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028:宝探しゲーム開始
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ボドゲ部たちは制限時間2時間の『宝探しゲーム』でクリアを目指すことになった。
そしてスタート地点で知り合ったソラとウミの兄妹チームの残り時間は約1時間40分だ。それまでに2人の兄『ダイチ』と合流して『宝探しゲーム』の最終ミッションを無事にクリアしなければならない。
ゲームがスタートした途端、頭の中に制限時間のカウントが表示された。さらにジャングルに入った瞬間、地図のデータも頭の中に流れ込んだ。
これはRPGゲームでお馴染みのマップの表示のようなものだろう。ジャングルの地図は海賊映画で海賊が扱っている『宝の地図』そのものだ。
この宝の地図の情報が頭の中に流れ込んでジャングルの地形が判明する。このジャングルの地形はウサギの顔の形だ。ただやけに耳が長い。そして両方の耳の先にはバツ印がある。おそらく宝の在り処を教える印だろう。その印を目指してボドゲ部たちは動き出した。
「右と左どっちの耳に宝があると思う?」とキンタロウが頭の中に表示されている宝の地図を見ながら疑問を口にした。
「どっちにも宝がある可能性はありますね。ただ最終ミッションに影響するはずですから難易度が異なるかもしれませんね。こればかりは開けてみないとなんとも言えませんね。このジャングルの中にヒントとかがあれば話は別ですが……」
モリゾウも頭の中のマップをくまなく考察するがはっきりとした答えは見つからない。なのでジャングルの中でヒントを探しつつ左右どちらの宝箱を選びべきか慎重に考えなければいけないのだ。
「でも不思議ぃ。頭の中の地図、ゲームしてるみたいだねぇ。自分の位置だけ光って点滅してるぅ」
イチゴも頭の中の地図に驚いている。
イチゴが話した通りロールプレイングゲームの右上などに表示されているマップがそのまま頭の中でイメージとして表示されているのだ。そして自分の位置は赤く点滅している。これで道に迷うことはまずない。
それからボドゲ部たちは慎重に進むこと5分が経過した。スタート地点はウサギの地形で前歯の位置だった。約5分で鼻の位置にまでたどり着いているのでジャングルはそれほど広くはない。
「いいですか? ちゃんとついてきてくださいね!」
周りを警戒しながら止まったモリゾウは後ろを向きついてくる3人に小声で呼びかけた。大声を出してしまうと他の生物に見つかってしまう可能性が高くなってしまうからだ。
チームの陣形は頭脳派のモリゾウが先頭で注意深く辺りを見渡しながら進んでいる。その後ろをゆっくりとついて行くイチゴ、緊張するキンタロウ、マッチョポーズをとりながら進むノリの順番だ。
「わかってるよ。一列に歩いてんだから絶・対・に逸れないだろ。それよりも前ちゃんと見ろよな」
まるで逸れるフラグのような台詞で返すキンタロウ。モリゾウは不安に思いながらも前を向き再び止めていた足を進めた。
それから宝箱目指し静かにゆっくりと前進する。足音も自分の足音しか聞こえないくらい静かで、ついて来ているのか不安に思ってしまうくらい静かだ。
だがモリゾウは振り向いて確認はしない。なぜなら先ほどの確認からまだ3分ほどしか経過していないからだ。この3分で逸れるなんてあり得ないのだから……
「あ、あのねモリゾウくん……」
イチゴの震える声がモリゾウの耳に届いた。ここは未知のジャングルという場所だ。恐怖や不安で声が震えるのはわかる。ただモリゾウには別の何かを感じていた。
「な、なんですかイチゴちゃん……とても嫌な予感しかしないんですが……ふ、振り向きますよ……」
モリゾウは嫌な予感が的中しないように願いながら足を止めイチゴの方へと振り向いた。
「え!?」
