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036:睨み合うワニとモグラ
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イチゴが青ワニの鋭い牙の餌食になる瞬間だった。
「どりゃぁあー!」
叫び声と共に青ワニは勢いよく浮いた。青ワニの腹部目掛けてモグラ人間のダイチが凄まじい回転をしながら飛び出たのだった。
間一髪。イチゴはダイチに助けられた。
「イチゴちゃんッ!!」
恐怖で動けなくなったイチゴにモリゾウが叫びながら駆けつけた。そしてイチゴの手を取り無理やりでも立たせようと引っ張る。
力が抜けているイチゴだがなんとか立ち上がることができた。それも軽い体のイチゴをひ弱なモリゾウが全力で引っ張ったおかげだろう。
「大丈夫ですか。とにかく今はここから離れましょう」
「う、うん……」
助かった余韻も生きてる喜びも感じることなくこの場をダイチに任せモリゾウとイチゴは、先ほど青ワニに噛み砕かれた岩の後ろに隠れた。
イチゴの足取りではここに身を潜めた方が良いとモリゾウが判断したのだ。
そしてこの場所を選んだ理由はもう1つある。
「微量ながらダイチさんのお手伝いをします。イチゴちゃんはここで待っててください」
モリゾウは青ワニと戦うダイチ元へと走り出した。
そう。この場所を選んだ理由は青ワニと戦うダイチに近すぎず、なおかつ離れすぎていないからだ。
ダイチは青ワニの腹部に強烈な一撃を喰らわせたが、青ワニはダメージをさほど喰らった様子はなく大きな尻尾を巧みに操り地面に着地した。
普通のワニなら腹は柔らかく弱点だろう。しかしこの青いワニは違った。腹まで強固な鱗に守られているのだ。
青ワニは腹部に攻撃を受けたことによって大きな尻尾をブンブンと地面に叩きつけている。その姿からは苛立ち、怒りを爆発させているのがわかる。イチゴを助けた1撃だったが青ワニを怒らせ本気にさせてしまった。
そして攻撃を喰らわせたダイチの方がダメージを負っていた。想像以上に硬い腹を殴ったせいで、殴った右拳から肩までがジンジンと痛んでいるのだ。
睨み合うワニとモグラ。それを見るモリゾウ。助けに行くと豪語したがモリゾウにはただ見守ることしかできなかった。
「考えろ。考えろ」と考えるように自分に呪いをかけるモリゾウ。
(今、ディオスダードを呼ぶべきでしょうか。いや、逸れてしまったキンちゃんたちのほうも心配です。ディオスダードを呼ぶときは本当にどうしようもなくなった時の最終手段にしないといけませんよね。だったらどうしたら。この状況で僕にできることは……)
モリゾウは、キンタロウとノリの『緑ヘビ討伐』の時のキンタロウと同じ考えでディオスダードを最終手段に残しておくつもりだ。
召喚兎のディオスダードを召喚すれば勝てるかもしれない。しかしキンタロウもモリゾウも別行動になってしまった相手のことを考え、ディオスダードをギリギリまで使わないつもりでいるのだ。
仲間の心配をしている場合じゃない状況だ。まず自分の身を最優先に考えるべきだが、仲間だからこそ仲間を最優先に心配するのだ。
岩をも砕く頑丈な顎と牙を持つ青ワニ。弱点のはずの腹部も強固な鱗に守られている。
「何か手は……」と呟いた瞬間にモリゾウは何かを閃いた。そしてダイチと青ワニに背を向けて岩に隠れるイチゴの元へと戻っていった。
「イチゴちゃん歩けますか」
「う、うん。も、もう大丈夫だよぉ」
イチゴは手足が動くことを確認し固まった体をほぐすために軽くストレッチを始めた。
「それなら協力してほしいことがあります」
「協力? もちろんなんでもするよぉ。早くダイチさんを助けないと」
小さな拳を2つ作り胸の前でガッツポーズをとるイチゴ。
「青ワニの弱点を見つけました。ダイチさんに加勢しましょう!」
