イケニエヒーロー青井くん

トマトふぁ之助

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ブルー編

侵食粘魔

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 魔王軍幹部のバルドが青井の下腹に植え付けたのは魔界のとある植物の種子である。主にインキュバスが使う代物で、柔らかい獲物の肉に根を張り精力を吸い上げる催淫植物だ。人間の腹……若い女の子宮の上に根を張らせ、精液を乞い強請らせる下衆な用途で使われる場合が最も多い。

 バルドは腕の中で身悶える青井の後孔を無遠慮にほぐしつつ、その媚態に感嘆の声を漏らした。
 「腹が減るってのは本当らしいな。もう下の口がドロドロだぜ」
 「やめろ!やめてくれ……っ!きたな、汚いからっ!!さわるなぁあ!」
 青年は涙目で抵抗する。今まで洗浄無しにそこを触られたことなど無かった。枕営業が常態化していても、最後のプライドでそこだけは譲らなかったというのに、この仇敵は太い指で未処理のアナルをかき分けてくる。羞恥と嫌悪感でなけなしの矜恃はズタズタだ。青井は覆い被さる男に懇願した。
 「たのむ……せめて中は洗わせてくれぇ……っ、ん、ひぃ…!」
 「そうは言ってもなあ」
 歯をむき出してあざ笑い、中年怪人が指を増やす。
 「この部屋にはお前ら人間が使うようなシャワーは置いてなくてな。生憎だがひと風呂あびるなんざ無理だぞ」
 「……ぅ、……ぅう~っ……!!」
 「……そうさな。どうしてもって言うなら代替品はあるぜ」
 強ばって引き連れるアナルの入り口を酒で丹念に愛撫しながら男は嘯いた。シルクのシーツを力無く引っ掻いている青井の俯せた背にキスを振らせる。……筋骨逞しい怪人は子どもをあやす手つきでもって、しかし有無を言わさず寝台から青年の腰だけを持ち上げさせた。
 「?」
 代替品とはなんだろう。青井の知る洗浄とは温水で腸内をすすぐものだった。行われるのは大抵風呂。汚水を処理できる場所でないとかなわなかったからだ。道具も必要なはずだ。無機質な洗浄器具が脳裏をちらつく。
 しかし現れたのはポンプのついたプラスチックの器具でも、医療用洗浄用具でも無かった。
 「ズール!餌の時間だ!」
 だみ声に呼ばれて天井から垂れてきたのは下級モンスターのスライムだった。
 「ヒッ」
 ただのスライムではない。バルドに飼い慣らされたこのスライムは、ゲル化した体に薄く金を纏った趣味の悪い変異種だ。これだけの巨躯を誇るスライムに青井は出くわした事が無い。金のヴェールを纏った半透明のスライムは、床に落ちきると体をまとめ、主人の命令を待った。
 「奴隷のケツアナを綺麗にしてやんな。とびきり長ぁく、丁寧にな」
 「!?何をする!く、来るな……っ!」
 青年の手足を押さえ込んでいたバルドの太い腕が突然離される。前方に倒れ込んだ青井はそのまま自分の倍ほどの大きさであるスライムにのみ込まれてしまった。両手足の周辺は凝固したゲルに捕らわれ、身動きが取れない。
 肘から先を後ろ手に取られ、腰から下を完全に覆われてしまった青井は下半身に違和感を覚えパニックに陥った。移送の際着せられた安もののシャツとパンツは焼け焦げるようにして溶解して、無防備な尻へと液体の冷たさが訪れる。
 「ぐ……っ!?や、めろ……!やめてくれえ……っ!」
 ぶぢゅ、ぢゅっ!!ずろおぉっ……!
 アナルに液状化したスライムが入り込み、腸壁を直に舐め回していく。半透明のスライムが吸い出した汚濁は屈辱に喘ぐ青井のプライドを無情にも蹂躙していった。汚らしい水音が続き、放り出された床の上で青井は力無く後ろの穴を舐めしゃぶられ続ける。涙目で上を見上げると、カウチにくつろぎながら青井をあざ笑うバルドの姿があった。
 「いい格好だなあ?俺様の子種で腹下す前に綺麗にしてもらって良かったろう?」
 「くっそ……ゆるさねえ…、許さねえからな……ヒッ」
 ぢゅこん!とアナルを凝固したゲルが擦りあげていく音が響いた。
 「いや、だぁあ!!ぁああ、ぃヒぃ、きもち、わり……ぃい……っ!」
 ぢゅこ、ぶぢゅ、と青年の抗議を無視して「洗浄」は続く。とてつもない羞恥と嫌悪感が青井を苦しめた。のたうつ体を肴にバルドが笑う。後孔を襲うのはあくまで生温い刺激だが、排泄に酷似した屈辱的な音が青年の精神をみるみるうちに削り取っていった。どんなに懇願してもやめてもらえないと悟ってからは、唇を噛みしめて責めに耐えるしかない。頬を伝う涙を床でぬぐい、青井は歯を食いしばった。……落ち着こうと必死になる体に異変が走ったのはその時だ。
 「!?っ……な、ぇ♡ゃ、んァ……♡!?」
 下腹部に植え付けられた種子が、成長しようと宿主に刺激を送り出したのだ。
 下腹が激しく熱くなり、ちゅこちゅこ擦られる後ろの刺激に合わせて甘く快感を拾ってしまう。そんな馬鹿な。心を裏切っていく肉体に、青井は絶望の声をあげた。やだ、いやあ、ぬけよお。焦らすように性感をとろ火で炙られ続け、気がつけば涙と涎で顔がべとべとだった。激しい飢餓感に周りの音が聞こえなくなる。たすけて、誰か助けてと叫んでも手は差し出されない。
 半刻ほど仇敵の痴態を肴に酒を楽しんでいたバルドだったが、静かになってしまった青井にようやく重い腰を動かした。床に這いずりのたうっていた体は痙攣しどこもかしこも朱がたまっている。血管の激流が聞こえてきそうだ。
 ……全身が熱い。腰から下が勝手に緩く前後するのを止められない。
 「ひっ………♡ひっ……………♡♡」
 「……きまり過ぎちまったかね。起きられるか」
 「あああああ!さぁ、さわぅ、なぁ!!ぃぅっ……♡!!?」
 スライムから乱暴に腕を引き上げられ、過敏になっている神経が悲鳴をあげた。バルドに掴まれた皮膚から裂かれるような快楽を与えられた青井が、朦朧とした意識で泣きわめく。
 「ひ、ィい……っ!!うぁあっ、うぅう゛~っ……!!!」
 そこで糸が切れてしまったのか、青年は精悍な顔を歪めてこどものように泣き出した。声を殺して泣きじゃくるブルーを見て頃合いだと判断したバルドは、スライムに命令を下す。
 「……おうズール。よくやったな。そろそろ下がれ」
 魔界の軟体生物はまだ遊び足りなさそうではあったが、主人の命令に大人しく引き下がり天井裏へと壁を伝って帰って行く。……あとに残されたどろどろの青井を抱き上げ、大鬼は寝台の中央へと獲物を降ろす。
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