悪魔ちゃんは〝歳の数〟大変なのです! 〜だって私の年齢は4万7714歳なんだもん〜

アイリスラーメン

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年齢を聞かないでほしいのです!

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 私はデヴィル城内の図書館で本を読んでいる時に立ち上がった。立ち上がれずにはいられなかったのだ。

「これだ!!!」

 私は見つけてしまったのだ! 今、私がもっともやりたいことを!
 それは……

「薬草採取に行きたい!!」

 そう。薬草採取だ。
 なぜ可愛い可愛い悪魔ちゃんが薬草採取に行きたいか、だって? それは、ペットのクウチャンのためだ!
 なに? ペットのためなら手下達に取りに行かせればいいじゃないか、だって? それは、自分で取りにに行きたいからだ!!

「ということでパパとママに相談してみよう」

 パパとママがいる王室へと小さな翼をバタバタと羽ばたかせながら向かった。別にこれは飛ぼうと思ってるのではないぞ。薬草採取が楽しみで胸が躍ってるから翼が勝手に動いてるんだ。
 ちなみに尻尾もブルンブルン振っていつの間にか鼻歌まじりのスキップをしていた。

「パパッ!!! ママッ!!!」

 いつものように騒がしく扉を開ける私。目の前には予想通りパパとママがいた。

「あら~? どうしたのエイエーンちゃ~ん!!」

「ママッ! ダークエルフの里に薬草を採取しに行きたいの! クウチャンと一緒に!」

「クゥウゥウ!」

 この薬草採取はクウチャンとの散歩も兼ねているのだ。クウチャンとの散歩ではデヴィル城の近くにある地獄道までしか歩いたことがない。なので森があるダークエルフの里まで行って森を見せたいというのもあるのだ。

「行ってもいいわよ~ね、あなた?」

「もちろんだ! ただし護衛は2人連れていくぞ? いいか?」

 やっぱり護衛の話はあるよな~親バカのパパとママは心配だろうし、こないだも誘拐されたから護衛をつけてくれるってのは嬉しいんだけど……

「護衛をつけるのはいいんだけど私の後ろをこっそりついて来てほしいの! クウチャンと二人で薬草採取してるって雰囲気も楽しみたいからさ!!」

「分かった! 護衛にはそう伝えておく!」

 よっしゃーー!!! これでクウチャンとの楽しい思い出が作れるぞー!! それに黒龍が大好物の薬草も手に入れば最高の1日になる!! 早速準備に取り掛かるぞー!!!


 そして1時間かけて鼻歌を歌いながら準備をした。


 薬草採取用のカバンに軍手やタオル、その他必要なものを諸々入れて準備は万端。
 いざダークエルフの里へ!!!!

 デヴィル城を出る前に一度手下の確認をしておこう。本当に何かあったら困るので誰がついて来てるのかだけは確認しておきたい。

 私はデヴィル城の門の前で手下に挨拶とこっそりついてくるように再度自分から指示した。
 今回ついて来てくれる手下は兎頭の手下と牛の頭の手下だ。
 この二人は花火大会の時に私を護衛してくれた二人でおじいちゃんと仲が良くておじいちゃんが認めるほどの手下達だ。この二人なら心配はいらないだろう。

 このまま歩いてダークエルフの里に向かうことになった。
 向かっている最中は指示した通り本当にこっそりと尾行している。後ろを振り向いても誰もいないので本当について来てるか不安になるが私がそうしろと言ったのだからこの不安は本末転倒だろう。
 気を引き締め直してクウチャンとの散歩を続けるぞ!!!

「クゥウウ!!」

 気持ちが伝わったのだろうかクウチャンは元気いっぱいに高い声を出した。


 そしてエイエーンをこっそりと付けているのは兎頭と牛頭の二人の護衛だったが、さらに一人追加されていた。
 その人物は……

「まさかナガイーキ様もついて来られるなんて、光栄ですよ! エイエーン様もそうですがナガイーキ様も大きくなられましたね!」

「あぁ、ニンジーンには昔から世話になってるからな……って、そんなことよりもエイエーンだ。エイエーンに何かあっては困る。二人も気を引き締めていけ!」

「「はい!!」」

 エイエーンの兄のナガイーキも護衛に加わっていたのだった。二人の熱量を遥に超えている。
 兄が護衛に追加されたとも知らずにクウチャンと楽しそうに散歩をするエイエーン。