モリゾウは何かを企んでいる表情をしている。そしてきた道にあるジャングルの木々を見つめた。
「どりゃぁあー!」
叫び声と共に青ワニは勢いよく浮いた。青ワニの腹部目掛けてモグラ人間のダイチが凄まじい回転をしながら飛び出たのだった。
間一髪。イチゴはダイチに助けられた。
「イチゴちゃんッ!!」
恐怖で動けなくなったイチゴにモリゾウが叫びながら駆けつけた。そしてイチゴの手を取り無理やりでも立たせようと引っ張る。
力が抜けているイチゴだがなんとか立ち上がることができた。それも軽い体のイチゴをひ弱なモリゾウが全力で引っ張ったおかげだろう。
「大丈夫ですか。とにかく今はここから離れましょう」
「う、うん……」
助かった余韻も生きてる喜びも感じることなくこの場をダイチに任せモリゾウとイチゴは、先ほど青ワニに噛み砕かれた岩の後ろに隠れた。
イチゴの足取りではここに身を潜めた方が良いとモリゾウが判断したのだ。
そしてこの場所を選んだ理由はもう1つある。
「微量ながらダイチさんのお手伝いをします。イチゴちゃんはここで待っててください」
モリゾウは青ワニと戦うダイチ元へと走り出した。
そう。この場所を選んだ理由は青ワニと戦うダイチに近すぎず、なおかつ離れすぎていないからだ。
ダイチは青ワニの腹部に強烈な一撃を喰らわせたが、青ワニはダメージをさほど喰らった様子はなく大きな尻尾を巧みに操り地面に着地した。
普通のワニなら腹は柔らかく弱点だろう。しかしこの青いワニは違った。腹まで強固な鱗に守られているのだ。
青ワニは腹部に攻撃を受けたことによって大きな尻尾をブンブンと地面に叩きつけている。その姿からは苛立ち、怒りを爆発させているのがわかる。イチゴを助けた1撃だったが青ワニを怒らせ本気にさせてしまった。
そして攻撃を喰らわせたダイチの方がダメージを負っていた。想像以上に硬い腹を殴ったせいで、殴った右拳から肩までがジンジンと痛んでいるのだ。
睨み合うワニとモグラ。それを見るモリゾウ。助けに行くと豪語したがモリゾウにはただ見守ることしかできなかった。
「考えろ。考えろ」と考えるように自分に呪いをかけるモリゾウ。
(今、ディオスダードを呼ぶべきでしょうか。いや、逸れてしまったキンちゃんたちのほうも心配です。ディオスダードを呼ぶときは本当にどうしようもなくなった時の最終手段にしないといけませんよね。だったらどうしたら。この状況で僕にできることは……)
モリゾウは、キンタロウとノリの『緑ヘビ討伐』の時のキンタロウと同じ考えでディオスダードを最終手段に残しておくつもりだ。
召喚兎のディオスダードを召喚すれば勝てるかもしれない。しかしキンタロウもモリゾウも別行動になってしまった相手のことを考え、ディオスダードをギリギリまで使わないつもりでいるのだ。
仲間の心配をしている場合じゃない状況だ。まず自分の身を最優先に考えるべきだが、仲間だからこそ仲間を最優先に心配するのだ。
岩をも砕く頑丈な顎と牙を持つ青ワニ。弱点のはずの腹部も強固な鱗に守られている。
「何か手は……」と呟いた瞬間にモリゾウは何かを閃いた。そしてダイチと青ワニに背を向けて岩に隠れるイチゴの元へと戻っていった。
「イチゴちゃん歩けますか」
「う、うん。も、もう大丈夫だよぉ」
イチゴは手足が動くことを確認し固まった体をほぐすために軽くストレッチを始めた。
「それなら協力してほしいことがあります」
「協力? もちろんなんでもするよぉ。早くダイチさんを助けないと」
小さな拳を2つ作り胸の前でガッツポーズをとるイチゴ。
「青ワニの弱点を見つけました。ダイチさんに加勢しましょう!」
モリゾウは何かを企んでいる表情をしている。そしてきた道にあるジャングルの木々を見つめた。
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