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本編
過去のこと
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目の前で両親と弟を亡くした。
事故のことは覚えてはいるけど、明確に思い出そうとすると頭が痛くて吐き気が酷くなるから、うっすらとしか覚えていない。
覚えているのは、ポチの鳴き声と、顔に降りかかる灰と、サイレンの音と、僅かな金木犀の香りだけ。
それから俺は父方の叔父と叔母の家に引き取られた。この辺りのことはあまり覚えていない。叔父の顔も叔母の顔も忘れた。感謝はしているけどあの人たちのことは反吐が出るほど嫌いだ。俺の身体にもポチの身体にも毎日怪我が増えた。犬嫌いの叔父に蹴られて足の骨を折ったポチを引きずるように抱えて、俺は家を出た。
そこで、龍のお父さんに拾われた。鮮明に覚えているのは、この辺りから。
雨の日の夜だった。
7歳の俺に成犬だったポチは重くて、すぐに歩けなくなって、俺はポチを抱いて道路の隅にうずくまってた。
ポチは、骨折して痛いだろうに俺を心配して、ずっと俺の顔を舐めながら悲しそうに泣いていた。
車が通るたびに水たまりの水がかかって、俺は背中を向けてポチを庇った。
どのくらいそうしていたかわからない。何度目かの水しぶきを受けて、寒くて頭がぼんやりしてきていた頃、ふっと雨が途切れた。
ぼんやりしながら見上げたら、黒い傘が目に入って、叔父かと思って慌てて振り返った。
けど、そこに立っていたのは、叔父とは全然違う、上品なおじさんだった。
「すまない、人がいることに気がつかなくて、水がかかったろう」
おじさんはそう言いながら俺の後ろにしゃがみこんで、ハンカチで頭を拭いてくれた。
「…君、いつからここにいる?…その犬、怪我しているのか」
「…あしが、折れていて…」
「…病院に、連れていこう。知り合いに獣医がいる」
「……」
俺は、咄嗟にどうしていいのかわからなくて、ポチを抱きしめた。小さな声でポチが泣いて、とうとう涙が出た。
「大丈夫。おじさんは顔は怖いかもしれないけど、動物は好きなんだ。…信じてくれないか」
「………あ、あの、お、おねがい、します」
頭を撫でられて、優しい声をかけられて、涙は止めることができないくらい溢れた。両親が死んで1年間、そんな暖かい声を聞いたのは初めてだった。
ポチを抱きかかえて車に乗せたあと、俺のことも車に乗せてくれた。車の中には運転手がいて、本当に動物病院に連れて行ってくれた。
「きっと大丈夫だから」
「君の名前は?」
「寒いだろう。もう少し我慢してくれな」
おじさんは多分、金持ちなんだろうとその時から想像はできた。服も車も全部、見たこともないほどに上品だった。それなのに、泥だらけのポチを車に寝かせて、俺にコートを着せてくれた。
俺は何も言えなかった。
ただ泣く俺を、おじさんはずっと撫でてくれていた。
ポチを獣医さんに預けている間、やっと落ち着いた俺は、おじさんと二人で待っていた。
「名前は?」
「陽、です」
「君の友達の名前は?」
「ポチ」
「君のご両親の電話番号はわかるかな?心配なさっているだろう」
「…いません、親」
「……、君、どこに住んでいるの?」
「叔父さんと、叔母さんの家。でも、電話番号はわかりません」
「…ポチくんは、どうしてけがを?」
「…叔父さんが、蹴ったから」
「………」
おじさんは、しばらく悩んで、ちょっと待っていてね、と言いながら俺から離れて、少し遠くで誰かに電話をした。それから戻ってきて、また俺の頭を撫でた。
「…ポチくんを、預けてもらえないか」
「…預ける?」
「怪我が治るまで、入院したほうがいい」
「……おねがい、します」
ポチは、俺が殴られたり蹴られたりしたら、いつも庇ってくれていた。ポチがいなかったらどうなるかわからなかったけど、早く治ってももらいたかった。
「きっと、お家の人が心配しているよ。君の家まで送ろう」
「…心配なんて」
してるはずもない。わかっていた。けど、おじさんに送ってもらって家に帰ってみたらもう電気はついていなくて、叔父さん達は寝静まっていて、本当に心配なんかしていないと見せつけられて、苦しくなった。
「ごめんください」
おじさんが、白い手袋をはめた手でドアを叩きながら叫んだ。
「おじさん、大丈夫です。朝になるまでここで待っているから」
「そんな、駄目だ。こんなに寒いのに、凍えてしまうよ」
「大丈夫」
「……ちょっと、待っていてね」
