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本編
昼間から
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痛みが全くなくて、気持ち良くて、つらい。だから酷くしてほしかったのに。
「あっ、ぅあ!」
「は、海斗、」
後ろから顎を掴まれて、横を向かされる。安里が覆いかぶさって、顔が近づいてきて、体勢のきついキス。
後ろを安里が出入りする度にゾクゾクして気持ちよくて、どうしていいかわからない。初めは声を出さないようにとか考えてても、次第にそんなことさえ考えられなくなる。
「海斗、」
「あっ、あっ」
名前を呼ばれたら胸が熱くなってもっと気持ちよくなる。快感がつらくて、じわ、と涙が出た。
安里の顔が離れて、ただソファに顔をうずめてしがみついた。
「あっ…もう、ムリだ…!安里、あ、さと…!」
わけがわからなくなって安里の名前を呼んだら、安里の手が伸びてきて俺の首輪を掴んだ。
そのまま、後ろに引く。
「……っ!?……ぐ、」
「…海斗、海斗」
首が絞まって、息ができない。
安里に名前を呼ばれて嬉しいのと気持ちいいのと苦しいのと、更に意識も朦朧としてきた。
「…は…!…っ…!」
安里の動きに合わせてたまに首輪が緩んで、喉から空気が入る。身体中の感覚がふわふわし始めて、なにもわからなくなる。痺れるような。身体が浮くような。
「……は、はっ…あ、あああ…あ、あ!」
「…っ」
中にどくどく注がれて、熱いのだけはわかった。ものすごい快感が押し寄せて、頭も身体もついていかなくて、真っ白。俺の意思に関係なく身体がビクビクと跳ねて、俺のものからはだらだらと溢れるように精液が垂れる。
ソファに付く、とか考えてる余裕もなかった。
ずるっと後ろから熱いものが出て、その感覚にさえ震える。。
「…海斗、大丈夫か」
「…は、は、…っは、あ、」
「海斗」
「ん…っう、」
身体に力が入らなくて、立ててた膝がガクガク揺れる。
そのままソファに倒れこんでしばらくしたら、やっと足の震えは落ち着いてきた。でもまだ全身がどくどく脈打つ。
「…っ、う、ぁ、やべぇ…」
「後ろでイッたのか?」
「…わかんねぇ…、は、まだふわふわする…、」
身体がびくびく痙攣するような、味わったこともないくらいの気持ちよさで、最後の方はもう意味がわからなかった。
ソファの下に座る安里が髪を撫でてきて、さっきまでの俺を思い出して死にたくなる。喘いだ、すっげー喘いだ。
安里も思い出してるんだろう。髪を撫でながらニヤニヤしている。一度目があったら更にニヤッと笑われて、居た堪れなくてソファに顔を伏せた。
「すごかったな」
「久しぶりだったからな!」
「ドM」
「…ドS!」
「じゃあ相性いいな」
「……」
ああ、絶対に勝てない。それを言われたらもう俺ドMでいいやと思ってしまう。
「海斗、身体起こせるか?」
「…ん、」
安里があったかくしたタオルで、身体を拭いて、ソファも拭いてくれる。終わったあとこうやって世話してくれるの、気持ちよくて好きだ。
なんだかんだ言って、優しい。
「…安里、絶対モテるよなぁ」
「まあな」
「…………女子大生……」
簡単に想像できる。くるくる巻いた髪の化粧した女子大生たちが、安里を囲むのが。大学が違うから俺が実際にその光景を目にすることはないけど、たぶん想像したのと大差ないことは起きるだろう。
「耳、垂れてるぞ」
「………………耳?」
「別にモテても応えないんだから一緒だろ」
ぺち、と頬を叩かれる。俺の耳は垂れないはずだけど、本当に犬の耳が頭についてるのか?と思うくらい安里には俺の考えはすぐ見透かされる。
「信じろよ、馬鹿犬」
軽くキスされて、最後にペロッと俺の上唇を舐めて離れていった。
「おまえも、誰彼構わず尻尾振るなよ。同じ大学のやつに尻尾振ったらもう部屋から出さないからな」
