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第一章
ゴブリンはコボルトにお願いされました2
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魔力を集めることの逆だというので一回魔力を集めてみてより臭いを鋭敏に感じて死にそうになった。
しかしそのおかげで魔力をコントロールすることで嗅覚をコントロールするきっかけを掴んだ。
試行錯誤を繰り返してかなり嗅覚を抑えることに成功した。
「ドゥゼアの匂いもわからない……」
「ゴブリンなど臭いだけだろ」
「そんなことないよ」
ゴブリンは基本的に臭い。
代謝が早いためにどうしても臭ってしまうのだ。
けれどユリディカはドゥゼアの臭いが嫌いじゃない。
むしろ好きな方ですらあった。
普通のゴブリンの臭いがどんなものかは知らないけれどドゥゼアの臭いは嫌じゃない。
ドゥゼアもレビスもどちらの臭いも好きなぐらい。
「だとしたら物好きだな」
「そうなのかな?」
ユリディカは鼻を近づけてドゥゼアの臭いをクンクンと嗅ぐ。
近づけば臭いもわかる。
「私もドゥゼアの臭い好き」
「……そうか」
レビスもドゥゼアに近づき臭いを嗅ぐ。
自分の臭いってやつは自分じゃ良く分からない。
ただゴブリンに最初になった時に臭いと思ったのは忘れない。
だからどんなゴブリンになろうと臭いものは臭いはずなのだけど。
レビスは同じゴブリンだから臭さが分からなくてその中に違いがあると感じてもおかしくはないけどワーウルフがゴブリンをいい臭いと言うのはおかしい話である。
まあ臭いと言われるよりはいい。
「ゴブリン……!」
「おっ、コボルト」
適当に歩いていたら草むらが揺れてコボルトが出てきた。
粗末な槍を持っているコボルトはドゥゼアたちを見て驚いたような顔をした。
一応軽く戦えるように警戒はしておく。
「ゴブリン、タスケニキタ?」
「なんだと?」
このコボルト多少話せる程度の知能がありそうだけど言葉が流暢に話せるまでではない。
「オレタチ、タノンダ。
ゴブリンイッショニタタカウ」
「ふむ……」
今のところ全く話の内容は分からないがゴブリンとコボルトの関係は悪くなさそうだ。
「残念ながら俺たちはその頼まれたゴブリンじゃない」
「グガ……ソウカ」
コボルトは肩を落として落ち込む。
「だが話によっちゃ手伝ってやるぞ」
「ホントウカ?」
「ああ、少しは戦力になってやれるだろうぜ」
「タスカル。
ゴブリン……ワーウルフ!?」
「気づいてなかったのか」
コボルトはユリディカを見て毛を逆立てて槍を構えた。
どうやらドゥゼアとレビスのゴブリンコンビしか見えておらず、ユリディカには気づいていなかったようだ。
「大丈夫だ。
コイツは俺の仲間だ」
「仲間……ウヘヘ」
「ナ、ナカマ?」
コボルトは信じられないといった感じで口をあんぐりと開けている。
ざっくりとした見た目的な特徴的だけを取り出せば似ているとも思えるコボルトとワーウルフだがワーウルフはコボルトよりも格が上の魔物だ。
そもそもベースがコボルトは犬でワーウルフは狼でそこも違う。
小柄なコボルトに比べてワーウルフの方がデカいし顔つきも全然違う。
ダンジョンの中で理性もない個体ならちょっと強いぐらいの差しかないが理性的に戦えるユリディカならコボルトがまとめて相手になっても戦える。
「もっと賢いものはいるか?」
対話が成り立つだけ立派だがイマイチ会話の要領は得ない。
ゴブリンに助けを求めて助力を得ようとするといいことはある程度の知恵がある。
このコボルトの知恵ではなさそうなのできっともっと賢い個体がコボルトの中にいる。
「ゾクチョウ、アタマガイイ」
「族長か。
よければ族長と話がしたい」
「クガ、ワカッタ。
ツイテコイ」
コボルトが友好的でよかった。
知能が高めの個体に会えたのも運がいい。
コボルトの後についていく。
「私の方が何倍もステキですね」
鼻息荒いユリディカ。
なぜかコボルトと自分を比べて張り合っている。
「そうだな。お前の方がステキだよ」
「ムフッ!」
コボルトとワーウルフは比べるまでもない。
ドゥゼアに褒められてニタリとユリディカは笑う。
「レビスもステキだよ」
レビスが目を細めて見ているのに気がついたドゥゼアはレビスもちゃんと褒める。
レビスはレビスでユリディカに張り合いがちだな。
「ゴブリ……ナンダアレハ!」
コボルトたちが巣としている場所に着いた。
まずコボルトたちの目に映るのはゴブリンであるドゥゼアたちでその次にワーウルフのユリディカにいく。
コボルトたち大騒ぎ。
ワーウルフが攻めてきたと逃げたり隠れたりする。
「ゾクチョウ!
テツダッテクレル、ツレテキタ」
そんな大騒ぎもドゥゼアは気にしない。
ドゥゼアを連れてきたコボルトも気にしていないようでサクッと少し離れたところにいるコボルトのところに向かった。
目元の毛が長くて目を覆っているようなコボルトが族長であるらしかった。
「そちらは?」
「クガ、テツダッテクレル、ゴブリン!
ワーウルフモナカマ!」
「なるほどなるほど……」
「あんたが族長か?」
「いかにも」
「何があったか聞いてもいいか?
事情によっては手伝ってやってもいい」
「……何が目的だい?」
「色々この辺りのことが聞きたくてな」
「この辺りのことを聞きたい?
