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第4章:恋愛『一億三千年前の記憶編』
272 最終局面
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ギンとロイの最終局面。ギンは攻撃の手が出せず防戦一方だった。
それもそのはず。ギンは白雷の剣一本に対してロイは呪いの剣一本と呪いの触手八本。ロイの攻撃の手数の方がギンの攻撃の手数よりも九倍多いのである。
だからギンが守りに徹するのも無理はないことなのである。
「――くッ!」
「どうしたのかな? 守ってばかりじゃ僕を殺せないよ。それにこの研究所だって壊せないよ?」
現に最終局面が始まってから一度も研究所には被害が出ていない。
それはロイが研究所に攻撃が当たらないようにしながら戦っているからだ。
そして当然のことながら防戦一方のギンには研究所を巻き添えにする攻撃をロイに与えることはできていないのである。
(そんなことわかっるよ。でも実力差で攻撃が出せないんだから仕方ないだろ。心の声さん。セレネはまだ時間がかかりそうか?)
《はい。ですがあと一時間ほどで人間族の国にいる国民全員を国の外に出せるはずです》
(あと一時間か。それまで持ち堪えるしかないな)
ギンは何かを待っている。セレネが国民を国の外へと避難したそのあとに。何かを待っているのだ。
「――でも、それまでやられっぱなしは嫌だ!」
ギンはロイの呪いの剣を弾いた。直後、向かってくる呪いの触手を三本斬りロイから距離を取った。
そして――
「月影流奥義――」
唯一ロイに致命傷を与えた必殺の奥義を発動しようと構える。
しかし、その奥義が発動する前にロイの呪いの触手が妨害する。
「――くそッ! 厄介な呪いだ。月影流――」
「させないよ」
構えても構えても必ずロイの呪いの触手が妨害する。
ロイは自らの体に致命傷を与えたギンの奥義を警戒しているのだ。その警戒心が強ければ強いほどロイが放つ呪いに反映し、呪いのパワーもスピードも格段に上がっていくのである。
その結果、ギンは構えることすら許されなくなっていた。
「月――ッ! つ――ッ! 今度は避けるので精一杯で全然技が出せないんだが!」
文句を言いながら呪いの触手の攻撃を躱し続けるギン。技を出すことよりも躱すことに専念するしか選択肢がなくなっていた。
「防ぐのも躱すのも上手なのはわかったよ。でもいつまで続くかな? ははっ。楽しみだ」
ロイの言う通りいつまでも攻撃を防いだり躱し続けるのは不可能だ。その証拠にギンの体にはこの最終局面で受けた傷がすでに二桁に達している。
小さなダメージでも積み重なっていけば、戦況を大きく変えるダメージへとなりかねないのである。
(ちょっとでも治癒魔法させてくれよ。あっ、そうだ。心の声さん)
《はい。なんでしょうか?》
(心の声さんが俺に治癒魔法をかけたりとかできる?)
《大変申し訳ございません。マスターの頼みだとしてもそのようなことは私にはできません。体を乗っ取ったあとなら可能ですが、それだと戦況は全く変わりませんので》
(で、ですよね……。それじゃもう少し上手に防いでみるとするよ)
呪いの触手と呪いの剣による斬撃を躱したギンは右手の手のひらを地面に向かってかざした。
すると地面が一枚の壁のように盛り上がっていき、ギンを呪いの攻撃から守ったのだった。
その直後、砕け散る壁からギンと姿形が全く同じ人が五人飛び出してきた。これは光属性の魔法の応用で作られた分身。ホログラムのような存在だ。