またそう言っておじさんが離れていって、しばらくして帰ってきた。
「…警察に行こう。道中で君を保護したとありのままを話すよ」
「…警察。叔父さんと叔母さんに、迷惑が」
「…君は、怪我をしているのに、そんなことを考えてしまうんだな………」
おじさんは俺の前にしゃがみ込んで、じっとこちらを見つめたまま俺の頭を撫でた。
「社長、飛行機の時間が」
少し離れたところから、車を運転してくれていた人がおじさんを呼んだ。
「…ああ、わかっている、わかっているよ。しかしな……君は、今の叔父さんや叔母さんが好きかい」
「……好きでは、ないです」
「そうか。…怪我は、ないかい。警察には言わないから、私にだけ見せてくれないか」
「……」
誰にも見せるなと、ずっと言われていた。もし誰かにばれたなら、もうお前の世話はしないよと叔母さんに言われたことがある。
だけど、この人になら見せてもいい、そう思った。
俺は黙ったまま、腕や腹の服をめくって、火傷の跡や治りかけの切り傷、打撲を見せた。
なんと言われるか不安だったけど、おじさんは黙ったまま俺を抱き寄せた。おじさんからは上品な香水の匂いがした。
俺を抱きしめたまま、おじさんは震える声で話した。
「……もう少し待たせてしまうが、君さえよかったら、私の息子にならないか」
「え…」
「無理強いは、できない。…君さえ良ければ、だが」
「……、おじさんが、お父さんになってくれるの?」
「…ああ、そうだよ」
「うん、おじさんの子どもになりたい」
「…そうか」
それから、ぎゅうっと俺を強く抱きしめたあと、もう一度頭を撫でてくれた。
「私は、鷹司」
「たか…つかさ?」
「長いから呼びにくいだろうね。鷹でいい」
「鷹…さん」
「うん」
俺は、おじさんのことを本当に好きになった。その日は俺にコートとマフラーを預けて、運転手に怒られながら空港に行ってしまった。何度も何度も謝っていたけど、俺は平気だった。おじさんの匂いがするコートとマフラーが暖かくて、朝まで幸せな気持ちでじっと待った。
「鷹さん、鷹さん…」
小さな声で名前を呼ぶだけで頬が緩んだ。時間がかかるって言っていた。けど、魔法の言葉を知った俺は、きっと何年だって待てると思った。
朝になったら、出てきた叔母さんに怒鳴られて家に引きずりこまれて、叔父さんに腹を殴られた。マフラーとコートのことを聞かれて、すごくお金持ちそうな人が貸してくれたと答えた。そう言えば、丁重に扱ってくれると思ったから。
おじさんのことは、全く知らないと言った。お父さんになってくれると言ったことも、名前も、社長と呼ばれていたことも黙っていた。
ポチは、それから2週間後に、あの時と同じ車で家に帰ってきた。叔父さんと叔母さんはすごくニコニコして、クリーニングに出したマフラーとコートを渡した。鷹さんはいなくて、運転手さんが俺を見て小さく頭を下げた。
それから見たこともないような上等なお菓子を叔母さんに手渡して、運転手さんは帰ってしまった。
そしてその日からずっと、鷹さんには会えなかった。ポチの散歩中に一度だけ運転手さんに会って、傷のことを警察に話してもいいかという手紙を渡された。鷹さんを信じていたから、すぐに頷いた。
その頃から何故か叔父さんや叔母さんは俺に少しずつ優しくなって、俺の痣や傷は薄くなっていっていた。
そして会えないまま、半年が過ぎた。
鷹さんがうちにやって来た。
大きな花束を持っていた。
「っ…鷹さん…!」
叔母さんのことも叔父さんのことも頭からなくなって、俺は鷹さんに抱きついた。
「遅くなってしまったね。…今日から、一緒に暮らすんだよ」
「本当に…?ほ、本当に…?ポチも一緒…?」
「ああそうだとも」
叔父さんと叔母さんは、真っ青な顔をして玄関で正座していた。鷹さんは2人には何も言わずに、俺と大きな花束を抱えて家から出た。ポチがあとから嬉しそうについてきて、俺とポチは車に乗せられた。
「…ね、鷹さん、少し待って」
「ん?」
鷹さんが助手席に乗り込んでさっさと発車しそうになったから、慌てて車の窓を開けた。叔父さんと叔母さんはドアを開け放したまま、玄関で正座をしていた。
大嫌いだった。けど、二人がいなかったら生きていけなかったということもちゃんと理解していた。
「叔父さん、叔母さん!お世話になりました!」
俺は叫んで、さっさと窓を閉めた。二人の顔も見ずに別れた。
「はは、強いな」
鷹さんが笑う声が車の中に響いて、ポチも嬉しそうに吠えた。
後から聞いた話だけど、鷹さんが迎えにくるまでの半年間、水面下で裁判が続いていたらしい。親権を剥奪して、鷹さんが後見人になってくれるまで半年かかってしまったと、申し訳なさそうに話してくれた。
