180 / 366
第四章
使いすぎにもご用心1
しおりを挟む
『ストーンゴーレムを5体倒せ!
シークレット
ゴーレム製作者の研究所を探して彼の望みを知ろう』
中国からの接触はあったので次はアメリカかなとか思っていたけどそんなこともなく塔の二階にやって来た。
試練をクリアしていない時には一階にある二階へのエントランスへの入場は拒まれたけれど試練をクリアするとそれがウソだったかのように通ることができた。
二階にやってくるとまた試練の表示が現れた。
塔の試練も様々である。
階によって試練が固定のこともあれば人によって微妙に違っていたり、何種類かのパターンがある階があることも現在では確認されている。
二階の試練は固定でストーンゴーレムを倒すこと。
一階にしかいなかった圭であるが低層階の試練の話はエントランスを守る警備の覚醒者から聞いたことがあった。
二階の試練であるストーンゴーレムを討伐することも知っていた。
ネットで探しても知ることができる情報である。
しかしここでもシークレットという項目が圭にだけ見えていた。
二階のシークレットの情報はネットにも転がっていなかった。
「つまりはゴーレムを作っている存在がどこかにいるってことかねぇ?」
「確かに! えっ、ゴーレムって人工的に作られたモンスターなの?」
「うーん、私は聞いたことないねぇ」
シークレットがなんなのかはなんとなく分かったし、今それを深く考えても仕方ない。
けれどゴーレム製作者なる言葉に夜滝は引っかかった。
ゴーレムがいるのは別に良いがそれを作っている存在がある。
モンスターであるゴーレムを作り出す存在がいる、あるいはモンスターであるゴーレムを作り出せるということは驚きの事実だ。
恣意的にモンスターをコントロールするための実験としてモンスターを人工的に生み出そうとした禁忌の実験もあったがどれも失敗に終わった。
本当にゴーレムを人工的に作れるのだとしたらとんでもない話なのである。
「まあ……分からないねぇ」
どの道今の段階では情報も少なすぎた。
どのような考えも推論に過ぎないために夜滝はめんどくさくなって考えることをやめた。
「とりあえずゴーレム倒しゃいいんだろ?」
「そうだねぇ」
シークレットはシークレットだ。
秘密の項目であるしクリアしなくても次の階に行くことはできる。
もし見つけられたらいい。
見つけられなくてもそれはそれでいい。
そんなにガチガチに攻略しようとしているメンバーでもないのでのんびり構えて二階を攻略することにした。
二階は一階と打って変わって荒野のような場所である。
赤茶けた地面が広がっていて植物らしきものはほとんど見えない。
少しヘルカトに引きずり込まれた時のことを思い出す。
ヘルカトに引きずり込まれた先の空は赤く、二階は普通の空だけど景色はこのような荒野だった記憶がある。
「ストーンならどうにか倒せる……よな?」
ゴーレムにもいくつか種類がある。
ストーンゴーレムはゴーレムの中でも弱い種類である。
他にマッドゴーレムやアイアンゴーレムなど素材の違うゴーレムも確認されている。
弱いと言ってもゴーレムを倒すのは簡単ではない。
体が石で出来ているので硬く、攻撃力も意外と高い。
いわゆるアンデッド系モンスターにもあたり、痛みなどを感じない性質があるのでダメージも与えにくい。
その分速度は遅く、油断しなければ攻撃を食らうことも少なくはある。
倒す方法はゴーレムの核と呼ばれる弱点を破壊することである。
ゴーレムは体のどこかに核と呼ばれるものを持っていて、それが弱点なのである。
それだけ聞けば倒すのも簡単に聞こえるが核を破壊するためには核を探さねばならないのだ。
これが多少面倒でどこにあるか分からない上に硬い石の体を破壊して核を露出させねばならないのである。
E級相当の覚醒者アタッカーならストーンゴーレムの体にも攻撃が通じるらしいが筋力値がどれぐらい必要なのかまでは実際に戦ってみないと分からない。
「たぶん大丈夫だと思うけどな」
一応E級相当の筋力値はある。
それに今回はちゃんとメイスなどを破壊のしやすい打撃武器も持ってきた。
「夜滝さんがピピーンと見つけてくれたらいいんだけどね」
「それもストーンゴーレムにあってみないと分からないねぇ」
魔力感知に優れた魔法使いならゴーレムの核の場所を何となく感知できる事もあるらしい。
もし夜滝がゴーレムの核の位置を感知できたら倒すのも楽になる。
ただ感知できるかどうかは実際ストーンゴーレムに遭遇してみないことには分からないのである。
「見えてきたな」
現在圭たちは荒野に立てられた旗に沿って進んでいた。
旗に沿って進むと縦に大きな岩のオブジェみたいなものが見えてきた。
これは三階へのエントランスとなるゲートであった。
二階へのエントランスゲートは金属で作られたオブジェのようなものだったが三階のエントランスゲートは岩で出来ていた。
旗はエントランスゲートまでの道しるべとなっているものであった。
一応夜滝が手を伸ばしてみるけれど試練をクリアしていないので通ることはできなかった。
シークレット
ゴーレム製作者の研究所を探して彼の望みを知ろう』
中国からの接触はあったので次はアメリカかなとか思っていたけどそんなこともなく塔の二階にやって来た。
