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第4章:恋愛『兎人ちゃんと湖で遊んでみた編』
223 ヌルヌルヌメヌメローション
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砂利の上での楽しい昼食を終えたマサキたちは、本来の目的――水遊びを始めようとしていた。
そんな時、白ビキニの美少女ネージュがボソッと口を開いた。
「日焼けが少し気になります。大丈夫ですかね」
雪のように白い肌が日焼けしないかを気にするネージュ。
ネージュたちがいる場所は兎人族の国と鹿人族の国を繋ぐ大橋のすぐ下で、日陰になっている。とはいえ日焼けをしないわけでは無い。
外出することが少ないネージュだ。さらにビキニ姿。雪のように白い肌は痛みと伴う日焼けをすること間違い無いのである。
「クーも少し遊んだだけで茶色くなったぞー」
「本当ですね。痛くありませんか?」
「少しだけヒリヒリするぞー」
クレールもネージュと同じく陽の光を浴びることはほとんどない。
マサキたちの元へ来る前は、国中を転々と彷徨っていたが、その際『透明スキル』を必ず発動していた。
ネージュほどではないがクレールの肌も白い。おそらく『透明スキル』は紫外線の影響を受けないのであろう。
だからビキニ姿で少し遊んだだけで日焼けが始まってしまったのである。そして滅多に日焼けをしない肌だからヒリヒリと傷み始めたのだ。
「俺も少し焼けてきた気がする……」
インドア派、ヒキニート生活、そして人間不信で友達と遊ぶ機会がない、否、友達がいなかったマサキだ。男なのにと言いたくなるほどマサキの肌は『もやし』のように白いのである。
だからマサキも肌が焼けるのが早い。たとえ日陰にいたとしても外は外。焼けてしまうのである。
「マサキさんはもう少しだけ焼いてもいいんじゃありませんか?」
「痛くなりそうだから勘弁」
そんな中、マサキたちの日焼けトークを聞いていたオレンジ色のビキニ姿のダールが、全く日焼けなどを気にしていない様子で口を開いた。
「たしかに兄さんは少し白いッスよね。姉さんの言う通りもう少しだけ焼いてもいいんじゃないッスか?」
「そー言うダールはどうなんだよ。最初に着替えたんだから俺たちよりも肌焼けてるだろ。それにずっと倒れてて背中とか痛くないのか?」
「全然平気ッスよ。兄さんたちと違ってアタシたちは、太陽には慣れてるッスからね」
「う、羨ましい……」
ダールたち三姉妹の父親は、約三年前に魔獣に殺され他界している。その日から数ヶ月ほどで荒れた土地にテントを張って住み始めたのだ。
そのテントは日に日にボロボロになっていき、太陽の日差しが差し込むほどの穴が無数に開くほどになっていたのである。
その結果、ジェラ三姉妹は毎日のように陽の光を浴びて肌は慣れてしまっているのである。
「ねーねー、マスターマスター」
つんつんと、マサキの頬を小さな指で突くのは、貝殻の水着を着ているビエルネスだ。
その突きと得意気な顔がマサキをイラつかせる。
「どうしたんだ? お前も日焼けトークでもあんのか?」
「そうじゃありませんよ~。私と言う存在がどのような存在か忘れてませんか~?」
「変態だろ?」
「ハァハァ……マスターになら何と言われても嬉しい。あぁ、何でしょうか。この気持ちは~。ハァハァ……」
嬉しさのあまりビエルネスはマサキの顔面に飛び付いた。
マサキは顔にビエルネスが着ている貝殻の水着の硬さをモロに受けて、さらに苛立ちが増していった。
そのままマサキはビエルネスを摘み、顔から遠ざける。
「はいはい。わかったから。あと貝殻ガリガリしないでくれ」
「はっ、私としたことが、申し訳ありません。今すぐに脱ぎますね」
ビエルネスは解釈の違いで貝殻の水着を脱いで全裸になろうとしていた。
「脱がんでいい。脱がんでいい。そういえば水遊びする約束してたよな。遊んでやるから少し落ち着いてくれ」
「私と一刻も早く水遊びがしたいだなんて。マスターも私のこと好きすぎではありませんか?」
「お前の耳どうなってんだよ……」
「でもマスター。水遊びをする前に少しだけお時間いいですか?」
「変なことするんじゃないだろうな」
「ご安心ください」
ビエルネスは先程の得意気な表情に戻っていた。つまり初っ端から脱線したいた話に戻ったのである。