「へぇ~。そんなこともできるんだ。まだ僕を楽しませてくれて嬉しいよ。でも分身が雑すぎるよ」
そう。ギンの分身はホログラムのように光が投影されているようになっているだけであって、すぐに偽物だとわかるほど雑な作りをしているのだ。
しかし、そんな雑な分身を出したことは無意味なことではない。一瞬でもロイの気を引くこと。それがギンの狙いなのだから。
「――眩しいッ!」
光属性の魔法で作られたギンの分身――ホログラムは激しい光を放った。
この世界が真っ白に染まったのかと錯覚するほどの光。否、錯覚ではない。実際にこの場がこの瞬間だけ光の真っ白な世界に染まったのだ。
「月影流奥義――」
「――しまった」
「白雷・居待月」
それはギンの奥義によるもの。
真っ白な世界の中、白雷の斬撃が姿を消してロイに襲いかかる。
「――ぐはッ!」
ロイは白雷の斬撃を一撃受けたあと、腕を交差させて防御に徹した体勢となった。呪いはロイの体を包み込み白雷の斬撃から身を守る。その姿はまるで巨大なドス黒い球体の要塞だ。
白雷の斬撃はあと少しでロイの体に届きそうになるが、呪いの再生能力が凄まじく、斬っても斬ってもロイの体に傷をつけることができなかった。
そして無限に思われた白雷の斬撃にも終わりの時がやってくる。
真っ白だった世界が徐々に元の世界の色を取り戻しつつあるのだ。
そして姿を消していた白雷の斬撃が可視できるようになると同時に元の世界へと戻るのであった。
「本当に厄介な呪いだな……」
「はははっ。でも最初の一撃はちゃんと当たったよ。ほらっ。血が流れてる。キミと同じ赤い血がね」
「一緒にするなよ。気持ち悪い」
「気持ち悪いだなんて酷いなぁ。そろそろキミがね、僕のことを化け物か何かに思ってると思ったからさ、同じ人間族ってことを教えたかっただけだよ」
「それなら化け物のほうが良かったわ。ここまで気持ち悪い人間族は初めて出会ったからな」
「僕が初めてか~。なんか嬉しいなぁ。あっ、もちろん褒め言葉じゃないってわかってるよ。だから僕も言わせて。キミみたいな人間族は初めて出会ったよ」
「そりゃどうも」
「ははっ!」
軽く言葉を交わした後、二人は再び攻防戦を始めた。否、ギンが一方的に攻撃を防ぎ躱すだけの守りに徹した攻防戦だ。
「キミの必殺技の月の影も防いでしまったらただの剣撃だよ。だからもう怖くない。さっきので自信がついたまでもある」
「本当にお前は最高に嫌な人間族だよ」
「でも躊躇うことなく戦えるでしょ? 全力を尽くせるでしょ? この僕に!」
「それは間違ってないな」
全力を尽くしても防戦一方なのだから、もどかしい気持ちは多少なりともギンの心にはあるだろう。
そんな気持ちを抱えながら戦うこと数分。ギンの脳内で女性の声が待ちに待った知らせを告げる。
《マスター。セレネ様が王族を含めて国民全員を国の外へ出すことに成功しました。セレネ様も今は国の外にいます。なので、現在この国人間族の国には、マスターと個体名ロイの二名しかいません》
(おお! でかしたぞセレネ! なんて優秀でもふもふで可愛いくてふわふわな幻獣なんだ! セレネならやってくれると信じてたよ。早く撫でてあげたい。もふもふに埋もれてあげたい)
《もふもふに埋もれたいのはマスターの願望ですね。それよりマスター。戦闘中なのに喜びが顔に出てしまってます》
(えっ、嘘!? 俺にやにやしてる? この命懸けの場面で?)
《はい。思いっきりにやにやとにやけてました》
(恥ずっ! でも、にやけずにはいられないのもまた事実だよな。よしっ! それじゃこの戦いも終わらせよう!)
《はい。健闘を祈ります》
(おう!)
