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第3章
38 恋がこんなに難しいなんて初めて知った
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深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
リナ先輩の告白に答えなければ。先送りの理由を伝えないと……
「あの~、リナ先輩のことは僕も……その~、だ、大好きです。も、もちろん今すぐにでも付き合いたいんですが、
ちょっと待っててください。なんて言いますか、その、お付き合いする前にけじめというか、何と言うか……ちゃんとしておきたい事があって……それが終わればちゃんと返事ができると思うんです」
「それは、いつぐらいになりそう? 来月? 来年? いつに返事くれるの?」
「それは…………12月15日とかそのくらいには返事ができると思います……」
この日を選んだのは12月14日にカナちゃんとレイナちゃんの謹慎処分が終わるからだ。
金縛り霊の2人に相談してから告白の返事を決めようと思う。
1日で結論を出せるかどうかわからないけど真剣に話し合って決めたい。
頭の中のエロウサギが言ったようにいつまでも童貞のままではいられないから……。
「わかったよ。いい返事が聞ける事を期待して待ってるね!」
リナ先輩の元気が戻ったのかいつものように明るい声に戻っていた。
そしてさらに強く抱きしめている。
「待ってる間は気まずくなるの嫌だからいつも通り接してね! ウサギくん!」
耳元でいつものように悪戯に囁いた。最後には耳に息がかかってドキッとしてしまった。
そのまま耳元でリナ先輩は再び甘い声を出した。
「今日はこのままでいい?」
「えぇええええ、ね、寝相悪いかもしれませんよ……」
「じゃあこうして動けなくしちゃえばいいんじゃないかな~?」
足を使ってもっと抱きついてきた。絶対に離さないようにと足を上に乗せて絡めてきたのだ。
「これは動けそうにないですけど、リナ先輩も寝返りとか打てないんじゃ?」
「ふふふっ! 金縛りにかかってるみたいだね!」
リナ先輩の口から聞き慣れた言葉が飛んできて驚いた。そしてまた金縛りちゃんの顔が浮かんだ。
そのせいで告白の返事がちゃんとできるのか不安になる。
「金縛りか、そ、そうですね、金縛りみたいですね! あはは……」
「そういえばウサギくん前に金縛りにかかったって言ってたけどあれからどう? 大丈夫だった?」
「あれからほぼ毎日金縛りにかかってますよ! でもそのおかげで元気です!!」
「そのおかげって、何それ? でもよかった。じゃあ今日はあたしのこれが金縛りって事だね~! 元気にしてあげるよ~」
リナ先輩の言ってることは間違いではない。ベットの上で美女が抱きついている。
僕が体験している金縛りと見た目は何等変わりがない。
ただ違うところは本物の人間か本物の幽霊かってところだけだろうか。
こうしていると人間も幽霊も同じに思える。
僕はどうしたいのか? 何がしたいのか? 今の僕にはまだ答えは出せないままだった。
しばらくしてからリナ先輩の寝息が聞こえてきた。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
仕事の帰りで料理もさせてしまって無理に体力を使わせてしまったのだ。
疲れて寝てしまうのも無理もない。
でもこの状況で寝れるのすごいな……
先ほどまで強かった抱きつきが弱まっているので本当に寝たのだと思う。
ただ起こしてしまうのは悪い気がするのでやっぱり動けない。
金縛り中は自由に動けるようになったけど、流石にこれは動くわけにはいかない。
むしろ金縛りよりも強力な気がしてきた。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
リナ先輩の寝息も匂いも抱きつかれている感覚も何もかもが心地よい。
僕もそろそろ眠りに着こう。今なら寝れそうな気がする。
「ウサ……くん……」
時折、寝言で僕の名前呼んでくる。どんな夢を見ているのだろうか。何だか恥ずかしい。
「ダメ……んっ」
おいおい。本当にどんな夢を見てるんだよ。というか夢の中の僕は何やってるんだ……。
羨ましすぎるんだけど。なんならこのまま襲っても夢だと思わせられればいいんじゃないか?
