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第一章
俺にだって守れるんだ3
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他の道ゆく人たちも耳鳴りがしているようで頭を押さえている。
圭は周りを見渡してこの耳鳴りの原因を探す。
「あ……あれ」
波瑠が空を指差した。
差した方向を見てみると青く光る光の渦のようなものがそこにあった。
そしてその光の中からオオカミにも似たモンスターが飛び出してきて地面に降り立った。
「ヤバい……ブレイキングゲートだ!」
たまたまモンスターの近くに人がいた。
気づけば耳鳴りは止んでいるけれど突如として目の前に現れた異常な現象に誰もが呆然と立ち尽くしてしまっていた。
モンスターが人に襲いかかった。
鋭い牙を首筋に突き立てて悲鳴を上げることすらできずに血飛沫を上げた。
光の渦の正体はゲート。
ただゲートが現れただけならよかった。
しかしただのゲートではない。
現れた瞬間から中のモンスターが出てき始めるブレイキングゲートというゲートの中でも異常なものであった。
「弥生さん、水野さん、逃げるんだ!」
ほんの少し通行人が襲われる光景に愕然としていただけでもう何体ものモンスターがゲートから出てきていた。
「に、逃げるってどこにですか!」
交渉事では冷静だった水野もモンスターを前にしては混乱することを避けられない。
「とにかくゲートから離れろ!」
ゲートの現れた位置も悪い。
これから向かう駅の方にゲートが現れてしまった。
駅の方が人がいる。
覚醒者がいる可能性もあるし駅前にある商業施設なんかに逃げ込めば時間を稼ぐこともできる。
しかし今いるのは駅前の栄えたところからは外れている。
その上駅の方には向かえない。
「走れ!」
圭の叫びに波瑠と水野も逃げ始める。
『ゲート発生の可能性があります。ただちに安全な建物に避難してください』
直後、町に設置されているスピーカーから警告音が鳴る。
エネルギーの変化を観測して素早くゲートの発生を確認することができるようになったのだけどそれがまさかブレイキングゲートだとまでは分からない。
どこかの家にと思ったけれど放送がかかってしまったのでどの家も施錠してカーテンを閉める。
シャッターなども瞬く間に閉まって圭たちはモンスターとの追いかけっこを強いられることになった。
どの人も自分の命が大事なのでよほど良い人でもない限り窓や玄関などから離れて過ごし、開けてくれることなどないだろう。
非情な世界を走る。
今は情報社会で拡散も早いのでブレイキングゲートなことも素早く他に伝わるだろう。
都心部でもあるので助けの覚醒者たちが来るのもそんなに時間がかからないはずだ。
「きゃっ!」
「水野さん! 大丈夫ですか?」
「は、はい……すいません」
大通りを逃げていては簡単にモンスターに見つかってしまう。
細い住宅街の路地に入ったところで水野が転倒してしまう。
「こんなことならスニーカーでも履いてくるんでした」
水野は低いヒールのパンプスを履いていて走りにくそうにしている。
圭も革靴なので走りにくいが水野の方がはるかに走りにくい。
「早く逃げましょ……」
水野が圭の手を取って立ち上がる。
軽く膝を擦りむいたようだけど逃げるのは出来る。
大通りを走り抜けるモンスターたち。
その1匹と圭は目が合ってしまった。
モンスターが急ブレーキをかけて立ち止まる。
「2人とも逃げろ……」
細く続く道に隠れ場所もない。
圭は持っていた荷物の中から短めの棒を取り出した。
横にあるスイッチを押しながらブンと振るとカシャンと棒が伸びる。
これは夜滝が作った毒棒君の簡易持ち運び版であった。
特殊警棒のように伸びて扱えるようにしたもので槍ほどの長さもないけれどなんの武器もない状況では役に立つのではと持たせてくれた。
先端のカバーを外すと毒棒君に大切な毒の牙部分もちゃんとある。
「村雨さん……」
「早く行ってくれ!」
自分の気が変わらないうちに早く。
逃げ出したい気持ちに震える体が逃げてしまう前に。
水野と波瑠が走る音が遠ざかる。
モンスターはそれを追いかけようとしない。
目の前にまだ逃げていない獲物がいるのだからわざわざそちらを追いかけることもない。
緊張に心臓が激しく脈打ち、呼吸が自然と浅く早くなる。
「うぅっ!」
モンスターが圭に飛びかかる。
直線的でなんてことはないはずの攻撃なのにそれでも圭は避け損ねて前足が右腕をかすめて血がにじんだ。
速い。
いや、圭が遅いのだ。
いくらレベルアップしたとはいっても能力値を見れば未だに最下層にいるのと変わりない。
才能の類い稀な幸運というのもどんな効果があるのかいまいち分からない。
「グッ! く……!」
再びモンスターが飛びかかってくる。
今度は口を大きく開けて圭に噛みつこうとしてきた。
圭はなんとか毒棒君を横に構えてモンスターの口に差し込んで防いだけれどそのまま押し倒される。
ガジガジと毒棒君をかじってヨダレが顔に飛んでくる。
圭はモンスターを蹴り上げてなんとか組み伏せられた状態から脱する。
「やああああっ!」