嬉しさのあまりニヤケが止まらなくなってしまったギンは、右手を天井――地上に向けてかざした。そして唱える。
「白雷の魔法」
その瞬間、白雷の龍が出現し地上に向かって天井を突き破っていく。
それと同時にギンの右脇腹は、ロイの呪いの触手による攻撃を受けた。右手を天に向かってかざして魔法を詠唱したことによって、隙が生じてしまったのである。
ギンは抉れるほどの激痛と火傷したかのような激痛に耐えながら、白雷の龍を追いかけるように地上に向かって飛んだ。
(いてぇ……。さすがに防御する意識が完全にゼロの時に攻撃を受けると痛いわ。これちゃんと脇腹残ってるよね? 怖くて見れないし、触って確認すんのも嫌なんだけど)
《ちゃんとマスターの脇腹は残ってますよ。私が白雷の魔法を操作して守りましたから》
(それでもこの痛みだもんな。心の声さんがいなかったらって考えたらゾッとしてきた……。守ってくれてありがとう)
《いいえ。当然のことをしたまでです》
そんな会話をしていると、ギンはあっという間に地上に出たのだった。
当然のことながらギンの後を追うロイも一緒に地上へと出ることになる。
「今度は地上かい? 結局のところ研究所も壊し切れなかったね。これならまた魔人の研究もすぐに始められると思うよ」
ロイは天に向かって昇っていく白雷の龍を見届けながら言った。
無限に魔力があったとしても、地上に出るためだけに使った魔法に対して贅沢な使い方をしているなと思っているのだ。
白雷の龍が天に昇るのを見届けると、今度は視界に白髪の青年ギンの姿を映す。右脇腹から大量に出血しているギンの姿だ。
「隙を作ってまでも地上に出た理由はなにかな? 地下が僕の墓場とか言ってたような気がしたけど……。ああ、わかったよ。キミの相棒がキミの無茶な要望に応えたのを僕に見せたかったんだね? ははっ。この国の国民全員の気配が本当に国の外にあるよ。本当にすごいね。キミの相棒は」
ロイは地上の大地を踏んだ時点で気付いていたのだ。セレネが国民全員を国の外へ避難させたことに。
「キミの相棒がすごいってのはわかったよ。それじゃあ戦いを再開しようと。地下に戻る? それともこのまま地上で戦う? 国民がいないから地上でも気にせずに暴れられるもんね。あっ、キミが死んだら僕がちゃーんと地下に埋めてキミの墓場にしてあげるよ。だから安心して死んでいいよ」
「……だからここは俺の墓場じゃなくてお前の墓場だって言ってるだろ」
「ははっ。口だけじゃなんとでも言えるからね。でもその傷じゃもうさっきみたいに戦えないでしょ。楽しかったけど……壊れたおもちゃに僕は興味がないんだよね。すぐに楽にしてあげる」
「やってみろよ」
「うん。いいよ」
ロイが一歩前に踏み出そうとした瞬間、重低音の地響きが激しく地面を揺らした。
「……な、なんだ!?」
ロイは足元を一度見た後、不意に天を見上げた。
重低音の地響きは地面から起きているのに天を見上げるのはおかしなことだと普通は思うだろう。実際、天を見上げるまでロイ自身もそう思っていた。
しかし、この地響きの原因となるものが、地面とは真逆の位置に存在する天にあったのだ。
「……つ、き?」
「予定通り!」
ギンとロイの頭上――雲よりも高い位置に満月のように丸く大きな白い球体が稲妻を纏い落下してきているのである。
その白い球体――白雷の月から発せられるエネルギーが地響きをもたらした。つまり震源が天空にあったということになるのだ。
この白雷の月が本物の月なのではないかと一瞬でも思ってしまったロイは、すぐに本物の月ではないことを理解する。そしてこの白雷の月が一体何なのか考察を始めた。
(これは月なんかじゃない。魔法で作られた月の形をした雷だ。こんなものを落としたら国が滅んでしまうじゃないか。そうか。だから国民を国の外に逃したのか。罪のない命を奪わないために)
ロイの中で点と点が繋がった。
国を滅ぼす規模の魔法なら当然、その国に住む国民の命も奪わなければいけなくなる。人的被害は最大だ。そして人間族を絶滅させ国を滅ぼした史上最悪な人間族としてギンの名前が未来永劫、語り継がれるかもしれない。
しかし、国民を全員逃し人的被害をゼロにしてしまえば、それはただの自然災害で留まり、歴史の一ページに刻まれるだけ。
国民は生きている。その国民全員で協力すれば滅んだ人間族の国を復興することは可能だ。何年、何十年、何百年かけてでも必ず復興させるのが、欲深い人間族なのだと、信念を持って行動する人間族なのだと、人間嫌いの人間族の青年は知っているのだ。
だからこそ狂った国を一度リセットする必要がある。もっと良い国を、もっと獣人に優しい国を作るために。
(でもいつこんな膨大なエネルギーの魔法をキミはいつ放ったんだ?)
