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第二章
お仲間が必要です4
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「珍しい組み合わせだね」
一緒に入ってきたリュードとルフォンとエミナを見て宿のおばちゃんが不思議そうな顔をする。
これまで知り合いでなかったはずの3人が一緒に帰ってきたことに少し驚いた。
「まあ、色々あってね」
リュードが肩をすくめてみせる。
2回ぶつかって、同じ冒険者学校に通っていて、実は同じ宿に泊まっていた。
まさしく色々である。
「夜ご飯はどうするかい?」
「エミナちゃん一緒に食べない?」
どうにもルフォンはエミナを気に入ったようだ。
「じゃあご一緒させてください」
「おっ、いつも1人だったエミナにもとうとう友達ができたのかい」
「マ、マチルダさん……」
マチルダは宿のおばちゃんのことである。
ぼっちだったと明かされてエミナは気まずそうにリュードたちを見る。
リュードたちはそんなこと気にしないのでルフォンはお友達ですなんてマチルダに返している。
「エミナは実戦訓練はどうするんだ?」
料理を待って席につく。
作り置きの冷めた料理を出してくる質の悪い料理店もこの世界にはあるがマチルダはちゃんと温かい料理を出してくれる。
まだ料理が出来るまで時間があるのでこれはチャンスなのではないかと思いリュードが質問する。
「はは……私は友達もいませんし、まだ誘われてもいなくて。一応実戦訓練には参加できる数の合格は得てるんですけどね……」
チラリとルフォンに視線を送るとルフォンも同じことを考えていてうなずく。
「どうだ、他に誘いがなさそうなら俺たちと実戦訓練に参加しないか?」
エミナはちょうど1人で、しかも魔法使いなので後衛だった。
女の子であり身綺麗、性格もいいのでルフォンもエミナのことは気に入っている。
あとは今のところリュードには興味がなさそう。
完璧すぎるぐらいに条件に当てはまる人物。
「エエッ!? 私でいいんですか?」
驚きを隠せないエミナ。
エミナも初日の戦闘訓練の様子を見ていた。
ルフォンの強さはもちろんだったし、ルフォンがウソをつく人物に見えないのでリュードもとても強いのだと純粋に思った。
他の授業もそつなくこなして全体的な能力の高さを見せつけている2人だった。
誘われたのは嬉しいけど足を引っ張らないか不安が胸をチクリと刺す。
それに実はルフォンとリュードを実戦訓練に誘おうとしている人はいたりすることも知っていた。
「返事は今すぐじゃなくてもいいんだ。もう何日か考えても……」
「い、いえ! 私でよければ参加させてください!」
時間を空けるときっと不安で断ってしまう。
エミナはテーブルにぶつけそうなほどの勢いで頭を下げて参加を申し出た。
改めて確認してみるとエミナは真面目で戦闘訓練やサバイバルに関しては合格のみだが、それ以外の知識系や手先系の授業に関しては優秀点ももらっていた。
成績について2人の足を引っ張ることはないどころか良い方だ。
戦いに関する若干の不安はあるものの成績は申し分ないのでパーティーの結成となった。
「よろしくね」
「はい、よろしくお願いします!」
女の子に声をかけまわる必要がなくなってリュードはホッとしていた。
一緒に入ってきたリュードとルフォンとエミナを見て宿のおばちゃんが不思議そうな顔をする。
これまで知り合いでなかったはずの3人が一緒に帰ってきたことに少し驚いた。
「まあ、色々あってね」
リュードが肩をすくめてみせる。
2回ぶつかって、同じ冒険者学校に通っていて、実は同じ宿に泊まっていた。
まさしく色々である。
「夜ご飯はどうするかい?」
「エミナちゃん一緒に食べない?」
どうにもルフォンはエミナを気に入ったようだ。
「じゃあご一緒させてください」
「おっ、いつも1人だったエミナにもとうとう友達ができたのかい」
「マ、マチルダさん……」
マチルダは宿のおばちゃんのことである。
ぼっちだったと明かされてエミナは気まずそうにリュードたちを見る。
リュードたちはそんなこと気にしないのでルフォンはお友達ですなんてマチルダに返している。
「エミナは実戦訓練はどうするんだ?」
料理を待って席につく。
作り置きの冷めた料理を出してくる質の悪い料理店もこの世界にはあるがマチルダはちゃんと温かい料理を出してくれる。
まだ料理が出来るまで時間があるのでこれはチャンスなのではないかと思いリュードが質問する。
「はは……私は友達もいませんし、まだ誘われてもいなくて。一応実戦訓練には参加できる数の合格は得てるんですけどね……」
チラリとルフォンに視線を送るとルフォンも同じことを考えていてうなずく。
「どうだ、他に誘いがなさそうなら俺たちと実戦訓練に参加しないか?」
エミナはちょうど1人で、しかも魔法使いなので後衛だった。
女の子であり身綺麗、性格もいいのでルフォンもエミナのことは気に入っている。
あとは今のところリュードには興味がなさそう。
完璧すぎるぐらいに条件に当てはまる人物。
「エエッ!? 私でいいんですか?」
驚きを隠せないエミナ。
エミナも初日の戦闘訓練の様子を見ていた。
ルフォンの強さはもちろんだったし、ルフォンがウソをつく人物に見えないのでリュードもとても強いのだと純粋に思った。
他の授業もそつなくこなして全体的な能力の高さを見せつけている2人だった。
誘われたのは嬉しいけど足を引っ張らないか不安が胸をチクリと刺す。
それに実はルフォンとリュードを実戦訓練に誘おうとしている人はいたりすることも知っていた。
「返事は今すぐじゃなくてもいいんだ。もう何日か考えても……」
「い、いえ! 私でよければ参加させてください!」
時間を空けるときっと不安で断ってしまう。
エミナはテーブルにぶつけそうなほどの勢いで頭を下げて参加を申し出た。
改めて確認してみるとエミナは真面目で戦闘訓練やサバイバルに関しては合格のみだが、それ以外の知識系や手先系の授業に関しては優秀点ももらっていた。
成績について2人の足を引っ張ることはないどころか良い方だ。
戦いに関する若干の不安はあるものの成績は申し分ないのでパーティーの結成となった。
「よろしくね」
「はい、よろしくお願いします!」
女の子に声をかけまわる必要がなくなってリュードはホッとしていた。
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