イケニエヒーロー青井くん

トマトふぁ之助

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ブルー編

苗床level4:精神調整

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 ぷつぷつと植えられた根が精を吸う熱を感じて、青井は身を震わせた。
 「は……っ」
 オーガ族は総じて巨体だ。一族の頭領たるバルドはその中でも群を抜いて体格の良い異形である。大鬼は痩せているとはいえ軍属であった大の男を抱え、見た目を裏切らない性豪さで青井をさいなんだ。
 湯船に腰を落ち着けたバルドは対面座位の姿勢で、ゆっくり抱き込んだ身体へ精を注ぐ。
 (湯が……入ってしまう……!)
 「ん、んン♡くゥ、うぅ、ふっぐ……♡!!」
 ずっぷりアナルに食い込んだカリ高の怪人ペニスは、揺すぶられる度にどびゅ、びゅくう!と濃厚な子種を吐き続ける。向かい合った姿勢で抱かれてしまえば、動くこともかなわず精を注がれる感覚に意識を集中させるしかない。
 体格差が激しすぎて、首にまわしてもわずか背伸びする姿勢になってしまう青井は、太い首に頬を擦りつけて悶えた。
 鍛えられた腹筋が羨ましい。無尽蔵とも思える持久力にはつくづく種族差を痛感させられる。ここへ連れてこられてから飽きもせず種付けされ続け、最中力を抜く方法も板についてきた。すっかりこの怪人の肉奴隷なのだと霞む頭が理解する。爛れていて不道徳な関係だが、青年はいつも意識がなくなるまでバルドにしがみつくのをやめられない。
 (俺にプライドは無いのだろうか……。こいつのセックスは確かに気持ちいいが、だからといって抵抗も無しに……)
 このまま風呂で抱かれ続け、それだけでは飽き足らずベッドでも結腸奥をいじめ抜かれるだろう未来を想像して身震いがした。……しかも心の何処かでそれを期待してしまう己がいる。嫌がって身を捩りながら体を快楽で支配される被虐の恍惚を、青井の身体は骨の髄まで教え込まれてしまっていた。血管が浮いた巨根が腹の内で暴れ狂っている。抜かずの二発目は勢いが増していた。

 (———最近体がおかしい、なんで無茶をされればされるほど体調が回復するんだ!)

 皮下の寄生植物が精液を分解し、ほとんど死に損ないの体の補修に充てていることに青井は気づいていなかった。再生された細胞が、徐々にサキュバスのそれへと作り替えられている事実も、当然知る術はない。それは淫魔に作り替えられることとほぼ同義であった。
 「あつい……ッ♡!!は、あぅ、あつ……」
 精に込められた魔の力が青年の細胞を造り変えて、精神の内側にまで触指を伸ばす。
 宿主の理性は徐々に失せ、青井の場合、武装を剥がれた心の奥までを大鬼に許すようになっていた。
 「ん、ンぃ、んあっぁああああ~~~♡♡♡!!」
 キスを施されたあとの情熱的な種付けに、雄の性を裏切って腸壁が痙攣する。頭がぼうっとしてうまく考えられない。メスイキ状態が続く敏感な雄膣を、ねっとりと執拗に高位の魔物がマーキングする。
 どくどく脈打つ肉棒は人間には不可能な量の精液を放ち、獲物を見事虜にした。

 「……っあ、ぁあ~~~ッ……♡♡♡!!」
 ぐずぐずに溶けた青の瞳が雫をこぼす。過剰な快楽は心地いい地点を通り過ぎ、いっそ体に酷である。

 (しらねえ、こんなのしらねえ♡こんな、これじゃもう俺は本当に……!)