ギンはずっとロイと戦っていた。ここまで膨大なエネルギーの魔法を放っていたのならロイが気付かない訳がないのだ。
しかし、現に魔法を放ったことに気付いていないのだから疑問に思ってしまうのは当然のことなのである。
そんなロイの疑問の答えは、ロイが疑問に思った直後にそれを見透かしているかのようにギンが口を開いた。
「いつ魔法を放ったのか気になってるみたいだな。覚えてないの? 小さな白い球を」
「まさか……あの魔法の球が……」
ギンとロイが最終局面を迎える前、地上で戦っていたときに一度だけギンがロイに向かって放った小さな白雷の球体。それを躱したロイに向かってさらに追撃を仕掛けるかのように直角に曲がったあの小さな白雷の球体。それでも躱されて天に向かい不発に終わってしまったあの小さな白雷の球体。
それこそが雲よりも高い位置からゆっくりと落下している満月のように丸く大きな白雷の月だ。
ギンは小さな白雷の球体をあえて不発のように見せかけて、自然に天へと送っていたのである。
その小さな白雷の球体がエネルギーを蓄え続けてどんどんと膨れ上がり、その蓄えたエネルギーの重さに耐えられずに地上に向かって落ちてきているのである。
最終局面の際に地下から地上へと上がった時にギンが放った白雷の龍のエネルギーが白雷の月を落下させる決め手になったのだ。だからこのタイミングで落下し始めているのである。
「これは流石の僕でも死んじゃうね。でもキミも同じだよね」
「う~ん。死ぬつもりはなかったけど、流石にこれは死ぬよな」
「ははっ。キミも想定外だったんだね」
「まあ、そうなるな」
魔法を放ったギンですら想定外の規模にまで白雷の月が膨れ上がってしまっているのである。
この時、ロイの頭の中では三つの選択肢があり、白雷の月が落ちるに連れてその選択が迫っていた。
(逃げるか、殺し合いを続けるか、雷の月を壊すか…………)
選択が迫られている中、ロイは一番簡単にできる選択肢を選んだ。
(うん。一番簡単なのは逃げることだね)
その瞬間、ロイは走った。ギンが立っている位置とは真逆の位置。先ほどまで自分が背中を向けていた方へと勢いよく駆けていく。
そんなロイを逃さまいとギンは光の速さで追いかけた。そして逃げるロイに向かって白雷の斬撃を飛ばすが、ロイは簡単に避けてしまう。
そのまま逃げると思われたロイだったが、逃げるのをやめてギンと向き合った。そして呪いの剣を構えた。
「わかったよ。キミを殺してから逃げるとするよ」
そんなロイの言葉にギンは、言葉ではなく必殺技を出して応えようとする。
「月影流――」
「させないよ」
当然、殺し合いモードになったロイは、ギンの必殺技を止めるために呪いの触手を伸ばした。
「奥義――」
ギンは呪いの触手を避けようとはせず必殺技を出すことに一点集中し続けた。
その結果、呪いの触手はギンの胸を貫通。拳サイズの穴がギンの胸の中心に空いてしまった。
「――がはッ!!」
ギンは吐血しながらも必殺技の技名を唱えることをやめなかった。
「――白雷・黒月!!!」
ギンの白雷の剣から黒い雷の斬撃がロイに向かって真っ直ぐに飛んでいく。
ギンの胸を刺した呪いの触手を切り裂き、その呪いの触手を線にしてたどるようにロイに向かっていく。
「――くがッ!」
ロイは身に纏っている呪いで防御するも間に合わずにギンの斬撃を受けたのだった。
すぐさまロイの呪いが傷口を塞ぐ。それと同時にギンに向かって一本の呪いの触手が向かっていった。
「月影流奥義――」
連続で必殺技を繰り出そうとしているギン。またしても呪いの触手の攻撃から避けることをせずに必殺技を出すことに一点集中し続けた。
その結果、今度は左脚の太ももが抉れる。
しかし、先ほど同様に必殺技が止まることはなかった。
「――白雷・暁月!!!!」
雷を纏った暁色の斬撃が放たれ、左脚の太ももを狙った呪いの触手とともにロイを斬る。
「――ッ!!!! キ、キミは……」
「月影流奥義――」
「僕と――」
「――白雷・虧月!!!!」
ギンは糸のように細い一閃でロイを斬った。
「――がッ!!!」
身に纏っている呪いがギンの剣撃を防いだため、致命傷にはならなかったものの、斬られたロイは後方へと吹き飛んだ。
そして吹き飛んでいる時、ロイは心の中で思う。
(キミは僕と心中するつもりなんだね)
ギンは心中する覚悟で戦っているのだと。だから呪いの攻撃を躱さずに確実に攻撃を繰り出しているのだと。
(まいったな。このままいけば先に死ぬのはキミだけど、雷の月から逃げられずに僕も死んじゃうよね……)
仰向けて吹き飛んでいるロイは、黒瞳に映る夜空いっぱいの白雷の月を見ながら自らの死を悟るのであった。
それもそのはず。ギンは白雷の剣一本に対してロイは呪いの剣一本と呪いの触手八本。ロイの攻撃の手数の方がギンの攻撃の手数よりも九倍多いのである。
だからギンが守りに徹するのも無理はないことなのである。
「――くッ!」
「どうしたのかな? 守ってばかりじゃ僕を殺せないよ。それにこの研究所だって壊せないよ?」
現に最終局面が始まってから一度も研究所には被害が出ていない。
それはロイが研究所に攻撃が当たらないようにしながら戦っているからだ。
そして当然のことながら防戦一方のギンには研究所を巻き添えにする攻撃をロイに与えることはできていないのである。
(そんなことわかっるよ。でも実力差で攻撃が出せないんだから仕方ないだろ。心の声さん。セレネはまだ時間がかかりそうか?)
