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059:死の番人
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ボドゲ部たちはダイチたち三兄妹と協力して『第5層17マス』の宝探しゲームそして最終ミッションの脱出ゲームをクリアすることができた。
そして1回限りの特別なサイコロ『青く輝くサイコロ』を最終ミッションの報酬として入手。青く輝くサイコロは6面ダイスで数字が全て10倍になっている。
ノリの『最大値スキル』のおかげで6の10倍の数の60の目を出し60マス進むことができたのだ。そしてイチゴが振った層を決める赤いサイコロは4の目が出た。
ボドゲ部たちは『第4層77マス』に一瞬のうちにワープし到着したのだ。ここは白い床、白い天井、白い壁のボドゲ空間の特徴的な真っ白な空間だった。
そして到着した途端、ゾッと背筋が凍る感覚に襲った。
キンタロウたちの目の前には40代くらいの髭を生やしたイカツイ顔つきの男が血を流している男の頭を踏みつけていた。踏みつけられている男は悲鳴や叫び声が全くない。むしろ動いてもいない。死んでいるのだろうか。
そして何度も必要以上に男の頭を踏みつけているイカツイ顔つきの男の最大の特徴は左腕がないところだ。
「フッヘッヘッヘッヘ、待ってたぞ。クソガキ……」
その男は狂気的に笑いながら到着したばかりのボドゲ部たち、否、キンタロウに声をかけた。
「クソガキが参加してるって聞いて嬉しくてよ。フヘヘッヘヘッヘ。本当にアイツにそっくりじゃねえかよ。殺しがいがあるってもんだぜ。フヘッヘッヘッヘ。ああ、今日はなんて素晴らしい日なんだ。フヘヘヘッヘヘッヘ」
男は両手を広げるように右手を広げ叫んだ。そして天に向かって笑い飛ばす。
「お、おっさん誰だよ。その足をどけろよ……」
キンタロウは狂気的な男の圧に怯えながらも拳を強く握りしめながら言った。
「おいおい、クソガキ、俺に指図すんのか? あぁん? 殺すぞ? 金髪クソガキがぁ」
目を充血させキンタロウに牙を向ける男。その殺気は凄まじくキンタロウは震えて言い返すことができない。
「キンちゃん……この人やばいですよ。こんな殺意見たことありませんよ……」
震えるキンタロウの隣でモリゾウは怯えていた。モリゾウは『探偵スキル』の相手の心情を見る能力を使い男を見た。その時に男の殺意の色の濃さが異常で本気なのだとモリゾウは感じ取ったのだ。
「フヘッッッヘッヘッッ。ああ、失った左腕が疼うずくよ。疼く疼く疼く疼く疼くゥウウウ」
男は右手で左肩を触りながら幸福感に溺れている。右腕は血管が浮き出て己の左肩を握り潰してしまうのではないかと思うくらい力が入っている。
そして男は力が抜けたように右腕を下ろした。力なくぶら下がる右手とは裏腹に男の殺気はさらに増幅した。
その姿にボドゲ部たちは鳥肌が立つ震えおののいた。包まれた恐怖から逃げ出すように一歩後ろに下がろうとするが包み込んだ恐怖は足をと掴みその一歩を決して許さない。
「ああ、そうだ。自己紹介してなかったな。俺はここ『第4層77マス』の番人の黒田だ」
溢れんばかりの殺気を放つ黒田はこのマスの番人だと自己紹介をした。口元がニヤけた後にすぐキンタロウを睨みつけた。
「フッヘッヘヘヘ。あぁすぐ近くに死を感じるよ……」
黒田が言葉を言い終えた直後に踏み潰されている男が白い床に吸い込まれていくように消えていった。男がいた白い床には男が流したであろう血だけが残った。
白い床を見てみるとあちらこちらに水たまりのように血がたまっている。消えた男の他に消えていった人たちがいたのだろう。
「その消え方って……」
