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025:次のマスへ
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『第2層11マス』で激しいサイコロバトルを繰り広げ見事勝利を掴んだボドゲ部。
召喚兎の『ディオスダード』も手に入れて順調に攻略している。
「んじゃ。次のマスに行きマスか!」
ニヤけ顔のキンタロウは『マス』を強調して言った。ダジャレだ。ダジャレを言う前からニヤけてしまう性格はダジャレを言う人には向いていない。
心に傷を負ったキンタロウだが明るさを取り戻しつつあるのは誰もが見てわかる。
そしてキンタロウのダジャレを聞いてイチゴだけがくすくすと笑っていた。モリゾウは呆れた様子でキンタロウを見ている。ノリは相変わらずマッチョポーズをとっていた。
「それでは、ノリちゃんが青いサイコロを振るとして、赤いサイコロはどうしますか? 誰が振りますか?」
スキルがほぼ判明したノリが青いサイコロを振るのは確定している。では誰が赤いサイコロを振るのだろうか?
この際、赤いサイコロはノリ以外が振るのなら誰でもいいのだ。だが振るのを躊躇ってしまう。なぜなら赤いサイコロを振って6の目が出てしまった場合、死のゲームが始まってしまうからだ。
モリゾウの問いかけに答えたのはキンタロウだ。
「モリゾウ。任せたぜ!」
「ぼ、僕ですか!?」
「ノリ以外の誰が振ってもいいんだけどさ、何となくモリゾウが振った方がいいなって思ってさ……」
ただの勘だろう。しかし勘だからといって無視してはならない。何が起こるかわからない命がけのゲームにおいて何かを感じてしまったのならその通りに事を運んだ方がいいのだ。
だからキンタロウの勘を信じてモリゾウが赤いサイコロを振るべきなのである。
「わかりましたよ。野生の勘というか、キンちゃんの勘も侮れませんですからね」
「任せたぜー!」
今回はボドゲ部のサイコロ担当はモリゾウとノリに決まった。
ノリは青いサイコロだ。ノリの判明したスキルの効果によってサイコロの目は6が出るはずだ。青いサイコロは前に進む数を決める。なので6を出し続ければ最短でゴールに近付けることになる。
赤いサイコロはモリゾウが振る事になった。赤いサイコロは1~6層ある層を決める。
現在判明している情報では第1層はスキルや武器が入手できるエリアになっている。
第2層は召喚兎を貰えたことを考えると第1層同様にプレイヤー側に有利をもたらすエリアだと思われる。
そして第6層はゲームに負けると『死ぬ』エリアだ。『ドラゴン』のような空想上の生物が待ち構えプレイヤーを死へと誘うエリアだ。
このことから層が高くなればなるほど危険度が上がる可能性が高い。
なので層を決める赤いサイコロもなるべく低い数字を狙っていきたいところだ。
「ではいきますよ。『ダイス』!」
心の準備が整ったモリゾウがサイコロが出現する言葉を唱えた。
するとモリゾウの目の前にサッカーボールくらいの大きさの赤いサイコロと青いサイコロが出現。宇宙のような無重力空間にいるかのように不自然に浮いている。
そして計画通りにモリゾウが赤いサイコロ、ノリが青いサイコロを持った。
2人はお互いの顔を見て頷いた。
「「せーの!」」
2人の掛け声とともにサイコロが同時に投げられた。
モリゾウは床に向かって低めのボールだ。ノリは毎回同じように天井に向かって投げている。
先に止まったのは、モリゾウの赤いサイコロ。ニンジン型のベットの隙間に挟まって急停止したのだ。
赤いサイコロの出ためは5だ。これは第5層を表す。
数字が高ければ高いほど危険度が増す可能性がある。死のゲームを行う第6層の一段下の層だ。過酷な試練が待ち受けている予感がボドゲ部の全員がひしひしと感じた。
そしてノリの青いサイコロは6の目が出ている。やはりノリのスキルはキンタロウたちが予想した『最大値スキル』で間違いはないだろう。これで6マス進む事になる。
現在、ボドゲ部がいる位置は『第2層11マス』だ。なのでこの結果から次に止まるマスは『第5層17マス』となる。
止まるマスが決定した途端にボドゲ部全員の体が赤と青の光に包まれた。ワープが始まるのだ。
イチゴはワープする前に先ほどまでサイコロバトルを繰り広げ、召喚獣を授けてくれた妹ウサギに向かって「またねぇバイバーイぃ」と別れの挨拶をした。
妹ウサギは小さな手を振り微笑み返した。
イチゴの別れの挨拶が終わるのと同時にワープが始まりボドゲ部はこの場から姿を消した。
そして刹那の一瞬のうちに『第5層17マス』に到着したのだった。
召喚兎の『ディオスダード』も手に入れて順調に攻略している。
「んじゃ。次のマスに行きマスか!」
ニヤけ顔のキンタロウは『マス』を強調して言った。ダジャレだ。ダジャレを言う前からニヤけてしまう性格はダジャレを言う人には向いていない。
心に傷を負ったキンタロウだが明るさを取り戻しつつあるのは誰もが見てわかる。
そしてキンタロウのダジャレを聞いてイチゴだけがくすくすと笑っていた。モリゾウは呆れた様子でキンタロウを見ている。ノリは相変わらずマッチョポーズをとっていた。
「それでは、ノリちゃんが青いサイコロを振るとして、赤いサイコロはどうしますか? 誰が振りますか?」
スキルがほぼ判明したノリが青いサイコロを振るのは確定している。では誰が赤いサイコロを振るのだろうか?