《はい。ですがあと一時間ほどで人間族の国にいる国民全員を国の外に出せるはずです》
(あと一時間か。それまで持ち堪えるしかないな)
ギンは何かを待っている。セレネが国民を国の外へと避難したそのあとに。何かを待っているのだ。
「――でも、それまでやられっぱなしは嫌だ!」
ギンはロイの呪いの剣を弾いた。直後、向かってくる呪いの触手を三本斬りロイから距離を取った。
そして――
「月影流奥義――」
唯一ロイに致命傷を与えた必殺の奥義を発動しようと構える。
しかし、その奥義が発動する前にロイの呪いの触手が妨害する。
「――くそッ! 厄介な呪いだ。月影流――」
「させないよ」
構えても構えても必ずロイの呪いの触手が妨害する。
ロイは自らの体に致命傷を与えたギンの奥義を警戒しているのだ。その警戒心が強ければ強いほどロイが放つ呪いに反映し、呪いのパワーもスピードも格段に上がっていくのである。
その結果、ギンは構えることすら許されなくなっていた。
「月――ッ! つ――ッ! 今度は避けるので精一杯で全然技が出せないんだが!」
文句を言いながら呪いの触手の攻撃を躱し続けるギン。技を出すことよりも躱すことに専念するしか選択肢がなくなっていた。
「防ぐのも躱すのも上手なのはわかったよ。でもいつまで続くかな? ははっ。楽しみだ」
ロイの言う通りいつまでも攻撃を防いだり躱し続けるのは不可能だ。その証拠にギンの体にはこの最終局面で受けた傷がすでに二桁に達している。
小さなダメージでも積み重なっていけば、戦況を大きく変えるダメージへとなりかねないのである。
(ちょっとでも治癒魔法させてくれよ。あっ、そうだ。心の声さん)
《はい。なんでしょうか?》
(心の声さんが俺に治癒魔法をかけたりとかできる?)
《大変申し訳ございません。マスターの頼みだとしてもそのようなことは私にはできません。体を乗っ取ったあとなら可能ですが、それだと戦況は全く変わりませんので》
(で、ですよね……。それじゃもう少し上手に防いでみるとするよ)
呪いの触手と呪いの剣による斬撃を躱したギンは右手の手のひらを地面に向かってかざした。
すると地面が一枚の壁のように盛り上がっていき、ギンを呪いの攻撃から守ったのだった。
その直後、砕け散る壁からギンと姿形が全く同じ人が五人飛び出してきた。これは光属性の魔法の応用で作られた分身。ホログラムのような存在だ。
「へぇ~。そんなこともできるんだ。まだ僕を楽しませてくれて嬉しいよ。でも分身が雑すぎるよ」
そう。ギンの分身はホログラムのように光が投影されているようになっているだけであって、すぐに偽物だとわかるほど雑な作りをしているのだ。
しかし、そんな雑な分身を出したことは無意味なことではない。一瞬でもロイの気を引くこと。それがギンの狙いなのだから。
「――眩しいッ!」
光属性の魔法で作られたギンの分身――ホログラムは激しい光を放った。
この世界が真っ白に染まったのかと錯覚するほどの光。否、錯覚ではない。実際にこの場がこの瞬間だけ光の真っ白な世界に染まったのだ。
「月影流奥義――」
「――しまった」
「白雷・居待月」
それはギンの奥義によるもの。
真っ白な世界の中、白雷の斬撃が姿を消してロイに襲いかかる。
「――ぐはッ!」
ロイは白雷の斬撃を一撃受けたあと、腕を交差させて防御に徹した体勢となった。呪いはロイの体を包み込み白雷の斬撃から身を守る。その姿はまるで巨大なドス黒い球体の要塞だ。
白雷の斬撃はあと少しでロイの体に届きそうになるが、呪いの再生能力が凄まじく、斬っても斬ってもロイの体に傷をつけることができなかった。
そして無限に思われた白雷の斬撃にも終わりの時がやってくる。
真っ白だった世界が徐々に元の世界の色を取り戻しつつあるのだ。
そして姿を消していた白雷の斬撃が可視できるようになると同時に元の世界へと戻るのであった。
「本当に厄介な呪いだな……」
「はははっ。でも最初の一撃はちゃんと当たったよ。ほらっ。血が流れてる。キミと同じ赤い血がね」
「一緒にするなよ。気持ち悪い」
「気持ち悪いだなんて酷いなぁ。そろそろキミがね、僕のことを化け物か何かに思ってると思ったからさ、同じ人間族ってことを教えたかっただけだよ」
「それなら化け物のほうが良かったわ。ここまで気持ち悪い人間族は初めて出会ったからな」
「僕が初めてか~。なんか嬉しいなぁ。あっ、もちろん褒め言葉じゃないってわかってるよ。だから僕も言わせて。キミみたいな人間族は初めて出会ったよ」
「そりゃどうも」
「ははっ!」
軽く言葉を交わした後、二人は再び攻防戦を始めた。否、ギンが一方的に攻撃を防ぎ躱すだけの守りに徹した攻防戦だ。
「キミの必殺技の月の影も防いでしまったらただの剣撃だよ。だからもう怖くない。さっきので自信がついたまでもある」
「本当にお前は最高に嫌な人間族だよ」
「でも躊躇うことなく戦えるでしょ? 全力を尽くせるでしょ? この僕に!」
「それは間違ってないな」
全力を尽くしても防戦一方なのだから、もどかしい気持ちは多少なりともギンの心にはあるだろう。
そんな気持ちを抱えながら戦うこと数分。ギンの脳内で女性の声が待ちに待った知らせを告げる。
《マスター。セレネ様が王族を含めて国民全員を国の外へ出すことに成功しました。セレネ様も今は国の外にいます。なので、現在この国人間族の国には、マスターと個体名ロイの二名しかいません》
(おお! でかしたぞセレネ! なんて優秀でもふもふで可愛いくてふわふわな幻獣なんだ! セレネならやってくれると信じてたよ。早く撫でてあげたい。もふもふに埋もれてあげたい)
《もふもふに埋もれたいのはマスターの願望ですね。それよりマスター。戦闘中なのに喜びが顔に出てしまってます》
(えっ、嘘!? 俺にやにやしてる? この命懸けの場面で?)
《はい。思いっきりにやにやとにやけてました》
(恥ずっ! でも、にやけずにはいられないのもまた事実だよな。よしっ! それじゃこの戦いも終わらせよう!)
《はい。健闘を祈ります》
(おう!)