いやいや、僕は何を考えてるんだ。でもでも、耳元でそんな声を出されたら……
「いいよ……」
今のは……寝言だよな……どっちだ?
待て待て待て落ち着け。もうわけわからなくなってきた。僕を試してるのか?
告白の返事を先送りにしたから僕で遊んでいるのか?
いいんだよな? じゃあ遠慮くなくやらせてもらうぞ。
童貞の僕で遊んでいるリナ先輩が悪いんだからな……
僕は動こうとした。リナ先輩を襲おうとした。
しかし体は動かなかった。いや、動かせなかったのだ。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
リナ先輩の寝息を聞いてしまったから。
危なかった……。完全に寝言だった。
僕の勘違い野郎め。
取り返しのつかない事をしそうになってたよ。
ちょっと冷静にならないと……。
いきなりの告白でおかしくなってたんだ……。もう寝よう。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
僕はリナ先輩の寝息を子守唄にして目を閉じた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
僕の意識は覚醒した。
体はまだ抱き付かれている感覚がある。そして僕も何かに抱き付いていた。
目を開けると目の前には柔らかそうな透き通った桃色の唇。
そう。リナ先輩の唇が目の前にあったのだ。
この時、僕は気付いてしまった……。
リナ先輩に背を向けていたはずの僕は、いつの間にかリナ先輩の方を向いて抱き付いていたのだと。
いつの間に寝返りを打ったんだ。
まだリナ先輩は起きていない。寝返りを打って背を向けるチャンスだ。でも寝返りを打ちたいのは山々なんだが……
僕の腕がリナ先輩の下に入り込んでて引き抜くことができない。
どうしたらこんな体制になるんだよ。僕は寝てる時、何をしてたんだ。
これは寝返りどころの話じゃないぞ。進んでリナ先輩に抱き付きにいってるじゃないか。
リナ先輩の唇にあった目線を下にズラすと、白いシャツから豊満な谷間がチラッと見える。
寝てる時は下着をつけてないのだろうか。いつも以上にプルンっと露わになっている気がする。
それにしても柔らかそうだ。触りたい。このまま顔を埋めたい。おっぱいに溺れたい。
でもそんなことはできない。だからもう少しだけじっくりと見ておこう。この光景だけでもありがたい。
再び僕は視線をリナ先輩の顔の方へと戻した。
寝顔も可愛い。そういえばリナ先輩の寝顔をじっくりと見たのは初めてだ。
そしてリナ先輩の寝顔を見ていた僕は気付いてしまった。
目の下にある涙の跡に……。
告白の返事を後回しにされて涙が流れたのだろうか。
それとも告白の時に感情が出て、無意識に涙が溢れたのだろうか。この涙の跡の真相は分からない。
だけど涙を流していたことは確かだ。
「うぅ……」
まずい。リナ先輩が起きる。この体勢はまずいぞ。
どうしよう。どうしたらいいんだ。何か手は……。
お、落ち着け落ち着くんだー。
パチクリッ
僕はそのままリナ先輩と目があってしまった。
「ウサギくん、おはよう……」
「お、おはようございます……」
「ってあれ? あれれ~? 寝てるあたしに悪戯でもした~? ウサギくんの方から抱き付いてるよね~、うふふっ。我慢できなかったの?」
寝起きからこの人は僕をからかってくる。
それに離れないように力を入れている。まずい。抜け出せないし体勢を変えられない。
このままでは現行犯逮捕だ。抱き付いている証拠が残ってしまった。
とりあえず本当に何もしていないんだ。それだけは誤解を解かなくては。
「な、何もしてませんよ~! 起きたらこの体勢になってたんです。う、腕はリナ先輩の下ですし足も挟まれてて動けなくなったんですよ……」
「な~んだ! あたしで童貞卒業しようとしたのかと思ったわ~、もしかして卒業しちゃった?」
小悪魔な表情を見せつけてくる。寝起きからこんなに可愛いのは反則だ。
「寝ぼけないでくださいよ~! 何もしてないですから!」
「は~いはい。わかってるって~」
リナ先輩は素直に僕を解放してくれた。これでようやく体が動かせる。
固まってしまった体を伸ばす。背中と腰の骨がバキバキと鳴った。
体が動かせるってこんなに素晴らしいことなのか!
