63 / 515
第二章
見抜く将来性5
しおりを挟む
「優斗、すまないな……ってどうした?」
そこにカレンが戻ってきた。
カレンはニコニコとしている優斗を見て目を丸くした。
こんな風に表情が崩れているのは珍しい。
「えへへ、僕の作った杖が選んでもらえたんだ」
「そうなのか……」
カレンはうれしいような、少し寂しいような目をして微笑んだ。
どうしてそんな色が見えたのか圭は気になったが親しくもないのに聞くことはできなかった。
「覚醒してから頑張ってたもんな。よくやったな」
「うん……ありがとう」
「ともかく爺さんも帰ってきたしあとは私がやるよ。お前は宿題でもやってきな」
「分かった。お姉さん、僕、頑張るのでよろしくお願いします!」
「ふふふ、壊すような使い方はしないから安心しておくれ」
『八重樫優斗
レベル144
総合ランクD
筋力C(英雄)
体力D(英雄)
速度G(無才)
魔力E(一般)
幸運F(無才)
スキル:的確な一撃
才能:火に愛されし手』
ペコペコと頭を下げながら下がろうとする優斗をなんとなく圭は真実の目で見てみた。
会話から覚醒者であることも分かっていた。
能力的には意外と高い。
筋力と体力のステータスが高い。
才能値も英雄なら高い方であるので能力ステータスだけを見ればタンク向きな能力をしている。
けれどスキルや才能を見るとちょっとタンク向きではなさそうだ。
的確な一撃というスキルはおそらく攻撃スキル。
火に愛されし手というのがちょっと分からないけれどタンク的な才能ではなさそうに思えた。
「弟さん、覚醒者なんですね」
「そうなんだ。ある時急に目覚めてな。本人は喜んでいたよ。これで自分も爺さんみたいな職人になれるって」
「おじいさんも覚醒者なんですか?」
「そうなんだ。覚醒者の武器は覚醒者か、大企業みたいに高い機材がないとうまく加工できないんだ。爺さんは戦えるような年ではないけれど覚醒者だからモンスター素材の加工ができるんだ。……あんまり売れちゃいないけどな。
優斗は昔から職人になるって言っていて、爺さんが覚醒者装備を作り始めたら自分もって。だから覚醒した時はうれしそうで……うらやましかった」
言葉の最後は消え入りそうだったけど圭には聞こえてしまった。
「す、すまないな。お客さんにこんなべらべらと話しちゃって……普段はこんなことないんだけど」
少しうるんだような瞳を隠すようにカレンは顔をそむけた。
単純にいかない事情が色々あるのだろう。
「カレンさんも職人なんですか?」
「ん、そうだけど私は覚醒者じゃないから覚醒者の装備は作れないんだ。一般的な工芸品みたいなものは作るんだけどな」
覚醒者じゃなかったら覚醒者の装備を作れないなんて知らなかった。
「え、えっと他にお探しの装備は? 基本的なものは何でもそろってるよ。それに爺さんの方の仕事が終わればオーダーメイドの相談もできるし」
また変なことを口走ってしまいそうになったカレンは慌てて話を変えた。
「そうだねぇ、あとは魔法使い用の防具なんてあれば」
「それならこっちだ。ただちょっとうちの男どもは裁縫系が苦手で……」
魔法使いの防具としては魔法を阻害しないように単純なアーマー型ではなくてローブのような形態の防具も多い。
防御力としては低いが魔法使いに防御力が必要とされるような場面になったら戦いはかなり厳しいものであると言えるので攻撃に特化した方がいいという考え方の人も多数派である。
八重樫工房も魔法使い用の装備としてローブやクロークタイプの羽織れる装備品を作っているけれどほかの装備に比べて品質がやや落ちる。
理由は簡単で作り手の技量不足である。
悪いものではないけれど他と比べてしまうと見劣りしてしまう感じがあるのは否めない。
『八重樫カレン(未覚醒)
レベル0
総合ランクH
筋力G(伝説)
体力G(神話)
速度G(一般)
魔力G(英雄)
幸運G(一般)
スキル:大地の力(未覚醒)
才能:不屈の再生力を持つ肉体(未覚醒)』
なんとなく。
特に理由もないけれど圭は気になってカレンを見てしまった。
優斗も見たし話の流れで覚醒者云々ということも出たので自然とそうしてしまった。
「えっ!」
「どうかしたか?」
「あっ、えっと、なんでも」
いきなり不自然に声を上げてしまった。
カレンや夜滝が不思議そうな顔をして圭の方を振り返った。
圭があいまいに笑ってごまかすとカレンと夜滝は商品選びに戻る。
神話等級の才能値だと圭は内心で舞い上がっていた。
さらには筋力も伝説。
能力としてはタンクやアタッカー向きの才能値だ。
スキルや才能が無い人もこれまで多く見てきたがカレンはどちらも持っている。
まだ明確にスキルや才能の能力は分からないけれど才能については体の頑丈さにかかわるスキルであるように圭には思えた。
もしアタッカー型のスキルであってもどっちでも最上級であることに変わりはない。
「何かいいものあった?」
ぼんやりとする圭に波瑠がこっそりと声をかける。
いい装備でも見つかったのかと思った。
「ああ、見つけた」
「なになに、どんな装備?」
「装備じゃない」
「えっ?」
「人、才能だ」
そこにカレンが戻ってきた。
カレンはニコニコとしている優斗を見て目を丸くした。
こんな風に表情が崩れているのは珍しい。
「えへへ、僕の作った杖が選んでもらえたんだ」
「そうなのか……」
カレンはうれしいような、少し寂しいような目をして微笑んだ。
どうしてそんな色が見えたのか圭は気になったが親しくもないのに聞くことはできなかった。
「覚醒してから頑張ってたもんな。よくやったな」
「うん……ありがとう」
「ともかく爺さんも帰ってきたしあとは私がやるよ。お前は宿題でもやってきな」