嬉しさのあまりニヤケが止まらなくなってしまったギンは、右手を天井――地上に向けてかざした。そして唱える。
「白雷の魔法」
その瞬間、白雷の龍が出現し地上に向かって天井を突き破っていく。
それと同時にギンの右脇腹は、ロイの呪いの触手による攻撃を受けた。右手を天に向かってかざして魔法を詠唱したことによって、隙が生じてしまったのである。
ギンは抉れるほどの激痛と火傷したかのような激痛に耐えながら、白雷の龍を追いかけるように地上に向かって飛んだ。
(いてぇ……。さすがに防御する意識が完全にゼロの時に攻撃を受けると痛いわ。これちゃんと脇腹残ってるよね? 怖くて見れないし、触って確認すんのも嫌なんだけど)
《ちゃんとマスターの脇腹は残ってますよ。私が白雷の魔法を操作して守りましたから》
(それでもこの痛みだもんな。心の声さんがいなかったらって考えたらゾッとしてきた……。守ってくれてありがとう)
《いいえ。当然のことをしたまでです》
そんな会話をしていると、ギンはあっという間に地上に出たのだった。
当然のことながらギンの後を追うロイも一緒に地上へと出ることになる。
「今度は地上かい? 結局のところ研究所も壊し切れなかったね。これならまた魔人の研究もすぐに始められると思うよ」
ロイは天に向かって昇っていく白雷の龍を見届けながら言った。
無限に魔力があったとしても、地上に出るためだけに使った魔法に対して贅沢な使い方をしているなと思っているのだ。
白雷の龍が天に昇るのを見届けると、今度は視界に白髪の青年ギンの姿を映す。右脇腹から大量に出血しているギンの姿だ。
「隙を作ってまでも地上に出た理由はなにかな? 地下が僕の墓場とか言ってたような気がしたけど……。ああ、わかったよ。キミの相棒がキミの無茶な要望に応えたのを僕に見せたかったんだね? ははっ。この国の国民全員の気配が本当に国の外にあるよ。本当にすごいね。キミの相棒は」
ロイは地上の大地を踏んだ時点で気付いていたのだ。セレネが国民全員を国の外へ避難させたことに。
「キミの相棒がすごいってのはわかったよ。それじゃあ戦いを再開しようと。地下に戻る? それともこのまま地上で戦う? 国民がいないから地上でも気にせずに暴れられるもんね。あっ、キミが死んだら僕がちゃーんと地下に埋めてキミの墓場にしてあげるよ。だから安心して死んでいいよ」
「……だからここは俺の墓場じゃなくてお前の墓場だって言ってるだろ」
「ははっ。口だけじゃなんとでも言えるからね。でもその傷じゃもうさっきみたいに戦えないでしょ。楽しかったけど……壊れたおもちゃに僕は興味がないんだよね。すぐに楽にしてあげる」
「やってみろよ」
「うん。いいよ」
ロイが一歩前に踏み出そうとした瞬間、重低音の地響きが激しく地面を揺らした。
「……な、なんだ!?」
ロイは足元を一度見た後、不意に天を見上げた。
重低音の地響きは地面から起きているのに天を見上げるのはおかしなことだと普通は思うだろう。実際、天を見上げるまでロイ自身もそう思っていた。
しかし、この地響きの原因となるものが、地面とは真逆の位置に存在する天にあったのだ。
「……つ、き?」
「予定通り!」
ギンとロイの頭上――雲よりも高い位置に満月のように丸く大きな白い球体が稲妻を纏い落下してきているのである。
その白い球体――白雷の月から発せられるエネルギーが地響きをもたらした。つまり震源が天空にあったということになるのだ。
この白雷の月が本物の月なのではないかと一瞬でも思ってしまったロイは、すぐに本物の月ではないことを理解する。そしてこの白雷の月が一体何なのか考察を始めた。
(これは月なんかじゃない。魔法で作られた月の形をした雷だ。こんなものを落としたら国が滅んでしまうじゃないか。そうか。だから国民を国の外に逃したのか。罪のない命を奪わないために)
ロイの中で点と点が繋がった。
国を滅ぼす規模の魔法なら当然、その国に住む国民の命も奪わなければいけなくなる。人的被害は最大だ。そして人間族を絶滅させ国を滅ぼした史上最悪な人間族としてギンの名前が未来永劫、語り継がれるかもしれない。
しかし、国民を全員逃し人的被害をゼロにしてしまえば、それはただの自然災害で留まり、歴史の一ページに刻まれるだけ。
国民は生きている。その国民全員で協力すれば滅んだ人間族の国を復興することは可能だ。何年、何十年、何百年かけてでも必ず復興させるのが、欲深い人間族なのだと、信念を持って行動する人間族なのだと、人間嫌いの人間族の青年は知っているのだ。
だからこそ狂った国を一度リセットする必要がある。もっと良い国を、もっと獣人に優しい国を作るために。
(でもいつこんな膨大なエネルギーの魔法をキミはいつ放ったんだ?)