モリゾウの驚く声がジャングルに一瞬だけ響き渡った。しかし響き渡った一音はジャングルの野鳥たちの声にかき消される。
「やけに静かだなって思ってたんですよ! どこいったんですか2人は!」
呆れた様子で2人が本来ならいたはずであろう場所に怒鳴り散らした。
そう。金髪男と筋肉男の2人の姿が見当たらないのだ。
「ど、どうするぅ? キンタロウくんたちを探すぅ?」
「今、探偵スキルで2人の位置を探しているんですが生き物の数が多すぎて……」
モリゾウの探偵スキルは仲間や敵の位置を探る能力もある。そんな万能なスキルだが、万能すぎるが故にジャングルに棲む生物全ての位置反応を探知してしまい肝心の仲間の位置を見失ってしまったのだ。
「2人が無事なのを祈りましょう……。それにいざとなったらディオスダードもいますし、僕たちは先に進みましょう」
「うん。そうだねぇ。目的地は同じだからどこかで合流できるかもぉ」
モリゾウとイチゴは仲間を信じ先に進むことに決めた。
先に進むことが決まった瞬間にモリゾウは探偵スキルを解除しようとした。しかしすぐには解除できなかった。
なぜならこちらに向かって勢いよく近付いてくる何かがいることに気付いたからだ。
「とんでもないスピードで何かがこっちに向かってきます」
探偵スキルではすでに姿が見えてもおかしくない距離にいる。むしろ手の届く範囲にいるぐらいだ。しかし何も起こらない。そして誰もいない。
「上にも何もいませんね……何も起きないのはなんででしょうか。とりあえずここから離れましょう」
「うんっ!」
緊張感MAXの中モリゾウとイチゴはこの場から離れるために走り出した。
するとモリゾウとイチゴの目の前の地面から黒い影が飛び出した。
「な、なんですか!?」
砂埃が大量に上がり黒い影の正体を瞬時に確認できなかった。しかしモリゾウの探偵スキルでは、先ほどの勢いよく近付いて来た謎の生き物と一致していることがわかる。
そして黒い影の正体をモリゾウとイチゴが同時に理解した。
「モグラぁ?」とイチゴだけがその正体を口に出して驚いている。
モリゾウとイチゴの前に現れたのはモグラだった。
そしてスタート地点で知り合ったソラとウミの兄妹チームの残り時間は約1時間40分だ。それまでに2人の兄『ダイチ』と合流して『宝探しゲーム』の最終ミッションを無事にクリアしなければならない。
ゲームがスタートした途端、頭の中に制限時間のカウントが表示された。さらにジャングルに入った瞬間、地図のデータも頭の中に流れ込んだ。
これはRPGゲームでお馴染みのマップの表示のようなものだろう。ジャングルの地図は海賊映画で海賊が扱っている『宝の地図』そのものだ。
この宝の地図の情報が頭の中に流れ込んでジャングルの地形が判明する。このジャングルの地形はウサギの顔の形だ。ただやけに耳が長い。そして両方の耳の先にはバツ印がある。おそらく宝の在り処を教える印だろう。その印を目指してボドゲ部たちは動き出した。
「右と左どっちの耳に宝があると思う?」とキンタロウが頭の中に表示されている宝の地図を見ながら疑問を口にした。
「どっちにも宝がある可能性はありますね。ただ最終ミッションに影響するはずですから難易度が異なるかもしれませんね。こればかりは開けてみないとなんとも言えませんね。このジャングルの中にヒントとかがあれば話は別ですが……」
モリゾウも頭の中のマップをくまなく考察するがはっきりとした答えは見つからない。なのでジャングルの中でヒントを探しつつ左右どちらの宝箱を選びべきか慎重に考えなければいけないのだ。
「でも不思議ぃ。頭の中の地図、ゲームしてるみたいだねぇ。自分の位置だけ光って点滅してるぅ」
イチゴも頭の中の地図に驚いている。
イチゴが話した通りロールプレイングゲームの右上などに表示されているマップがそのまま頭の中でイメージとして表示されているのだ。そして自分の位置は赤く点滅している。これで道に迷うことはまずない。
