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担々麺よ永遠なれ
065:静かな夜空、うるさい鼓動
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「――というのが、私が見た勇者様と魔女の戦い……勇者様が攫われるまでの話です」
サキュバスは嘘偽りなく己が見てきた出来事を魔王に全てを話した。
「ゆーくんのやつは……何をやっておるのじゃ。偽物だと分かっているなら攻撃してまえばいいではないか」
「私も最初思いましたよ! でも、でも! 毎日勇者様の夢の中には魔王様が出てきます。仲睦まじく、それはそれはイチャイチャして……魔王様のことをものすごく愛してものすごく大事に思ってるんです。そんな勇者様だからこそ偽物だと分かっていても攻撃ができなかったんです」
「かぁああああ!! 皆まで言うでない! そんなことわかっておるのじゃ! 妾だって同じ気持ちじゃよ! 逆の立場じゃった場合、妾も手を出せなかっただろうからのぉ」
「そ、それって、両想いってことでいいんですよね? 両想い! それも大きな両想い!」
サキュバスは魔王の話を聞いて瞳をキラキラと輝かせた。
それはそれは夜空に浮かぶ星よりも眩しく、純粋無垢に輝いていた。
「そんな瞳で妾を見るなー!! 恥ずかしいのじゃ! 恥ずかしいのじゃー!」
「魔王様って意外と、いいえ、しっかりと乙女なんですね。恋する乙女いいですね~。甘いです! お二人はストロベリー担々麺よりも甘々です!」
「うるさいのじゃ! 黙るのじゃー!」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですかー。お互い悪魔族なんですし~」
「これだからサキュバスは嫌なのじゃ……」
魔王は大きなため息を吐いた。俗に言うクソでかため息というやつだ。
「って、恋話をしてる場合じゃ無いですよー!」
「こっちは恋話をするつもりはなかったんじゃが?」
「早く勇者様を助けないと! 王都の方に向かって行きましたよ! 今ならまだ見つけられるかもしれません! 急ぎましょう」
「まぁ、待て。落ち着くのじゃ」
慌てるサキュバスに対して魔王は落ち着いた様子でいる。
この静かな夜空に似合うくらいの落ち着きようだ。
「なんでそんなに落ち着いていられるんですか? 心の底から愛している人が攫われたんですよ? 大好きなんでしょ? 愛しているんでしょ? だったらすぐに助けに行かなきゃ!」
「大好きじゃ! 愛しているのじゃ! すぐに助けに行きたいのじゃ! って、何を言わすんじゃ!」
「言わせてませんよ! 魔王様が勝手に言ったんじゃないですかー! だったらなんでそんなに落ち着いてるんですかー?」
「情報が足りんのじゃよ。このまま無闇に動いても体力を消耗するだけ。ゆーくんに辿り着けない可能性もあるのじゃよ」
「そんなこと言ってる場合ですか? もたもたしてたら勇者様の命が――」
「ゆーくんの命の心配は不要じゃよ。ゆーくんは死なない。いや、魔女には殺せないのじゃ」
堂々と魔王は言った。それは死なないで欲しい、という願望から出た言葉では無い。
確信しているのだ。魔女が勇者を殺せない、と。
その勇者を殺せない理由すらも魔王にはわかる。
否、こういうべきだろう。元宿敵だからこそわかるのだ、と。
「どうして殺せないって言えるんですか? 私は見ましたよ。禍々しいドス黒いオーラで、それはそれは酷い攻撃を繰り返していて……」
「なら、その時にゆーくんのことを殺しているじゃろ? なぜわざわざ誘拐という手間をかけたんじゃ?」
「そ、それは……人質とかですか? 国民に見せつけて……恐怖させて、とかですか?」
殺さないとなれば人質という線を考えるのが妥当だ。
しかしその回答にしっくりこないのも事実。
答えたサキュバス本人も小首を傾げたままだ。
「ゆーくんが抵抗できないのならそれも一つの手じゃろうな。勇者が人質に取られたとなると国としても大問題、危機的状況じゃからな。力を見せつけられてしまえば弱気者はそれに従うしか選択肢は残っておらん。じゃが、真の理由は違うぞ、サキュバスよ」
「真の理由、ですか……?」
「魔女が勇者を殺せない真の理由。それは勇者の特殊な力にある。まあ、詳しいことは話せんがのぉ」
「えーここまできたなら教えてくださいよー!」
「ダメじゃ。ゆーくんのプライバシーに関わるのじゃ! じゃが……」
「じゃが?」
突然勢いをなくした魔王。体をくねくねと動かし、左右の人差し指の腹同士をつんつんとつけ始めた。
そして頬は朱色に染まる。その仕草は、恋する乙女そのもの。恋話が自分の番になった女の子そのものだ。
「……そ、その……ゆーくんの……夢の中で、ゆーくんが……その……」
「何百回もキスしてましたよ」
「キ、キッス!?」
突然の発言に魔王は背後に吹き飛んだ。
そこはちょうど月明かりが照らされていない場所だ。トマト担々麺よりも真っ赤に染まった顔を隠すのには絶好の場所でもあった。
「わ、妾はそんなこと聞こうとはしていないぞ!? な、何をいきなり言い出すんじゃ! 冗談じゃろ? まったく、サキュバスは冗談が上手いのぉ」
「いいえ。冗談ではありません。事実です。一方的に行った契約ですが、私は魔王様には一切の嘘をつくことができなくなりましたよね? それは冗談も含まれてますよ。嘘をついた場合、存在が消滅します。悪魔族が行う契約はそれだけのものがありますよ。たとえそれが一方的なものであったとしても。魔王様もご存知でしょ?」
「う、うぬ」
「私が消滅していないことこそが真実である証! 勇者様の夢の中で、魔王様と勇者様は何百回もキッ――」
「わ、わかったのじゃ! もう言うなー! 妾も教えるからもうやめてくれー!」
「よっしゃー!」
後にも先にもないだろう。サキュバスが魔王をここまで追い詰めたことなど。むしろ完全勝利していることなど。
「ゆーくんはな……殺された場合のみじゃが、世界が半分滅亡するほどの力を放出するのじゃよ (神様と戦っと時の何倍もの威力の爆発を)だから魔女はゆーくんを殺せないのじゃ。殺してしまったら全て無くなってしまうからのぉ。だから戦闘不能にした。今後は、そうじゃな……監禁し死なない程度に拷問を続けて復活させないようにするじゃろうな。そうじゃなきゃ誘拐した意味がないからのぉ」
「世界が半分滅亡って……そ、そんな力が……」
「じゃから世界大戦で妾がゆーくんを殺していた場合、世界が半分滅んでいたかもしれんのじゃ」
「えー!! 勇者様の力を知らずに戦ってたんですか? 過去に世界が半分滅亡しかけていただなんて……」
「ん? いや、知っておったぞ? 心中覚悟で本気で殺そうとしていたのじゃ。世界よりも勇者に勝つ。それだけのために戦っていたようなもんじゃからのぉ。いや~、あの頃は若かった。ぬはははは!!」
魔王時代を思い出したのか、いかにも魔王のような笑い方をする魔王だった。
「私、魔王様を応援してたんですよー! 私だけでなく、悪魔族のみんなもー! この話を聞いたら全員勇者様側に寝返りますよ。確実に」
「そうじゃろうな。じゃが安心しろ。妾の予想では悪魔国家には届かない範囲の威力じゃ。同胞たちは皆無事じゃよ」
「でも世界が半壊するんですよね?」
「そうじゃ」
「ならダメですよ。みんな寝返ります。本当に魔王様も勇者様も規格外なんですから……で、なんで暗いところから出てこないんですか?」
魔王は先ほど背後に吹き飛んでから一歩も動いていない。そのことに対してサキュバスも気になってしまい、我慢できずに訊いたのである。
「まだ無理じゃ」
「ん? 何が無理なんですか?」
「言えんのじゃ」
「は、はぁ……?」
魔王が暗闇から出れないのも無理はない。
彼女の頬はまだトマト担々麺や激辛担々麺以上に真っ赤に染まっている。
鼓動も静かな夜空に似合わずバクバクとうるさい。
正気を保っているのがやっとなほどの精神状態なのである。
それもそのはず。大好きな相手、心のそこから愛している相手の夢の中で、自分たちが何百回もキスをしたと聞かされたからだ。
現実では一度もしたことがないキスを。それを何百回も。
正気を辛うじて保っている魔王を褒め称えてあげてほしい。それだけ彼女は今必死に戦っているのだ。
「あと、あと5分、いや、10分待つのじゃ……わ、妾は作戦を考えるのじゃ……だから待つのじゃ」
「わかりました。魔王様が落ち着いているんですから、私が焦っても仕方ありませんよね」
(すまぬ、サキュバス。それは勘違いじゃ! 妾全く落ち着いておらん。今世紀最大級に落ち着けん! ゆーくんが大変な時に、妾は何をしておるんじゃ。ゆーくん、ゆーくん……だ、ダメじゃー! ゆーくんのことを考えたら余計にー!!!!)
10分と言っていた魔王だったが、彼女の心が落ち着くまで4時間、つまり朝までかかったのだった。
その間、サキュバスは勘違いではあるものの魔王の落ち着く姿を見習って落ち着き、そのまま寝落ちしたのだった。魔王が起こすまで。
サキュバスは嘘偽りなく己が見てきた出来事を魔王に全てを話した。
「ゆーくんのやつは……何をやっておるのじゃ。偽物だと分かっているなら攻撃してまえばいいではないか」
「私も最初思いましたよ! でも、でも! 毎日勇者様の夢の中には魔王様が出てきます。仲睦まじく、それはそれはイチャイチャして……魔王様のことをものすごく愛してものすごく大事に思ってるんです。そんな勇者様だからこそ偽物だと分かっていても攻撃ができなかったんです」
「かぁああああ!! 皆まで言うでない! そんなことわかっておるのじゃ! 妾だって同じ気持ちじゃよ! 逆の立場じゃった場合、妾も手を出せなかっただろうからのぉ」
「そ、それって、両想いってことでいいんですよね? 両想い! それも大きな両想い!」
サキュバスは魔王の話を聞いて瞳をキラキラと輝かせた。
それはそれは夜空に浮かぶ星よりも眩しく、純粋無垢に輝いていた。
「そんな瞳で妾を見るなー!! 恥ずかしいのじゃ! 恥ずかしいのじゃー!」
「魔王様って意外と、いいえ、しっかりと乙女なんですね。恋する乙女いいですね~。甘いです! お二人はストロベリー担々麺よりも甘々です!」
「うるさいのじゃ! 黙るのじゃー!」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですかー。お互い悪魔族なんですし~」
「これだからサキュバスは嫌なのじゃ……」
魔王は大きなため息を吐いた。俗に言うクソでかため息というやつだ。
「って、恋話をしてる場合じゃ無いですよー!」
「こっちは恋話をするつもりはなかったんじゃが?」
「早く勇者様を助けないと! 王都の方に向かって行きましたよ! 今ならまだ見つけられるかもしれません! 急ぎましょう」
「まぁ、待て。落ち着くのじゃ」
慌てるサキュバスに対して魔王は落ち着いた様子でいる。
この静かな夜空に似合うくらいの落ち着きようだ。
「なんでそんなに落ち着いていられるんですか? 心の底から愛している人が攫われたんですよ? 大好きなんでしょ? 愛しているんでしょ? だったらすぐに助けに行かなきゃ!」
「大好きじゃ! 愛しているのじゃ! すぐに助けに行きたいのじゃ! って、何を言わすんじゃ!」
「言わせてませんよ! 魔王様が勝手に言ったんじゃないですかー! だったらなんでそんなに落ち着いてるんですかー?」
「情報が足りんのじゃよ。このまま無闇に動いても体力を消耗するだけ。ゆーくんに辿り着けない可能性もあるのじゃよ」
「そんなこと言ってる場合ですか? もたもたしてたら勇者様の命が――」
「ゆーくんの命の心配は不要じゃよ。ゆーくんは死なない。いや、魔女には殺せないのじゃ」
堂々と魔王は言った。それは死なないで欲しい、という願望から出た言葉では無い。
確信しているのだ。魔女が勇者を殺せない、と。
その勇者を殺せない理由すらも魔王にはわかる。
否、こういうべきだろう。元宿敵だからこそわかるのだ、と。
「どうして殺せないって言えるんですか? 私は見ましたよ。禍々しいドス黒いオーラで、それはそれは酷い攻撃を繰り返していて……」
「なら、その時にゆーくんのことを殺しているじゃろ? なぜわざわざ誘拐という手間をかけたんじゃ?」
「そ、それは……人質とかですか? 国民に見せつけて……恐怖させて、とかですか?」
殺さないとなれば人質という線を考えるのが妥当だ。
しかしその回答にしっくりこないのも事実。
答えたサキュバス本人も小首を傾げたままだ。
「ゆーくんが抵抗できないのならそれも一つの手じゃろうな。勇者が人質に取られたとなると国としても大問題、危機的状況じゃからな。力を見せつけられてしまえば弱気者はそれに従うしか選択肢は残っておらん。じゃが、真の理由は違うぞ、サキュバスよ」
「真の理由、ですか……?」
「魔女が勇者を殺せない真の理由。それは勇者の特殊な力にある。まあ、詳しいことは話せんがのぉ」
「えーここまできたなら教えてくださいよー!」
「ダメじゃ。ゆーくんのプライバシーに関わるのじゃ! じゃが……」
「じゃが?」
突然勢いをなくした魔王。体をくねくねと動かし、左右の人差し指の腹同士をつんつんとつけ始めた。