「…え、尻尾振るって、どのくらいから…」
「俺が不愉快に感じたら」
「……」
理不尽。さすが安里だ。
…けど、もしかしたら、会長に尻尾振ったって怒ったのも、結城さんに尻尾振ったって怒ったのも、俺とおんなじ思いを安里がしたってことなのかもしれない。
そう思うと、そんな思いをさせたことが悲しいような、そんな風に思ってくれて嬉しいような複雑な気持ちになる。
「ちょっと寝るか」
安里に手を引かれて、寝室へ向かう。2人とも半裸で、セミダブルのベッドに寝転んだ。
頭をぐしゃぐしゃ撫でられて、安里の方を向いてたのにひっくり返された。有無を言わさず後ろから抱き寄せられて、安里の手が俺の腹に回る。布団がまとめてかけられて、リモコンで電気が消える。
「おやすみ」
パンツしか履いてないし、まだ昼間だけど、カーテンを引いた薄暗い部屋で、安里はすぐに眠り始めた。
寝不足なのか、と思ってから、もしかしたら俺の合格発表は安里も緊張していたのかもしれない、と思ってまた心臓が苦しくなった。大事にされてるってのはくすぐったい。
安里の寝息を聞いて心を落ち着けながら、なんとなく想像を巡らす。
別々の大学に通って、一緒に暮らす。どんな風になるんだろう。毎日こうやって一緒に寝れたらいい。やっぱり自分の部屋なんかなくていい。大学卒業したら、安里はきっと大企業に就職して、俺はきっと大したことはできなくて…。
「…、」
そこまで妄想して、初めてそんな未来を想像したことに気づいた。
今まで、安里のそばにずっと俺が恋人としている想像がどうしてもできなかった。
けど、安里に好きだと言われて、鍵をもらって、ずっとそばにいてもいいのかもと思えるようになって、無意識に未来を想像してしまった。
「…ふわぁ、」
あくびが出て、目に涙が溜まる。眠くなんかなかったのに、安里の腕の中が気持ちよくて、まどろんできた。
「…おやすみ、安里」
起きたら安里と一緒に新しい部屋を見に行ってみたい。そんなことを考えながら目を閉じた。
「あっ、ぅあ!」
「は、海斗、」
後ろから顎を掴まれて、横を向かされる。安里が覆いかぶさって、顔が近づいてきて、体勢のきついキス。
後ろを安里が出入りする度にゾクゾクして気持ちよくて、どうしていいかわからない。初めは声を出さないようにとか考えてても、次第にそんなことさえ考えられなくなる。
「海斗、」
「あっ、あっ」
名前を呼ばれたら胸が熱くなってもっと気持ちよくなる。快感がつらくて、じわ、と涙が出た。
安里の顔が離れて、ただソファに顔をうずめてしがみついた。
「あっ…もう、ムリだ…!安里、あ、さと…!」
わけがわからなくなって安里の名前を呼んだら、安里の手が伸びてきて俺の首輪を掴んだ。
そのまま、後ろに引く。
「……っ!?……ぐ、」
「…海斗、海斗」
首が絞まって、息ができない。
安里に名前を呼ばれて嬉しいのと気持ちいいのと苦しいのと、更に意識も朦朧としてきた。
「…は…!…っ…!」
安里の動きに合わせてたまに首輪が緩んで、喉から空気が入る。身体中の感覚がふわふわし始めて、なにもわからなくなる。痺れるような。身体が浮くような。
「……は、はっ…あ、あああ…あ、あ!」
「…っ」
中にどくどく注がれて、熱いのだけはわかった。ものすごい快感が押し寄せて、頭も身体もついていかなくて、真っ白。俺の意思に関係なく身体がビクビクと跳ねて、俺のものからはだらだらと溢れるように精液が垂れる。
ソファに付く、とか考えてる余裕もなかった。
ずるっと後ろから熱いものが出て、その感覚にさえ震える。。
「…海斗、大丈夫か」
「…は、は、…っは、あ、」
「海斗」
「ん…っう、」
身体に力が入らなくて、立ててた膝がガクガク揺れる。
そのままソファに倒れこんでしばらくしたら、やっと足の震えは落ち着いてきた。でもまだ全身がどくどく脈打つ。
「…っ、う、ぁ、やべぇ…」
「後ろでイッたのか?」
「…わかんねぇ…、は、まだふわふわする…、」
身体がびくびく痙攣するような、味わったこともないくらいの気持ちよさで、最後の方はもう意味がわからなかった。
ソファの下に座る安里が髪を撫でてきて、さっきまでの俺を思い出して死にたくなる。喘いだ、すっげー喘いだ。
安里も思い出してるんだろう。髪を撫でながらニヤニヤしている。一度目があったら更にニヤッと笑われて、居た堪れなくてソファに顔を伏せた。
「すごかったな」
「久しぶりだったからな!」
「ドM」
「…ドS!」
「じゃあ相性いいな」
「……」
ああ、絶対に勝てない。それを言われたらもう俺ドMでいいやと思ってしまう。
「海斗、身体起こせるか?」
「…ん、」
安里があったかくしたタオルで、身体を拭いて、ソファも拭いてくれる。終わったあとこうやって世話してくれるの、気持ちよくて好きだ。
なんだかんだ言って、優しい。
「…安里、絶対モテるよなぁ」
「まあな」
「…………女子大生……」
簡単に想像できる。くるくる巻いた髪の化粧した女子大生たちが、安里を囲むのが。大学が違うから俺が実際にその光景を目にすることはないけど、たぶん想像したのと大差ないことは起きるだろう。
「耳、垂れてるぞ」
「………………耳?」
「別にモテても応えないんだから一緒だろ」
ぺち、と頬を叩かれる。俺の耳は垂れないはずだけど、本当に犬の耳が頭についてるのか?と思うくらい安里には俺の考えはすぐ見透かされる。
「信じろよ、馬鹿犬」
軽くキスされて、最後にペロッと俺の上唇を舐めて離れていった。
「おまえも、誰彼構わず尻尾振るなよ。同じ大学のやつに尻尾振ったらもう部屋から出さないからな」
「…え、尻尾振るって、どのくらいから…」
「俺が不愉快に感じたら」
「……」
理不尽。さすが安里だ。
…けど、もしかしたら、会長に尻尾振ったって怒ったのも、結城さんに尻尾振ったって怒ったのも、俺とおんなじ思いを安里がしたってことなのかもしれない。
そう思うと、そんな思いをさせたことが悲しいような、そんな風に思ってくれて嬉しいような複雑な気持ちになる。
「ちょっと寝るか」
安里に手を引かれて、寝室へ向かう。2人とも半裸で、セミダブルのベッドに寝転んだ。
頭をぐしゃぐしゃ撫でられて、安里の方を向いてたのにひっくり返された。有無を言わさず後ろから抱き寄せられて、安里の手が俺の腹に回る。布団がまとめてかけられて、リモコンで電気が消える。
「おやすみ」
パンツしか履いてないし、まだ昼間だけど、カーテンを引いた薄暗い部屋で、安里はすぐに眠り始めた。
寝不足なのか、と思ってから、もしかしたら俺の合格発表は安里も緊張していたのかもしれない、と思ってまた心臓が苦しくなった。大事にされてるってのはくすぐったい。
安里の寝息を聞いて心を落ち着けながら、なんとなく想像を巡らす。
別々の大学に通って、一緒に暮らす。どんな風になるんだろう。毎日こうやって一緒に寝れたらいい。やっぱり自分の部屋なんかなくていい。大学卒業したら、安里はきっと大企業に就職して、俺はきっと大したことはできなくて…。
「…、」
そこまで妄想して、初めてそんな未来を想像したことに気づいた。
今まで、安里のそばにずっと俺が恋人としている想像がどうしてもできなかった。
けど、安里に好きだと言われて、鍵をもらって、ずっとそばにいてもいいのかもと思えるようになって、無意識に未来を想像してしまった。
「…ふわぁ、」
あくびが出て、目に涙が溜まる。眠くなんかなかったのに、安里の腕の中が気持ちよくて、まどろんできた。
「…おやすみ、安里」
起きたら安里と一緒に新しい部屋を見に行ってみたい。そんなことを考えながら目を閉じた。
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