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第1章

8 精神的ストレスを対価に金縛りちゃんとキスを!

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 バイトの時間になった。

 ついこの間までは『地獄のバイト』と思っていた。
 身体的に疲労が溜まる上に迷惑な酔っ払いに絡まれて精神も崩壊する。
 そんなバイトを誰が楽しいと思うのだろうか。
 だから『地獄のバイト』だ。

 でも、今は違う。 

 身体的疲労も精神的ストレスも大歓迎。
 超絶美少女の『金縛りちゃん』に会うためなら大歓迎なのだ。
 だから僕は『地獄のバイト』という考え方はしなくなった。
 『金縛りちゃんのためのバイト』そう考えるようになっていた。

 手を繋がれたおかげで、しかも恋人繋ぎをされたおかげで気合い十分、やる気マックスでバイトに挑んでいる。

 そしてたった今、迷惑な酔っ払いが来店した。
 性格は顔に出ると言うが、その通りだ。
 迷惑な酔っ払いも顔を見ただけでわかる。
 わかるようになってしまったのかもしれないが、わかるものはわかるのだ。


 迷惑な酔っ払いを席に案内。
 座るや否やすぐに注文を始めた。
 全く迷惑だ。こっちはまだ水とおしぼりを出してないというのに。

 注文を終えると、迷惑な酔っ払いは決まって言うセリフがある。

「秒で持ってこいよ!」

 これだ。
 秒で持ってこいなんて不可能だ。
 それに失礼だと思わないのか?
 お願いしますだろ。


「かしこまりました。すぐに持ってきます」

 そう言って穏便に躱すしかないのがもどかしいが、これが正解なのだから仕方ない。

 まだ出していない水とおしぼりを出しに行こう。
 迷惑な酔っ払いならきっと言うんだろうな。
「酒はまだかよ」って。「秒で持ってこいって言っただろ」って。
 でもルールだ。水とおしぼりを最初に持っていくのが、この店のルールなんだ。

「酒じゃねーのかよ!」

 ほら、やっぱりそうだ。
 想像してた言葉とは少し違うけど、言ってきた。
 行動パターン丸わかり。

 もしかし僕は預言者?
 なんて過大評価はしない。
 迷惑な酔っ払いがサルなだけだから。

「はい。すぐに待ってきます。少々お待ちください」

 急いで持っていかないとな。


 ピロピロピロピロ


「はーい!」

 って、あ、あれ?
 呼びベルがなったぞ?
 さっきの迷惑な酔っ払いのところだ。

 僕は急いで向かう。

「お待たせしま――」
「秒で持ってこいって言っただろうがァ!?」

 耳障りな怒号が僕の鼓膜を刺激した。

「ちんたらちんたらおせーんだよ。水よりも先に酒だろ酒!」

 全く理不尽すぎる意見だ。
 店にもルールがある。水とおしぼりを先に持っていくっていうルールが。
 それに秒で持ってくるなんて無理だろ。
 それだけのために呼び出しベル押すのもどうかしてる。
 今自分がやってる行動のせいで、お酒が来るのが遅くれているということを理解できないものなのか?

 一体何様のつもりなんだろうか。
 『お客様は神様』だとでも思っているのだろうか。
 店員のこっちからすれば疫病神でしかない。

 ああ、精神的疲労が凄まじい。ストレスだってやばい。
 本当に迷惑な酔っ払いは嫌いだ。
 嫌いだけど……最高だ。

 この胸に感じる不快感はきっと『金縛り』に重要な要素だ。
 逆に感謝でしかない。

「大変申し訳ございません。今すぐ持ってきます」

 この後、注文されたお酒を最速で持っていった。
「ありがとう」などたった一言のお礼もない。
 それどころか「おせーよ」と怒鳴ってきた。

 弱い立場である店員というものは本当にかわいそうだと思う。
 僕と同じ扱いを受けている人はたくさんいるだろう。
 きっともっと酷い扱いを受けている人もいるかもしれない。
 本当にかわいそうだ。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇




 迷惑な酔っ払いの会計だ。
 酔っ払っていてもちゃんとお金は払うのだからイラっとする。
 だって警察に通報されたくない。犯罪者になりたくない。職場に迷惑をかけたくない。ってことでしょ?
 そういう常識や理性が残ってるんだったらあんな態度とるなよ。
 結局は自分が一番ってことなんだよな。ムカつく。

 この怒りの感情もきっと『金縛り』にかかる要因になってくれるかもしれない。

「ありがとうござい――」

 ありがとうございましたと言おうとしたが、目の前の光景に衝撃を受けて止まってしまった。
 会計を済ませた迷惑な酔っ払いがレジの横に置いてある『招き猫』を模した『招きウサギ』の小さな置物を持って帰ろうとしていたのだ。

