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第三章
三つ巴の混乱3
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「みなさん大丈夫ですよ」
上から声がした。
その声にホッとした雰囲気が漂い、何の警戒もなく階段を上っていく。
けれど圭は思った。
声が少し違ったのではないかと。
しかし確実なことも言えずもう動き出した人たちは止められない。
「な、何だ貴様ら!」
「や、やめろ!」
こんな時の悪い予感ほど当たるものだ。
悲鳴。
そして怪しさに階段を上ることをためらって遅れた圭の前に何かがぼとりと落ちてきた。
「村雨さん! 何が……」
「おっと……まだ人がいたのか?」
落ちてきたそれは人の頭だった。
後ろから遅れてきた嶋崎の前まで頭がゆっくりと転がる。
「ほら、上がってこいよ」
血まみれの大きなナイフを持った男が隠し通路を覗き込み、圭たちに上がるように手招きする。
「村雨さん、後ろに」
圭を守るように嶋崎が前に出る。
「これはひどい……」
出てきた場所は屋敷の前の庭となっているところだった。
水を出していない噴水があるのだがその脇に繋がっていた。
そして先に出て行った人たちは血みどろの死体となって倒れていた。
「待ち伏せされていたのか……」
デルベサロの覚醒者たちが出口で待っていた。
何人か守ってくれていた覚醒者もいたのだがみんなやられてしまっていた。
「少しもったいなかったかな?」
「こうして逃げて出てくるってことは支援者だろうからな……金を持っていたかもしれないな」
中に突入してきた人たちは外国人っぽそうな人が多かったがこちらは柄は悪そうだが日本人っぽかった。
「まあでも1人も逃すなってお達しだ」
「そうだな」
「済まないな、お前らも……うわああああっ!」
「村雨さん、逃げてください!」
大人しくやられるわけにはいかない。
先に動いたのは嶋崎だった。
男のナイフを持った手を切り飛ばした。
「くそっ……そいつを逃すな!」
圭は走り出す。
少なくともこの敷地の外に出られればチャンスはあると思った。
大海ギルドが突入の時を待っているはずで助けてくれると走った。
「待ちやがれ!」
もう少しで門というところで髪を掴まれて後ろに引っ張られる。
首を持っていかれそうになりながら後ろに転がされる。
「手間かけさせんじゃねぇよ!」
「グッ!」
腹に蹴りを入れられて圭の顔が歪む。
「村雨さん! ……くそっ!」
嶋崎も圭のところに行きたかったが2人から激しく切りかかられていて防ぐのでいっぱいになっていた。
力を得て強くなったはずの嶋崎であるが上手く与えられた力を活かしきれていない。
相手は単体では嶋崎よりも弱いのだけど2人で連携を取って戦い、嶋崎は翻弄されていた。
あちらを相手すればこちらが襲い、こちらを相手すればあちらが死角から攻撃を仕掛ける。
巧みな連携の前に攻めあぐねている。
「これ以上面倒なことになる前に殺してしまうか」
「くっ……」
せめて武器でもあるならば。
何もしないで殺されるなんてと圭は唇を噛む。
いや、なんなら拳でぶん殴ってやる。
「けーい!」
「なっ……うわっ!」
ただで殺されてなんかやるものかと顔を上げた。
その瞬間車が走ってきて圭に剣を振り下ろそうとしていた男は慌てて地面を転がって車をかわした。
「この、車は……」
「圭、無事か!」
「や、夜滝ねぇ!」
「私もいるよ!」
「私もだ!」
「波瑠に……カレンまで」
その車には見覚えがあった。
圭が買った車と同じ。
さらには助手席から顔を出したのは夜滝だった。
後ろの席の窓を開けると波瑠、運転席にはカレンが乗っていた。
「なんで、ここに?」
「いいから、早く乗るんだ!」
「させるか!」
「あっ!」
ひかれかけた男が剣を投げた。
タイヤに剣が突き刺さって空気が抜けてしまう。
これでは車は走らせることができない。
「波瑠!」
「うん、分かった!」
車で逃げるのは無理になった。
カレンと夜滝が車から降りるが波瑠は中で何かゴソゴソとしている。
「圭、これ!」
後ろのドアを開けて出てきた波瑠が手に持っていたのは圭の剣であった。
「ありがとう!」
そう言えばとよく見てみるとみんな装備を身につけていることに気がついた。
「まずはあいつを倒そう」
聞きたいことは互いにある。
けれど今は悠長に話していられる暇はない。
とりあえず剣を抜いて圭は男を睨みつける。
「そうはさせるかよ!」
武器となる剣は投げてしまった。
男がタイヤに突き刺さった剣を取りに行こうとするのをカレンが盾で体当たりして邪魔をする。
圭にすぐさま追いついたことを考えると圭よりも強そうであるが例え強くとも武器がなければ戦うのは厳しい。
カレンも男も互いに弾き飛ばされる。
「やっ!」
「くっ、このガキ!」
素早く近づいた波瑠がナイフで切りつける。
防ぐ手立てもなくて脇腹を浅く切り付けられて怒りの表情を浮かべる。
腕を振り回すが素早く距離を取った波瑠には当たらなかった。
そうしている間にカレンも体勢を立て直していた。
チラリと男が助けを求めて他の男の方を見るがそちらもそちらで嶋崎にかかりきりになっている。