 一度絶頂に突き上げられると視界を白が覆い尽くす。舌先を出して皮膚を痙攣させる青井を、そのいき過ぎた刺激に靡く罪悪感が襲う。歯を一度食いしばると、青年は体力切れに赤く火照った顔でふと虚空を見あげた。
 「———あ。……ぁあー、あ~っ……」
 「ん、……飛ばしすぎたな。息をしろ……」
 腕の中で朦朧と嗚咽する青井に、バルドは緩く腰を動かしつつその頭頂部にキスをする。
 「顔をあげろ。……よく目を見せろ。いい色だ」
 「……ふ、ぅ、……っ」
 「なんで泣く。嘘じゃねえ。……ひび割れたサファイアだ。ズタボロになっても切り掛かってきたお前によく似合う」
 朱く染まった目元を酒臭い口元が舐め取っていった。大粒の涙が後を追って零れ落ちる。誰へ向けるでもない謝罪が青井の口から漏れて、風呂場に反響して消えた。
 「ごめ、なさ……♡ごえんなさっ……!!」
 「それは誰に言ってんだ?お前を切り捨てた人間共か?尻差し出して守ってる孤児院の奴らか。…………それともレッドの野郎か?」
 「ァ、アひぁアッ♡♡♡!?」
 未だ結腸奥にめり込んだままの巨根が更に奥を目指して打ち込まれた。バルドの巨根は完全に嵌め込むことができるサイズではなく、腸を破られることを恐れながら青井は巨体に懐くしかない。
 淫魔に成り果てつつある直腸は、うねるように一物へと吸い付いて悦んでいる。
 「やぶれるっ♡やぶれちゃう、ひ、あつい♡ごめんなさっ♡ごめんなさぃい♡♡♡えっ……!ひぐ、ぅ~~~!」
 「くそっ!見ろ、ブルー!俺様を見ろ!今てめえを種付けしてんのは誰だ!?雌にしてやってんのは誰だ!言え!!」
 「ぅぐっ、ばるど、ばるど♡!やだ、こわいっ……!!やさしく、やさしくしてえ♡♡♡!!」
 腰を折ってしまいかねない力で抱き寄せ、腰骨を両手で固定したまま陵辱する。大鬼の尋常でない執着が伝わったのか、強制的に発情させられた青年が怯えを見せた。……雄膣を肉棒の鱗がかえしで酷く刺激する。柔らかく融解した肉をかき分け、ピストン運動が激しさを増す。青井は半狂乱で荒ぶるバルドの腕から逃れようとした。
 「だってぇ……!!おれ、おれはひーろーなのに、……ひィッ♡!こんな!やだやだあっ!離して!おかしくなる、———きもちぃい♡いい、ぁめ、ンぃっ……!ッぁ、ア~~~♡♡♡!!」
 「オラッ!!イけブルー!!イッちまえ!!産道震わせてメスイキしろ!!何がヒーローだ………お前は俺様のオンナだろうが!!」
 「ひ、ぁ、♡ぁっ♡あぅっ♡!ごめんなさい!ごぇんなさっ……♡♡♡!!ぁあアあああッ♡♡♡♡♡!!ぁぁ~~~……、……♡♡♡」
 使い物にならなくなったヒトのペニスから、薄い精が吐き出された。絶頂状態が終わらないせいで、青井は白目を剝いて丸めた背を痙攣させ続ける。降りてこられない快楽の波が朦朧とした意識をも容赦なく襲った。青年は最後まで男にしがみついたままだ。絶頂に震える肉襞が、バルドの肉杭を甘く扱きたてる。
 淫魔の性が既にその体を支配し始めていた。
 「ぐうう……っ!最高だ!……今すぐ孕ませてやる……俺様のもんだ……!淫乱め、種乞いの震えが止まらんぞ!」
 「ひゃ♡ひぃッ♡ぁ、ぁ、ぁ……っ!」
 最後の一滴まで絞り尽くさんとする青井のアナルは、柔らかな弾力を伴って肉棒を扱き、子種を吸い出そうとする。———淫紋が根を張る下腹部には未発達ながらも擬似子宮が成長し始めていた。およそ数週間で成熟し、バルドの目論見通り元英雄は子を孕むだろう。今はただ敏感な性感帯として宿主に催淫効果をもたらすだけの芽であるが、凶悪な魔族の精子は勘違いをして雄子宮の入り口を叩いていた。びちびち生きの良い子種に無防備な胎を犯されて生贄が惑う。
 「ぁ、たすけ、ばるど……っ♡!やだ……はら、へん、ん……っ♡」
 眉をハの字にして泣き縋る姿に、これ以上なく獣欲をかき立てられたバルドが吠える。たちまち硬さを取り戻した凶器に屈従した奴隷が許しを乞うた。

 その日、ベッドに連れ去られた青井は、意識が無くなってからも怪人に犯され続け、立つこともままならない程身体を貪られ続けた。意識をとばす寸前、寝台の軋む音と共に大鬼の低い声が囁く。
 「俺様のもんになれ、俺様のために生きろ。人間共じゃァなく……!!毛の一本残らずしゃぶり尽くしてやる……逃がさねえ……孕め……孕め……!」
 快楽に浸されて何も考えられない青井は、バルドの腕にしがみついたまま意識を失った。限りない熱と、下腹に感じる重みと、求められる悲しい安堵。全てが通り過ぎたあと腕枕をされ、精も根も尽き果てた青年は夢を見ずに眠ることができた。
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