「今日はこっちに行くんだよ!」

「クゥウ!!」

 クウチャンはいつもの散歩のコースだと思っているみたいだ。ちゃんと散歩コースを覚えてて賢い黒龍だ! でも今回はダークエルフの里!! クウチャンにとっては初めて行く場所だよ。

 私はウキウキ気分でクウチャンを見つめていた。おそらくこの気持ちは私を見守る家族達と同じ気持ちなんだろう。
 あぁなんて可愛いんだクウチャンは!!! 親バカの娘も親バカってことなのね。

 しばらく歩きダークエルフの里についた。
 ここはエルフの里から追放されたならず者達を悪魔国家の国王である私のパパが保護している里だ。
 ダークエルフや邪精霊、ドワーフなどが暮らしている。

「ここから先は……おっと失礼しました。エイエーン様でしたか、お待ちしておりました! どうぞ中へ!!」

 ドワーフの門番は私が来ることを知っていたらしくすんなり通してくれた。これもパパとママがあらかじめ連絡してくれたおかげだろう。

 ダークエルフが住む黒い大樹で出来た家がたくさん並ぶ。そして邪精霊達が住む黒い花畑、ドワーフ達が住む黒いレンガの家など同じ里に住んでいる者同士だがやはり種族によって住む家が違う。

「わぁああああ!!!! すごい! テンション上がる!! 何年ぶりだろう!」

 私はいろんな家を見ながらテンションが上がった。そのまま目的の森の中へと足を踏み入れる。
 この森には猛獣などはいない。ダークエルフの里は悪魔国家にあり悪魔国家には猛獣は1匹も生息していないのだ。
 これも私のおじいちゃんやパパ達が猛獣を殲滅したり怪物国家に輸出したりしたおかげだ。
 だから危険な森ではないのだ。

「薬草薬草~♪ クウチャンもこの黒い薬草コクサイを見つけたら教えてね~! つまみ食いはダメだよ! 城に戻って料理長に料理してもらうんだから!」

「クゥウウウ!」

 元気に鳴くクウチャン。クウチャンも楽しそうに薬草を探している。私も一緒になって楽しい気分だ。ウキウキで翼のバタバタが止まらない。


 すぐにお目当ての黒龍の大好物の黒い薬草コクサイを見つけられると思っていたが全く見つからない。
 ダークエルフの里の森に入って1時間が経過した頃だった。

「全く見つからないんだけど……どうしてなんだ??」

 歩き疲れて木を背もたれにし座り込んだ。

 ん~森の中でも一部の場所にしかないとか?それとも読んだ本が古すぎてもうこの森には無いとか?
 やっぱりここに住むダークエルフ達に聞くのが手っ取り早い。
 誰か、森の中に来ないかな……


 そんなことを考えていたが、タイミング良く、森の奥から2匹の邪精霊が飛んできた。背中には小さな籠を背負っているので邪精霊達も薬草採取か何かのために森に入って来たのだろう。
 もしかしたら黒い薬草コクサイについて知ってるかもしれない。これは聞いてみるしかないな!!!

「あの~邪精霊さん! ちょっといいですか~!!」

「あら?? 悪魔族ね……珍しい、って、エイエーン姫じゃないですか!!! 驚きました!! まさかこんなところに来るなんて!!」

「あはは、どうも、どうも……」

 エイエーンだと言う事に気付いた邪精霊たちはエイエーンの頭の周りをくるくると飛ぶ。

「私はフエ、こっちは双子の妹のアリー」

「よろしくね~エイエーン姫!!」

 どうやら双子の邪精霊らしい。確かに似ている。そして珍しい。
 小さな体で一生懸命に小さな羽を動かす姿が可愛すぎる邪精霊だ。持って帰りたい。
 いやいや、我慢だ!!

 邪精霊の可愛さ故に持ち帰りたいと……でもダメだと、心の中で一人で葛藤するエイエーン。
 しかし葛藤していたのはエイエーンだけではなかった。

「見ろ!エイエーンと邪精霊が一緒にいるぞ! なんて目に優しい光景なんだ! 美しいで!」

「ござんす??」

「落ち着いてください! ナガイーキ様!!」

 エイエーンと邪精霊が一緒にいるところを目に焼き付けているナガイーキ。語尾がおかしいのは気にしないであげよう。
 尊過ぎる光景に心拍数を上昇させている。ナガイーキの興奮は止まらない。なんとか理性で保っているがこのままだと気絶してしまう可能性がある。