「分かった。お姉さん、僕、頑張るのでよろしくお願いします!」
「ふふふ、壊すような使い方はしないから安心しておくれ」
『八重樫優斗
レベル144
総合ランクD
筋力C(英雄)
体力D(英雄)
速度G(無才)
魔力E(一般)
幸運F(無才)
スキル:的確な一撃
才能:火に愛されし手』
ペコペコと頭を下げながら下がろうとする優斗をなんとなく圭は真実の目で見てみた。
会話から覚醒者であることも分かっていた。
能力的には意外と高い。
筋力と体力のステータスが高い。
才能値も英雄なら高い方であるので能力ステータスだけを見ればタンク向きな能力をしている。
けれどスキルや才能を見るとちょっとタンク向きではなさそうだ。
的確な一撃というスキルはおそらく攻撃スキル。
火に愛されし手というのがちょっと分からないけれどタンク的な才能ではなさそうに思えた。
「弟さん、覚醒者なんですね」
「そうなんだ。ある時急に目覚めてな。本人は喜んでいたよ。これで自分も爺さんみたいな職人になれるって」
「おじいさんも覚醒者なんですか?」
「そうなんだ。覚醒者の武器は覚醒者か、大企業みたいに高い機材がないとうまく加工できないんだ。爺さんは戦えるような年ではないけれど覚醒者だからモンスター素材の加工ができるんだ。……あんまり売れちゃいないけどな。
優斗は昔から職人になるって言っていて、爺さんが覚醒者装備を作り始めたら自分もって。だから覚醒した時はうれしそうで……うらやましかった」
言葉の最後は消え入りそうだったけど圭には聞こえてしまった。
「す、すまないな。お客さんにこんなべらべらと話しちゃって……普段はこんなことないんだけど」
少しうるんだような瞳を隠すようにカレンは顔をそむけた。
単純にいかない事情が色々あるのだろう。
「カレンさんも職人なんですか?」
「ん、そうだけど私は覚醒者じゃないから覚醒者の装備は作れないんだ。一般的な工芸品みたいなものは作るんだけどな」
覚醒者じゃなかったら覚醒者の装備を作れないなんて知らなかった。
「え、えっと他にお探しの装備は? 基本的なものは何でもそろってるよ。それに爺さんの方の仕事が終わればオーダーメイドの相談もできるし」
また変なことを口走ってしまいそうになったカレンは慌てて話を変えた。
「そうだねぇ、あとは魔法使い用の防具なんてあれば」
「それならこっちだ。ただちょっとうちの男どもは裁縫系が苦手で……」
魔法使いの防具としては魔法を阻害しないように単純なアーマー型ではなくてローブのような形態の防具も多い。
防御力としては低いが魔法使いに防御力が必要とされるような場面になったら戦いはかなり厳しいものであると言えるので攻撃に特化した方がいいという考え方の人も多数派である。
八重樫工房も魔法使い用の装備としてローブやクロークタイプの羽織れる装備品を作っているけれどほかの装備に比べて品質がやや落ちる。
理由は簡単で作り手の技量不足である。
悪いものではないけれど他と比べてしまうと見劣りしてしまう感じがあるのは否めない。
『八重樫カレン(未覚醒)
レベル0
総合ランクH
筋力G(伝説)
体力G(神話)
速度G(一般)
魔力G(英雄)
幸運G(一般)
スキル:大地の力(未覚醒)
才能:不屈の再生力を持つ肉体(未覚醒)』
なんとなく。
特に理由もないけれど圭は気になってカレンを見てしまった。
優斗も見たし話の流れで覚醒者云々ということも出たので自然とそうしてしまった。
「えっ!」
「どうかしたか?」
「あっ、えっと、なんでも」
いきなり不自然に声を上げてしまった。
カレンや夜滝が不思議そうな顔をして圭の方を振り返った。
圭があいまいに笑ってごまかすとカレンと夜滝は商品選びに戻る。
神話等級の才能値だと圭は内心で舞い上がっていた。
さらには筋力も伝説。
能力としてはタンクやアタッカー向きの才能値だ。
スキルや才能が無い人もこれまで多く見てきたがカレンはどちらも持っている。
まだ明確にスキルや才能の能力は分からないけれど才能については体の頑丈さにかかわるスキルであるように圭には思えた。
もしアタッカー型のスキルであってもどっちでも最上級であることに変わりはない。
「何かいいものあった?」
ぼんやりとする圭に波瑠がこっそりと声をかける。
いい装備でも見つかったのかと思った。
「ああ、見つけた」
「なになに、どんな装備?」
「装備じゃない」
「えっ?」
「人、才能だ」
140
あなたにおすすめの小説
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜
大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。
広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。
ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。
彼の名はレッド=カーマイン。
最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。
※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
アポカリプスな時代はマイペースな俺に合っていたらしい
黒城白爵
ファンタジー
ーーある日、平穏な世界は終わった。
そうとしか表現できないほどに世界にモンスターという異物が溢れ返り、平穏かつ醜い世界は崩壊した。
そんな世界を自称凡人な男がマイペースに生きる、これはそんな話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる