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第四章
ゴーレム製作者の望み1
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ちなみにサハギンは家にも持ち帰ってみんなにも振る舞っていてサハギンの煮付けは和輝を始めとしてみんなにも好評。
カレンは漬けサハギン茶漬け、波瑠はサハギンの首元の身の唐揚げが好みのようであった。
和輝いわく圭は良いお嫁さんになるそうだ。
家事能力的には圭は高等級ぐらいはあると言っていい。
そうして圭がサハギン料理に凝っている間に波瑠の脇腹も綺麗に治った。
「いざ行かん、ゴーレム製作者の秘密基地!」
「研究所な」
「まあ隠してあんだから似たようなもんでしょ」
波瑠も復活したので再び塔に挑むことにした。
圭たちは基本的に土日などの休みの日に攻略するのだが当然他の覚醒者もいる。
ただ塔はモンスターを運ぶのに各階のエントランスに持っていって下ろさなきゃいけないという手間があるために稼ごうと思った時には不人気である。
一部の大きなギルドではモンスターを倒す部隊とモンスターを運ぶ部隊で分けてせっせと輸送している。
そこまですると塔はいい稼ぎどころになるらしい。
今日はやたら人がいるなと思ったらインドにある覚醒者ギルドが塔で狩りを行うとの話をエントランスを守る覚醒者から聞いた。
各階のエントランス近くにモンスター輸送部隊が待機して上からモンスターを下の階に移動させていくのだ。
モンスターを輸送するために使うのは大型のトラック。
昔は精密機械などは塔やゲートに持ち込むと故障してしまっていたのだけれど今は技術が進歩してそのまま持ち込むこともできるものがある。
インドの覚醒者ギルドが狩りを行うのは7階であるので7階で攻略することは控えてほしいと言われた。
けれど今日はそんなところまで行くつもりはないのである。
行こうと思ったところでまだ2階もクリアしていない。
ひとまず圭たちは2階に向かう。
インドのギルド以外にも覚醒者はいるが2階でうろつく覚醒者は他にいないようで2階のエントランスを離れれば圭たちだけになった。
しっかりとボムロックを避けつつ前回見つけたゴーレム製作者の研究所を探す。
途中ストーンゴーレムを見つけたので倒して、これでクリアに必要な5体中4体を倒したことになる。
「あれ怪しい!」
波瑠が岩山を指差した。
「んー……」
『ストーンゴーレム
岩に魔力が宿りある程度の意思を宿したモンスター。
発生原因は様々であるが精霊にも近い存在である。
ただし精霊ほどの知恵、知能はなく馬鹿で近づくものに襲いかかる習性がある。
岩なので食えない。マズイ。邪魔な存在。
ただ魔石は精霊に近いせいか意外と美味い。
ゴーレム製作者によって作られた。
少しだけ知能がある。』
「おっ、正解だな」
人型のストーンゴーレムが擬態しているものよりも一回りほど小さい岩山は波瑠の予想通りにストーンゴーレムであった。
「今度はメタメタにしてあげるからね!」
一度戦っているのでどんなゴーレムなのかも分かっている。
セオリー通りに足を狙ってストーンゴーレムの動きを止めてから圭の真実の目を使って核の場所を見抜いて核を破壊した。
「とりあえずこれで2階はクリアだな」
四足に加えてシッポもある。
足への攻撃も回避しようとする動きも見せたが圭たちの連携の前に砕け散った。
「このゴーレムが出たってことは近いのかもな」
圭は真実の目を発動させながら周りを見る。
「大きな岩山の根元だったよな」
ケモノストーンゴーレムの近くに巨大な岩山がある。
「……あった」
前回と同じく岩山の根元のところで隠された研究所の入り口の表示が現れた。
「ほんとにここか?」
「うーん、入り口があるようには見えないねぇ」
4人で岩山に近づいてみるけれど近づいたところで岩山は岩山である。
赤茶けた色をした岩の塊にしか見えない。
「どこらへんで反応があるんだい?」
「大体……ここらへん」
近づいてみると岩山全体に真実の目が反応しているのではなく、岩山の中でもちゃんと反応している箇所があった。
その場所を圭がざっくりと手で示す。
「ここらへん……て言ったって。うわっ!」
「は、波瑠!?」
「波瑠が消えた!」
ふらりと壁に手を伸ばした波瑠が転ぶように岩山の中に消えていった。
「いったーい!」
「波瑠! いるのか?」
「いるよ!」
「うわっ!」
ニュッと波瑠が岩肌から頭を出した。
ゲームのバグで壁にめり込んでいるように頭だけが見えている。
「まるでゲートみたいだねぇ。触れない」
夜滝も手を伸ばして波瑠が消えた付近を触ろうとしたけれど指先は何にも触れずに岩山の中に入っていく。
そのまま手が岩肌を突き抜けていく。
ゲートに入る時のような違和感はないがゲートに手を入れたような見た目はしている。
「中は道があるよ」
「道? ……とりあえず入ってみようか」
「そうだな」
波瑠が入った以上危険はないだろう。
圭たちも岩山の中に勇気を持って飛び込んでみる。
「暗いな」
中に入ってみると人がすれ違えるぐらいの広さの細長い空間が奥に続いていた。
振り返ると赤茶けた壁が見えるけれど向こうからの光が透けている。
そのために入ってすぐのところはわずかに明るい。
けれど奥の方は明かりもなく暗闇が広がっていた。
カレンは漬けサハギン茶漬け、波瑠はサハギンの首元の身の唐揚げが好みのようであった。
和輝いわく圭は良いお嫁さんになるそうだ。
家事能力的には圭は高等級ぐらいはあると言っていい。
そうして圭がサハギン料理に凝っている間に波瑠の脇腹も綺麗に治った。
「いざ行かん、ゴーレム製作者の秘密基地!」
「研究所な」
「まあ隠してあんだから似たようなもんでしょ」
波瑠も復活したので再び塔に挑むことにした。
圭たちは基本的に土日などの休みの日に攻略するのだが当然他の覚醒者もいる。
ただ塔はモンスターを運ぶのに各階のエントランスに持っていって下ろさなきゃいけないという手間があるために稼ごうと思った時には不人気である。
一部の大きなギルドではモンスターを倒す部隊とモンスターを運ぶ部隊で分けてせっせと輸送している。
そこまですると塔はいい稼ぎどころになるらしい。
今日はやたら人がいるなと思ったらインドにある覚醒者ギルドが塔で狩りを行うとの話をエントランスを守る覚醒者から聞いた。
各階のエントランス近くにモンスター輸送部隊が待機して上からモンスターを下の階に移動させていくのだ。
モンスターを輸送するために使うのは大型のトラック。
昔は精密機械などは塔やゲートに持ち込むと故障してしまっていたのだけれど今は技術が進歩してそのまま持ち込むこともできるものがある。
インドの覚醒者ギルドが狩りを行うのは7階であるので7階で攻略することは控えてほしいと言われた。
けれど今日はそんなところまで行くつもりはないのである。
行こうと思ったところでまだ2階もクリアしていない。
ひとまず圭たちは2階に向かう。
インドのギルド以外にも覚醒者はいるが2階でうろつく覚醒者は他にいないようで2階のエントランスを離れれば圭たちだけになった。
しっかりとボムロックを避けつつ前回見つけたゴーレム製作者の研究所を探す。
途中ストーンゴーレムを見つけたので倒して、これでクリアに必要な5体中4体を倒したことになる。
「あれ怪しい!」
波瑠が岩山を指差した。
「んー……」
『ストーンゴーレム
岩に魔力が宿りある程度の意思を宿したモンスター。
発生原因は様々であるが精霊にも近い存在である。
ただし精霊ほどの知恵、知能はなく馬鹿で近づくものに襲いかかる習性がある。
岩なので食えない。マズイ。邪魔な存在。
ただ魔石は精霊に近いせいか意外と美味い。
ゴーレム製作者によって作られた。
少しだけ知能がある。』
「おっ、正解だな」
人型のストーンゴーレムが擬態しているものよりも一回りほど小さい岩山は波瑠の予想通りにストーンゴーレムであった。
「今度はメタメタにしてあげるからね!」
一度戦っているのでどんなゴーレムなのかも分かっている。
セオリー通りに足を狙ってストーンゴーレムの動きを止めてから圭の真実の目を使って核の場所を見抜いて核を破壊した。
「とりあえずこれで2階はクリアだな」
四足に加えてシッポもある。
足への攻撃も回避しようとする動きも見せたが圭たちの連携の前に砕け散った。
「このゴーレムが出たってことは近いのかもな」
圭は真実の目を発動させながら周りを見る。
「大きな岩山の根元だったよな」
ケモノストーンゴーレムの近くに巨大な岩山がある。
「……あった」
前回と同じく岩山の根元のところで隠された研究所の入り口の表示が現れた。
「ほんとにここか?」
「うーん、入り口があるようには見えないねぇ」
4人で岩山に近づいてみるけれど近づいたところで岩山は岩山である。
赤茶けた色をした岩の塊にしか見えない。
「どこらへんで反応があるんだい?」
「大体……ここらへん」
近づいてみると岩山全体に真実の目が反応しているのではなく、岩山の中でもちゃんと反応している箇所があった。
その場所を圭がざっくりと手で示す。
「ここらへん……て言ったって。うわっ!」
「は、波瑠!?」
「波瑠が消えた!」
ふらりと壁に手を伸ばした波瑠が転ぶように岩山の中に消えていった。
「いったーい!」
「波瑠! いるのか?」
「いるよ!」
「うわっ!」
ニュッと波瑠が岩肌から頭を出した。
ゲームのバグで壁にめり込んでいるように頭だけが見えている。
「まるでゲートみたいだねぇ。触れない」
夜滝も手を伸ばして波瑠が消えた付近を触ろうとしたけれど指先は何にも触れずに岩山の中に入っていく。
そのまま手が岩肌を突き抜けていく。
ゲートに入る時のような違和感はないがゲートに手を入れたような見た目はしている。
「中は道があるよ」
「道? ……とりあえず入ってみようか」
「そうだな」
波瑠が入った以上危険はないだろう。
圭たちも岩山の中に勇気を持って飛び込んでみる。
「暗いな」
中に入ってみると人がすれ違えるぐらいの広さの細長い空間が奥に続いていた。
振り返ると赤茶けた壁が見えるけれど向こうからの光が透けている。
そのために入ってすぐのところはわずかに明るい。
けれど奥の方は明かりもなく暗闇が広がっていた。
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