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第二章
ゴブリンはスケルトンナイトを追いかけます3
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「目撃したというクモである」
わざわざ目撃魔物を連れてきてくれたらしい。
バイジェルンよりも2回りほど大きなクモにピュアンはやや引き気味である。
「どんなスケルトンを連れていたのか見たのか?」
「うむ、目撃した」
「声渋!」
想像外の低い渋い声に思わずユリディカからツッコミが飛ぶ。
「そうかい?
ありがとう、ワーウルフのお嬢さん」
言葉の感じもなんかダンディズムを感じる。
ドゥゼアもちょっと驚きである。
「それで……どんなスケルトンがいた?」
「ふうむ、それは様々いたな」
渋ボイスクモの話によるとリッチは数体のスケルトンと思わしき魔物を連れていたらしい。
その装備は色々で何も身につけていないものもいれば剣を持ったスケルトンもいた。
だいぶ刃こぼれをした抜き身の剣を持ったスケルトンがいたと渋ボイスクモは言う。
きっとコイチャだとみんなが思った。
「おそらく向かっているのは死の森だろう」
「まだ確定ではないけど可能性は高そうである」
「死の森ってのはなんだ?」
いかにもな名前であるので予想はつくけれど一応聞いておく。
こうして情報が出た以上は調べてあるだろうことは見当もついている。
「ここからだとだいぶ行くことにはなるが死の森呼ばれている森があるんだ。
いいところだぞ。
湿気った空気をしていて魔力が濃い。
虫も多いし、人間もあまり来ない。
俺はあそこで生まれたんだ」
「そうなのか」
「懐かしいな……魔力が濃いからかアンデッドの魔物もいた。
俺がいた時はリッチなんていなかったがいてもおかしくないような場所だ」
「なるほどね……」
語り口だけ聞いていると分からなくなるけどクモなんだよなとドゥゼアは若干混乱してきた。
「俺たちクモにとっちゃ良い場所だがゴブリン……いやゴブリンの住処も端の方にあったな。
ゴブリンにとっても悪い場所じゃないかもしれない。
森にいたアンデッドも手を出さなきゃ攻撃してこないようなものばかりだったからな」
「何かナワバリ意識の強い魔物とかはいるか?」
「俺がいたのは昔だから……比較的ナワバリ意識は薄くて森全体でうっすらと住み分けされているような状態だった。
ただそこら辺に生えているキノコは食うな。
毒に強い奴でも死んじまうほどのキノコだからな」
「忠告は心得ておく」
「あとは寝る時木の上の方がいいかもな。
地面はぬかるんでいる」
渋ボイスクモの話を聞いてリッチが死の森に向かっていることが分かった。
けれど向かっているのは方向的には死の森であるがややズレているようにも思えると渋ボイスクモは言った。
他に寄るところでもあるのか、実は死の森じゃないのか分からない。
でも今のところ死の森に向かっているというのが最有力候補になる。
なのでドゥゼアたちは最短で死の森に向かうことにした。
このまま調べながらの後追いではどうしても追いつけない。
先回りできるかは不明だが少しばかり賭けに出てみることにした。
渋ボイスクモと別れて死の森に向かう。
バイジェルン調べによるとリッチは死の森にではなくどこか別の場所に向かっているようだ。
しかしその直前までは死の森への最短の方向に向かっていたので急に何かを見つけたみたいだった。
段々と周りの質感も変わってきた。
渓谷にいた時はカラッとして乾燥したような地面であったが湿ったような地面になってきた。
空気も水分を感じるぐらいになり、環境の変化が目に見え始めている。
そのままさらに進んでいくと葉がうっそうと生えた木々が増えてより地面は湿った感じが増してきた。
「そろそろ死の森と言われる領域である」
座っているとお尻が濡れてくるぐらいの湿地にも近いほどの湿り気と背が高くて葉っぱの密度が濃くて光が届きにくいほどの木に囲まれた森の中にいつしかドゥゼアたちは足を踏み入れていた。
湿気が強く、歩くたびにやや地面が沈み込む。
ピュアンは体が汚れるのを嫌がって常にユリディカの肩に乗っかっていた。
1番明るい時間にもかかわらず薄暗い。
それが死の森であった。
確かに地面に直接寝ていては次の日全身がしっとりしていることだろう。
幸い木々の表面はゴツゴツとしていて登りやすく、枝も太めなので渋ボイスクモのアドバイスに従って木の上で寝ようと思えば寝れないこともなさそうだった。
「ふっ!」
ドゥゼアがナイフを振り下ろす。
カエルの頭にナイフが突き刺さり、ピクピクと痙攣したのちにパタリと動かなくなる。
歩いていると目についた不自然に積み重なっていた落ち葉の中から飛び出して襲ってきたのである。
ユリディカとレビスも手伝ってどんな敵なのか見極めながら戦ったが大したことはなかった。
いや、大したことがないと言えるほどにドゥゼアたちと強くなっていた。
ほんの一瞬ゲコットの顔も頭をよぎったがこのカエルはそこまで頭も良くなさそうだ。
同じくカエルの仲間ではあるが同種のカエルの魔物かは分からない。
ドゥゼアはカエルをさばく。
魔石を取り出して、皮を剥いで適当に肉を切る。
ちょっとだけ肉をかじってよく噛んでみる。
わざわざ目撃魔物を連れてきてくれたらしい。
バイジェルンよりも2回りほど大きなクモにピュアンはやや引き気味である。
「どんなスケルトンを連れていたのか見たのか?」
「うむ、目撃した」
「声渋!」
想像外の低い渋い声に思わずユリディカからツッコミが飛ぶ。
「そうかい?