 これは注意しないと。

「あ、あの……こ、これはお店の飾りみたいなものなので……そ、その……」

 ハッキリと注意することができなかった。
 とっさに言葉が出てこなかったのだ。
 なんて情けないんだ。

 でも愛想笑いとペコペコ下がる頭は完璧だろう。
 この僕の情けない姿を見てなんとなくでいいから察してほしい。

「あ? これ? 持って帰っちゃダメなの?」

 察したというよりも最初からわかっていたっていう感じだ。
 本当にたちが悪い。
 最初からわかってるんだったらやらないでほしい。
 無駄に最後まで絡まないでほしい。

「店のもんだったら店のもんだって書いておけよ。ご自由にどうぞとかだと思ったわ」

 今度は反抗的な態度。
 自分は悪くない。お店が悪いのだと遠回しに言ってきた。
 なんて迷惑な酔っ払いなんだ。

 普通に考えて店の装飾品だろ。
 誰がどう見てもわかるだろ。
 わざわざ名前を書くとか冷蔵庫の中のプリンじゃあるまいし。

 それに『招きウサギ』は、レジ横に長い間飾られていたせいで油まみれだぞ。
 正直言うと汚い。
 汚いけど、店の物は店の物だ。持って帰っていい物ではない。

「不味かったわ。もう二度とこねーよ」

 なぜそんなに攻撃的な態度を取るのだろうか。
 なぜそんなに悪態をつくのだろうか。
 本当に不快だ。気分が悪い。

 そういえば途中から呼び出しベルを押さずに「おい!!」って怒鳴ってたな。
 本当に迷惑だし、店員を呼んでるかどうかもわからない。
 というか他のお客さんもいるんだからやめてほしいわ。
 せめて「すいませーん」だろ。
「おい!!」って呼び方はどうかと思う。
 店員という立場だけど、同じ人間だぞ。

 思い出しただけでストレスポイントアップだ。

 今回も相当なほどの精神的ストレスを蓄積することができた。
 おかげさまで今日も『金縛り』にかかりそうな気がする。

 普段なら感謝の言葉など心の底からは告げないが、今日は心のそこから告げよう。

「ありがとうございました! またのご来店を心よりお待ちしております!」

 皮肉にも聞こえるかもしれないが、これでいい。
 本当に感謝をしているのだから。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇




 ボロアパートに帰る途中、夜食を買うためにコンビニへと立ち寄った。
 コンビニで『週刊少年ピョンピョン』という少年誌をペラペラと立ち読みをする。
 気になる漫画は一作品だけ。
 いつもスマホで視聴しているあのウサギのキャラクターが登場する漫画だけ。

 『週刊少年ピョンピョン』を本棚に戻すと同時に、隣のコーナーに置いてあるオカルト系の雑誌にふと目が止まった。
 都市伝説や怪談話が載っている雑誌だ。
 その雑誌の表紙には見出しで大きく『金縛り体験談』と書いてあったのだ。
 タイムリーすぎる記事だ。まるで僕のために発行したかのようだ。

 表紙のイラストは恐ろしく不気味な幽霊ばかりが描かれている。
 このイラストが『金縛りちゃん』みたいな超絶美少女だったら、雑誌の売り上げも爆上がりなのに、と思いながらそのオカルト雑誌を買い物カゴへとぶち込んだ。
 立ち読みができないようにシュリンク包装されているから仕方がない――購入するしかないのだ。

 夜食にはニンニクたっぷりのペペロンチーノを選ぼうとしたが、手に取る前に脳が停止信号を出した。
 その理由は、『金縛りちゃん』だ。
 もしもニンニクの臭いのせいで二度と僕の前に現れなかったら嫌だ。
 臭いとか思われたら恥ずかしいってのもある。
 とにかくエチケットには細心の注意を払わないといけない。

 ならハンバーグ弁当にしよう。

 ハンバーグ弁当をオカルト雑誌が入った買い物カゴの中へと入れた直後、真っ先にレジへと向かったが、タイミングが悪すぎた。
 先にカップルがレジ前に並んでいたのだ。
 しかもイチャイチャしている。
 小銭を出しながらイチャイチャ。
 後ろに僕が並んでいる事にすら気が付かないほどイチャイチャ。

 小銭を出すのに、もたついているのならまだ許せる。
 というか何も感じない。逆にゆっくりでいいのにと思う。
 だけどイチャイチャするのは許せない。
 外でやれ! 外で!
 いや、外でも迷惑がかかるかもしれない。
 家かホテルでやってくれ!

 思いもよらぬところで精神的ストレスが溜まった。
 『迷惑な酔っ払い』と『迷惑なカップル』は、ストレスポイントが高めだ。

 どんなに精神的ストレスを溜めても『金縛りちゃん』にさえ会えれば、全て忘れられる。むしろお釣りが出るくらいだ。
 精神的ストレスという対価を支払い『金縛りちゃん』という褒美をいただく。
 ああ、『金縛り』はなんて最高なんだ。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇




 ハンバーグ弁当を食べながらオカルト雑誌をペラペラと読んでいく。
 気になるページはもちろん『金縛り体験談』だ。
 読んでみた感じ、どれも作り話のようなものばかり。
 正直退屈だった。
 読みすぎると恐怖が頭の中に残り、眠れなくなってしまう可能性が浮上したので却下。

 腹が満たされると、いつもよりも早い段階で睡魔が襲って来た。
 迷惑な酔っ払いの対応で疲れているのだろう。
 でもこれは『金縛り』にかかるためだけ考えれば良い傾向だと思う。

 シャワーは……いいや。
 今シャワーを浴びてスッキリしてしまうと眠れなくなってしまうかもしれない。
 せっかくの睡魔がもったいない。
 ニンニクのことを気にしてたとは思えない発言だけど、眠いものは眠いんだ。

 シャワーを浴びなかった罪悪感と『金縛りちゃん』に会えるかもしれないという期待に胸を膨らませながら布団の中へと潜る。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇




 い、いつの間にか、寝てた?
 って、金縛りじゃん!
 体が動かない。声も出せない。
 絶対に金縛りだ!
 三日連続の金縛りだ!

 足首も掴まれてるような感覚がある。
 そして、いつものように掴まれているような感覚はゆっくりと上へ上がってくる。
 足首からふくらはぎ、膝、太もも、、腰、腹、胸。
 掴まれているかのような感覚は、ちょうど胸の辺りまで来て止まる。
 今日に限って男性の大事な部分も優しく触られたような感じがしたが気のせいだろう。
 視界の端に映る布団は、大きく盛り上がっている。
 毎度お馴染みの『金縛りちゃん』が、すぐそこに、布団の中にいるんだ。

 っと、慣れている。いつものことだ。

 ただ、ここから先は、鼓動が激しくビートを刻む。
 今から超絶美少女の『金縛りちゃん』に会えるのだ。
 誰だって緊張するだろう。

 布団の中からひょっこりと『金縛りちゃん』が顔を出した。
 こぼれ落ちそうなほどキラキラ輝く黒瞳と目が合う。
 なんて可愛い瞳なんだ。

 『金縛りちゃん』は、ゆっくりと僕に馬乗りする。

 溢れんばかりに実ったたわわが僕の視界を埋める。
 今にも白いワンピースからはみ出しそうな下乳だ。

 天使だ。『金縛りちゃん』は幽霊なんかじゃない。天使だ。


 今回の僕の目標は『手を繋ぐこと』だ。

 もう一度繋ぎたい。
 あの細い指にもう一度絡み合いたい。
 柔らかい手のひらにもう一度触れたい。
 ちょっとだけひんやりと冷えた『金縛りちゃん』の体温をもう一度だけ感じたい。

 まずは平常心を保て。
 指に、手に、腕に意識を集中させるんだ。
 そうすれば昨日みたいに腕を動かせるはずだ。
 まあ、昨日のは奇跡的にというか、無意識に動いてたんだけど。
 とりあえず試せることは試す。
 せっかくの金縛りなんだから。

 馬乗りしていた『金縛りちゃん』は妖艶に微笑みながら僕に覆い被さってきた。
 体と体が重なる。
 パズルのピースが合わさるようにぴったりと、隙間なく重なった。

 何度当たってもおっぱいの感触だけは毎回衝撃的だ。
 上に乗っているだけなのにこんなにも柔らかいものなのか。
 こんなに柔らかいおっぱいを揉めたらいいのに。
 もしも揉めたとしたら僕の手は、指は、どうなってしまうんだろう。
 幸せすぎて溶けてしまうかもしれないな。

 そんなことを考えていると『金縛りちゃん』の銀鈴の声が僕の鼓膜を震わせた。

「キス……しよ……」

 耳元で囁かれた甘いピンク色の誘惑。
 その言葉の意味を考えるよりも先に本能が反応する。
 全身が熱くなっていくのがわかる。
 鼓動がさらに激しくなるのがわかる。

 体に異常が現れた直後、遅れて脳が反応する。

 へ?
 キ、キキ、キ、キス!? キッスだと!?
 僕の聞き間違いか?
 いや、聞き間違いなんかじゃない。絶対にキスって、キスって言った!

