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第一章
伝えられぬ思い1
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行商まで残り時間は少ない。
リュードはポーションや薬を作って貯めておき、仲の良かったやつに挨拶に行ったりしていた。
リュードが旅に出るというとみんな驚いたものであるがリュードなら大丈夫だろう、元気でなと言ってくれた。
中には力比べで準決勝まで行ったリュードに戦いを挑んでくる奴もいた。
「私と戦いなさい!」
仲が良いかと聞かれるとちょっと微妙なところだが何かと突っかかってくることもあり、意外と会話することも多かったテユノ。
挨拶ぐらいはしておこうと考えていたのに狭い村でどうしてなのか中々テユノに会うことができなかった。
あと数日。
もう少しで出発の日になるという時、いつものように鍛錬していたリュードの前にテユノが現れた。
そしていきなり槍をリュードを向け、勝負するようにと告げた。
テユノの宣戦布告を聞いたメーリエッヒやルフォンたちお隣さん一家が何事かと顔を覗かせる。
「覚悟!」
リュードが戦うことを承諾していないのにテユノはリュードにかかっていった。
リュードはテユノの突きを剣の腹で受ける。
今は慣れるためにたまたま黒重鉄の剣を持っていた。
リュードはこの剣の名前をシュビナスと名付けていた。
何がなんだから分からないが大人しくやられてやるつもりもない。
けれどリュードもなんだか攻められなくて防戦を強いられる中テユノは前に出る。
交戦距離も槍らしく離れたり、接近して打ちつけるようにして振り回したりと刻一刻と変化して戦いにくい。
接近しての攻撃も回転させたり体ごと回して槍を振るので例え柄の部分でも当たれば十分な威力がある。
甘く考えてはいけない。
「はあっ!」
テユノが体を回転させてリュードの側面に回り込みながら石突でリュードの頭を狙う。
リュードは頭を下げて槍をかわす。
すぐさま槍を切り上げるもグッと足に力を入れてバク転して回避すると同時に距離をとる。
剣などの武器よりも間合いを取って戦い、距離を詰められることを嫌うのが普通の槍使いというものだがテユノは少し他とは違う。
持っている槍は一般の物よりもやや短めになっていてロングレンジとしての優位さは幾分か損なわれているが長槍よりも取り回ししやすい。
その上テユノは槍を使って杖術や棒術のようにも戦い、近距離戦闘もお手の物であるのだ。
リュードの武器は剣なので戦う距離は近い方がよかったがテユノは戦う距離を巧みに変えてリュードを翻弄していた。
けれどリュードもそんな変則的なテユノの攻撃をなんとか防いでいた。
できるならすぐに勝負を決めるつもりだったテユノは内心舌打ちしたい気持ちだった。
急に戦いを仕掛けたのにリュードは持ち直すのも早く、テユノの攻撃を冷静に見ていた。
リュードも力比べでテユノの戦いはよく見物していた。
完全な初見だったら危なかったかもしれないと思う。
「いきなりだな」
「ふん、これぐらいかわせなくて村の外でやっていけるわけないでしょ」
まあ一理ある言葉ではある。
外の世界では何があるか分からない。
いきなり襲撃されることはないなんて考える方が危険であるのは確かに言う通り。
だからと言って奇襲する理由にはならない。
「まあいい、戦いを始めたのはそっちだからな!」
相手は女性なので乗り気ではないが村でも腕が立つ方に入るテユノである。
気を抜いて戦えばあっという間にやられてしまう。
同時に少しだけワクワクとした気持ちもある。
そうそうテユノの手合わせする機会はない。
戦闘狂な竜人族の本能が刺激されているのだ。
槍先はリュードを捉えている。
短槍といえど間合いはリュードの剣よりも広い。
リュードが接近すると先に攻撃するのは当然テユノである。
接近するリュードに合わせて素早く鋭い突きを繰り出す。
リュードは槍を剣で防ぎながら無理やり自分の間合いに入ろうとする。
しかしテユノも棒立ちで槍をついているのではない。
距離をとりながら槍を突き、一方的に攻撃を加えていく。
リュードが槍を上手く受け流してもテユノは崩れない。
このままではらちが明かないので力を込めてやりに剣をぶつける。
テユノも比較的力のある方の女性ではあるがリュードの力には敵わない。
しけしテユノはあえて抵抗せずに片手を離してはじかれることで大きく体勢を崩されることを防いだ。
それでもそのわずかなスキにリュードは大きく足を踏み出して距離を詰めた。
ようやく自分の距離になったと思ったらテユノはなんとさらに距離を詰めてきた。
近すぎると近すぎるでやりにくい。
驚くリュードをよそにテユノはリュードの足を石突で突こうとする。
足を引いてかわすと今度は下から突き上げられ顎をかすめる。
上手くリュードの周りをまわるようにして側面に周りこみ膝裏を狙う。
剣を差し込んで防いだがまたもや完全にテユノのペースになっている。
これが男相手なら胸倉でもつかんで殴り合いにでも持ち込むのだけれどテユノ相手にそんなことはできない。
それにしても殺気は感じられないのに当たると致命傷になりかねない攻撃が多い。