「デール様、ドール様。遊んでいるところ申し訳ありません。ルナ様を連れてこっちに来てもらってもよろしいですか?」
「はーい!」
「はーい!」
ビエルネスは、先に浅瀬で水遊びを再開していた双子の姉妹たちを呼び戻した。
そしてビエルネスは、自分を中心に円になるように指示をする。その指示に従いマサキたちはビエルネスを囲った。
「ビエルネスちゃん、何するんですかね?」
「全員集めたんだから真面目なことするとは思うけど……不安だ……」
マサキとネージュは、これから起こることが予測できず、不安と恐怖に駆られていた。
その結果、離れていたお互いの手は自然と伸びていく。まるで引き寄せられる磁石のように。
そのままマサキとネージュは自然と恋人繋ぎをする。そうすることによって不安と恐怖が少しでも和らぐのだ。
しかし、マサキとネージュが感じている不安と恐怖は目の前にある。少し和らいだだけだは何も変わらない。むしろ和らいだ不安と恐怖はすぐに戻ってしまった。一時凌ぎにすらならなかったのである。
「それではいきますよ~!」
ビエルネスは何も言わずにマサキたちに向かって手のひらをかざした。
その後、ビエルネスは回転する。手のひらをかざしたまま、くるくると、くるくると、回転。
目が回らないのか心配になる程、回転するビエルネスだったが、そんな心配も吹き飛ぶ出来事が起きる。
それは、ビエルネスのかざした手のひらから大量の水が放出されたのだ。
「きゃっ」
「うぉ、お、おい!」
それも一瞬で全身を濡らすほどの水。回転してながら水をかけているせいで、マサキたちは何度も何度も一定間隔で水を浴び続けた。
「な、なんだこれ?」
浴びた水が、ただの水ではないことに五発目を浴びてからマサキたちは気が付いた。
それと同時にビエルネスの回転も止む。
「す、すごいヌルヌルしますよ……」
「スライムみたいだぞ……」
「なかなか取れないッス」
ビエルネスの放った水はローションのようにヌメヌメとしている。
大量に浴びたせいか、なかなか体から落ちてくれずヌメヌメヌルヌルの不快感だけが残る。
(エ、エロイ……)
マサキだけは全身に付く不快感よりもヌルヌルヌメヌメのローションまみれの兎人ちゃんたちをみて興奮していた。
顔に、肩に、腕に、さらには谷間に、ビキニ姿が余計に興奮をそそるのである。
「どうですか、皆様!」
「最高だぜ、ビエルネス! ありがとう!」
マサキは、心の声が漏れたどころか、片目を瞑りサムズアップして感謝の言葉をビエルネスに告げた。
そんなマサキの言葉に不快感と戦うネージュが反応する。
「最高って、このヌルヌルが何なのかマサキさんは分かったんですか?」
「わからん。でも最高……っていや待て、ルナちゃんがヌメヌメになっちゃってんじゃんかよー!」
最高だと堂々と言い切った後、ヌメヌメになった愛兎を見て天国から地獄へと評価が変わる。
「大丈夫かよこれ」
「ンッンッ」
「ルナちゃん平気か?」
「ンッンッ」
慌てているマサキの横で、兎人ちゃんたちも、全身に付いて離れないヌメヌメをひどく嫌がっている。
「クーはこのヌメヌメ気持ち悪いぞー。いろんなところにくっついて取れないぞ……」
「私もマフマフに入り込んでしまって……変な感じです。ビエルネスちゃん。これは一体なんなんですか?」
ネージュは、ヌルヌルヌメヌメローションをかけた張本人に問い詰める。
ビエルネスは、良い事をした後のスッキリとした表情を浮かべながらネージュの問いかけに答える。
「これはですね、妖精族の魔法の応用で、日焼け止めのローションです! 時間が経てば肌に浸透してヌメヌメの不快感もなくなりますので安心してください。それに擦っても洗っても日焼け止めの効果ぎ落ちることはありません。これで心置きなく水遊びができますよー!」
ビエルネスが放った水は日焼け止めローションだった。
「日焼け止めのローションですか」
「ば、万能すぎる」
「す、すごいぞ」
「すごいッス!」
「すごーい!」
「すごーい!」
「ンッンッ!」
万能すぎる妖精族の魔法に驚くマサキたち。そして驚いている間も日焼け止めローションは肌に浸透していく。
ルナに至っては、チョコレートカラーのもふもふの体毛が艶々サラサラになり始めていた。
デールとドールの二人は幼いからか、誰よりも肌への浸透が早く、すでにヌメヌメの不快感は消えていた。
そもそも双子の姉妹は、ヌメヌメヌルヌルのローションを楽しんでいたので不快感などとは一切思ってはいなかった。
そんな中、うんうんと頷きながら魔法の成功に満足しているビエルネスは、パタパタと半透明の羽を羽ばたかせてマサキの方へと向かった。
そしてマサキの肩に止まると耳打ちを始める。
「すぐに乾いてしまうので、目に焼き付けるなら今ですよ」
「言われなくても焼き付けてる」
マサキはヌメヌメヌルヌル状態の兎人ちゃんたちを真っ直ぐな瞳に映していた。
そんなマサキの頬をビエルネスが掴んだ。そして、こっちを向けと、言わんばかりの力で勢いよくマサキの顔を自分のところへ振り向かせた。
「どこ見てるんですか。ちゃんと目に焼き付けてください」
「いや、待て、お前のはもうすでに焼き付けた。だからあっちの天国を見させてくれ」
「好きなポーズはありますか?」
「話を聞け。というか離してくれ」
そこからビエルネスは一度もマサキの頬を離さなかった。
残念ながらマサキはローションまみれの兎人ちゃんたちを目に焼き付けることができなかった。
それどころかマサキは生き地獄を味わうこととなる。
「おねーちゃんのマフマフすごいヌルヌルだぞ」
「そうなんですよ。いっぱいかかっちゃったみたいで」
「ダールは背中がヌルヌルだぞ」
「ビックリして避けちゃったんで、背中とお尻がヌルヌルするッスよー」
気になる兎人ちゃんたちの会話。これが生き地獄の原因だ。
マサキは、それを見ることが出来ずに聞くだけという生き地獄を日焼け止めローションが乾くまで味わうのだった。
そんな時、白ビキニの美少女ネージュがボソッと口を開いた。
「日焼けが少し気になります。大丈夫ですかね」
雪のように白い肌が日焼けしないかを気にするネージュ。
ネージュたちがいる場所は兎人族の国と鹿人族の国を繋ぐ大橋のすぐ下で、日陰になっている。とはいえ日焼けをしないわけでは無い。
外出することが少ないネージュだ。さらにビキニ姿。雪のように白い肌は痛みと伴う日焼けをすること間違い無いのである。
「クーも少し遊んだだけで茶色くなったぞー」
「本当ですね。痛くありませんか?」
「少しだけヒリヒリするぞー」
クレールもネージュと同じく陽の光を浴びることはほとんどない。
マサキたちの元へ来る前は、国中を転々と彷徨っていたが、その際『透明スキル』を必ず発動していた。
ネージュほどではないがクレールの肌も白い。おそらく『透明スキル』は紫外線の影響を受けないのであろう。
だからビキニ姿で少し遊んだだけで日焼けが始まってしまったのである。そして滅多に日焼けをしない肌だからヒリヒリと傷み始めたのだ。
「俺も少し焼けてきた気がする……」
インドア派、ヒキニート生活、そして人間不信で友達と遊ぶ機会がない、否、友達がいなかったマサキだ。男なのにと言いたくなるほどマサキの肌は『もやし』のように白いのである。
だからマサキも肌が焼けるのが早い。たとえ日陰にいたとしても外は外。焼けてしまうのである。
「マサキさんはもう少しだけ焼いてもいいんじゃありませんか?」
「痛くなりそうだから勘弁」
そんな中、マサキたちの日焼けトークを聞いていたオレンジ色のビキニ姿のダールが、全く日焼けなどを気にしていない様子で口を開いた。
「たしかに兄さんは少し白いッスよね。姉さんの言う通りもう少しだけ焼いてもいいんじゃないッスか?」
「そー言うダールはどうなんだよ。最初に着替えたんだから俺たちよりも肌焼けてるだろ。それにずっと倒れてて背中とか痛くないのか?」
「全然平気ッスよ。兄さんたちと違ってアタシたちは、太陽には慣れてるッスからね」
「う、羨ましい……」
ダールたち三姉妹の父親は、約三年前に魔獣に殺され他界している。その日から数ヶ月ほどで荒れた土地にテントを張って住み始めたのだ。
そのテントは日に日にボロボロになっていき、太陽の日差しが差し込むほどの穴が無数に開くほどになっていたのである。
その結果、ジェラ三姉妹は毎日のように陽の光を浴びて肌は慣れてしまっているのである。
「ねーねー、マスターマスター」
つんつんと、マサキの頬を小さな指で突くのは、貝殻の水着を着ているビエルネスだ。
その突きと得意気な顔がマサキをイラつかせる。
「どうしたんだ? お前も日焼けトークでもあんのか?」
「そうじゃありませんよ~。私と言う存在がどのような存在か忘れてませんか~?」
「変態だろ?」
「ハァハァ……マスターになら何と言われても嬉しい。あぁ、何でしょうか。この気持ちは~。ハァハァ……」
