218 / 515
第五章
薫姫を探せ!2
しおりを挟む
暴風雨の中急いで装備を身につける。
雨で髪が顔に張り付くが気にしている暇すら惜しい。
「けど……どうしようか……」
装備を身につけて準備は整えたが問題がある。
薫はモンスターにさらわれてしまった。
しかしどこにさらわれていったのか分からないのである。
おそらくゲートの方だろうと予想はしているのだが、ゲートから溢れ出したモンスターがどこかに巣のようなものを作っている可能性もある。
しかしどちらにしてもどうやって見つけたらいいものか。
「とりあえずモンスターについて調べよう」
雨に打たれたままでは体も冷えてしまう。
圭たちは一度教会の中に戻る。
『クオルカンティカート
古代の言葉で賢い愚か者という意味。
人のなり損ないのような見た目をしたモンスターである。
力もあり、知恵もあるモンスターで集団で行動することが多い。
必ず群れのボスがいて、群れのボスには絶対的に服従している。
長く生きたものでは魔法を使えるようになる個体もいる。
二足歩行の弊害なのか腰が良くないものも見られる。
魔石はあまり美味しくない。ただし群れにほとんどいないメスの個体の魔石はちょっとだけマシ』
「あんだって?」
「クオルカンティカート」
「くおる……なんだってそんな立派な名前……」
とりあえず敵を知らないことにはどうしようもない。
圭が真実の目を使って教会内で倒したモンスターを鑑定した。
なんだか立派な横文字の名前をしていて覚えきれない。
「そっちはどう?」
「いや……ないね」
夜滝はスマホの画面を見ている。
相変わらず圏外なのだが覚醒者協会が作ったモンスターのデータベースアプリはオフラインでも使用できる。
クオルカンティカートの写真を撮って照会してみたけれど似たようなものはいてもクオルカンティカートそのもの登録がなかった。
未登録か、それとも初めて現れたモンスターのこともある。
能力的には高くない。
危険度でいうのならせいぜいE級ぐらいだろう。
けれど群れで行動するらしいので群れでの戦いになった時なD級程度の強さにはなるかもしれない。
ギリギリの相手になる可能性がある。
「ひとまず薫君の救出を優先に考えよう」
危なそうなら戦わなくてもいい。
完全に回避することは無理かもしれないが薫を助け出して逃げるぐらいなら出来るかもしれない。
「けど、どうやって薫君探すの?」
「それだよな……」
やっぱり問題はそこである。
「いい考えがあるよぅ」
夜滝がニヤリと笑った。
ーーーーー
窓に向けて懐中電灯を向ける。
これまでモンスターにバレにくいように足元近くを照らしていたけど、あえて敵に場所を伝えて誘き寄せるようにライトでチカチカとアピールする。
「来たぞ!」
光に誘き寄せられたクオルカンティカートが窓を突き破って建物の中に入ってくる。
入ってきたのは3体。
奇妙な唸り声を上げながら圭たちの方に走ってくる。
「テメェらの相手は私だ!」
カレンがクオルカンティカートを挑発する。
敵意の混じった魔力を向けられて不快感を感じ、それが怒りに変わる。
クオルカンティカートたちがカレンに襲いかかる。
圭は2体を無視して1番後ろのクオルカンティカートに向かう。
「波瑠!」
「オッケー!」
クオルカンティカートは圭に気がついてすぐに狙いをカレンから変えた。
普通のモンスターなら圭を無視していくところだが、こうしたところが知能の高さを表しているのかもしれない。
圭の剣が胸をかすめてクオルカンティカートが小さく呻き声を上げた。
けれど知能なら圭たちも負けていない。
「いっちょ上がり!」
クオルカンティカートの後ろからは波瑠が迫っていた。
首裏を深く切り付けられてクオルカンティカートは地面に倒れた。
「くらいな!」
カレンがメイスを振り下ろした。
クオルカンティカートが腕を上げてメイスをガードした。
けれど頑丈なモンスターといえど生身でメイスを受け止めれば無事には済まない。
カレンの手にガードした腕の骨が砕ける感触が伝わってくる。
ただ無理な追撃はしないでもう一体のクオルカンティカートが飛びついてきたのを盾で防ぐ。
「今楽にしてあげよう」
腕をだらりと下げたクオルカンティカートの体が真っ二つに切り裂かれた。
夜滝が水を鋭い刃状にして飛ばして切り裂いたのである。
「おら!」
仲間がやられて動揺している間にクオルカンティカートに迫った圭が腕を切り落とした。
赤黒い血が飛んでクオルカンティカートが痛みに叫ぶ。
「逃げたぞ!」
「行こう!」
夜滝の作戦とは分からないのならモンスターに案内させよう作戦であった。
作戦名はともかく、傷ついたモンスターは逃げて仲間のいる場所に行くはずだと考えた。
その後をついていけばゲートか、巣にしている場所が分かる。
最後のクオルカンティカートも倒すことができたのだけどあえて圭は倒さなかった。
窓の外に飛び出していったクオルカンティカートを追いかける。
荒天で真っ暗な外を懐中電灯の明かりのみでなんとか追いかける。
足の速い波瑠がみんなに先行するようにして追いかけて、圭たちはなんとかそれについていく。
雨で髪が顔に張り付くが気にしている暇すら惜しい。
「けど……どうしようか……」
装備を身につけて準備は整えたが問題がある。
薫はモンスターにさらわれてしまった。
しかしどこにさらわれていったのか分からないのである。
おそらくゲートの方だろうと予想はしているのだが、ゲートから溢れ出したモンスターがどこかに巣のようなものを作っている可能性もある。
しかしどちらにしてもどうやって見つけたらいいものか。
「とりあえずモンスターについて調べよう」
雨に打たれたままでは体も冷えてしまう。