事故のことは覚えてはいるけど、明確に思い出そうとすると頭が痛くて吐き気が酷くなるから、うっすらとしか覚えていない。
覚えているのは、ポチの鳴き声と、顔に降りかかる灰と、サイレンの音と、僅かな金木犀の香りだけ。
それから俺は父方の叔父と叔母の家に引き取られた。この辺りのことはあまり覚えていない。叔父の顔も叔母の顔も忘れた。感謝はしているけどあの人たちのことは反吐が出るほど嫌いだ。俺の身体にもポチの身体にも毎日怪我が増えた。犬嫌いの叔父に蹴られて足の骨を折ったポチを引きずるように抱えて、俺は家を出た。
そこで、龍のお父さんに拾われた。鮮明に覚えているのは、この辺りから。
雨の日の夜だった。
7歳の俺に成犬だったポチは重くて、すぐに歩けなくなって、俺はポチを抱いて道路の隅にうずくまってた。
ポチは、骨折して痛いだろうに俺を心配して、ずっと俺の顔を舐めながら悲しそうに泣いていた。
車が通るたびに水たまりの水がかかって、俺は背中を向けてポチを庇った。
どのくらいそうしていたかわからない。何度目かの水しぶきを受けて、寒くて頭がぼんやりしてきていた頃、ふっと雨が途切れた。
ぼんやりしながら見上げたら、黒い傘が目に入って、叔父かと思って慌てて振り返った。
けど、そこに立っていたのは、叔父とは全然違う、上品なおじさんだった。
「すまない、人がいることに気がつかなくて、水がかかったろう」
おじさんはそう言いながら俺の後ろにしゃがみこんで、ハンカチで頭を拭いてくれた。
「…君、いつからここにいる?…その犬、怪我しているのか」
「…あしが、折れていて…」
「…病院に、連れていこう。知り合いに獣医がいる」
「……」
俺は、咄嗟にどうしていいのかわからなくて、ポチを抱きしめた。小さな声でポチが泣いて、とうとう涙が出た。
「大丈夫。おじさんは顔は怖いかもしれないけど、動物は好きなんだ。…信じてくれないか」
「………あ、あの、お、おねがい、します」
頭を撫でられて、優しい声をかけられて、涙は止めることができないくらい溢れた。両親が死んで1年間、そんな暖かい声を聞いたのは初めてだった。
ポチを抱きかかえて車に乗せたあと、俺のことも車に乗せてくれた。車の中には運転手がいて、本当に動物病院に連れて行ってくれた。
「きっと大丈夫だから」
「君の名前は?」
「寒いだろう。もう少し我慢してくれな」
おじさんは多分、金持ちなんだろうとその時から想像はできた。服も車も全部、見たこともないほどに上品だった。それなのに、泥だらけのポチを車に寝かせて、俺にコートを着せてくれた。
俺は何も言えなかった。
ただ泣く俺を、おじさんはずっと撫でてくれていた。
ポチを獣医さんに預けている間、やっと落ち着いた俺は、おじさんと二人で待っていた。
「名前は?」
「陽、です」
「君の友達の名前は?」
「ポチ」
「君のご両親の電話番号はわかるかな?心配なさっているだろう」
「…いません、親」
「……、君、どこに住んでいるの?」
「叔父さんと、叔母さんの家。でも、電話番号はわかりません」
「…ポチくんは、どうしてけがを?」
「…叔父さんが、蹴ったから」
「………」
おじさんは、しばらく悩んで、ちょっと待っていてね、と言いながら俺から離れて、少し遠くで誰かに電話をした。それから戻ってきて、また俺の頭を撫でた。
「…ポチくんを、預けてもらえないか」
「…預ける?」
「怪我が治るまで、入院したほうがいい」
「……おねがい、します」
ポチは、俺が殴られたり蹴られたりしたら、いつも庇ってくれていた。ポチがいなかったらどうなるかわからなかったけど、早く治ってももらいたかった。
「きっと、お家の人が心配しているよ。君の家まで送ろう」
「…心配なんて」
してるはずもない。わかっていた。けど、おじさんに送ってもらって家に帰ってみたらもう電気はついていなくて、叔父さん達は寝静まっていて、本当に心配なんかしていないと見せつけられて、苦しくなった。
「ごめんください」
おじさんが、白い手袋をはめた手でドアを叩きながら叫んだ。
「おじさん、大丈夫です。朝になるまでここで待っているから」
「そんな、駄目だ。こんなに寒いのに、凍えてしまうよ」
「大丈夫」
「……ちょっと、待っていてね」
またそう言っておじさんが離れていって、しばらくして帰ってきた。
「…警察に行こう。道中で君を保護したとありのままを話すよ」
「…警察。叔父さんと叔母さんに、迷惑が」