あそこのゴブリンではないのか」
「違うところから来た。
どこかいい場所にでも行きたいんだが危ない場所とか知りたくてな」
出来ればダンジョンの情報でもと思うがそこまでは期待しない。
しかしそのおかげで魔力をコントロールすることで嗅覚をコントロールするきっかけを掴んだ。
試行錯誤を繰り返してかなり嗅覚を抑えることに成功した。
「ドゥゼアの匂いもわからない……」
「ゴブリンなど臭いだけだろ」
「そんなことないよ」
ゴブリンは基本的に臭い。
代謝が早いためにどうしても臭ってしまうのだ。
けれどユリディカはドゥゼアの臭いが嫌いじゃない。
むしろ好きな方ですらあった。
普通のゴブリンの臭いがどんなものかは知らないけれどドゥゼアの臭いは嫌じゃない。
ドゥゼアもレビスもどちらの臭いも好きなぐらい。
「だとしたら物好きだな」
「そうなのかな?」
ユリディカは鼻を近づけてドゥゼアの臭いをクンクンと嗅ぐ。
近づけば臭いもわかる。
「私もドゥゼアの臭い好き」
「……そうか」
レビスもドゥゼアに近づき臭いを嗅ぐ。
自分の臭いってやつは自分じゃ良く分からない。
ただゴブリンに最初になった時に臭いと思ったのは忘れない。
だからどんなゴブリンになろうと臭いものは臭いはずなのだけど。
レビスは同じゴブリンだから臭さが分からなくてその中に違いがあると感じてもおかしくはないけどワーウルフがゴブリンをいい臭いと言うのはおかしい話である。
まあ臭いと言われるよりはいい。
「ゴブリン……!」
「おっ、コボルト」
適当に歩いていたら草むらが揺れてコボルトが出てきた。
粗末な槍を持っているコボルトはドゥゼアたちを見て驚いたような顔をした。
一応軽く戦えるように警戒はしておく。
「ゴブリン、タスケニキタ?」
「なんだと?」
このコボルト多少話せる程度の知能がありそうだけど言葉が流暢に話せるまでではない。
「オレタチ、タノンダ。
ゴブリンイッショニタタカウ」
「ふむ……」
今のところ全く話の内容は分からないがゴブリンとコボルトの関係は悪くなさそうだ。
「残念ながら俺たちはその頼まれたゴブリンじゃない」
「グガ……ソウカ」
コボルトは肩を落として落ち込む。
「だが話によっちゃ手伝ってやるぞ」
「ホントウカ?」
「ああ、少しは戦力になってやれるだろうぜ」
「タスカル。
ゴブリン……ワーウルフ!?」
「気づいてなかったのか」
コボルトはユリディカを見て毛を逆立てて槍を構えた。
どうやらドゥゼアとレビスのゴブリンコンビしか見えておらず、ユリディカには気づいていなかったようだ。
「大丈夫だ。
コイツは俺の仲間だ」
「仲間……ウヘヘ」
「ナ、ナカマ?」
コボルトは信じられないといった感じで口をあんぐりと開けている。
ざっくりとした見た目的な特徴的だけを取り出せば似ているとも思えるコボルトとワーウルフだがワーウルフはコボルトよりも格が上の魔物だ。
そもそもベースがコボルトは犬でワーウルフは狼でそこも違う。
小柄なコボルトに比べてワーウルフの方がデカいし顔つきも全然違う。
ダンジョンの中で理性もない個体ならちょっと強いぐらいの差しかないが理性的に戦えるユリディカならコボルトがまとめて相手になっても戦える。
「もっと賢いものはいるか?」
対話が成り立つだけ立派だがイマイチ会話の要領は得ない。
ゴブリンに助けを求めて助力を得ようとするといいことはある程度の知恵がある。
このコボルトの知恵ではなさそうなのできっともっと賢い個体がコボルトの中にいる。
「ゾクチョウ、アタマガイイ」
「族長か。
よければ族長と話がしたい」
「クガ、ワカッタ。
ツイテコイ」
コボルトが友好的でよかった。
知能が高めの個体に会えたのも運がいい。
コボルトの後についていく。
「私の方が何倍もステキですね」
鼻息荒いユリディカ。
なぜかコボルトと自分を比べて張り合っている。
「そうだな。お前の方がステキだよ」
「ムフッ!」
コボルトとワーウルフは比べるまでもない。
ドゥゼアに褒められてニタリとユリディカは笑う。
「レビスもステキだよ」
レビスが目を細めて見ているのに気がついたドゥゼアはレビスもちゃんと褒める。
レビスはレビスでユリディカに張り合いがちだな。
「ゴブリ……ナンダアレハ!」
コボルトたちが巣としている場所に着いた。
まずコボルトたちの目に映るのはゴブリンであるドゥゼアたちでその次にワーウルフのユリディカにいく。
コボルトたち大騒ぎ。
ワーウルフが攻めてきたと逃げたり隠れたりする。
「ゾクチョウ!
テツダッテクレル、ツレテキタ」
そんな大騒ぎもドゥゼアは気にしない。
ドゥゼアを連れてきたコボルトも気にしていないようでサクッと少し離れたところにいるコボルトのところに向かった。
目元の毛が長くて目を覆っているようなコボルトが族長であるらしかった。
「そちらは?」
「クガ、テツダッテクレル、ゴブリン!
ワーウルフモナカマ!」
「なるほどなるほど……」
「あんたが族長か?」
「いかにも」
「何があったか聞いてもいいか?
事情によっては手伝ってやってもいい」
「……何が目的だい?」
「色々この辺りのことが聞きたくてな」
「この辺りのことを聞きたい?
あそこのゴブリンではないのか」
「違うところから来た。
どこかいい場所にでも行きたいんだが危ない場所とか知りたくてな」
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