「まずいぞ……ボクソーウ、このままではナガイーキ様が気絶する」

「ニンジーンさん、なんとかしないといけませんな」

 ヒソヒソとナガイーキに聞こえないように耳打ちをする二人の護衛。
 そして気絶しないように注意を逸らそうとする。

「ほほえま~」

「ナガイーキ様、今日はエイエーン様の護衛ですので気をしっかり持ってください!!」

「そうですよ! この先にもダークエルフもいます! エイエーン姫とダークエルフの絡みも見たくありませんか?」

「…………」

 ナガイーキからの返事はない。護衛達の声が耳に入らないほど夢中で目の前の尊過ぎる光景を見ている。

「気絶してないみたいでよかった……しっかり集中して見てますね! 目に焼き付けているんでしょうか?」

「いや、ボクソーウ、手遅れだ?」

「え?」

 ナガイーキは目を開けながら気を失っていた。兎頭の手下が言ったようにすでに手遅れだった。

「「何しに来たんだこのシスコンはー!!!!!!!」」

 エイエーンの護衛の二人は心の中でツッコんだのだった。
 この後は起きるまで牛頭の護衛がナガイーキを背負いながらエイエーンの護衛をする。
 なんて迷惑な悪魔族最強の戦士なんだ。


 そんなナガイーキはほっといてエイエーンと邪精霊の会話に戻ろう。

「この黒い薬草コクサイを探してるんだけど……」

 黒龍の好物とされる黒い薬草コクサイの写真を見せた。

「これでしたら私たち、邪精霊が特別な場所で育ててます」

「えぇ? どうして? ここら辺にたくさん咲いてるって書いてあるけど……」

「昔はそうでしたが、あれから随分と環境が変化しましたので、その黒い薬草コクサイだけは私たちが育ててるのですよ!」

 黒い薬草コクサイは邪精霊達が管理し育てているそうだ。それなら話は早い。少し譲ってもらおう。それか金貨を使って等価交換でもいいな。

「少しでいいから分けて欲しいの! それか金貨と交換しない?? この子に食べさせてあげたい!」

 そこら辺の雑草を食べているクウチャンの頭を撫でながら言った。

「エイエーン姫にならいくらでも差し上げますよ! ちょうど収穫の時期なので~! でも1日待ってもらってもいいでしょうか?」

「1日?? なんで?」

「準備が必要なんですよ~待ってる間はダークエルフの里に泊まってみてはいかがですか? 里長には私たちから伝えておきますよ!」

 黒い薬草コクサイの収穫にはなぜか1日かかるらしい。その待っている間にダークエルフの里に泊まるように提案された。
 確かにダークエルフの里に住む種族の家に泊まってみたいという気持ちはある。
 そして姫である私にとってはまたとないチャンスだろう。せっかくの機会なので泊まる事にしよう!!
 というか泊まりたい! 泊まってみたい!!

「泊まる泊まる!!! でも宿みたいなのってあるの??」

「昔は冒険者用の宿がありましたが、今は使われてませんね! でも宿は里長が手配してくれると思うので大丈夫ですよ!」

 すっかり護衛のことを忘れ、泊まることにした。ま、護衛は護衛でなんとかするだろう。

「ねーねーエイエーン姫って何歳なの~? 悪魔族って寿命がないんでしょ~?」

 妹のアリーが興味深そうに聞いて来た。確かに悪魔族は寿命がない。ダークエルフや邪精霊などの長寿生物よりも長く生きる。気になるのは当然だ。

「4万7714歳よ!! でもピチピチの悪魔ちゃん!」

 少しでも若く見せようとお尻を突き出しセクシーポーズをとった。
 その瞬間、奥の木陰から大量に血が飛び散ったが気にしないでおこう。

「ニンジーンさーん!!! いきなり鼻血を出して気を失ったぞ……俺はナガイーキ様を背負っていたから何が起きたのかさっぱりわからない……エイエーン姫は、無事だ……ふー、よかった」

 木陰の大量の血はエイエーンのセクシーポーズを見てしまった兎頭の手下の鼻血だった。そのまま気を失ってしまい牛頭の護衛が気を失っている二人を担いで護衛することとなる。
 デヴィル城で1番の古株の手下と悪魔族最強の戦士は何しに来たんだ……

