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第二章
ゴブリンはアンデッドの所に向かいます2
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「遅かったじゃないか」
「中々情報がなくて大変だったである」
バイジェルンとてサボっていたわけではない。
ちゃんと情報を集めてアンデッドを探していたのだけど場所を移動しない他の魔物のことなど魔物たちは気にしない。
特にアンデッド系統はナワバリを奪おうとする魔物でない。
魔物には手を出さない限り襲いかかってこないことも多く、日中は動かないこともあるので魔物の間で情報共有されないのだ。
なのでコイチャを探すのに少し苦労した。
「だけど我輩優秀なクモである!
アンデッド見つけたであーる!」
前足を上げてアピールするバイジェルン。
他のクモは寡黙で大人しいのにこいつは結構元気なクモである。
「見つけにくかったのもここから意外と遠いからである」
「なるほどな……干し肉食うか?」
「食べるである!」
労いも込めて手をつけていない干し肉を一欠片バイジェルンにあげる。
「ほんで、どこにいるんだ?」
「むぐむぐ……ホトナヌ谷という谷にいるらしいである。
昔はそのアンデッドが強くて近づいてはいけないなんて言われていたけど今は駆け出し冒険者の腕試しで有名になっているのである」
「冒険者の腕試しって……そんなことして大丈夫なのか?」
「知らないである。
ただその場所を動かないから危なくなったら逃げればいいとか騎士のように正当に正面から戦うと紳士的な魔物であると言われているようである」
「生前の行動がアンデッドになった後も影響を及ぼしているのか」
アンデッド系の魔物では時折そのようなことがある。
元々生きていたものをベースにされたアンデッドには生前の性格や行動を反映したものが存在するのだ。
全くなんの影響もないアンデッドや人をベースにしない魔物もいるので一概にそんなことばかりではなく稀にあるようなことなのである。
つまりはコイチャという人は真面目な騎士で今でもその場所を守ってピュアンを守ろうとしている。
魔物になってもその意志が保たれるまでに信念を強く持っていられるのは脱帽である。
「もっと近づけば情報を得られるかもしれないであるが今ここではこれぐらいが限界である」
「そうか。
でも場所が分かっただけでも十分だ。
助かったよ」
「なんでもござれ、である!」
場所がわかったのなら早速移動開始する。
まだ使える冒険者たちのリュックを背負って古代遺跡を離れていく。
テントも持っていきたかったけどゴブリンの体ではテントも軽い荷物とはいかない。
なのでテントは諦めて丸めた毛布だけ持っていくことにした。
「うにに……」
「転ぶなよ?」
歩きながらでもユリディカは力を使おうと練習する。
肩に乗ったピュアンが見つめる中でドゥゼアとレビスに強化をしようとするけれど上手くいかない。
あまり集中して足元が疎かになって転びやしないかと少しヒヤヒヤする。
「でーきーなーいー!」
「そんなに難しくないはずなんですけどねぇ」
ピュアンもどうしていいか分からない。
「そもそも人ってのは程度はあっても魔力の扱いは上手い方の種族なんだよ」
人は弱い。
単体で見れば多くの魔物に劣る人がほとんどである。
そんな人が魔物と対等に渡り合って生きてこられているのは集団で戦うこと、知恵を活かすこともあるのだが魔力を上手く扱うことも重要な要素である。
身体能力では魔物に勝てない人は魔力を上手く扱って魔法や強化といった方法を取って魔物と戦う。
そこに集団の連携や知恵を活かしてさらに力を高めて生き残ってきたのだ。
本当の大元を辿るとどうだったのか知らない。
生き残るために魔力の扱いを向上させてきた種族が人だったのかもしれない。
今ではさらに魔法は研究され、体系的にもなって練習の方法も確立されている。
一方で魔物はあまり魔法を使わないものも多い。
使っても一生を通して同じ魔法を、本能的に使う。
魔力を操ってどうのこうのもしない。
魔力を扱うことが得意な魔物もいるのだけど大多数の魔物は本能の範囲でしか魔力を扱わないのである。
人の基準、それも魔力を扱うことが得意な人から見た時には癒しや強化の力は扱いやすい。
しかしそうではないユリディカからしてみればやはり最初の一歩の難易度は高い。
「ドゥゼアさんはゴブリンさんなのにとても博識ですね」
だから出来なくても根気良く付き合ってやってほしい。
そうお願いしたドゥゼアをピュアンは目を細めて見ていた。
ユリディカは良くドゥゼアのことを褒めていた。
ドゥゼアなら出来ただろうななんて言ったり、ドゥゼアのため!とやる気を出したりしていた。
そうは言ってもゴブリンだろうと思っていたのだけど数日一緒にいて考えを改めた。
見た目はゴブリンでも中身は他のゴブリンと一線を画している。
賢いゴブリンであることが見ていてわかったのだ。
時に賢種と呼ばれる魔物が現れる。
高い知能を持っていて、人と交流したり商売取引をしたりする。
人が入れないようなところに入ったり手に入れにくいものを手に入れて色々なものと交換する魔物がいるとピュアンは聞いたことがあった。
「中々情報がなくて大変だったである」
バイジェルンとてサボっていたわけではない。
ちゃんと情報を集めてアンデッドを探していたのだけど場所を移動しない他の魔物のことなど魔物たちは気にしない。
特にアンデッド系統はナワバリを奪おうとする魔物でない。
魔物には手を出さない限り襲いかかってこないことも多く、日中は動かないこともあるので魔物の間で情報共有されないのだ。
なのでコイチャを探すのに少し苦労した。
「だけど我輩優秀なクモである!
