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010:スキル獲得
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案内兎のボンによるとイチゴの出目は1。モリゾウの出目は2。ノリの出目は5。そしてキンタロウの出目は6だ。
ボンが説明していた通り1の出目は身体能力向上スキル。2の出目は探偵スキル。イチゴとモリゾウのスキルは判明した。
しかし何の説明も受けていない出目の5と出目の6はどんなスキルかは不明だ。キンタロウとノリのスキルは謎のまま獲得したことになる。
「私が身体能力向上スキル……」
「僕が探偵スキルですか」
スキルが判明しているイチゴとモリゾウがそれぞれ呟いた。
「身体能力向上か。俺はそれがよかった。もしかしたら筋肉が増えたかもしれないから……」
ノリはイチゴの身体能力向上スキルを羨ましく思っている。しかしノリの想像とは違いイチゴの筋肉は増えていない。むしろ変化なしと言ったところだ。
イチゴもまた身体能力向上スキルで何が向上したのか謎のままだった。
「モリゾウはピッタリなスキルをゲットしたな」
「ええ、使いこなせるかどうか分かりませんけどね」
キンタロウはモリゾウの探偵スキルを適任だと思っている。頭脳派のモリゾウが相手や仲間の位置がわかる探偵スキルを使えば戦略が広がるに違いないと考えたのだ。
ゲームによっては相手の位置がわかるだけでも勝率がグーンと上がるものもある。その例としてかくれんぼやサバゲーと言ったところだろう。
「それで……俺は6でノリは5なんだろ? どんなスキルか本当に忘れたのか?」
5と6のスキルがわからず首を傾げるキンタロウとマッチョポーズをとるノリ。その2人に対してスキルを忘れた案内人のウサギのボンは役目を終え逃走した。
「もうスキルは獲得したから次のマスに進めるよ~。小娘と小僧のもふり最高だったぞ~! この先も死なない程度にがんばってね~」
可愛らしいお尻をふりふりしながら走り去ってしまった。そんなボンを追いかけようとキンタロウが一歩足を踏みしめたがすぐに止めた。
なぜならボンは白い光に包まれて消えていったからだ。
キンタロウたちが『神様が作った盤上遊戯』のボドゲ空間や『第1層2マス』にワープした時のように消えたのだ。
しかし白い光に包まれたのを見るのは初めてだ。
ボドゲ空間にワープした時は激しい金色の光。『第1層2マス』にワープした時は赤と青の2色光。
その光の違いに頭脳派のモリゾウは何か意味があると考えたが情報が少なすぎるのでワープの光についての考察は脳の引き出しにしまっておいた。
「どうするよ。俺たちのスキルわからねぇままだぞ。せっかくのスキルなのに使えないとかあり得なくないか?」
消えた案内兎の白い光を見届けながらキンタロウが静かに言った。苛立つこともなく、ただただ静かに言ったのだ。
「そうですね。キンちゃんとノリちゃんは、スキルを手に入れた感覚とかありますか? 些細なことでもいいので体の異変は感じませんか? 魔法が使えるようになったりとか空を飛べたりとか?」
モリゾウは2人に問いかけた。そしてその問いかけに対してキンタロウは「何もない」とハッキリと答えた。
ノリは両手をクロスさせてバツマークをアピールしている。これもマッチョポーズの一つなのだろうか。それともただのジェスチャーなのだろうか。
「そ、そうですか。スキルについてはこれから解明すると信じましょう。このまま次のマスに先に進むのが先決だと思います」
「俺は俺は俺は! 電気とか使いたい! それか時間止めたりとかもいいな! めっちゃかっこいい! やっぱり男なら攻撃系のスキルだよな!」
モリゾウの話を聞かずに自分のスキルの妄想を膨らましノリに聞かせるキンタロウ。
そんなノリも自分のスキルを発動させようと様々なマッチョポーズをとっているが変化は見られない。
スキルのことで頭がいっぱい。夢がいっぱいの高校2年の男児。仕方がないと言えば仕方がないだろう。
イチゴも体力向上スキルの発動条件がわからないのでノリのマッチョポーズを見様見真似でやっている。
「ム、ムキムキィ~、マ、マッチョ~」
力こぶすらない細い腕でマッチョポーズをとるその姿は可愛らしく愛おしい。ウサギのように撫でたくなるほどの可愛らしさだ。
マッチョポーズをとっているイチゴを見て「マッチョにならなくてよかった」と心の底から安心するキンタロウとモリゾウ。
「もう分かりましたから……次のマスに行きますよ」とモリゾウが言ったあとすぐに『ダイス』を唱えた。
サイコロさえ出てしまえば強制的に次のマスに進まなくてはならなくなる。スキルで頭いっぱいの3人の意識を次のマスに切り替える最適の方法だ。
「俺が……」と手を挙げたのは筋肉男のノリだ。どうやらサイコロを振りたいらしい。
モリゾウから赤いサイコロと青いサイコロを受け取ったノリは右手に赤いサイコロ、左手に青いサイコロを指でがっしりと持った。
そしてそのまま白い天井に向かって同時に思いっきり投げた。
筋肉男のノリの投力でも届かない白い天井。重力に逆らいきれずに落下してくる2種類のサイコロ。
層を決めるのは赤いサイコロ。進む数を決めるのは青いサイコロ。その2種類のサイコロが同時に白い床に落ちた。そして転がる。勢いが止まるまで転がり続ける。そして止まる。
出目は6と6だ。
