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062:重たい引き金
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怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
恐怖は全身を一瞬で呑み込んだ。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
感情のパレットは全ての色を塗り潰し恐怖の黒色に染まった。混ざり合った色は恐怖の色に溶け込む。
全身が震え上がり上歯と下歯がぶつかり合う。口の中でガタガタ、ガタガタ音が鳴り止まない。小刻みに震える体はもう止まらない。
先ほどまでの自分はもうここにはいない。そして今の自分ももうここにはいられないかもしれない。全てはこの引き金次第だ。
「3発目ってことは30%か……クソ、怖ぇ」
「いいえ、25%です」
恐怖で震え上がるキンタロウは確率の計算を間違える。モリゾウが計算の間違いを正したおかげで5%確率が減った。しかしそれは気持ちの問題だ。実際のところ確率は減ってはいない。3発目は25%なのだ。
撃たなければ終われない。かと言って撃ったら全てが終わってしまうかもしれない。
息を吐き覚悟が決まらないまま自分のこめかみに銃口を向ける。その手は震えていてまともに引き金を引ける様子ではなかった。
キンタロウの今にも泣き出しそうな顔を見た黒田は笑った。
「フヘヘッヘヘヘ。その顔だ。その顔が見たかったんだ。フヘヘッヘヘヘッヘヘ。早く引け。そして死ねェエエ!」
その笑い声が余計にキンタロウの恐怖を煽る。震える指は力が入らない。力の入れ方がわからなくなっているのだ。
「はあぁ、ふあぁ、はあぁ、はあぁ」
キンタロウは過呼吸のように呼吸が荒くなっていく。呼吸の整え方も今のキンタロウにはわからない。そもそも呼吸というものは自然に行う人間の行為だ。意識して行うことではない。だからこそ余計に呼吸の整え方がわからなくなっているのだ。
「キンタロウくん」
イチゴの声もキンタロウの耳には届かない。声が小さいからではない。自分の荒い呼吸の音で聞こえないのだ。そして酸素が徐々に薄れていき集中力も低下していく。
力の入れ方、呼吸の仕方がわからないパニック状態のキンタロウはそれでも銃口を下ろそうとしていない。下すという行為は今の状態のキンタロウの選択肢にはなかったのだ。
肝がすわっているのではない。ただ単に思考回路、判断力が低下しているだけだ。
「はぁあ、ふぁあ、う、ぅぅ、うぐ、はぁはぁはぁ」
キンタロウの呼吸はさらに荒くなる。もう呼吸ではない。息が吸えずに喘ぎ苦しんでいるのだ。この苦しさから逃れるためには引き金を引くしかない。
このまま引けずに逃げてしまえば二度と引き金が引けない。だからキンタロウは力の入れ方を忘れた状態のまま踏ん張った。
両手両足の指を握りしめるような感覚を体が覚えている。だから思いっきり踏ん張った。力を入れた。この苦しみから解放されるために。
「ウォオオオオオオオオオオオオ」
キンタロウの雄叫びだ。叫ぶことによって力が入る。否、力が入っているのかどうかわかっていないが体は力んでいる。
そして無理やり伸ばされた輪ゴムが元の形に戻るため収縮しようとするように固まった筋肉に一気に力が入った。その勢いのまま拳銃の引き金が引かれた。
キンタロウの雄叫びで引き金の引かれた音は聞こえないかった。しかしキンタロウは立っている。雄叫び以上の音がなるであろう銃声も聞こえていない。
つまり不発。セーフだ。
撃ち終わった瞬間キンタロウは腰から崩れ落ちた。
安堵からか息を吸うことを忘れていた呼吸が息を吸えるところまで戻った。肺が酸素を求めて息を吸い続ける。
そして吸い込んだ酸素を肺に送り込み二酸化炭素として吐き出さなければいけないがむせてしまいうまく息を吐き出せず咳き込む。そのまま嘔吐する。
「ぅがはぁ、うゔぇぼげぇ、はぁ……うぇっ」