力の差はありそうだが圭たちには人数有利がある。
狩りをする時と同じくしっかりとまとまって男に挑む。
上から声がした。
その声にホッとした雰囲気が漂い、何の警戒もなく階段を上っていく。
けれど圭は思った。
声が少し違ったのではないかと。
しかし確実なことも言えずもう動き出した人たちは止められない。
「な、何だ貴様ら!」
「や、やめろ!」
こんな時の悪い予感ほど当たるものだ。
悲鳴。
そして怪しさに階段を上ることをためらって遅れた圭の前に何かがぼとりと落ちてきた。
「村雨さん! 何が……」
「おっと……まだ人がいたのか?」
落ちてきたそれは人の頭だった。
後ろから遅れてきた嶋崎の前まで頭がゆっくりと転がる。
「ほら、上がってこいよ」
血まみれの大きなナイフを持った男が隠し通路を覗き込み、圭たちに上がるように手招きする。
「村雨さん、後ろに」
圭を守るように嶋崎が前に出る。
「これはひどい……」
出てきた場所は屋敷の前の庭となっているところだった。
水を出していない噴水があるのだがその脇に繋がっていた。
そして先に出て行った人たちは血みどろの死体となって倒れていた。
「待ち伏せされていたのか……」
デルベサロの覚醒者たちが出口で待っていた。
何人か守ってくれていた覚醒者もいたのだがみんなやられてしまっていた。
「少しもったいなかったかな?」
「こうして逃げて出てくるってことは支援者だろうからな……金を持っていたかもしれないな」
中に突入してきた人たちは外国人っぽそうな人が多かったがこちらは柄は悪そうだが日本人っぽかった。
「まあでも1人も逃すなってお達しだ」
「そうだな」
「済まないな、お前らも……うわああああっ!」
「村雨さん、逃げてください!」
大人しくやられるわけにはいかない。
先に動いたのは嶋崎だった。
男のナイフを持った手を切り飛ばした。
「くそっ……そいつを逃すな!」
圭は走り出す。
少なくともこの敷地の外に出られればチャンスはあると思った。
大海ギルドが突入の時を待っているはずで助けてくれると走った。
「待ちやがれ!」
もう少しで門というところで髪を掴まれて後ろに引っ張られる。
首を持っていかれそうになりながら後ろに転がされる。
「手間かけさせんじゃねぇよ!」
「グッ!」
腹に蹴りを入れられて圭の顔が歪む。
「村雨さん! ……くそっ!」
嶋崎も圭のところに行きたかったが2人から激しく切りかかられていて防ぐのでいっぱいになっていた。
力を得て強くなったはずの嶋崎であるが上手く与えられた力を活かしきれていない。
相手は単体では嶋崎よりも弱いのだけど2人で連携を取って戦い、嶋崎は翻弄されていた。
あちらを相手すればこちらが襲い、こちらを相手すればあちらが死角から攻撃を仕掛ける。
巧みな連携の前に攻めあぐねている。
「これ以上面倒なことになる前に殺してしまうか」
「くっ……」
せめて武器でもあるならば。
何もしないで殺されるなんてと圭は唇を噛む。
いや、なんなら拳でぶん殴ってやる。
「けーい!」
「なっ……うわっ!」
ただで殺されてなんかやるものかと顔を上げた。
その瞬間車が走ってきて圭に剣を振り下ろそうとしていた男は慌てて地面を転がって車をかわした。
「この、車は……」
「圭、無事か!」
「や、夜滝ねぇ!」
「私もいるよ!」
「私もだ!」
「波瑠に……カレンまで」
その車には見覚えがあった。
圭が買った車と同じ。
さらには助手席から顔を出したのは夜滝だった。
後ろの席の窓を開けると波瑠、運転席にはカレンが乗っていた。
「なんで、ここに?」
「いいから、早く乗るんだ!」
「させるか!」
「あっ!」
ひかれかけた男が剣を投げた。
タイヤに剣が突き刺さって空気が抜けてしまう。
これでは車は走らせることができない。
「波瑠!」
「うん、分かった!」
車で逃げるのは無理になった。
カレンと夜滝が車から降りるが波瑠は中で何かゴソゴソとしている。
「圭、これ!」
後ろのドアを開けて出てきた波瑠が手に持っていたのは圭の剣であった。
「ありがとう!」
そう言えばとよく見てみるとみんな装備を身につけていることに気がついた。
「まずはあいつを倒そう」
聞きたいことは互いにある。
けれど今は悠長に話していられる暇はない。
とりあえず剣を抜いて圭は男を睨みつける。
「そうはさせるかよ!」
武器となる剣は投げてしまった。
男がタイヤに突き刺さった剣を取りに行こうとするのをカレンが盾で体当たりして邪魔をする。
圭にすぐさま追いついたことを考えると圭よりも強そうであるが例え強くとも武器がなければ戦うのは厳しい。
カレンも男も互いに弾き飛ばされる。
「やっ!」
「くっ、このガキ!」
素早く近づいた波瑠がナイフで切りつける。
防ぐ手立てもなくて脇腹を浅く切り付けられて怒りの表情を浮かべる。
腕を振り回すが素早く距離を取った波瑠には当たらなかった。
そうしている間にカレンも体勢を立て直していた。
チラリと男が助けを求めて他の男の方を見るがそちらもそちらで嶋崎にかかりきりになっている。
力の差はありそうだが圭たちには人数有利がある。
狩りをする時と同じくしっかりとまとまって男に挑む。
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