イケニエヒーロー青井くん

トマトふぁ之助

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イエロー編

性感共鳴:harmony

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 「ぐ、ふうっぅ……♡!!もっ……リッヒェ、リッヒェッ!!」
 「なんだねカエデ。ここが好きだろう?」
 「くそっ♡オナホの、くせにい……ッ♡!!好き勝手してんじゃねえぞ!ぁ、ひっ!そこぉ……っ!!」
 「まだまだ出せるだろうに。腰が逃げているぞ」

 長い交接を経て、イエローは幾度目かの吐精に至ることができた。しかし精を絞りとってなお蠢く艶かしい液体金属のうねりに、愚息は休むことを許されない。オフホワイトで統一された清潔感のあるベッドルームは、この数時間でイエローを責め苛む淫獄へ変貌を遂げていた。
 吐精をいくら繰り返しても、離してもらえないのである。
 「もう無理だ!もう出ねえって!聞けってバカ、くっそぉ!!」
 黄ノ下楓は未だ状況を把握しきれていなかった。この怪人には黄ノ下に「抱かれて」やる気など毛頭なかった。いや、抱く抱かない以前の問題である———リッヒェの仕掛けたオナホ―ル仕立ての罠に、黄ノ下がまんまと捕らえられただけの話であった。生命体として欲望覚えたてであるこの怪人に性的快楽など追体験させればどうなってしまうか、少年は想像もできていなかった。きゅるきゅると軽快に滑車の回転する音が金属肢体の継ぎ目から漏れる。自分が組み敷いた獲物の様子がおかしいことに少年は早く気づくべきだった。
 「君が絶頂すると……っ!言語系統にエラーが出る……!」
 「や゛めぇッ……♡!!もうでねえ!出ねえってッ!!!」
 陰茎を搾り取るよう、液体金属が流動しながら黄ノ下を苛む。完全に形勢は逆転され、傍目からすれば無力な少年が化け物に襲われている光景にしか見えない。
 黄ノ下の少年らしさを残した成長しきらぬ肢体は、怪人の体に組み敷かれ、騎乗位で下半身を貪られていた。
 少年は射精後の脱力感にぐったりしている。リッヒェの背から伸ばされる金属肢に体を弄られてもろくに反応することさえできない。……昆虫の足のように、リッヒェのアームが複数伸びてイエローを拘束する。

 震える手足、胴、未だ細い首を寝台にしっかり固定し終えると、別のアームが先端をメスのように変形させ、脱衣を迫る。手際は丁寧だが容赦無く、光を受けて白く瞬く刃が黄ノ下の衣服を切り裂いてしまった。
 「はあっはあ……!むり!!もっ、無理だっで……!!あ゛、ああ゛ッア!!」
 露わにされていく成長途中の肉。考える隙を与えさせないよう、リッヒェはイエローに体を密着させ、液体金属の硬度を調節する。リッヒェの合金体は未だ黄ノ下のペニスを取り込んだままである。ブルーの記憶から再現した、柔らかくもよく締まる肉洞を限界まで駆動させていく。……たかが腸壁のレプリカに突っ込んでいるだけであるというのに、黄ノ下は舌を出してつま先を痙攣させている。ぐう、と伝わる快楽物質量が増加して、リッヒェは彼が何十回目かの絶頂を極めたことを知った。オナホであることを望んだイエローは息も絶え絶え、涙目で天を仰ぐ。もう何も出すものがないペニスからはとろとろ薄い精が伝うばかりだ。
 「んひっ、ヒぅ、あ゛っあ゛!!……ぁー、ふぅ、ウ……?ら、に……っ♡」
 ぐち、ぐちと胡乱な音を聞いて、黄ノ下が上気した顔を怪訝そうに歪める。いつの間にか後孔に侵入していたアームが、目当てのしこりに辿り着いた。
 液体金属のアームは先端を柔らかなブラシのように変形し、未開発の前立腺を優しく擦りあげ始める。

 ———じゅこっ♡!じゅこっじゅこっ♡♡♡……!!
 たっぷり湿した毛束がふっくり腫れた粘膜を擦り上げる。少年の手足が、電気でも流されたかのように痙攣する。
 「ひっ!ひっ!!らに、あに?♡え、ア♡あー……ッ!!あァ……♡!!」
 それまでなんとか体面を保とうとしていたイエローも、前と後ろを同時に愛撫され、まともに話すことさえできなくなっていた。
 ごしゅごしゅと愛情深く前立腺を揉み解されると、黄ノ下はその意思と関係なく絶頂させられてしまう。思考を溶かす快楽に、彼は背を軽く丸めて肛虐に酔った。リッヒェにも伝わるその快楽は全く未知のもので、折り重なった二人は言葉もなく口づけを行う。黄ノ下はほとんど脳天まで走る性感の波に呑まれきっていた。
 蕩けた視点は定まらず抵抗もしない。鉄仮面がもどかしげに黄ノ下の唇へ幾度も触れた。
 「……いいらしいな……」
 「あーっ……♡ひっ♡ごしごし、んふぁ♡、ふ、うう」
 寝台の上で切り刻まれた衣服は巣材のようだ。あられも無い姿の人間は無防備に横たわり、前立腺への愛撫をすっかり受け入れきっていた。
 リッヒェはこれ幸いとばかりに力無く放り出された両足を銀肢で持ち上げる。騎乗位ごっこから正常位へと体位を変え、少年の身体へ覆い被さっていった。

