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084:萌え萌えピョン
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手に負えない2人を諦めたモリゾウは話を続ける。
「ラッキーマスと言いましたがゲームとかはしないんでしょうか?」
「はい。ここではゲームは行いません。青いサイコロを2つ振るだけの本当にラッキーマスです。第3層のほとんどはゲームは不要です」
もふられ続けるタルトはキンタロウとイチゴのもふりに動じずモリゾウの問いに丁寧に答えた。
ドラゴンやケルベロスなどの怪物が待ち構える第6層のハズレマスがあるように、ただサイコロを振るだけだったり決めらた数を進むだけだったりするラッキーマスもあるのだ。
そして今回のラッキーマス。青いサイコロを2つ振れるということはボドゲ部にとっては大ラッキーマスなのだ。
「ノリちゃんが青いサイコロを2つ振ればスキルの効果によって12マス進むことが確定ですよ。となると次は95マスです。ゴールの100マスに一気に近付けます」
モリゾウとノリが目を丸くして驚いていたのはこの事だ。ノリのスキル『最大値スキル』はサイコロやトランプなどのランダム性があるものを選ぶ時、必ず大きい数字を引き当てることができる。
そのスキルによって2つのサイコロを振れば2つとも6が出ることが確定し合計12になる。ゴールの100マスに一気に進めるのだ。
「メイドウサちゃん。俺たちのいる世界にはメイドさんは萌え萌えキュンとかっていう魔法が使えるんだけどメイドウサちゃんはできる? 両手でハートを作って片方の足を可愛くあげるやつ」
「うへぇうへぇ私も見たい。萌え萌えキュン」
キンタロウとイチゴはタルトにメロメロで大ラッキーマスだということを重要視していなかった。それどころかタルトにメイド喫茶で働くメイドの癒しのポーズを要求している。
「ウサギの手は小さくて短いので萌え萌えキュンというものはできません」
「そ、そんな……。じゃ、じゃあ手のハートは諦めるからセリフだけでも!」
「いいえ。萌え萌えキュンはできませんが、萌え萌えピョンならできますよ」
「「萌え萌えピョン!?」」
キンタロウとイチゴは『萌え萌えピョン』という新たなパワーワードに興奮し興味を持っている。キンタロウは鼻息を荒くしイチゴはヨダレを垂らし目がとろーんとなっていた。
「ではいきますよ~」
タルトの可愛い声の掛け声がメイド喫茶のような空間に響いた。その後、タルトは空間の中央にあるステージのようなところに向かってお尻を振りながら歩いていく。
ただ歩くメイドウサギの後ろ姿を目に焼き付けながらキンタロウとイチゴは正座しながら待機する。
正座をして大人しくなったキンタロウの檸檬色の髪の上に飛び疲れたイリスが羽休めをするために止まった。イリスもタルトに期待しているのか、キンタロウたちと同じく正座をしている。
ステージに立ったタルトはボドゲ部を見渡しながら一度深呼吸をした。そしてポーズを始める。
「萌え萌えピョ~~~ン❤︎」
小さな手でウサギの耳を作り、お尻を向けながらふりふりと可愛く飛び跳ねた。その姿を一言で表すのなら『かわいさの最上級』。見たもの誰もが魅了してしまうほどの破壊力がある。
「ガハァッ」
タルトの可愛らしい姿を見た正座をしているキンタロウとイチゴは、ハートを射抜かれそのまま倒れてしまい気を失った。キンタロウに至っては吐血してしまうほどだった。それほど破壊力が抜群なタルトのメロメロポーズ。
そして気を失ったのはキンタロウとイチゴだけではない。筋肉男のノリも気を失っている。腕を組み立ちながらタルトの可愛さにやられ気を失ってしまったのだ。倒れなかったのは足腰の筋肉のおかげだろう。
「ちょっと皆さんしっかりしてくださいよ」と、モリゾウは気絶した仲間たちに向かって叫んだがモリゾウの鼻には1本の線となって鼻血が垂れていた。
「不覚です。さすがの僕でもタルトさんの破壊力には、ぐはっ、か、かわいすぎる」
モリゾウもタルトのポーズに耐えられずに膝をつき倒れてしまった。自我を保ち気を失わないようにしているがモリゾウも限界だ。
タルトの萌え萌えピョンを受けて無事だったのはイリスだけだった。
「お主ら緊張感というものはないのか。これが死のゲームじゃったら全滅じゃぞ」
キンタロウの頭の上で呆れた様子でイリスは軽くため息を吐いたのだった。
そんなイリスにタルトはスカートの端を摘みながらお辞儀をした。
「ここはカフェみたいな場所ですからゆっくり休んでください。ここから先は過酷なゲームが続くはずですからね」
「そうじゃな。ではお言葉に甘えて休ませてもらうとしよう」
イリスは羽を羽ばたかせ倒れるモリゾウの前まで飛んだ。そして流れる鼻血を止めるために緑色の光を鼻に向かって放った。イリスの傷を癒す治癒魔法だ。
「あ、ありがとうございます……」
「せっかくの機会じゃ。火傷も治してやるぞ。皆が起きれば作戦会議も行うとよい。それまでにワシは皆の傷でも治そうとしようではないか」
「は、はい……お、お願いします」
気を失ったキンタロウとイチゴとノリが起きるまでの間、ピンク色に埋もれたカフェの中でボドゲ部たちは休憩をとることにした。その間にイリスは治癒魔法をかけてこれまでに受けた傷を癒してくれる。
そして全員が起きてから過酷なゲームが予想される今後のマスについての作戦会議を始めようとするのだった。
「ラッキーマスと言いましたがゲームとかはしないんでしょうか?」
「はい。ここではゲームは行いません。青いサイコロを2つ振るだけの本当にラッキーマスです。第3層のほとんどはゲームは不要です」
もふられ続けるタルトはキンタロウとイチゴのもふりに動じずモリゾウの問いに丁寧に答えた。
ドラゴンやケルベロスなどの怪物が待ち構える第6層のハズレマスがあるように、ただサイコロを振るだけだったり決めらた数を進むだけだったりするラッキーマスもあるのだ。
そして今回のラッキーマス。青いサイコロを2つ振れるということはボドゲ部にとっては大ラッキーマスなのだ。
「ノリちゃんが青いサイコロを2つ振ればスキルの効果によって12マス進むことが確定ですよ。となると次は95マスです。ゴールの100マスに一気に近付けます」
モリゾウとノリが目を丸くして驚いていたのはこの事だ。ノリのスキル『最大値スキル』はサイコロやトランプなどのランダム性があるものを選ぶ時、必ず大きい数字を引き当てることができる。
そのスキルによって2つのサイコロを振れば2つとも6が出ることが確定し合計12になる。ゴールの100マスに一気に進めるのだ。
「メイドウサちゃん。俺たちのいる世界にはメイドさんは萌え萌えキュンとかっていう魔法が使えるんだけどメイドウサちゃんはできる? 両手でハートを作って片方の足を可愛くあげるやつ」
「うへぇうへぇ私も見たい。萌え萌えキュン」
キンタロウとイチゴはタルトにメロメロで大ラッキーマスだということを重要視していなかった。それどころかタルトにメイド喫茶で働くメイドの癒しのポーズを要求している。
「ウサギの手は小さくて短いので萌え萌えキュンというものはできません」
「そ、そんな……。じゃ、じゃあ手のハートは諦めるからセリフだけでも!」
「いいえ。萌え萌えキュンはできませんが、萌え萌えピョンならできますよ」
「「萌え萌えピョン!?」」
キンタロウとイチゴは『萌え萌えピョン』という新たなパワーワードに興奮し興味を持っている。キンタロウは鼻息を荒くしイチゴはヨダレを垂らし目がとろーんとなっていた。
「ではいきますよ~」
タルトの可愛い声の掛け声がメイド喫茶のような空間に響いた。その後、タルトは空間の中央にあるステージのようなところに向かってお尻を振りながら歩いていく。
ただ歩くメイドウサギの後ろ姿を目に焼き付けながらキンタロウとイチゴは正座しながら待機する。
正座をして大人しくなったキンタロウの檸檬色の髪の上に飛び疲れたイリスが羽休めをするために止まった。イリスもタルトに期待しているのか、キンタロウたちと同じく正座をしている。
ステージに立ったタルトはボドゲ部を見渡しながら一度深呼吸をした。そしてポーズを始める。
「萌え萌えピョ~~~ン❤︎」
小さな手でウサギの耳を作り、お尻を向けながらふりふりと可愛く飛び跳ねた。その姿を一言で表すのなら『かわいさの最上級』。見たもの誰もが魅了してしまうほどの破壊力がある。
「ガハァッ」
タルトの可愛らしい姿を見た正座をしているキンタロウとイチゴは、ハートを射抜かれそのまま倒れてしまい気を失った。キンタロウに至っては吐血してしまうほどだった。それほど破壊力が抜群なタルトのメロメロポーズ。
そして気を失ったのはキンタロウとイチゴだけではない。筋肉男のノリも気を失っている。腕を組み立ちながらタルトの可愛さにやられ気を失ってしまったのだ。倒れなかったのは足腰の筋肉のおかげだろう。
「ちょっと皆さんしっかりしてくださいよ」と、モリゾウは気絶した仲間たちに向かって叫んだがモリゾウの鼻には1本の線となって鼻血が垂れていた。
「不覚です。さすがの僕でもタルトさんの破壊力には、ぐはっ、か、かわいすぎる」
モリゾウもタルトのポーズに耐えられずに膝をつき倒れてしまった。自我を保ち気を失わないようにしているがモリゾウも限界だ。
タルトの萌え萌えピョンを受けて無事だったのはイリスだけだった。
「お主ら緊張感というものはないのか。これが死のゲームじゃったら全滅じゃぞ」
キンタロウの頭の上で呆れた様子でイリスは軽くため息を吐いたのだった。
そんなイリスにタルトはスカートの端を摘みながらお辞儀をした。
「ここはカフェみたいな場所ですからゆっくり休んでください。ここから先は過酷なゲームが続くはずですからね」
「そうじゃな。ではお言葉に甘えて休ませてもらうとしよう」
イリスは羽を羽ばたかせ倒れるモリゾウの前まで飛んだ。そして流れる鼻血を止めるために緑色の光を鼻に向かって放った。イリスの傷を癒す治癒魔法だ。
「あ、ありがとうございます……」
「せっかくの機会じゃ。火傷も治してやるぞ。皆が起きれば作戦会議も行うとよい。それまでにワシは皆の傷でも治そうとしようではないか」
「は、はい……お、お願いします」
気を失ったキンタロウとイチゴとノリが起きるまでの間、ピンク色に埋もれたカフェの中でボドゲ部たちは休憩をとることにした。その間にイリスは治癒魔法をかけてこれまでに受けた傷を癒してくれる。
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