 そして年齢を聞いた邪精霊はセクシーポーズに気絶しかけてしまったがなんとか耐えていた。

「くぅ、きゃわいすぎるエイエーン姫!! でもその見た目とは違っておばあちゃんなんだね~!」

 おばあちゃんなんだね~

 おばあちゃんなんだね~

 おばあちゃん

 おばあちゃん

 おばあちゃん

 おばあ……

「あぅ……そうだった……ここの里では私はおばあちゃんぐらい年寄りなんだ……うぅ、でも悪魔族の中ではまだまだ若い方だし……悪魔族の中なら……うぅ……」

 肩を落とし腰から崩れ落ちて落ち込んだ。

「こら、アリー! そんなこと言っちゃダメでしょ!! 悪魔族は寿命がないんだから!」

「ごめんなさいお姉ちゃん。ごめんなさいエイエーン姫」

 姉のフエはしっかりしているようだ。おかげで反省した様子で妹のアリーは謝罪してきた。
 ま、悪気があったわけではなさそうだし、許してあげよう。
 邪精霊だしな……きっとダークエルフなら私よりも年上がいっぱい入りだろうし……

「いいよ……悪気なかったみたいだし大丈夫だよ……」

 実際は結構ショックなんだが、これも種族の違いだ。仕方がない。
 うぅ、でも、辛い。

「ならよかったです! それでは先に里長のところに行って伝えてきますね!」

「また会おうね~エイエーン姫~」

 2匹の邪精霊はそのまま小さな羽を使い飛び去ってしまった。


「それじゃ、私たちはもう少し薬草集めてから里長のところに行こうか……」

「クゥウ!!!」

 エイエーンとクウチャンは図書館で借りてきた薬草図鑑を見ながら薬草採取を再開した。
 クウチャンと遊びながら楽しく薬草採取。クウチャンも満足したらしくうとうとし始め眠そうだ。
 ある程度の薬草は集まったのでこれで終わりにしよう。後は里長のところに行って止めてくれる宿を教えてもらい、明日には黒い薬草コクサイを邪精霊達からもらって帰ろう。

 そのまま里長のところまでクウチャンを肩に乗せて歩いて向かった。

「お待ちしておりましたぞ、エイエーン姫!!」

 この人が里長のダークエルフのおじいちゃん。見た目も老人って感じでいかにも里長って感じ。

「いや~大きくなられましたなぁ、わしがデヴィル城で見たときはまだこんなに小さな赤子じゃったのに~、おいくつになられたのでしょうか??」

 また年齢を聞かれたぞ……デリカシーのないおじいちゃんだ。でも、おじいちゃんだからこそ年齢を聞けるのか……さすがにダークエルフだし私よりも年上だろう。安心して年齢を答えられるぞ!

「今年で4万7714歳になりましたッ!!」

「さようでございますか!! ワシよりも1万上ですな! 悪魔族は見た目の成長が緩やかで羨ましい限りですぞ!フォッフォッフォッオ!」

 私、里長よりも年上!!!!! しかも1万も! 何、1つ上みたいに軽い感じで言ってるんだ……1万って相当だぞ、おじいちゃん!!!
 治りかけていた私の心の傷がえぐられてしまった……うぅう……
 こんなおじいちゃんよりも私の方が年上だなんて……うぅっ……

「どうかなさいましたかな? エイエーン姫」

「いいえ、なんでもありません……お、お元気ですねって思っただけです……はい、それだけです」

「フォフォフォ!! わしも元気ですがエイエーン姫もまだまだ負けてませんぞ! お元気お元気!!!」

 いやぁあああ!!! もうやめてー!! 年寄りトークなんてしたくないんですけどー!!! 私はまだまだピチピチなの! お肌つるつるなの!! しわしわよぼよぼじゃないのー!!!!

「ではでは、立ち話もあれですし、お疲れでしょう。ダークエルフのワッフル姫の家にご案内しましょう! 一応、護衛の方々も別の宿も用意してますのでご心配なく!」

 それはありがたい。気にしないでおこうとは思ってたけどさすがに引っかかってたんだよね。これで兎君と牛君は大丈夫だ! さすが里長! いろんなところまで気を使ってる。やるなー!

「ワッフル姫……会ったことないなぁ……ダークエルフの姫か~なんかいいなぁ」

「仲良くなれると思いますぞ、ではこちらへ」

 そのまま里長に今夜泊まるダークエルフのワッフル姫の家まで案内された。
 その家はダークエルフの里の中でも一際目立つ大樹の中にある家だ。ダークエルフの家は大樹の中にある。その中でも一番大きい。さすが姫の家だ。

「ワッフル姫!!!!! エイエーン姫がお見えですぞー!!」

「はーい!! 今行きます!!」

 中からは可愛らしい声が聞こえた。そしてそのまま大きな大樹の中央にある扉がギーという音を鳴らしながら開かれた。


 エイエーン姫とワッフル姫が初めて出会った。  
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