って前にも同じようなことがあったようななかったような……。
「うふふふ」
突然ニヤケだしたリナ先輩。
「ど、どうしたんですか??」
「それ本当に似合ってるなって思っただけ」
それとは僕が着ている『ウサギの着ぐるみパジャマ』のことだ。
「何ですか今更! 昨日からずっと着てるじゃないですか~」
「ベットの上のウサギ。ペットみたいで可愛いな。あたしのペット」
リナ先輩は何を言っているんだろうか……。は、恥ずかしい。
僕がリナ先輩のペットだなんて。いや、それはそれで悪くないかもしれない。
この後、ベットから起き上がり二人で朝食の準備に取り掛かった。
朝食が出来上がり二人で同時に食べる。まさに同棲しているカップルのようだ。
食パンの上に細く切ったバナナをのせてトースト。その後シナモンと蜂蜜をかけたパン料理だ。料理名は分からないがリナ先輩の作る料理は何でも美味しい。
朝食中は昨日の夜とは違いバイトの話や何気ない話などをしている。
まるでカップル、いや、夫婦のようだ。
そして17時からは二人ともバイトだ。
それまでに僕は家に帰ってバイトの準備をしなければならない。
なので朝食が済んだ僕は長居する理由はない。家に帰らないといけないのだ。
リナ先輩の家を出る時に「行ってらっしゃいダーリン」と冗談めかしながら言ってきた。
その後はウインクと投げキッスのダブルアタックだ。そのダブルアタックを僕はモロに喰らってしまった。
昨夜の告白からいつも以上に大胆になっている気がする。
気まずくならないためにやってくれているのだろうか。
逆に意識してしまいドキドキが止まらない。胸が張り裂けそうだ。
何だろう、この気持ちは。童貞の僕は知らなかっただけだったんだ。
恋ってこんなに難しいって事を……。
リナ先輩の告白に答えなければ。先送りの理由を伝えないと……
「あの~、リナ先輩のことは僕も……その~、だ、大好きです。も、もちろん今すぐにでも付き合いたいんですが、
ちょっと待っててください。なんて言いますか、その、お付き合いする前にけじめというか、何と言うか……ちゃんとしておきたい事があって……それが終わればちゃんと返事ができると思うんです」
「それは、いつぐらいになりそう? 来月? 来年? いつに返事くれるの?」
「それは…………12月15日とかそのくらいには返事ができると思います……」
この日を選んだのは12月14日にカナちゃんとレイナちゃんの謹慎処分が終わるからだ。
金縛り霊の2人に相談してから告白の返事を決めようと思う。
1日で結論を出せるかどうかわからないけど真剣に話し合って決めたい。
頭の中のエロウサギが言ったようにいつまでも童貞のままではいられないから……。
「わかったよ。いい返事が聞ける事を期待して待ってるね!」
リナ先輩の元気が戻ったのかいつものように明るい声に戻っていた。
そしてさらに強く抱きしめている。
「待ってる間は気まずくなるの嫌だからいつも通り接してね! ウサギくん!」
耳元でいつものように悪戯に囁いた。最後には耳に息がかかってドキッとしてしまった。
そのまま耳元でリナ先輩は再び甘い声を出した。
「今日はこのままでいい?」
「えぇええええ、ね、寝相悪いかもしれませんよ……」
「じゃあこうして動けなくしちゃえばいいんじゃないかな~?」
足を使ってもっと抱きついてきた。絶対に離さないようにと足を上に乗せて絡めてきたのだ。
「これは動けそうにないですけど、リナ先輩も寝返りとか打てないんじゃ?」
「ふふふっ! 金縛りにかかってるみたいだね!」
リナ先輩の口から聞き慣れた言葉が飛んできて驚いた。そしてまた金縛りちゃんの顔が浮かんだ。
そのせいで告白の返事がちゃんとできるのか不安になる。
「金縛りか、そ、そうですね、金縛りみたいですね! あはは……」
「そういえばウサギくん前に金縛りにかかったって言ってたけどあれからどう? 大丈夫だった?」
「あれからほぼ毎日金縛りにかかってますよ! でもそのおかげで元気です!!」