アンデッド見つけたであーる!」
前足を上げてアピールするバイジェルン。
他のクモは寡黙で大人しいのにこいつは結構元気なクモである。
「見つけにくかったのもここから意外と遠いからである」
「なるほどな……干し肉食うか?」
「食べるである!」
労いも込めて手をつけていない干し肉を一欠片バイジェルンにあげる。
「ほんで、どこにいるんだ?」
「むぐむぐ……ホトナヌ谷という谷にいるらしいである。
昔はそのアンデッドが強くて近づいてはいけないなんて言われていたけど今は駆け出し冒険者の腕試しで有名になっているのである」
「冒険者の腕試しって……そんなことして大丈夫なのか?」
「知らないである。
ただその場所を動かないから危なくなったら逃げればいいとか騎士のように正当に正面から戦うと紳士的な魔物であると言われているようである」
「生前の行動がアンデッドになった後も影響を及ぼしているのか」
アンデッド系の魔物では時折そのようなことがある。
元々生きていたものをベースにされたアンデッドには生前の性格や行動を反映したものが存在するのだ。
全くなんの影響もないアンデッドや人をベースにしない魔物もいるので一概にそんなことばかりではなく稀にあるようなことなのである。
つまりはコイチャという人は真面目な騎士で今でもその場所を守ってピュアンを守ろうとしている。
魔物になってもその意志が保たれるまでに信念を強く持っていられるのは脱帽である。
「もっと近づけば情報を得られるかもしれないであるが今ここではこれぐらいが限界である」
「そうか。
でも場所が分かっただけでも十分だ。
助かったよ」
「なんでもござれ、である!」
場所がわかったのなら早速移動開始する。
まだ使える冒険者たちのリュックを背負って古代遺跡を離れていく。
テントも持っていきたかったけどゴブリンの体ではテントも軽い荷物とはいかない。
なのでテントは諦めて丸めた毛布だけ持っていくことにした。
「うにに……」
「転ぶなよ?」
歩きながらでもユリディカは力を使おうと練習する。
肩に乗ったピュアンが見つめる中でドゥゼアとレビスに強化をしようとするけれど上手くいかない。
あまり集中して足元が疎かになって転びやしないかと少しヒヤヒヤする。
「でーきーなーいー!」
「そんなに難しくないはずなんですけどねぇ」
ピュアンもどうしていいか分からない。
「そもそも人ってのは程度はあっても魔力の扱いは上手い方の種族なんだよ」
人は弱い。
単体で見れば多くの魔物に劣る人がほとんどである。
そんな人が魔物と対等に渡り合って生きてこられているのは集団で戦うこと、知恵を活かすこともあるのだが魔力を上手く扱うことも重要な要素である。
身体能力では魔物に勝てない人は魔力を上手く扱って魔法や強化といった方法を取って魔物と戦う。
そこに集団の連携や知恵を活かしてさらに力を高めて生き残ってきたのだ。
本当の大元を辿るとどうだったのか知らない。
生き残るために魔力の扱いを向上させてきた種族が人だったのかもしれない。
今ではさらに魔法は研究され、体系的にもなって練習の方法も確立されている。
一方で魔物はあまり魔法を使わないものも多い。
使っても一生を通して同じ魔法を、本能的に使う。
魔力を操ってどうのこうのもしない。
魔力を扱うことが得意な魔物もいるのだけど大多数の魔物は本能の範囲でしか魔力を扱わないのである。
人の基準、それも魔力を扱うことが得意な人から見た時には癒しや強化の力は扱いやすい。
しかしそうではないユリディカからしてみればやはり最初の一歩の難易度は高い。
「ドゥゼアさんはゴブリンさんなのにとても博識ですね」
だから出来なくても根気良く付き合ってやってほしい。
そうお願いしたドゥゼアをピュアンは目を細めて見ていた。
ユリディカは良くドゥゼアのことを褒めていた。
ドゥゼアなら出来ただろうななんて言ったり、ドゥゼアのため!とやる気を出したりしていた。
そうは言ってもゴブリンだろうと思っていたのだけど数日一緒にいて考えを改めた。
見た目はゴブリンでも中身は他のゴブリンと一線を画している。
賢いゴブリンであることが見ていてわかったのだ。
時に賢種と呼ばれる魔物が現れる。
高い知能を持っていて、人と交流したり商売取引をしたりする。
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