人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大

文字の大きさ
302 / 515
第六章

モンスターを呼び出す怪しい連中3

しおりを挟む
 警察、救急車、覚醒者協会と多くの人が集まって公園周辺は騒然となっていた。
 規制線が張られ夜にも関わらず近隣住民たちが野次馬に集まっている。

 さまざまな憶測を呼んでいるけれど規制を担当する警察から何の説明もなく噂が噂を呼んでいる。
 今のところ痴漢犯罪でもあったのだという話が広がっている。

「覚醒者協会捜査課の嵯峨野です」

「どうも」

 額に小さな傷のある短髪の中年男性が警察手帳のような身分証を圭と和輝に見せた。

「お話聞かせていただいてもよろしいですか?」

 嵯峨野はモンスターの死体を横目にメモ帳を取り出す。

「魔力が使われた気配を感じて公園に来たら怪しい白いローブの人たちがいたんです」

「はい。和輝さんはB級覚醒者なのでそうした感覚も鋭くて」

「なるほど」

「そして倒れている女性も見えて、声をかけると白いローブの人たちは逃げていきました。逃げる時に……黒い石のようなものを取り出してモンスターを呼び出したんです」

 圭の目にはモンスターを呼び出したというよりも小さなゲートを召喚した、というような感じもあった。
 モンスターを召喚したということに嵯峨野は一瞬渋い顔をしたけれども現にモンスターの死体が転がっている。

 周りにゲートの報告はなく、ブレイキングゲートがあったにしてはモンスターの数は少ない。
 状況的に圭の話に無理なところはない。

「モンスターを呼び出した……このことが本当ならかなり大きな問題ですね」

 人工的にモンスターを召喚できる。
 それが本当なら人々にとって大きな脅威となる。

 険しい顔をした嵯峨野がモンスターの死体を睨みつけた。

「それと……犯人の1人は浦安省吾という覚醒者でした」

「顔を見たのですか?」

 圭は逃げる白いローブの連中のうち、黒い石を取り出した男のことを真実の目で見ていた。
 チラリと危ないスキルも見えた気がするがすぐにモンスターと戦い始めてしまったのでちゃんと覚えているのは名前がギリギリだった。
 
「顔は見ていないのですが俺には相手の名前が分かるスキルがあるんです」

「名前が分かるスキル?」

「そうなんです。覚醒者協会の伊丹薫さんという方に聞いてくださればウソじゃないと分かるはずです」

 以前悪魔教の調査の時に伊丹にも同じ説明をした。
 名前ぐらい分かれば捜査もしやすくなる。

 なんとか名前だけは覚えていたので圭はそれも伝えておく。

「伊丹? ……ああ、若手エリートの。まあ聞くまでもありませんよ。登録している覚醒者ならすぐにわかります」

 ほんの少しだけトゲのある言い方だなと圭は思った。
 覚醒者協会という大きな枠で見ると同じ組織内ではあるけれど部署が違えば関わり合いがないこともある。

 さらに言えば仲が悪いことだってあり得ないとは言い切れないのである。
 伊丹に関して嵯峨野は何か気に入らないことがあるのかもしれない。

 圭はあまり嵯峨野の態度を気にしないことにした。
 最後に軽く結界のようなものも張ってあったことも忘れずに伝えた。

「今回は一般市民をお守りいただいてありがとうございました。また何かご連絡することがあるかもしれません」

「ご協力できることは惜しみません」

「何か思い出したことがあったらこちらにご連絡ください」

 嵯峨野の名刺を受け取り、いつの間にか集まってきていた報道から隠れるようにして圭と和輝はその場を離れた。

「それにしてもなんだったんでしょうね?」

 遅くなってしまったから夜滝とフィーネがお腹すかして怒ってるかななんてことも考えるが、今やはり頭の中では先ほどの事件のことが思考の多くを占めている。
 人が意図的にゲートを開いてモンスターを呼び出した。

 明らかに普通の出来事ではない。

「分からん。ただ危険な雰囲気がしているな」

「女性を襲ってどうするつもりなんでしょうか……」

 ひとまずモンスターを召喚できる能力があることはいいとしても覚醒者でもない一般人を襲って何がしたかったのかも分からない。
 圭が助け出した2人はいまだに意識不明でそのまま救急車で運ばれていった。

 目を覚ませば何か分かるかもしれない。

「何にしても見回りを続けるなら1人で行くのはやめることだな」

「そうですね、少し警戒するようにします」

 相手が何者だったのか。
 それは警察と覚醒者協会に任せることにした。

 帰った圭は夜滝とフィーネに遅いと怒られたのであった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい

黒城白爵
ファンタジー
 ーーある日、平穏な世界は終わった。  そうとしか表現できないほどに世界にモンスターという異物が溢れ返り、平穏かつ醜い世界は崩壊した。  そんな世界を自称凡人な男がマイペースに生きる、これはそんな話である。

日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。

wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。 それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。 初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。 そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。 また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。 そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。 そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。 そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。

処理中です...