この際、赤いサイコロはノリ以外が振るのなら誰でもいいのだ。だが振るのを躊躇ってしまう。なぜなら赤いサイコロを振って6の目が出てしまった場合、死のゲームが始まってしまうからだ。
モリゾウの問いかけに答えたのはキンタロウだ。
「モリゾウ。任せたぜ!」
「ぼ、僕ですか!?」
「ノリ以外の誰が振ってもいいんだけどさ、何となくモリゾウが振った方がいいなって思ってさ……」
ただの勘だろう。しかし勘だからといって無視してはならない。何が起こるかわからない命がけのゲームにおいて何かを感じてしまったのならその通りに事を運んだ方がいいのだ。
だからキンタロウの勘を信じてモリゾウが赤いサイコロを振るべきなのである。
「わかりましたよ。野生の勘というか、キンちゃんの勘も侮れませんですからね」
「任せたぜー!」
今回はボドゲ部のサイコロ担当はモリゾウとノリに決まった。
ノリは青いサイコロだ。ノリの判明したスキルの効果によってサイコロの目は6が出るはずだ。青いサイコロは前に進む数を決める。なので6を出し続ければ最短でゴールに近付けることになる。
赤いサイコロはモリゾウが振る事になった。赤いサイコロは1~6層ある層を決める。
現在判明している情報では第1層はスキルや武器が入手できるエリアになっている。
第2層は召喚兎を貰えたことを考えると第1層同様にプレイヤー側に有利をもたらすエリアだと思われる。
そして第6層はゲームに負けると『死ぬ』エリアだ。『ドラゴン』のような空想上の生物が待ち構えプレイヤーを死へと誘うエリアだ。
このことから層が高くなればなるほど危険度が上がる可能性が高い。
なので層を決める赤いサイコロもなるべく低い数字を狙っていきたいところだ。
「ではいきますよ。『ダイス』!」
心の準備が整ったモリゾウがサイコロが出現する言葉を唱えた。
するとモリゾウの目の前にサッカーボールくらいの大きさの赤いサイコロと青いサイコロが出現。宇宙のような無重力空間にいるかのように不自然に浮いている。
そして計画通りにモリゾウが赤いサイコロ、ノリが青いサイコロを持った。
2人はお互いの顔を見て頷いた。
「「せーの!」」
2人の掛け声とともにサイコロが同時に投げられた。
モリゾウは床に向かって低めのボールだ。ノリは毎回同じように天井に向かって投げている。
先に止まったのは、モリゾウの赤いサイコロ。ニンジン型のベットの隙間に挟まって急停止したのだ。
赤いサイコロの出ためは5だ。これは第5層を表す。
数字が高ければ高いほど危険度が増す可能性がある。死のゲームを行う第6層の一段下の層だ。過酷な試練が待ち受けている予感がボドゲ部の全員がひしひしと感じた。
そしてノリの青いサイコロは6の目が出ている。やはりノリのスキルはキンタロウたちが予想した『最大値スキル』で間違いはないだろう。これで6マス進む事になる。
現在、ボドゲ部がいる位置は『第2層11マス』だ。なのでこの結果から次に止まるマスは『第5層17マス』となる。
止まるマスが決定した途端にボドゲ部全員の体が赤と青の光に包まれた。ワープが始まるのだ。
イチゴはワープする前に先ほどまでサイコロバトルを繰り広げ、召喚獣を授けてくれた妹ウサギに向かって「またねぇバイバーイぃ」と別れの挨拶をした。
妹ウサギは小さな手を振り微笑み返した。
イチゴの別れの挨拶が終わるのと同時にワープが始まりボドゲ部はこの場から姿を消した。
そして刹那の一瞬のうちに『第5層17マス』に到着したのだった。
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