男が消えていく瞬間はボドゲ部たちには見覚えがある。それはキンタロウが嘔吐した時に吐瀉物がきれいに消えていったのと同じような消え方だったのだ。
今までボドゲ空間にプレイヤーの死体がなかったのはプレイヤーが死んでいないからではない。プレイヤーの死体はボドゲ空間のシステムによって消えるのだ。
『神様が作った盤上遊戯ボードゲーム』がデスゲームだとプレイヤーにバレないための隠蔽工作なのだろう。
しかし血だけは残っている。吐瀉物や涙、ヨダレそしてプレイヤーの死体は消えるが血だけは消えないようだ。
なぜなのか。そんなことを考えている余裕はない。目の前の殺人鬼が今にも襲ってきそうな勢いでさっきを放っているからだ。
「さあ特別に死のゲームを始めようか。かねみや」
「なんで知ってんだ……」
「フヘッヘッヘヘッヘ」
番人の黒田はキンタロウの苗字を言いながら狂気的に笑ったのだった。
第4層77マスで黒田との死のゲームが始まろうとしている。
「死のゲームって第6層だけじゃないのかよ……」
キンタロウは死のゲームが始まろうとしていることに衝撃を受けていた。ボドゲ部たちは初めて第4層のマスに止まった。初めての第4層なのでこの層で行われるゲームの内容は知らないのだ。
そのゲームの内容が殺気を放つ男の口から死のゲームだと聞かされてボドゲ部たちは怯えている。
「いーや、第4層は死のゲームとは関係ない。フヘッッヘヘヘ。俺がいるところは全て死のゲームになるんだよクソガキ」
「じゃあ、第4層の本当のゲームの内容って」
「死人に教える義理はねーよ。クソガキ」
キンタロウの言葉をかき消す勢いで黒田は怒鳴った。
黒田の発言から第4層の本来のゲームは死のゲームではないことがわかった。しかし本来のゲームの内容を黒田から教えてもらうことは叶わない。
同時にルールを勝手に変えれるほどの権限を黒田が持っていることが判明した。
狂気的に笑う黒田。人間をゴミのように踏み潰していた黒田。そしてキンタロウの苗字を知っている黒田。黒田は一体何者なのだろうか?
そして1回限りの特別なサイコロ『青く輝くサイコロ』を最終ミッションの報酬として入手。青く輝くサイコロは6面ダイスで数字が全て10倍になっている。
ノリの『最大値スキル』のおかげで6の10倍の数の60の目を出し60マス進むことができたのだ。そしてイチゴが振った層を決める赤いサイコロは4の目が出た。
ボドゲ部たちは『第4層77マス』に一瞬のうちにワープし到着したのだ。ここは白い床、白い天井、白い壁のボドゲ空間の特徴的な真っ白な空間だった。
そして到着した途端、ゾッと背筋が凍る感覚に襲った。
キンタロウたちの目の前には40代くらいの髭を生やしたイカツイ顔つきの男が血を流している男の頭を踏みつけていた。踏みつけられている男は悲鳴や叫び声が全くない。むしろ動いてもいない。死んでいるのだろうか。
そして何度も必要以上に男の頭を踏みつけているイカツイ顔つきの男の最大の特徴は左腕がないところだ。
「フッヘッヘッヘッヘ、待ってたぞ。クソガキ……」
その男は狂気的に笑いながら到着したばかりのボドゲ部たち、否、キンタロウに声をかけた。
「クソガキが参加してるって聞いて嬉しくてよ。フヘヘッヘヘッヘ。本当にアイツにそっくりじゃねえかよ。殺しがいがあるってもんだぜ。フヘッヘッヘッヘ。ああ、今日はなんて素晴らしい日なんだ。フヘヘヘッヘヘッヘ」
男は両手を広げるように右手を広げ叫んだ。そして天に向かって笑い飛ばす。
「お、おっさん誰だよ。その足をどけろよ……」
キンタロウは狂気的な男の圧に怯えながらも拳を強く握りしめながら言った。
「おいおい、クソガキ、俺に指図すんのか? あぁん? 殺すぞ? 金髪クソガキがぁ」
目を充血させキンタロウに牙を向ける男。その殺気は凄まじくキンタロウは震えて言い返すことができない。
「キンちゃん……この人やばいですよ。こんな殺意見たことありませんよ……」
震えるキンタロウの隣でモリゾウは怯えていた。モリゾウは『探偵スキル』の相手の心情を見る能力を使い男を見た。その時に男の殺意の色の濃さが異常で本気なのだとモリゾウは感じ取ったのだ。
「フヘッッッヘッヘッッ。ああ、失った左腕が疼うずくよ。疼く疼く疼く疼く疼くゥウウウ」
男は右手で左肩を触りながら幸福感に溺れている。右腕は血管が浮き出て己の左肩を握り潰してしまうのではないかと思うくらい力が入っている。
そして男は力が抜けたように右腕を下ろした。力なくぶら下がる右手とは裏腹に男の殺気はさらに増幅した。
その姿にボドゲ部たちは鳥肌が立つ震えおののいた。包まれた恐怖から逃げ出すように一歩後ろに下がろうとするが包み込んだ恐怖は足をと掴みその一歩を決して許さない。
「ああ、そうだ。自己紹介してなかったな。俺はここ『第4層77マス』の番人の黒田だ」
溢れんばかりの殺気を放つ黒田はこのマスの番人だと自己紹介をした。口元がニヤけた後にすぐキンタロウを睨みつけた。
「フッヘッヘヘヘ。あぁすぐ近くに死を感じるよ……」
黒田が言葉を言い終えた直後に踏み潰されている男が白い床に吸い込まれていくように消えていった。男がいた白い床には男が流したであろう血だけが残った。
白い床を見てみるとあちらこちらに水たまりのように血がたまっている。消えた男の他に消えていった人たちがいたのだろう。
「その消え方って……」
男が消えていく瞬間はボドゲ部たちには見覚えがある。それはキンタロウが嘔吐した時に吐瀉物がきれいに消えていったのと同じような消え方だったのだ。
今までボドゲ空間にプレイヤーの死体がなかったのはプレイヤーが死んでいないからではない。プレイヤーの死体はボドゲ空間のシステムによって消えるのだ。
『神様が作った盤上遊戯ボードゲーム』がデスゲームだとプレイヤーにバレないための隠蔽工作なのだろう。
しかし血だけは残っている。吐瀉物や涙、ヨダレそしてプレイヤーの死体は消えるが血だけは消えないようだ。
なぜなのか。そんなことを考えている余裕はない。目の前の殺人鬼が今にも襲ってきそうな勢いでさっきを放っているからだ。
「さあ特別に死のゲームを始めようか。かねみや」
「なんで知ってんだ……」
「フヘッヘッヘヘッヘ」
番人の黒田はキンタロウの苗字を言いながら狂気的に笑ったのだった。
第4層77マスで黒田との死のゲームが始まろうとしている。
「死のゲームって第6層だけじゃないのかよ……」
キンタロウは死のゲームが始まろうとしていることに衝撃を受けていた。ボドゲ部たちは初めて第4層のマスに止まった。初めての第4層なのでこの層で行われるゲームの内容は知らないのだ。
そのゲームの内容が殺気を放つ男の口から死のゲームだと聞かされてボドゲ部たちは怯えている。
「いーや、第4層は死のゲームとは関係ない。フヘッッヘヘヘ。俺がいるところは全て死のゲームになるんだよクソガキ」
「じゃあ、第4層の本当のゲームの内容って」
「死人に教える義理はねーよ。クソガキ」
キンタロウの言葉をかき消す勢いで黒田は怒鳴った。
黒田の発言から第4層の本来のゲームは死のゲームではないことがわかった。しかし本来のゲームの内容を黒田から教えてもらうことは叶わない。
同時にルールを勝手に変えれるほどの権限を黒田が持っていることが判明した。
狂気的に笑う黒田。人間をゴミのように踏み潰していた黒田。そしてキンタロウの苗字を知っている黒田。黒田は一体何者なのだろうか?
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