「そのおかげって、何それ? でもよかった。じゃあ今日はあたしのこれが金縛りって事だね~! 元気にしてあげるよ~」
リナ先輩の言ってることは間違いではない。ベットの上で美女が抱きついている。
僕が体験している金縛りと見た目は何等変わりがない。
ただ違うところは本物の人間か本物の幽霊かってところだけだろうか。
こうしていると人間も幽霊も同じに思える。
僕はどうしたいのか? 何がしたいのか? 今の僕にはまだ答えは出せないままだった。
しばらくしてからリナ先輩の寝息が聞こえてきた。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
仕事の帰りで料理もさせてしまって無理に体力を使わせてしまったのだ。
疲れて寝てしまうのも無理もない。
でもこの状況で寝れるのすごいな……
先ほどまで強かった抱きつきが弱まっているので本当に寝たのだと思う。
ただ起こしてしまうのは悪い気がするのでやっぱり動けない。
金縛り中は自由に動けるようになったけど、流石にこれは動くわけにはいかない。
むしろ金縛りよりも強力な気がしてきた。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
リナ先輩の寝息も匂いも抱きつかれている感覚も何もかもが心地よい。
僕もそろそろ眠りに着こう。今なら寝れそうな気がする。
「ウサ……くん……」
時折、寝言で僕の名前呼んでくる。どんな夢を見ているのだろうか。何だか恥ずかしい。
「ダメ……んっ」
おいおい。本当にどんな夢を見てるんだよ。というか夢の中の僕は何やってるんだ……。
羨ましすぎるんだけど。なんならこのまま襲っても夢だと思わせられればいいんじゃないか?
いやいや、僕は何を考えてるんだ。でもでも、耳元でそんな声を出されたら……
「いいよ……」
今のは……寝言だよな……どっちだ?
待て待て待て落ち着け。もうわけわからなくなってきた。僕を試してるのか?
告白の返事を先送りにしたから僕で遊んでいるのか?
いいんだよな? じゃあ遠慮くなくやらせてもらうぞ。
童貞の僕で遊んでいるリナ先輩が悪いんだからな……
僕は動こうとした。リナ先輩を襲おうとした。
しかし体は動かなかった。いや、動かせなかったのだ。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
リナ先輩の寝息を聞いてしまったから。
危なかった……。完全に寝言だった。
僕の勘違い野郎め。
取り返しのつかない事をしそうになってたよ。
ちょっと冷静にならないと……。
いきなりの告白でおかしくなってたんだ……。もう寝よう。
「…………ハフーハフー…………ハフーハフー」
僕はリナ先輩の寝息を子守唄にして目を閉じた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
僕の意識は覚醒した。
体はまだ抱き付かれている感覚がある。そして僕も何かに抱き付いていた。
目を開けると目の前には柔らかそうな透き通った桃色の唇。
そう。リナ先輩の唇が目の前にあったのだ。
この時、僕は気付いてしまった……。
リナ先輩に背を向けていたはずの僕は、いつの間にかリナ先輩の方を向いて抱き付いていたのだと。
いつの間に寝返りを打ったんだ。
まだリナ先輩は起きていない。寝返りを打って背を向けるチャンスだ。でも寝返りを打ちたいのは山々なんだが……
僕の腕がリナ先輩の下に入り込んでて引き抜くことができない。
どうしたらこんな体制になるんだよ。僕は寝てる時、何をしてたんだ。
これは寝返りどころの話じゃないぞ。進んでリナ先輩に抱き付きにいってるじゃないか。
リナ先輩の唇にあった目線を下にズラすと、白いシャツから豊満な谷間がチラッと見える。
寝てる時は下着をつけてないのだろうか。いつも以上にプルンっと露わになっている気がする。