現在のマスは『第1層2マス』。そこから6マス進み6層に移動。つまり次のマスは『第6層の8マス』になる。
4人は赤と青の光に包まれてで次のマスに一瞬のうちにワープした。
ボンが説明していた通り1の出目は身体能力向上スキル。2の出目は探偵スキル。イチゴとモリゾウのスキルは判明した。
しかし何の説明も受けていない出目の5と出目の6はどんなスキルかは不明だ。キンタロウとノリのスキルは謎のまま獲得したことになる。
「私が身体能力向上スキル……」
「僕が探偵スキルですか」
スキルが判明しているイチゴとモリゾウがそれぞれ呟いた。
「身体能力向上か。俺はそれがよかった。もしかしたら筋肉が増えたかもしれないから……」
ノリはイチゴの身体能力向上スキルを羨ましく思っている。しかしノリの想像とは違いイチゴの筋肉は増えていない。むしろ変化なしと言ったところだ。
イチゴもまた身体能力向上スキルで何が向上したのか謎のままだった。
「モリゾウはピッタリなスキルをゲットしたな」
「ええ、使いこなせるかどうか分かりませんけどね」
キンタロウはモリゾウの探偵スキルを適任だと思っている。頭脳派のモリゾウが相手や仲間の位置がわかる探偵スキルを使えば戦略が広がるに違いないと考えたのだ。
ゲームによっては相手の位置がわかるだけでも勝率がグーンと上がるものもある。その例としてかくれんぼやサバゲーと言ったところだろう。
「それで……俺は6でノリは5なんだろ? どんなスキルか本当に忘れたのか?」
5と6のスキルがわからず首を傾げるキンタロウとマッチョポーズをとるノリ。その2人に対してスキルを忘れた案内人のウサギのボンは役目を終え逃走した。
「もうスキルは獲得したから次のマスに進めるよ~。小娘と小僧のもふり最高だったぞ~! この先も死なない程度にがんばってね~」
可愛らしいお尻をふりふりしながら走り去ってしまった。そんなボンを追いかけようとキンタロウが一歩足を踏みしめたがすぐに止めた。
なぜならボンは白い光に包まれて消えていったからだ。
キンタロウたちが『神様が作った盤上遊戯』のボドゲ空間や『第1層2マス』にワープした時のように消えたのだ。
しかし白い光に包まれたのを見るのは初めてだ。
ボドゲ空間にワープした時は激しい金色の光。『第1層2マス』にワープした時は赤と青の2色光。
その光の違いに頭脳派のモリゾウは何か意味があると考えたが情報が少なすぎるのでワープの光についての考察は脳の引き出しにしまっておいた。
「どうするよ。俺たちのスキルわからねぇままだぞ。せっかくのスキルなのに使えないとかあり得なくないか?」
消えた案内兎の白い光を見届けながらキンタロウが静かに言った。苛立つこともなく、ただただ静かに言ったのだ。
「そうですね。キンちゃんとノリちゃんは、スキルを手に入れた感覚とかありますか? 些細なことでもいいので体の異変は感じませんか? 魔法が使えるようになったりとか空を飛べたりとか?」
モリゾウは2人に問いかけた。そしてその問いかけに対してキンタロウは「何もない」とハッキリと答えた。
ノリは両手をクロスさせてバツマークをアピールしている。これもマッチョポーズの一つなのだろうか。それともただのジェスチャーなのだろうか。
「そ、そうですか。スキルについてはこれから解明すると信じましょう。このまま次のマスに先に進むのが先決だと思います」
「俺は俺は俺は! 電気とか使いたい! それか時間止めたりとかもいいな! めっちゃかっこいい! やっぱり男なら攻撃系のスキルだよな!」
モリゾウの話を聞かずに自分のスキルの妄想を膨らましノリに聞かせるキンタロウ。
そんなノリも自分のスキルを発動させようと様々なマッチョポーズをとっているが変化は見られない。
スキルのことで頭がいっぱい。夢がいっぱいの高校2年の男児。仕方がないと言えば仕方がないだろう。
イチゴも体力向上スキルの発動条件がわからないのでノリのマッチョポーズを見様見真似でやっている。
「ム、ムキムキィ~、マ、マッチョ~」
力こぶすらない細い腕でマッチョポーズをとるその姿は可愛らしく愛おしい。ウサギのように撫でたくなるほどの可愛らしさだ。
マッチョポーズをとっているイチゴを見て「マッチョにならなくてよかった」と心の底から安心するキンタロウとモリゾウ。
「もう分かりましたから……次のマスに行きますよ」とモリゾウが言ったあとすぐに『ダイス』を唱えた。
サイコロさえ出てしまえば強制的に次のマスに進まなくてはならなくなる。スキルで頭いっぱいの3人の意識を次のマスに切り替える最適の方法だ。
「俺が……」と手を挙げたのは筋肉男のノリだ。どうやらサイコロを振りたいらしい。
モリゾウから赤いサイコロと青いサイコロを受け取ったノリは右手に赤いサイコロ、左手に青いサイコロを指でがっしりと持った。
そしてそのまま白い天井に向かって同時に思いっきり投げた。
筋肉男のノリの投力でも届かない白い天井。重力に逆らいきれずに落下してくる2種類のサイコロ。
層を決めるのは赤いサイコロ。進む数を決めるのは青いサイコロ。その2種類のサイコロが同時に白い床に落ちた。そして転がる。勢いが止まるまで転がり続ける。そして止まる。
出目は6と6だ。
現在のマスは『第1層2マス』。そこから6マス進み6層に移動。つまり次のマスは『第6層の8マス』になる。
4人は赤と青の光に包まれてで次のマスに一瞬のうちにワープした。
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