今度は圭の方から毒棒君を振り回してモンスターに襲いかかるけれどモンスターにはかすりもしない。
圭は周りを見渡してこの耳鳴りの原因を探す。
「あ……あれ」
波瑠が空を指差した。
差した方向を見てみると青く光る光の渦のようなものがそこにあった。
そしてその光の中からオオカミにも似たモンスターが飛び出してきて地面に降り立った。
「ヤバい……ブレイキングゲートだ!」
たまたまモンスターの近くに人がいた。
気づけば耳鳴りは止んでいるけれど突如として目の前に現れた異常な現象に誰もが呆然と立ち尽くしてしまっていた。
モンスターが人に襲いかかった。
鋭い牙を首筋に突き立てて悲鳴を上げることすらできずに血飛沫を上げた。
光の渦の正体はゲート。
ただゲートが現れただけならよかった。
しかしただのゲートではない。
現れた瞬間から中のモンスターが出てき始めるブレイキングゲートというゲートの中でも異常なものであった。
「弥生さん、水野さん、逃げるんだ!」
ほんの少し通行人が襲われる光景に愕然としていただけでもう何体ものモンスターがゲートから出てきていた。
「に、逃げるってどこにですか!」
交渉事では冷静だった水野もモンスターを前にしては混乱することを避けられない。
「とにかくゲートから離れろ!」
ゲートの現れた位置も悪い。
これから向かう駅の方にゲートが現れてしまった。
駅の方が人がいる。
覚醒者がいる可能性もあるし駅前にある商業施設なんかに逃げ込めば時間を稼ぐこともできる。
しかし今いるのは駅前の栄えたところからは外れている。
その上駅の方には向かえない。
「走れ!」
圭の叫びに波瑠と水野も逃げ始める。
『ゲート発生の可能性があります。ただちに安全な建物に避難してください』
直後、町に設置されているスピーカーから警告音が鳴る。
エネルギーの変化を観測して素早くゲートの発生を確認することができるようになったのだけどそれがまさかブレイキングゲートだとまでは分からない。
どこかの家にと思ったけれど放送がかかってしまったのでどの家も施錠してカーテンを閉める。
シャッターなども瞬く間に閉まって圭たちはモンスターとの追いかけっこを強いられることになった。
どの人も自分の命が大事なのでよほど良い人でもない限り窓や玄関などから離れて過ごし、開けてくれることなどないだろう。
非情な世界を走る。
今は情報社会で拡散も早いのでブレイキングゲートなことも素早く他に伝わるだろう。
都心部でもあるので助けの覚醒者たちが来るのもそんなに時間がかからないはずだ。
「きゃっ!」
「水野さん! 大丈夫ですか?」
「は、はい……すいません」
大通りを逃げていては簡単にモンスターに見つかってしまう。
細い住宅街の路地に入ったところで水野が転倒してしまう。
「こんなことならスニーカーでも履いてくるんでした」
水野は低いヒールのパンプスを履いていて走りにくそうにしている。
圭も革靴なので走りにくいが水野の方がはるかに走りにくい。
「早く逃げましょ……」
水野が圭の手を取って立ち上がる。
軽く膝を擦りむいたようだけど逃げるのは出来る。
大通りを走り抜けるモンスターたち。
その1匹と圭は目が合ってしまった。
モンスターが急ブレーキをかけて立ち止まる。
「2人とも逃げろ……」
細く続く道に隠れ場所もない。
圭は持っていた荷物の中から短めの棒を取り出した。
横にあるスイッチを押しながらブンと振るとカシャンと棒が伸びる。
これは夜滝が作った毒棒君の簡易持ち運び版であった。
特殊警棒のように伸びて扱えるようにしたもので槍ほどの長さもないけれどなんの武器もない状況では役に立つのではと持たせてくれた。
先端のカバーを外すと毒棒君に大切な毒の牙部分もちゃんとある。
「村雨さん……」
「早く行ってくれ!」
自分の気が変わらないうちに早く。
逃げ出したい気持ちに震える体が逃げてしまう前に。
水野と波瑠が走る音が遠ざかる。
モンスターはそれを追いかけようとしない。
目の前にまだ逃げていない獲物がいるのだからわざわざそちらを追いかけることもない。
緊張に心臓が激しく脈打ち、呼吸が自然と浅く早くなる。
「うぅっ!」
モンスターが圭に飛びかかる。
直線的でなんてことはないはずの攻撃なのにそれでも圭は避け損ねて前足が右腕をかすめて血がにじんだ。
速い。
いや、圭が遅いのだ。
いくらレベルアップしたとはいっても能力値を見れば未だに最下層にいるのと変わりない。
才能の類い稀な幸運というのもどんな効果があるのかいまいち分からない。
「グッ! く……!」
再びモンスターが飛びかかってくる。
今度は口を大きく開けて圭に噛みつこうとしてきた。
圭はなんとか毒棒君を横に構えてモンスターの口に差し込んで防いだけれどそのまま押し倒される。
ガジガジと毒棒君をかじってヨダレが顔に飛んでくる。
圭はモンスターを蹴り上げてなんとか組み伏せられた状態から脱する。
「やああああっ!」
今度は圭の方から毒棒君を振り回してモンスターに襲いかかるけれどモンスターにはかすりもしない。
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