ありがとう、ワーウルフのお嬢さん」
言葉の感じもなんかダンディズムを感じる。
ドゥゼアもちょっと驚きである。
「それで……どんなスケルトンがいた?」
「ふうむ、それは様々いたな」
渋ボイスクモの話によるとリッチは数体のスケルトンと思わしき魔物を連れていたらしい。
その装備は色々で何も身につけていないものもいれば剣を持ったスケルトンもいた。
だいぶ刃こぼれをした抜き身の剣を持ったスケルトンがいたと渋ボイスクモは言う。
きっとコイチャだとみんなが思った。
「おそらく向かっているのは死の森だろう」
「まだ確定ではないけど可能性は高そうである」
「死の森ってのはなんだ?」
いかにもな名前であるので予想はつくけれど一応聞いておく。
こうして情報が出た以上は調べてあるだろうことは見当もついている。
「ここからだとだいぶ行くことにはなるが死の森呼ばれている森があるんだ。
いいところだぞ。
湿気った空気をしていて魔力が濃い。
虫も多いし、人間もあまり来ない。
俺はあそこで生まれたんだ」
「そうなのか」
「懐かしいな……魔力が濃いからかアンデッドの魔物もいた。
俺がいた時はリッチなんていなかったがいてもおかしくないような場所だ」
「なるほどね……」
語り口だけ聞いていると分からなくなるけどクモなんだよなとドゥゼアは若干混乱してきた。
「俺たちクモにとっちゃ良い場所だがゴブリン……いやゴブリンの住処も端の方にあったな。
ゴブリンにとっても悪い場所じゃないかもしれない。
森にいたアンデッドも手を出さなきゃ攻撃してこないようなものばかりだったからな」
「何かナワバリ意識の強い魔物とかはいるか?」
「俺がいたのは昔だから……比較的ナワバリ意識は薄くて森全体でうっすらと住み分けされているような状態だった。
ただそこら辺に生えているキノコは食うな。
毒に強い奴でも死んじまうほどのキノコだからな」
「忠告は心得ておく」
「あとは寝る時木の上の方がいいかもな。
地面はぬかるんでいる」
渋ボイスクモの話を聞いてリッチが死の森に向かっていることが分かった。
けれど向かっているのは方向的には死の森であるがややズレているようにも思えると渋ボイスクモは言った。
他に寄るところでもあるのか、実は死の森じゃないのか分からない。
でも今のところ死の森に向かっているというのが最有力候補になる。
なのでドゥゼアたちは最短で死の森に向かうことにした。
このまま調べながらの後追いではどうしても追いつけない。
先回りできるかは不明だが少しばかり賭けに出てみることにした。
渋ボイスクモと別れて死の森に向かう。
バイジェルン調べによるとリッチは死の森にではなくどこか別の場所に向かっているようだ。
しかしその直前までは死の森への最短の方向に向かっていたので急に何かを見つけたみたいだった。
段々と周りの質感も変わってきた。
渓谷にいた時はカラッとして乾燥したような地面であったが湿ったような地面になってきた。
空気も水分を感じるぐらいになり、環境の変化が目に見え始めている。
そのままさらに進んでいくと葉がうっそうと生えた木々が増えてより地面は湿った感じが増してきた。
「そろそろ死の森と言われる領域である」
座っているとお尻が濡れてくるぐらいの湿地にも近いほどの湿り気と背が高くて葉っぱの密度が濃くて光が届きにくいほどの木に囲まれた森の中にいつしかドゥゼアたちは足を踏み入れていた。
湿気が強く、歩くたびにやや地面が沈み込む。
ピュアンは体が汚れるのを嫌がって常にユリディカの肩に乗っかっていた。
1番明るい時間にもかかわらず薄暗い。
それが死の森であった。
確かに地面に直接寝ていては次の日全身がしっとりしていることだろう。
幸い木々の表面はゴツゴツとしていて登りやすく、枝も太めなので渋ボイスクモのアドバイスに従って木の上で寝ようと思えば寝れないこともなさそうだった。
「ふっ!」
ドゥゼアがナイフを振り下ろす。
カエルの頭にナイフが突き刺さり、ピクピクと痙攣したのちにパタリと動かなくなる。
歩いていると目についた不自然に積み重なっていた落ち葉の中から飛び出して襲ってきたのである。
ユリディカとレビスも手伝ってどんな敵なのか見極めながら戦ったが大したことはなかった。
いや、大したことがないと言えるほどにドゥゼアたちと強くなっていた。
ほんの一瞬ゲコットの顔も頭をよぎったがこのカエルはそこまで頭も良くなさそうだ。
同じくカエルの仲間ではあるが同種のカエルの魔物かは分からない。
ドゥゼアはカエルをさばく。
魔石を取り出して、皮を剥いで適当に肉を切る。
ちょっとだけ肉をかじってよく噛んでみる。
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