それからボドゲ部たちは慎重に進むこと5分が経過した。スタート地点はウサギの地形で前歯の位置だった。約5分で鼻の位置にまでたどり着いているのでジャングルはそれほど広くはない。
「いいですか? ちゃんとついてきてくださいね!」
周りを警戒しながら止まったモリゾウは後ろを向きついてくる3人に小声で呼びかけた。大声を出してしまうと他の生物に見つかってしまう可能性が高くなってしまうからだ。
チームの陣形は頭脳派のモリゾウが先頭で注意深く辺りを見渡しながら進んでいる。その後ろをゆっくりとついて行くイチゴ、緊張するキンタロウ、マッチョポーズをとりながら進むノリの順番だ。
「わかってるよ。一列に歩いてんだから絶・対・に逸れないだろ。それよりも前ちゃんと見ろよな」
まるで逸れるフラグのような台詞で返すキンタロウ。モリゾウは不安に思いながらも前を向き再び止めていた足を進めた。
それから宝箱目指し静かにゆっくりと前進する。足音も自分の足音しか聞こえないくらい静かで、ついて来ているのか不安に思ってしまうくらい静かだ。
だがモリゾウは振り向いて確認はしない。なぜなら先ほどの確認からまだ3分ほどしか経過していないからだ。この3分で逸れるなんてあり得ないのだから……
「あ、あのねモリゾウくん……」
イチゴの震える声がモリゾウの耳に届いた。ここは未知のジャングルという場所だ。恐怖や不安で声が震えるのはわかる。ただモリゾウには別の何かを感じていた。
「な、なんですかイチゴちゃん……とても嫌な予感しかしないんですが……ふ、振り向きますよ……」
モリゾウは嫌な予感が的中しないように願いながら足を止めイチゴの方へと振り向いた。
「え!?」
モリゾウの驚く声がジャングルに一瞬だけ響き渡った。しかし響き渡った一音はジャングルの野鳥たちの声にかき消される。
「やけに静かだなって思ってたんですよ! どこいったんですか2人は!」
呆れた様子で2人が本来ならいたはずであろう場所に怒鳴り散らした。
そう。金髪男と筋肉男の2人の姿が見当たらないのだ。
「ど、どうするぅ? キンタロウくんたちを探すぅ?」
「今、探偵スキルで2人の位置を探しているんですが生き物の数が多すぎて……」
モリゾウの探偵スキルは仲間や敵の位置を探る能力もある。そんな万能なスキルだが、万能すぎるが故にジャングルに棲む生物全ての位置反応を探知してしまい肝心の仲間の位置を見失ってしまったのだ。
「2人が無事なのを祈りましょう……。それにいざとなったらディオスダードもいますし、僕たちは先に進みましょう」
「うん。そうだねぇ。目的地は同じだからどこかで合流できるかもぉ」
モリゾウとイチゴは仲間を信じ先に進むことに決めた。
先に進むことが決まった瞬間にモリゾウは探偵スキルを解除しようとした。しかしすぐには解除できなかった。
なぜならこちらに向かって勢いよく近付いてくる何かがいることに気付いたからだ。
「とんでもないスピードで何かがこっちに向かってきます」
探偵スキルではすでに姿が見えてもおかしくない距離にいる。むしろ手の届く範囲にいるぐらいだ。しかし何も起こらない。そして誰もいない。
「上にも何もいませんね……何も起きないのはなんででしょうか。とりあえずここから離れましょう」
「うんっ!」
緊張感MAXの中モリゾウとイチゴはこの場から離れるために走り出した。
するとモリゾウとイチゴの目の前の地面から黒い影が飛び出した。
「な、なんですか!?」
砂埃が大量に上がり黒い影の正体を瞬時に確認できなかった。しかしモリゾウの探偵スキルでは、先ほどの勢いよく近付いて来た謎の生き物と一致していることがわかる。
そして黒い影の正体をモリゾウとイチゴが同時に理解した。
「モグラぁ?」とイチゴだけがその正体を口に出して驚いている。
モリゾウとイチゴの前に現れたのはモグラだった。
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