圭たちは一度教会の中に戻る。
『クオルカンティカート
古代の言葉で賢い愚か者という意味。
人のなり損ないのような見た目をしたモンスターである。
力もあり、知恵もあるモンスターで集団で行動することが多い。
必ず群れのボスがいて、群れのボスには絶対的に服従している。
長く生きたものでは魔法を使えるようになる個体もいる。
二足歩行の弊害なのか腰が良くないものも見られる。
魔石はあまり美味しくない。ただし群れにほとんどいないメスの個体の魔石はちょっとだけマシ』
「あんだって?」
「クオルカンティカート」
「くおる……なんだってそんな立派な名前……」
とりあえず敵を知らないことにはどうしようもない。
圭が真実の目を使って教会内で倒したモンスターを鑑定した。
なんだか立派な横文字の名前をしていて覚えきれない。
「そっちはどう?」
「いや……ないね」
夜滝はスマホの画面を見ている。
相変わらず圏外なのだが覚醒者協会が作ったモンスターのデータベースアプリはオフラインでも使用できる。
クオルカンティカートの写真を撮って照会してみたけれど似たようなものはいてもクオルカンティカートそのもの登録がなかった。
未登録か、それとも初めて現れたモンスターのこともある。
能力的には高くない。
危険度でいうのならせいぜいE級ぐらいだろう。
けれど群れで行動するらしいので群れでの戦いになった時なD級程度の強さにはなるかもしれない。
ギリギリの相手になる可能性がある。
「ひとまず薫君の救出を優先に考えよう」
危なそうなら戦わなくてもいい。
完全に回避することは無理かもしれないが薫を助け出して逃げるぐらいなら出来るかもしれない。
「けど、どうやって薫君探すの?」
「それだよな……」
やっぱり問題はそこである。
「いい考えがあるよぅ」
夜滝がニヤリと笑った。
ーーーーー
窓に向けて懐中電灯を向ける。
これまでモンスターにバレにくいように足元近くを照らしていたけど、あえて敵に場所を伝えて誘き寄せるようにライトでチカチカとアピールする。
「来たぞ!」
光に誘き寄せられたクオルカンティカートが窓を突き破って建物の中に入ってくる。
入ってきたのは3体。
奇妙な唸り声を上げながら圭たちの方に走ってくる。
「テメェらの相手は私だ!」
カレンがクオルカンティカートを挑発する。
敵意の混じった魔力を向けられて不快感を感じ、それが怒りに変わる。
クオルカンティカートたちがカレンに襲いかかる。
圭は2体を無視して1番後ろのクオルカンティカートに向かう。
「波瑠!」
「オッケー!」
クオルカンティカートは圭に気がついてすぐに狙いをカレンから変えた。
普通のモンスターなら圭を無視していくところだが、こうしたところが知能の高さを表しているのかもしれない。
圭の剣が胸をかすめてクオルカンティカートが小さく呻き声を上げた。
けれど知能なら圭たちも負けていない。
「いっちょ上がり!」
クオルカンティカートの後ろからは波瑠が迫っていた。
首裏を深く切り付けられてクオルカンティカートは地面に倒れた。
「くらいな!」
カレンがメイスを振り下ろした。
クオルカンティカートが腕を上げてメイスをガードした。
けれど頑丈なモンスターといえど生身でメイスを受け止めれば無事には済まない。
カレンの手にガードした腕の骨が砕ける感触が伝わってくる。
ただ無理な追撃はしないでもう一体のクオルカンティカートが飛びついてきたのを盾で防ぐ。
「今楽にしてあげよう」
腕をだらりと下げたクオルカンティカートの体が真っ二つに切り裂かれた。
夜滝が水を鋭い刃状にして飛ばして切り裂いたのである。
「おら!」
仲間がやられて動揺している間にクオルカンティカートに迫った圭が腕を切り落とした。
赤黒い血が飛んでクオルカンティカートが痛みに叫ぶ。
「逃げたぞ!」
「行こう!」
夜滝の作戦とは分からないのならモンスターに案内させよう作戦であった。
作戦名はともかく、傷ついたモンスターは逃げて仲間のいる場所に行くはずだと考えた。
その後をついていけばゲートか、巣にしている場所が分かる。
最後のクオルカンティカートも倒すことができたのだけどあえて圭は倒さなかった。
窓の外に飛び出していったクオルカンティカートを追いかける。
荒天で真っ暗な外を懐中電灯の明かりのみでなんとか追いかける。
足の速い波瑠がみんなに先行するようにして追いかけて、圭たちはなんとかそれについていく。
52
あなたにおすすめの小説
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜
大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。
広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。
ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。
彼の名はレッド=カーマイン。
最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。
※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい
黒城白爵
ファンタジー
ーーある日、平穏な世界は終わった。
そうとしか表現できないほどに世界にモンスターという異物が溢れ返り、平穏かつ醜い世界は崩壊した。
そんな世界を自称凡人な男がマイペースに生きる、これはそんな話である。
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる