オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜

トマトふぁ之助

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侵食:修道士グレイ

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 「いやあ助かりました!」
 男達は兵士の格好をしていた。数は五人、いずれもむくつけき屈強な戦士たち。
 入り口正面からほど近い小部屋を開放し、応接用の暖炉で冷えた体を温めさせる。ジャックが見たところ、全員凍えてはいるが、凍傷も軽度で済んでいる。装備が良かったのだろう。意外にも血色がいい。
 隊長格と思しき壮年の戦士が感謝の言葉を述べる。
 「北方遠征中に本隊とはぐれてしまいましてね。いや国境を越えとらんで良かった!ここはエゼ……なんでしたかな」
髭面に楚々とした微笑みを返すのは修道院長だ。薄い笑みの下は相変わらず読めない。夜中に叩き起こされたのを怒っているのは確実だろう。
 「エゼキエラ修道院でございます、分隊長殿。白湯を用意させましたので……ささ、どうぞ」
 「おお、これはこれは!ありがたい。部下に飲ませてやってもよろしいか?」
 「勿論ですとも。お前たち!」
 修道院長がジャックに顎で指示を出す。言われずとも呼びつけられたグレイと共に、白湯の入ったマグを手分けして配給する。
 緊急事態として特別に恩赦が出たロイが今頃仲間と湯の準備をしている頃だろう。もうしばらくすれば風呂に案内できると伝えれば、男達の顔が目に見えて明るくなった。
 「国軍かよ。アルファ野郎が混じってないだろうな?」
 「しっ。聞かれたらことだぞ」
 「ぶってんじゃねえ。院長様もゴマスリに必死だよなあ」
 グレイは笑顔を貼り付けたままジャックにだけ聞こえるように愚痴を溢している。過敏になっても仕方が無い状況だ。グレイのアルファ嫌いは修道院でも有名だ。万一修道士があてられて発情期に入ってしまったら、連鎖的に集団ヒートが起こりかねない。
 (まさかこのまま滞在させはしないだろうけど……)
 もしこの五名の中にアルファが混じっているのだとすれば、一泊させるだけでも危険だ。オメガの避難所とも言えるエゼキエラの秘匿が露見してしまうかもわからない。
 「前の修道院長様がお嘆きになるだろうよ」
 グレイの悪口も冴え渡る。修道院長が一年前に代わってから、国からの修道院への援助が削られた。新しく就任したノイエ修道院長は優秀だが若く、王室にコネクションも少ない。これを機に、国軍に人脈を得られればと画策していることは明白であった。噂をすればというか、ノイエ院長が更に指示を出してくる。銀髪の下、鋭い眼差しがグレイを貫く。
 「グレイ!応接間にこの方々を通しなさい。」
 「わかりましたぁ」
 不気味なへつら笑いで了承したグレイは、修道服を揺らして来訪者たちを案内し始めた。五人が十分遠ざかったのを確認して、ジャックは院長に伺いを立てる。
 「……応接間は、宿舎と距離が近すぎます。離棟に移されてはいかがでしょう」
 「国軍の方々だ。あまり粗末な部屋には案内できん」
 「しかし……」
 「くどい。夜半にかような場所にいた罰を与えても良いのだぞ」
 これは駄目だと青年は内心溜め息をついた。なるべく兵士と接触しないよう修道士達を誘導せねばなるまい。ノイエは怜悧な美貌を曇らせて薄く笑った。
 「……お前もあやつがいたら、と考えているのであろう」
 「は……?何のことだか私めには」
 「ふかしおる。ギャリコのことだ。あれがいなくてさぞ心細いだろう?私の指揮では……不満だろうが、今は大人しく言うことを聞け」
 副修道院長のギャリコは身分こそ平民階級であるものの人望が厚く、仕事ができる男だ。主に外交面でその人なつこさを発揮しており、現在は王都に出張中である。この様子では、ノイエ院長はギャリコ副院長にいつ院長の座を奪われるか恐れている、という話は本当なのかもしれない。年こそ同じものの、とっつきにくい貴族出身のノイエと剽軽な平民出身のギャリコは月と太陽ほどの違いがあった。
 「奴らを泊める。そうするより他あるまい。ギャリコめがここにいても同じ判断をしただろうよ。精々恩を売って、装備を調えさせ、明日の昼にここを出て行ってもらう」
 妥当な判断だろう。ジャックは深々と頭を下げ、湯沸かしの手伝いをするためにその場を後にした。
 (グレイの奴、最後まで愛想良くできただろうな)
 一抹の不安がよぎったものの、お互い成人を過ぎたいい大人だ。応接間を心配しつつ、青年は浴場へと足を速めた。

 「んっんぐ……っ⁉︎んんぁ、ぁん、ぁっあっ……、!……っ⁉︎」
 (ろうひてっ……!なんれ、おれがぁ……!)
 応接間まで案内するだけだったはずが、青年は一瞬の隙を突いて無人の執務室へ引きずり込まれてしまった。揉み合うこともままならず、なぎ倒された書類の束の上へ組み敷かれ、呆気なくグレイはうなじを噛まれたのだ。
 血潮が沸騰して思考が滞る。触られるだけで敏感に体が震え、男を押しのける手には力が入らなくなった。あっという間の蛮行はそこからが本番で、口封じと言わんばかりに深く口づけられ、いやらしく体を擦りつけられ……。発情した体は性急な雄の怒張を受け入れてしまっていた。
 「ァんっ!ぁん、ぉお、ゃうっ!ぉっ……!」
 「っはあ……!たまらん孔をしている……っ!儂のこれを全て飲み込むとはなあ」
 男は分隊長と呼ばれた壮年の男であった。年に反して逞しい足腰でグレイを後ろから責め立てる。ぬかるんだオメガの後孔をえげつない太さの肉杭が嬲り倒す。自慰行為すら禁忌とされ、禁欲生活が義務づけられている修道士生活を続けてきたグレイには気の狂うほどの快楽だ。既に体はアルファの極太ペニスに媚び始め、咥えこんだ初々しいアナルは開いてしまった。降伏した胎が勝手に子宮を降ろしつつある。
 (降りてんじゃねえっ!クソックソ!こんな、アルファ野郎に……っ)
 「じっくり可愛がってやりたいが今は時間が無いのでな、手短にいくぞ」
 「!……っ⁉︎ンンっ⁉︎……、……~~~ァ、ひっんぁうっ‼︎」
 バックからの激しい突きに蕩けた頭がさらに白く霞む。肉の筒は気持ちのいい弱点をがつがつと殴打され、すっかり陥落しきっていた。一発既に注ぎ込まれていた精液を怪物じみたカリ首で掻き出すと、再度固太りした竿を震わせて熱い飛沫がぶちまけられる。
 「よき奉仕をする鞘だ……っ!腰が止まらんわ……!」
 「んぐ、んぐう!ぅううぅ~~~っ‼︎」
 雄子宮の入り口がちゅぱちゅぱとえげつない鰓の亀頭をしゃぶり出す。ふてぶてしく張ったタマから止めどなく発射される濃厚な精が、腸壁をマーキングしながらついに子宮口を貫き奥へと注がれる。未だ射精の止まらない分隊長は、腰を揺すりながらがっちりとグレイの腰骨を掴んで姿勢を整えた。下半身の修道服を捲り上げさせた青年が、ズレた眼鏡を直す余裕も無く悦楽に支配されたトロ顔を晒す。
 「ンっ……!あっ……。あぅ……っ」
 対面座位の姿勢で内側を捏ねられた青年は、長髪を振り乱して悶えた。紅潮した頬。焦点の合わない瞳。喘ぎを漏らす口からは、どちらのものとも知れぬ涎が垂れる。
 「やっ……‼︎ァアアアッ……‼︎」
 「自ら腰を振りおって、そら、そら……!」
 カリ高の肉槍は勢いづいて子宮口を易々と征服し、奥深くまで長大なストロークで青年を犯す。あまりの悦楽に思考は完全に霧散していく。グレイは無意識に分隊長の分厚い背に手を回し、子どものようにしがみついてしまった。ぐちゅ、ばちゅ、といやらしい水音が暗い部屋に響きわたる。やがて力を失ったグレイが後ろに倒れそうになると、男はそのまま青年を仰向けに寝かせ、種付けプレスの姿勢で腰を振り始めた。
 熱い身体に押し倒される。戦帰りの逞しい雄に体重をかけて抱き込まれたグレイは、雄の匂いと肉が叩きつけられる音にじっくり執拗に犯されてしまった。もう何も考えることなどできず、うっとりと咥内をまさぐる男臭い舌を薄いそれで歓待する。男は機嫌をよくしたのか、肉孔のしこった箇所をノックしてグレイを可愛がった。
 「おっ!んぁあぅっ‼︎ひゃぁ……っ‼︎」
 「ぐうっ……!」
 三度目の射精で完全にグレイは陥落した。
 覆い被さったままの男に抱きつき、空に放り出された両足はつま先まで伸びきって快楽に震えている。分隊長は息をつき、緩やかに続く射精を邪魔せぬよう巌のような体でもってグレイを抱き上げた。繋がったままの杭がズレて性感が煽られ、太股で男の腰を擦りあげてしまう。
 「これ、そう強請るものじゃない……。これから冬があけるまで、長い付き合いになるのだからな」
 男は外で見晴らせていた部下に先導させ、番いのオメガを揺らしながら応接間へ歩き出した。夜遅くの廊下には誰もいない。下履きの前をくつろげたまま、種付けを続行しつつ堂々と移動する。
 「ンっ!ぁう、っぅう……」
 振動に合わせてか細く啼く修道士の声は仲間のもとまで届かない。
 応接間に辿り着いた男は見張りを一人立てさせると、用意された簡素な寝台にグレイを放り、獣のように覆い被さっていった。
 修道院の長い夜。その産声が扉向こうにあげられ、淫らな嬌声に呑まれ始める。
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