それにしても柔らかそうだ。触りたい。このまま顔を埋めたい。おっぱいに溺れたい。
でもそんなことはできない。だからもう少しだけじっくりと見ておこう。この光景だけでもありがたい。
再び僕は視線をリナ先輩の顔の方へと戻した。
寝顔も可愛い。そういえばリナ先輩の寝顔をじっくりと見たのは初めてだ。
そしてリナ先輩の寝顔を見ていた僕は気付いてしまった。
目の下にある涙の跡に……。
告白の返事を後回しにされて涙が流れたのだろうか。
それとも告白の時に感情が出て、無意識に涙が溢れたのだろうか。この涙の跡の真相は分からない。
だけど涙を流していたことは確かだ。
「うぅ……」
まずい。リナ先輩が起きる。この体勢はまずいぞ。
どうしよう。どうしたらいいんだ。何か手は……。
お、落ち着け落ち着くんだー。
パチクリッ
僕はそのままリナ先輩と目があってしまった。
「ウサギくん、おはよう……」
「お、おはようございます……」
「ってあれ? あれれ~? 寝てるあたしに悪戯でもした~? ウサギくんの方から抱き付いてるよね~、うふふっ。我慢できなかったの?」
寝起きからこの人は僕をからかってくる。
それに離れないように力を入れている。まずい。抜け出せないし体勢を変えられない。
このままでは現行犯逮捕だ。抱き付いている証拠が残ってしまった。
とりあえず本当に何もしていないんだ。それだけは誤解を解かなくては。
「な、何もしてませんよ~! 起きたらこの体勢になってたんです。う、腕はリナ先輩の下ですし足も挟まれてて動けなくなったんですよ……」
「な~んだ! あたしで童貞卒業しようとしたのかと思ったわ~、もしかして卒業しちゃった?」
小悪魔な表情を見せつけてくる。寝起きからこんなに可愛いのは反則だ。
「寝ぼけないでくださいよ~! 何もしてないですから!」
「は~いはい。わかってるって~」
リナ先輩は素直に僕を解放してくれた。これでようやく体が動かせる。
固まってしまった体を伸ばす。背中と腰の骨がバキバキと鳴った。
体が動かせるってこんなに素晴らしいことなのか!
って前にも同じようなことがあったようななかったような……。
「うふふふ」
突然ニヤケだしたリナ先輩。
「ど、どうしたんですか??」
「それ本当に似合ってるなって思っただけ」
それとは僕が着ている『ウサギの着ぐるみパジャマ』のことだ。
「何ですか今更! 昨日からずっと着てるじゃないですか~」
「ベットの上のウサギ。ペットみたいで可愛いな。あたしのペット」
リナ先輩は何を言っているんだろうか……。は、恥ずかしい。
僕がリナ先輩のペットだなんて。いや、それはそれで悪くないかもしれない。
この後、ベットから起き上がり二人で朝食の準備に取り掛かった。
朝食が出来上がり二人で同時に食べる。まさに同棲しているカップルのようだ。
食パンの上に細く切ったバナナをのせてトースト。その後シナモンと蜂蜜をかけたパン料理だ。料理名は分からないがリナ先輩の作る料理は何でも美味しい。
朝食中は昨日の夜とは違いバイトの話や何気ない話などをしている。
まるでカップル、いや、夫婦のようだ。
そして17時からは二人ともバイトだ。
それまでに僕は家に帰ってバイトの準備をしなければならない。
なので朝食が済んだ僕は長居する理由はない。家に帰らないといけないのだ。
リナ先輩の家を出る時に「行ってらっしゃいダーリン」と冗談めかしながら言ってきた。
その後はウインクと投げキッスのダブルアタックだ。そのダブルアタックを僕はモロに喰らってしまった。
昨夜の告白からいつも以上に大胆になっている気がする。
気まずくならないためにやってくれているのだろうか。
逆に意識してしまいドキドキが止まらない。胸が張り裂けそうだ。
何だろう、この気持ちは。童貞の僕は知らなかっただけだったんだ。
恋ってこんなに難しいって事を……。
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