そして頬は朱色に染まる。その仕草は、恋する乙女そのもの。恋話が自分の番になった女の子そのものだ。
「……そ、その……ゆーくんの……夢の中で、ゆーくんが……その……」
「何百回もキスしてましたよ」
「キ、キッス!?」
突然の発言に魔王は背後に吹き飛んだ。
そこはちょうど月明かりが照らされていない場所だ。トマト担々麺よりも真っ赤に染まった顔を隠すのには絶好の場所でもあった。
「わ、妾はそんなこと聞こうとはしていないぞ!? な、何をいきなり言い出すんじゃ! 冗談じゃろ? まったく、サキュバスは冗談が上手いのぉ」
「いいえ。冗談ではありません。事実です。一方的に行った契約ですが、私は魔王様には一切の嘘をつくことができなくなりましたよね? それは冗談も含まれてますよ。嘘をついた場合、存在が消滅します。悪魔族が行う契約はそれだけのものがありますよ。たとえそれが一方的なものであったとしても。魔王様もご存知でしょ?」
「う、うぬ」
「私が消滅していないことこそが真実である証! 勇者様の夢の中で、魔王様と勇者様は何百回もキッ――」
「わ、わかったのじゃ! もう言うなー! 妾も教えるからもうやめてくれー!」
「よっしゃー!」
後にも先にもないだろう。サキュバスが魔王をここまで追い詰めたことなど。むしろ完全勝利していることなど。
「ゆーくんはな……殺された場合のみじゃが、世界が半分滅亡するほどの力を放出するのじゃよ (神様と戦っと時の何倍もの威力の爆発を)だから魔女はゆーくんを殺せないのじゃ。殺してしまったら全て無くなってしまうからのぉ。だから戦闘不能にした。今後は、そうじゃな……監禁し死なない程度に拷問を続けて復活させないようにするじゃろうな。そうじゃなきゃ誘拐した意味がないからのぉ」
「世界が半分滅亡って……そ、そんな力が……」
「じゃから世界大戦で妾がゆーくんを殺していた場合、世界が半分滅んでいたかもしれんのじゃ」
「えー!! 勇者様の力を知らずに戦ってたんですか? 過去に世界が半分滅亡しかけていただなんて……」
「ん? いや、知っておったぞ? 心中覚悟で本気で殺そうとしていたのじゃ。世界よりも勇者に勝つ。それだけのために戦っていたようなもんじゃからのぉ。いや~、あの頃は若かった。ぬはははは!!」
魔王時代を思い出したのか、いかにも魔王のような笑い方をする魔王だった。
「私、魔王様を応援してたんですよー! 私だけでなく、悪魔族のみんなもー! この話を聞いたら全員勇者様側に寝返りますよ。確実に」
「そうじゃろうな。じゃが安心しろ。妾の予想では悪魔国家には届かない範囲の威力じゃ。同胞たちは皆無事じゃよ」
「でも世界が半壊するんですよね?」
「そうじゃ」
「ならダメですよ。みんな寝返ります。本当に魔王様も勇者様も規格外なんですから……で、なんで暗いところから出てこないんですか?」
魔王は先ほど背後に吹き飛んでから一歩も動いていない。そのことに対してサキュバスも気になってしまい、我慢できずに訊いたのである。
「まだ無理じゃ」
「ん? 何が無理なんですか?」
「言えんのじゃ」
「は、はぁ……?」
魔王が暗闇から出れないのも無理はない。
彼女の頬はまだトマト担々麺や激辛担々麺以上に真っ赤に染まっている。
鼓動も静かな夜空に似合わずバクバクとうるさい。
正気を保っているのがやっとなほどの精神状態なのである。
それもそのはず。大好きな相手、心のそこから愛している相手の夢の中で、自分たちが何百回もキスをしたと聞かされたからだ。
現実では一度もしたことがないキスを。それを何百回も。
正気を辛うじて保っている魔王を褒め称えてあげてほしい。それだけ彼女は今必死に戦っているのだ。
「あと、あと5分、いや、10分待つのじゃ……わ、妾は作戦を考えるのじゃ……だから待つのじゃ」
「わかりました。魔王様が落ち着いているんですから、私が焦っても仕方ありませんよね」
(すまぬ、サキュバス。それは勘違いじゃ! 妾全く落ち着いておらん。今世紀最大級に落ち着けん! ゆーくんが大変な時に、妾は何をしておるんじゃ。ゆーくん、ゆーくん……だ、ダメじゃー! ゆーくんのことを考えたら余計にー!!!!)
10分と言っていた魔王だったが、彼女の心が落ち着くまで4時間、つまり朝までかかったのだった。
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