 ———黄ノ下楓はもともと快楽に弱い性質だ。それが甘やかすように与えられる刺激ならば尚更のこと。リッヒェが自分を痛めつける様子がないことも手伝って、無意識下で安堵して、身体は快楽に従い始めていた。
 繊毛状のブラシアームが肉のしこりを強かに擦りあげると同時、痙攣反応から割り出した性感のツボへ別のアームが針を刺していく。そのたびに黄ノ下の剥き出しの腹筋はびくびくと震え、大きな瞳が不安げに涙した。数十分は執拗に愛撫され続けただろう。食い殺される草食獣に等しく、黄ノ下は蕩然と喉をさらして喘ぎをこぼす。
 腹の内側で針を通されては瞬きの合間に治癒を繰り返し———、イエローは強制的な発情状態へと堕ちていく。

 「はえっ♡!?な、ひ……♡———これ、あに……っ♡ンぎゃんっ♡!!」
 ブラシで甘やかされたとろとろの後孔を、突然硬いものが貫いた。辛抱たまらなくなったリッヒェはブラシアームをペニスの型へ変形させ、突如腫れ上がったしこりへ抉り込んだのだ。弾力の伴ったペニスアームが蕩け切った腹を開いていく。
 戸惑うイエローは目を白黒させて、鈍った思考を懸命に回した。浅めのしこりを幾度も逞しい肉茎で殴られて、そのたび下腹部から快楽が迸る。視界に稲妻が走った。

 ———あれ、おれ……おかされてる、どうして?
 ———へんだ。だってリッヒェには、ついてなかったはずなのに。

 「こういう行為はする気も起きなかったが、君との交尾用にデータはとってきてある。安心したまえ」
 「あ゛っ♡お゛っ……♡!!ぁん゛♡!!んぅ♡」
 「採取元があの男娼だったものでね。彼の記憶から幾つかを参考に再現したんだっ……!!」
 「ぉ、あ゛ア~~っ♡♡♡!!ぅぃ、ぃい……ひぃい……ッ♡!」

 後孔を犯すペニスアームは勢い激しく、黄ノ下の腸壁を躾けていく。元ヒーローは性感に染まった頭でついに考えることを放棄した。気持ちいいんだから仕方無い。気持ちいいのだから間違ってない。腹の奥がじくじくと疼いて、もっと深く突かれるのを心待ちにしている。その思考を読み取ったリッヒェが、間髪入れずに奥深くへ一発叩き込んだ。硬すぎない肉杭のカリが、その段差で腸壁を甘く掻きほぐしていく。
 「んヒッ♡!!あー♡あ♡すごっ♡!!ヒっ♡あっあっ」
 「いい子だカエデ、君が気持ち良くて、私も嬉しい……っ!」
 「ひゃ、らめ、そこ……ぃいっ♡!!かいちゃらえ、ぁ、ああああ♡♡♡!!」
 覆い被さられ揺さぶられ続ける黄ノ下は、ペニスを弄られなくとも絶頂できることをその身体に思い知らされた。リッヒェの奇怪な金属体にしがみついて腹奥の疼きが収まるまでぶるぶると震える。深く、酷く破壊的な肉の快楽が理性を根こそぎ奪い去っていった。
 「はー……♡ひゅーっ……♡」
 口の中が甘い。毒々しい幸福感に浸され切って、全身から力が抜けていく。

 体を前傾させ、軽く体重をかけてくるリッヒェも深い悦楽に暫く沈黙していた。黄ノ下の感覚を追うことで、こんな愉しみすら味わえる。その意味を噛みしめていると、組み敷いた少年がリッヒェの腕の中から這いずって逃げようとしていた。その腰を掴んでゆっくりと引き戻すと、泣きはらした目元で怯えたように睨みあげてくる。
 挿入したままのアームを揺する。すぐに快楽信号を彼の脳から受け取ることができた。
 ———この獲物は確かに快楽を得ている。それなら大丈夫だろう、リッヒェは人工声帯を螺子撒いた。

 「もっとしたい。付き合ってくれるね?」
 「もうれない……もうれねぇよぉ…………っ♡」
 「出さなくていいんだよ、カエデ」

 ちゅぷりとアームをしゃぶる腸壁をしごく。じゅこじゅこと勢い良くアームを動かせば少年はろくにものも考えられなくなり、快楽に酔ったまま自ら腰を振り始めた。肉付きの薄い腰回りがいいところに当てようと健気に跳ねる。仮にもヒーローの体だ、覚えはいいらしい。
 お互いの脳が馬鹿になるまで、この快楽を追いかけてみてもいいだろう。アームは千切って遠隔操作すれば多様な楽しみ方ができるだろうが、抱き合うことで得られるこの幸福感も捨てがたい。
 ———そうだ。カエデの腹にアームを仕込ませよう。今度脱走したときにはそれを使って連れ戻せばいい。
 「あ、くそ……こっち、もっと……っ♡」
 考えごとをしていたのが伝わったのか、イエローの手がリッヒェに伸びてくる。杭打つたびに締まって快楽を訴える後孔は、ふちが赤く充血してリッヒェに懐いている。初めての夜には十分な戦果だ。これから時間をかけてじっくりと慣らしていけばいい。
 もっと奥へ突き入れて、かき回して脳髄からぐちゃぐちゃにしてやりたい。銀の体がたまらず少年の体に貪りかかる。
 怪人は嬉しげに、初めての欲に耽溺していった。
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