「…君は、怪我をしているのに、そんなことを考えてしまうんだな………」
おじさんは俺の前にしゃがみ込んで、じっとこちらを見つめたまま俺の頭を撫でた。
「社長、飛行機の時間が」
少し離れたところから、車を運転してくれていた人がおじさんを呼んだ。
「…ああ、わかっている、わかっているよ。しかしな……君は、今の叔父さんや叔母さんが好きかい」
「……好きでは、ないです」
「そうか。…怪我は、ないかい。警察には言わないから、私にだけ見せてくれないか」
「……」
誰にも見せるなと、ずっと言われていた。もし誰かにばれたなら、もうお前の世話はしないよと叔母さんに言われたことがある。
だけど、この人になら見せてもいい、そう思った。
俺は黙ったまま、腕や腹の服をめくって、火傷の跡や治りかけの切り傷、打撲を見せた。
なんと言われるか不安だったけど、おじさんは黙ったまま俺を抱き寄せた。おじさんからは上品な香水の匂いがした。
俺を抱きしめたまま、おじさんは震える声で話した。
「……もう少し待たせてしまうが、君さえよかったら、私の息子にならないか」
「え…」
「無理強いは、できない。…君さえ良ければ、だが」
「……、おじさんが、お父さんになってくれるの?」
「…ああ、そうだよ」
「うん、おじさんの子どもになりたい」
「…そうか」
それから、ぎゅうっと俺を強く抱きしめたあと、もう一度頭を撫でてくれた。
「私は、鷹司」
「たか…つかさ?」
「長いから呼びにくいだろうね。鷹でいい」
「鷹…さん」
「うん」
俺は、おじさんのことを本当に好きになった。その日は俺にコートとマフラーを預けて、運転手に怒られながら空港に行ってしまった。何度も何度も謝っていたけど、俺は平気だった。おじさんの匂いがするコートとマフラーが暖かくて、朝まで幸せな気持ちでじっと待った。
「鷹さん、鷹さん…」
小さな声で名前を呼ぶだけで頬が緩んだ。時間がかかるって言っていた。けど、魔法の言葉を知った俺は、きっと何年だって待てると思った。
朝になったら、出てきた叔母さんに怒鳴られて家に引きずりこまれて、叔父さんに腹を殴られた。マフラーとコートのことを聞かれて、すごくお金持ちそうな人が貸してくれたと答えた。そう言えば、丁重に扱ってくれると思ったから。
おじさんのことは、全く知らないと言った。お父さんになってくれると言ったことも、名前も、社長と呼ばれていたことも黙っていた。
ポチは、それから2週間後に、あの時と同じ車で家に帰ってきた。叔父さんと叔母さんはすごくニコニコして、クリーニングに出したマフラーとコートを渡した。鷹さんはいなくて、運転手さんが俺を見て小さく頭を下げた。
それから見たこともないような上等なお菓子を叔母さんに手渡して、運転手さんは帰ってしまった。
そしてその日からずっと、鷹さんには会えなかった。ポチの散歩中に一度だけ運転手さんに会って、傷のことを警察に話してもいいかという手紙を渡された。鷹さんを信じていたから、すぐに頷いた。
その頃から何故か叔父さんや叔母さんは俺に少しずつ優しくなって、俺の痣や傷は薄くなっていっていた。
そして会えないまま、半年が過ぎた。
鷹さんがうちにやって来た。
大きな花束を持っていた。
「っ…鷹さん…!」
叔母さんのことも叔父さんのことも頭からなくなって、俺は鷹さんに抱きついた。
「遅くなってしまったね。…今日から、一緒に暮らすんだよ」
「本当に…?ほ、本当に…?ポチも一緒…?」
「ああそうだとも」
叔父さんと叔母さんは、真っ青な顔をして玄関で正座していた。鷹さんは2人には何も言わずに、俺と大きな花束を抱えて家から出た。ポチがあとから嬉しそうについてきて、俺とポチは車に乗せられた。
「…ね、鷹さん、少し待って」
「ん?」
鷹さんが助手席に乗り込んでさっさと発車しそうになったから、慌てて車の窓を開けた。叔父さんと叔母さんはドアを開け放したまま、玄関で正座をしていた。
大嫌いだった。けど、二人がいなかったら生きていけなかったということもちゃんと理解していた。
「叔父さん、叔母さん!お世話になりました!」
俺は叫んで、さっさと窓を閉めた。二人の顔も見ずに別れた。
「はは、強いな」
鷹さんが笑う声が車の中に響いて、ポチも嬉しそうに吠えた。
後から聞いた話だけど、鷹さんが迎えにくるまでの半年間、水面下で裁判が続いていたらしい。親権を剥奪して、鷹さんが後見人になってくれるまで半年かかってしまったと、申し訳なさそうに話してくれた。
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