ギンはずっとロイと戦っていた。ここまで膨大なエネルギーの魔法を放っていたのならロイが気付かない訳がないのだ。
しかし、現に魔法を放ったことに気付いていないのだから疑問に思ってしまうのは当然のことなのである。
そんなロイの疑問の答えは、ロイが疑問に思った直後にそれを見透かしているかのようにギンが口を開いた。
「いつ魔法を放ったのか気になってるみたいだな。覚えてないの? 小さな白い球を」
「まさか……あの魔法の球が……」
ギンとロイが最終局面を迎える前、地上で戦っていたときに一度だけギンがロイに向かって放った小さな白雷の球体。それを躱したロイに向かってさらに追撃を仕掛けるかのように直角に曲がったあの小さな白雷の球体。それでも躱されて天に向かい不発に終わってしまったあの小さな白雷の球体。
それこそが雲よりも高い位置からゆっくりと落下している満月のように丸く大きな白雷の月だ。
ギンは小さな白雷の球体をあえて不発のように見せかけて、自然に天へと送っていたのである。
その小さな白雷の球体がエネルギーを蓄え続けてどんどんと膨れ上がり、その蓄えたエネルギーの重さに耐えられずに地上に向かって落ちてきているのである。
最終局面の際に地下から地上へと上がった時にギンが放った白雷の龍のエネルギーが白雷の月を落下させる決め手になったのだ。だからこのタイミングで落下し始めているのである。
「これは流石の僕でも死んじゃうね。でもキミも同じだよね」
「う~ん。死ぬつもりはなかったけど、流石にこれは死ぬよな」
「ははっ。キミも想定外だったんだね」
「まあ、そうなるな」
魔法を放ったギンですら想定外の規模にまで白雷の月が膨れ上がってしまっているのである。
この時、ロイの頭の中では三つの選択肢があり、白雷の月が落ちるに連れてその選択が迫っていた。
(逃げるか、殺し合いを続けるか、雷の月を壊すか…………)
選択が迫られている中、ロイは一番簡単にできる選択肢を選んだ。
(うん。一番簡単なのは逃げることだね)
その瞬間、ロイは走った。ギンが立っている位置とは真逆の位置。先ほどまで自分が背中を向けていた方へと勢いよく駆けていく。
そんなロイを逃さまいとギンは光の速さで追いかけた。そして逃げるロイに向かって白雷の斬撃を飛ばすが、ロイは簡単に避けてしまう。
そのまま逃げると思われたロイだったが、逃げるのをやめてギンと向き合った。そして呪いの剣を構えた。
「わかったよ。キミを殺してから逃げるとするよ」
そんなロイの言葉にギンは、言葉ではなく必殺技を出して応えようとする。
「月影流――」
「させないよ」
当然、殺し合いモードになったロイは、ギンの必殺技を止めるために呪いの触手を伸ばした。
「奥義――」
ギンは呪いの触手を避けようとはせず必殺技を出すことに一点集中し続けた。
その結果、呪いの触手はギンの胸を貫通。拳サイズの穴がギンの胸の中心に空いてしまった。
「――がはッ!!」
ギンは吐血しながらも必殺技の技名を唱えることをやめなかった。
「――白雷・黒月!!!」
ギンの白雷の剣から黒い雷の斬撃がロイに向かって真っ直ぐに飛んでいく。
ギンの胸を刺した呪いの触手を切り裂き、その呪いの触手を線にしてたどるようにロイに向かっていく。
「――くがッ!」
ロイは身に纏っている呪いで防御するも間に合わずにギンの斬撃を受けたのだった。
すぐさまロイの呪いが傷口を塞ぐ。それと同時にギンに向かって一本の呪いの触手が向かっていった。
「月影流奥義――」
連続で必殺技を繰り出そうとしているギン。またしても呪いの触手の攻撃から避けることをせずに必殺技を出すことに一点集中し続けた。
その結果、今度は左脚の太ももが抉れる。
しかし、先ほど同様に必殺技が止まることはなかった。
「――白雷・暁月!!!!」
雷を纏った暁色の斬撃が放たれ、左脚の太ももを狙った呪いの触手とともにロイを斬る。
「――ッ!!!! キ、キミは……」
「月影流奥義――」
「僕と――」
「――白雷・虧月!!!!」
ギンは糸のように細い一閃でロイを斬った。
「――がッ!!!」
身に纏っている呪いがギンの剣撃を防いだため、致命傷にはならなかったものの、斬られたロイは後方へと吹き飛んだ。
そして吹き飛んでいる時、ロイは心の中で思う。
(キミは僕と心中するつもりなんだね)
ギンは心中する覚悟で戦っているのだと。だから呪いの攻撃を躱さずに確実に攻撃を繰り出しているのだと。
(まいったな。このままいけば先に死ぬのはキミだけど、雷の月から逃げられずに僕も死んじゃうよね……)
仰向けて吹き飛んでいるロイは、黒瞳に映る夜空いっぱいの白雷の月を見ながら自らの死を悟るのであった。
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