 まさか『金縛りちゃん』の口からそんな言葉が聞けるだなんて。
 ああ、なんて幸せなんだ。
 迷惑な酔っ払いを頑張って対応したご褒美だな。

 このまま童貞を卒業……って、そんなにうまくいかないよな。
 というかそんな高望みしちゃダメだ。
 今は『金縛りちゃん』との、その……キ、キ、キッスを! キッスを!

 僕に覆いかぶさっていた『金縛りちゃん』は、上半身を起こして再び馬乗りの状態となった。
 ぷるぷると揺れる透き通った桃色の唇が誘惑している。
 視界はすでに『金縛りちゃん』の唇に釘付け。
 あの唇が今から僕の唇と重なるんだ。
 そう考えただけで喉が渇く。唇が乾燥していく。
 早く潤わせないと。
『金縛りちゃん』とのキスで……キッスで潤わせないと!

 って!!
 ちょ、ちょっと待ってくれ!!!!!!
 やばいやばいやばい!
 『金縛りちゃん』の顔がどんどん近付いてくる!!
 マジでキスされる! キスができる!

 金縛りで動けないから抵抗なんてできないぞこれ。いや、動けても抵抗なんて絶対にしないけど。

 この子が――『金縛りちゃん』が僕のファーストキスの相手になるなんて。
 こんな可愛い子が。超絶美少女の『金縛りちゃん』が!

 『金縛りちゃん』の頬は真っ赤に染まっている。きっと緊張しているんだ。
 『金縛りちゃん』の黒瞳は僕の唇を見つめながらとろんとしている。そんなにキスがしたかったのか。
 『金縛りちゃん』の息がかかる。それほど顔が近いということだ。

 あと少し。もう少しで唇と唇が重な――


 ――重なった。


 僕の唇と『金縛りちゃん』の唇が重なった。

 脳内では「ちゅっ」という効果音が流れた。

 ああ、なんて柔らかいんだ。
 これが……これが、夢にまで見たキスってやつか。
 ちょっとひんやりしてるけどキスはキスだ。
 今僕は『金縛りちゃん』とキスをしているんだ。
 噂では甘いイチゴの味とか甘酸っぱいレモンの味とか言ってたけど、どちらでもないな。
 これは……幸せの……幸せの味だ。

 気持ちいい。 
 幸せすぎる。
 生きててよかった。

 んんっ
 うぅっ
 んんんっ
 ん?
 んん?
 んんん???


「え!?」

 おいおいおいおいおいおいおい。
 嘘だろ。嘘だと言ってくれ。
 まさか、まさか……夢オチだなんて……。

「くそー!!!!」

 枕を顔に付けながら叫んだ。
 近所への配慮だ。

 まさか夢にまで『金縛りちゃん』が現れるなんて。
 当然といえば当然か。
 こんなに『金縛りちゃん』を求めてるんだから夢にも出るよな……。

 というかちょっと待てよ。
 今のが夢だったんなら、今までの『金縛りちゃん』も夢だった可能性が浮上してきたぞ。
 僕の妄想が『金縛りちゃん』を生み出した可能性だって。

 もう、わけわからなくなってきた。

 科学的には証明されていない非現実的な存在の幽霊である『金縛りちゃん』。
 彼女の存在のせいでとうとう夢と現実の区別がつかなくなってきていた。

 夢を見るということは睡眠が浅い証拠。睡眠の質が低下しているという証拠だ。
 二度寝やコタツで寝たりすると、金縛りにかかりやすくなるという記事もよく見た。

 不摂生な食事を続け、精神的ストレスと身体的疲労を溜めている。
 僕の体は金縛りにかかりやすくなってきているはずだ。
 それと同時に睡眠の質も低下している。
 だからこんな夢オチみたいなことが起きてしまったんだ。

 きっと、あのまま眠り続けていれば金縛りにかかっていたはずだ。
 幸せすぎたせいで意識が覚醒してしまったんだ。

 でも、幸せな夢だったな。
 キスってあんな感じなのか。
 夢だったけど満足感がある。
 疲労感は回復してないけどね。

 ちょうど二時か。
 今から寝てもチャンスあるかな?
 二度寝だ二度寝。二度寝をしよう。
 いや、この場合は二度寝とは言わないか。普通に寝るぞ。

 普通に寝て、金縛りにかかってやる。
 今度こそ、夢じゃない本当の金縛りに!
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