吐き出された吐瀉物は白い床に触れた途端に消えていく。これがボドゲ空間のシステムだ。先ほど黒田が踏み潰していた男も消えたようにこの世界に不要なものは消えるのだろう。
腰から崩れたキンタロウはうなだれている。
「もう無理……嫌だ嫌だ、絶対やりたくない。もう無理無理無理無理……」
「おい。クソガキはやくソイツをよこせ。でなきゃ強制的にてめーの負け。直接俺がてめーを殺すぞ? わかったらさっさとよこせ。フヘッヘヘッヘヘ」
黒田は、うなだれる少年に脅迫をする。
キンタロウは口車に乗せられて白い床に拳銃を滑らせるように投げた。回転しながら滑る拳銃は進む力を失いキンタロウと黒田のちょうど真ん中くらいの位置で静止。
「チッ、ちゃんと投げろやクソガキ」
黒田は舌打ちを打ち、拳銃を拾うため歩いた。ゆっくりとゆっくりと足音を鳴らしながら歩く。その足音は拳銃に近付く。拳銃の先にいるキンタロウにも足音が近付いてくるのがわかる。
そして足音は止まり再び音を鳴らすとキンタロウから音は離れていった。
キンタロウは黒田のロシアンルーレットの結果を見るためにうなだれていた頭を上げる。
頭を上げたタイミングは黒田が銃口を頭に向けようとしている時だった。
そしてキンタロウが瞬きをするのと同時に引き金が引かれ『カシャ』という金属と金属が擦れる音が鳴る。黒田は再び迷うことなく引き金を引いたのだ。
4発目の確率は33.3%だ。黒田はセーフだった。次に拳銃の引き金を引くのはキンタロウだ。助かった余韻も相手が引き当てるのではないかという期待も無く自分の番が来てしまった。
「ほらよクソガキ。これが最後だ。フヘヘッヘヘ」
狂気的に笑う黒田が拳銃をキンタロウに向けて蹴り飛ばした。
黒田が蹴った拳銃は回転しながら白い床を滑りキンタロウの足に当たるまで進み続けた。
拳銃が当たった感触が足から脳へ電気信号のように伝わった。そして脳は全身に危険信号を流す。
これが最後の引き金。不発ならキンタロウの勝利。生き延びることができる。もしも発砲した場合は敗北&死だ。この際敗北などどうでもいい。しかし命がけとなれば話は別だろう。
こんなにも拳銃が重く感じるのは命の重さも加わっているからかもしれない。
5発目の引き金を引くキンタロウの確率は50%だ。
恐怖は全身を一瞬で呑み込んだ。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
感情のパレットは全ての色を塗り潰し恐怖の黒色に染まった。混ざり合った色は恐怖の色に溶け込む。
全身が震え上がり上歯と下歯がぶつかり合う。口の中でガタガタ、ガタガタ音が鳴り止まない。小刻みに震える体はもう止まらない。
先ほどまでの自分はもうここにはいない。そして今の自分ももうここにはいられないかもしれない。全てはこの引き金次第だ。
「3発目ってことは30%か……クソ、怖ぇ」
「いいえ、25%です」
恐怖で震え上がるキンタロウは確率の計算を間違える。モリゾウが計算の間違いを正したおかげで5%確率が減った。しかしそれは気持ちの問題だ。実際のところ確率は減ってはいない。3発目は25%なのだ。
撃たなければ終われない。かと言って撃ったら全てが終わってしまうかもしれない。
息を吐き覚悟が決まらないまま自分のこめかみに銃口を向ける。その手は震えていてまともに引き金を引ける様子ではなかった。
キンタロウの今にも泣き出しそうな顔を見た黒田は笑った。
「フヘヘッヘヘヘ。その顔だ。その顔が見たかったんだ。フヘヘッヘヘヘッヘヘ。早く引け。そして死ねェエエ!」
その笑い声が余計にキンタロウの恐怖を煽る。震える指は力が入らない。力の入れ方がわからなくなっているのだ。
「はあぁ、ふあぁ、はあぁ、はあぁ」
キンタロウは過呼吸のように呼吸が荒くなっていく。呼吸の整え方も今のキンタロウにはわからない。そもそも呼吸というものは自然に行う人間の行為だ。意識して行うことではない。だからこそ余計に呼吸の整え方がわからなくなっているのだ。
「キンタロウくん」
イチゴの声もキンタロウの耳には届かない。声が小さいからではない。自分の荒い呼吸の音で聞こえないのだ。そして酸素が徐々に薄れていき集中力も低下していく。
力の入れ方、呼吸の仕方がわからないパニック状態のキンタロウはそれでも銃口を下ろそうとしていない。下すという行為は今の状態のキンタロウの選択肢にはなかったのだ。
肝がすわっているのではない。ただ単に思考回路、判断力が低下しているだけだ。
「はぁあ、ふぁあ、う、ぅぅ、うぐ、はぁはぁはぁ」
キンタロウの呼吸はさらに荒くなる。もう呼吸ではない。息が吸えずに喘ぎ苦しんでいるのだ。この苦しさから逃れるためには引き金を引くしかない。
このまま引けずに逃げてしまえば二度と引き金が引けない。だからキンタロウは力の入れ方を忘れた状態のまま踏ん張った。
両手両足の指を握りしめるような感覚を体が覚えている。だから思いっきり踏ん張った。力を入れた。この苦しみから解放されるために。
「ウォオオオオオオオオオオオオ」
キンタロウの雄叫びだ。叫ぶことによって力が入る。否、力が入っているのかどうかわかっていないが体は力んでいる。
そして無理やり伸ばされた輪ゴムが元の形に戻るため収縮しようとするように固まった筋肉に一気に力が入った。その勢いのまま拳銃の引き金が引かれた。
キンタロウの雄叫びで引き金の引かれた音は聞こえないかった。しかしキンタロウは立っている。雄叫び以上の音がなるであろう銃声も聞こえていない。
つまり不発。セーフだ。
撃ち終わった瞬間キンタロウは腰から崩れ落ちた。
安堵からか息を吸うことを忘れていた呼吸が息を吸えるところまで戻った。肺が酸素を求めて息を吸い続ける。
そして吸い込んだ酸素を肺に送り込み二酸化炭素として吐き出さなければいけないがむせてしまいうまく息を吐き出せず咳き込む。そのまま嘔吐する。
「ぅがはぁ、うゔぇぼげぇ、はぁ……うぇっ」
吐き出された吐瀉物は白い床に触れた途端に消えていく。これがボドゲ空間のシステムだ。先ほど黒田が踏み潰していた男も消えたようにこの世界に不要なものは消えるのだろう。
腰から崩れたキンタロウはうなだれている。
「もう無理……嫌だ嫌だ、絶対やりたくない。もう無理無理無理無理……」
「おい。クソガキはやくソイツをよこせ。でなきゃ強制的にてめーの負け。直接俺がてめーを殺すぞ? わかったらさっさとよこせ。フヘッヘヘッヘヘ」
黒田は、うなだれる少年に脅迫をする。
キンタロウは口車に乗せられて白い床に拳銃を滑らせるように投げた。回転しながら滑る拳銃は進む力を失いキンタロウと黒田のちょうど真ん中くらいの位置で静止。
「チッ、ちゃんと投げろやクソガキ」
黒田は舌打ちを打ち、拳銃を拾うため歩いた。ゆっくりとゆっくりと足音を鳴らしながら歩く。その足音は拳銃に近付く。拳銃の先にいるキンタロウにも足音が近付いてくるのがわかる。
そして足音は止まり再び音を鳴らすとキンタロウから音は離れていった。
キンタロウは黒田のロシアンルーレットの結果を見るためにうなだれていた頭を上げる。
頭を上げたタイミングは黒田が銃口を頭に向けようとしている時だった。
そしてキンタロウが瞬きをするのと同時に引き金が引かれ『カシャ』という金属と金属が擦れる音が鳴る。黒田は再び迷うことなく引き金を引いたのだ。
4発目の確率は33.3%だ。黒田はセーフだった。次に拳銃の引き金を引くのはキンタロウだ。助かった余韻も相手が引き当てるのではないかという期待も無く自分の番が来てしまった。
「ほらよクソガキ。これが最後だ。フヘヘッヘヘ」
狂気的に笑う黒田が拳銃をキンタロウに向けて蹴り飛ばした。
黒田が蹴った拳銃は回転しながら白い床を滑りキンタロウの足に当たるまで進み続けた。
拳銃が当たった感触が足から脳へ電気信号のように伝わった。そして脳は全身に危険信号を流す。
これが最後の引き金。不発ならキンタロウの勝利。生き延びることができる。もしも発砲した場合は敗北&死だ。この際敗北などどうでもいい。しかし命がけとなれば話は別だろう。
こんなにも拳銃が重く感じるのは命の重さも加わっているからかもしれない。
5発目の引き金を引くキンタロウの確率は50%だ。
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