試練をクリアしていない時には一階にある二階へのエントランスへの入場は拒まれたけれど試練をクリアするとそれがウソだったかのように通ることができた。
二階にやってくるとまた試練の表示が現れた。
塔の試練も様々である。
階によって試練が固定のこともあれば人によって微妙に違っていたり、何種類かのパターンがある階があることも現在では確認されている。
二階の試練は固定でストーンゴーレムを倒すこと。
一階にしかいなかった圭であるが低層階の試練の話はエントランスを守る警備の覚醒者から聞いたことがあった。
二階の試練であるストーンゴーレムを討伐することも知っていた。
ネットで探しても知ることができる情報である。
しかしここでもシークレットという項目が圭にだけ見えていた。
二階のシークレットの情報はネットにも転がっていなかった。
「つまりはゴーレムを作っている存在がどこかにいるってことかねぇ?」
「確かに! えっ、ゴーレムって人工的に作られたモンスターなの?」
「うーん、私は聞いたことないねぇ」
シークレットがなんなのかはなんとなく分かったし、今それを深く考えても仕方ない。
けれどゴーレム製作者なる言葉に夜滝は引っかかった。
ゴーレムがいるのは別に良いがそれを作っている存在がある。
モンスターであるゴーレムを作り出す存在がいる、あるいはモンスターであるゴーレムを作り出せるということは驚きの事実だ。
恣意的にモンスターをコントロールするための実験としてモンスターを人工的に生み出そうとした禁忌の実験もあったがどれも失敗に終わった。
本当にゴーレムを人工的に作れるのだとしたらとんでもない話なのである。
「まあ……分からないねぇ」
どの道今の段階では情報も少なすぎた。
どのような考えも推論に過ぎないために夜滝はめんどくさくなって考えることをやめた。
「とりあえずゴーレム倒しゃいいんだろ?」
「そうだねぇ」
シークレットはシークレットだ。
秘密の項目であるしクリアしなくても次の階に行くことはできる。
もし見つけられたらいい。
見つけられなくてもそれはそれでいい。
そんなにガチガチに攻略しようとしているメンバーでもないのでのんびり構えて二階を攻略することにした。
二階は一階と打って変わって荒野のような場所である。
赤茶けた地面が広がっていて植物らしきものはほとんど見えない。
少しヘルカトに引きずり込まれた時のことを思い出す。
ヘルカトに引きずり込まれた先の空は赤く、二階は普通の空だけど景色はこのような荒野だった記憶がある。
「ストーンならどうにか倒せる……よな?」
ゴーレムにもいくつか種類がある。
ストーンゴーレムはゴーレムの中でも弱い種類である。
他にマッドゴーレムやアイアンゴーレムなど素材の違うゴーレムも確認されている。
弱いと言ってもゴーレムを倒すのは簡単ではない。
体が石で出来ているので硬く、攻撃力も意外と高い。
いわゆるアンデッド系モンスターにもあたり、痛みなどを感じない性質があるのでダメージも与えにくい。
その分速度は遅く、油断しなければ攻撃を食らうことも少なくはある。
倒す方法はゴーレムの核と呼ばれる弱点を破壊することである。
ゴーレムは体のどこかに核と呼ばれるものを持っていて、それが弱点なのである。
それだけ聞けば倒すのも簡単に聞こえるが核を破壊するためには核を探さねばならないのだ。
これが多少面倒でどこにあるか分からない上に硬い石の体を破壊して核を露出させねばならないのである。
E級相当の覚醒者アタッカーならストーンゴーレムの体にも攻撃が通じるらしいが筋力値がどれぐらい必要なのかまでは実際に戦ってみないと分からない。
「たぶん大丈夫だと思うけどな」
一応E級相当の筋力値はある。
それに今回はちゃんとメイスなどを破壊のしやすい打撃武器も持ってきた。
「夜滝さんがピピーンと見つけてくれたらいいんだけどね」
「それもストーンゴーレムにあってみないと分からないねぇ」
魔力感知に優れた魔法使いならゴーレムの核の場所を何となく感知できる事もあるらしい。
もし夜滝がゴーレムの核の位置を感知できたら倒すのも楽になる。
ただ感知できるかどうかは実際ストーンゴーレムに遭遇してみないことには分からないのである。
「見えてきたな」
現在圭たちは荒野に立てられた旗に沿って進んでいた。
旗に沿って進むと縦に大きな岩のオブジェみたいなものが見えてきた。
これは三階へのエントランスとなるゲートであった。
二階へのエントランスゲートは金属で作られたオブジェのようなものだったが三階のエントランスゲートは岩で出来ていた。
旗はエントランスゲートまでの道しるべとなっているものであった。
一応夜滝が手を伸ばしてみるけれど試練をクリアしていないので通ることはできなかった。
65
お気に入りに追加
443
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
商人見習いの少年に憑依した薬師の研究・開発日誌です。自分の居場所を見つけたい、認められたい。その心が原動力となり、工夫を凝らしながら商品開発をしていきます。巻き込まれた薬師は、いつの間にか周りを巻き込み、人脈と産業の輪を広げていく。現在3章継続中です。【カクヨムでも掲載しています】レイティングは念の為です。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる