ず、ずっとこのままだった場合俺は窒息死するだろう。
(……。)
意識が無くなる直前に安心させるように穏やかな表情をしたべシールがスイッチを押すのをカプセル越しに見て……俺の意識は消えていった。
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