なんとなく、ちぐはぐな感じがする。
リュードはポーションや薬を作って貯めておき、仲の良かったやつに挨拶に行ったりしていた。
リュードが旅に出るというとみんな驚いたものであるがリュードなら大丈夫だろう、元気でなと言ってくれた。
中には力比べで準決勝まで行ったリュードに戦いを挑んでくる奴もいた。
「私と戦いなさい!」
仲が良いかと聞かれるとちょっと微妙なところだが何かと突っかかってくることもあり、意外と会話することも多かったテユノ。
挨拶ぐらいはしておこうと考えていたのに狭い村でどうしてなのか中々テユノに会うことができなかった。
あと数日。
もう少しで出発の日になるという時、いつものように鍛錬していたリュードの前にテユノが現れた。
そしていきなり槍をリュードを向け、勝負するようにと告げた。
テユノの宣戦布告を聞いたメーリエッヒやルフォンたちお隣さん一家が何事かと顔を覗かせる。
「覚悟!」
リュードが戦うことを承諾していないのにテユノはリュードにかかっていった。
リュードはテユノの突きを剣の腹で受ける。
今は慣れるためにたまたま黒重鉄の剣を持っていた。
リュードはこの剣の名前をシュビナスと名付けていた。
何がなんだから分からないが大人しくやられてやるつもりもない。
けれどリュードもなんだか攻められなくて防戦を強いられる中テユノは前に出る。
交戦距離も槍らしく離れたり、接近して打ちつけるようにして振り回したりと刻一刻と変化して戦いにくい。
接近しての攻撃も回転させたり体ごと回して槍を振るので例え柄の部分でも当たれば十分な威力がある。
甘く考えてはいけない。
「はあっ!」
テユノが体を回転させてリュードの側面に回り込みながら石突でリュードの頭を狙う。
リュードは頭を下げて槍をかわす。
すぐさま槍を切り上げるもグッと足に力を入れてバク転して回避すると同時に距離をとる。
剣などの武器よりも間合いを取って戦い、距離を詰められることを嫌うのが普通の槍使いというものだがテユノは少し他とは違う。
持っている槍は一般の物よりもやや短めになっていてロングレンジとしての優位さは幾分か損なわれているが長槍よりも取り回ししやすい。
その上テユノは槍を使って杖術や棒術のようにも戦い、近距離戦闘もお手の物であるのだ。
リュードの武器は剣なので戦う距離は近い方がよかったがテユノは戦う距離を巧みに変えてリュードを翻弄していた。
けれどリュードもそんな変則的なテユノの攻撃をなんとか防いでいた。
できるならすぐに勝負を決めるつもりだったテユノは内心舌打ちしたい気持ちだった。
急に戦いを仕掛けたのにリュードは持ち直すのも早く、テユノの攻撃を冷静に見ていた。
リュードも力比べでテユノの戦いはよく見物していた。
完全な初見だったら危なかったかもしれないと思う。
「いきなりだな」
「ふん、これぐらいかわせなくて村の外でやっていけるわけないでしょ」
まあ一理ある言葉ではある。
外の世界では何があるか分からない。
いきなり襲撃されることはないなんて考える方が危険であるのは確かに言う通り。
だからと言って奇襲する理由にはならない。
「まあいい、戦いを始めたのはそっちだからな!」
相手は女性なので乗り気ではないが村でも腕が立つ方に入るテユノである。
気を抜いて戦えばあっという間にやられてしまう。
同時に少しだけワクワクとした気持ちもある。
そうそうテユノの手合わせする機会はない。
戦闘狂な竜人族の本能が刺激されているのだ。
槍先はリュードを捉えている。
短槍といえど間合いはリュードの剣よりも広い。
リュードが接近すると先に攻撃するのは当然テユノである。
接近するリュードに合わせて素早く鋭い突きを繰り出す。
リュードは槍を剣で防ぎながら無理やり自分の間合いに入ろうとする。
しかしテユノも棒立ちで槍をついているのではない。
距離をとりながら槍を突き、一方的に攻撃を加えていく。
リュードが槍を上手く受け流してもテユノは崩れない。
このままではらちが明かないので力を込めてやりに剣をぶつける。
テユノも比較的力のある方の女性ではあるがリュードの力には敵わない。
しけしテユノはあえて抵抗せずに片手を離してはじかれることで大きく体勢を崩されることを防いだ。
それでもそのわずかなスキにリュードは大きく足を踏み出して距離を詰めた。
ようやく自分の距離になったと思ったらテユノはなんとさらに距離を詰めてきた。
近すぎると近すぎるでやりにくい。
驚くリュードをよそにテユノはリュードの足を石突で突こうとする。
足を引いてかわすと今度は下から突き上げられ顎をかすめる。
上手くリュードの周りをまわるようにして側面に周りこみ膝裏を狙う。
剣を差し込んで防いだがまたもや完全にテユノのペースになっている。
これが男相手なら胸倉でもつかんで殴り合いにでも持ち込むのだけれどテユノ相手にそんなことはできない。
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なんとなく、ちぐはぐな感じがする。
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