嬉しさのあまりビエルネスはマサキの顔面に飛び付いた。
マサキは顔にビエルネスが着ている貝殻の水着の硬さをモロに受けて、さらに苛立ちが増していった。
そのままマサキはビエルネスを摘み、顔から遠ざける。
「はいはい。わかったから。あと貝殻ガリガリしないでくれ」
「はっ、私としたことが、申し訳ありません。今すぐに脱ぎますね」
ビエルネスは解釈の違いで貝殻の水着を脱いで全裸になろうとしていた。
「脱がんでいい。脱がんでいい。そういえば水遊びする約束してたよな。遊んでやるから少し落ち着いてくれ」
「私と一刻も早く水遊びがしたいだなんて。マスターも私のこと好きすぎではありませんか?」
「お前の耳どうなってんだよ……」
「でもマスター。水遊びをする前に少しだけお時間いいですか?」
「変なことするんじゃないだろうな」
「ご安心ください」
ビエルネスは先程の得意気な表情に戻っていた。つまり初っ端から脱線したいた話に戻ったのである。
「デール様、ドール様。遊んでいるところ申し訳ありません。ルナ様を連れてこっちに来てもらってもよろしいですか?」
「はーい!」
「はーい!」
ビエルネスは、先に浅瀬で水遊びを再開していた双子の姉妹たちを呼び戻した。
そしてビエルネスは、自分を中心に円になるように指示をする。その指示に従いマサキたちはビエルネスを囲った。
「ビエルネスちゃん、何するんですかね?」
「全員集めたんだから真面目なことするとは思うけど……不安だ……」
マサキとネージュは、これから起こることが予測できず、不安と恐怖に駆られていた。
その結果、離れていたお互いの手は自然と伸びていく。まるで引き寄せられる磁石のように。
そのままマサキとネージュは自然と恋人繋ぎをする。そうすることによって不安と恐怖が少しでも和らぐのだ。
しかし、マサキとネージュが感じている不安と恐怖は目の前にある。少し和らいだだけだは何も変わらない。むしろ和らいだ不安と恐怖はすぐに戻ってしまった。一時凌ぎにすらならなかったのである。
「それではいきますよ~!」
ビエルネスは何も言わずにマサキたちに向かって手のひらをかざした。
その後、ビエルネスは回転する。手のひらをかざしたまま、くるくると、くるくると、回転。
目が回らないのか心配になる程、回転するビエルネスだったが、そんな心配も吹き飛ぶ出来事が起きる。
それは、ビエルネスのかざした手のひらから大量の水が放出されたのだ。
「きゃっ」
「うぉ、お、おい!」
それも一瞬で全身を濡らすほどの水。回転してながら水をかけているせいで、マサキたちは何度も何度も一定間隔で水を浴び続けた。
「な、なんだこれ?」
浴びた水が、ただの水ではないことに五発目を浴びてからマサキたちは気が付いた。
それと同時にビエルネスの回転も止む。
「す、すごいヌルヌルしますよ……」
「スライムみたいだぞ……」
「なかなか取れないッス」
ビエルネスの放った水はローションのようにヌメヌメとしている。
大量に浴びたせいか、なかなか体から落ちてくれずヌメヌメヌルヌルの不快感だけが残る。
(エ、エロイ……)
マサキだけは全身に付く不快感よりもヌルヌルヌメヌメのローションまみれの兎人ちゃんたちをみて興奮していた。
顔に、肩に、腕に、さらには谷間に、ビキニ姿が余計に興奮をそそるのである。
「どうですか、皆様!」
「最高だぜ、ビエルネス! ありがとう!」
マサキは、心の声が漏れたどころか、片目を瞑りサムズアップして感謝の言葉をビエルネスに告げた。
そんなマサキの言葉に不快感と戦うネージュが反応する。
「最高って、このヌルヌルが何なのかマサキさんは分かったんですか?」
「わからん。でも最高……っていや待て、ルナちゃんがヌメヌメになっちゃってんじゃんかよー!」
最高だと堂々と言い切った後、ヌメヌメになった愛兎を見て天国から地獄へと評価が変わる。
「大丈夫かよこれ」
「ンッンッ」
「ルナちゃん平気か?」
「ンッンッ」
慌てているマサキの横で、兎人ちゃんたちも、全身に付いて離れないヌメヌメをひどく嫌がっている。
「クーはこのヌメヌメ気持ち悪いぞー。いろんなところにくっついて取れないぞ……」
「私もマフマフに入り込んでしまって……変な感じです。ビエルネスちゃん。これは一体なんなんですか?」
ネージュは、ヌルヌルヌメヌメローションをかけた張本人に問い詰める。
ビエルネスは、良い事をした後のスッキリとした表情を浮かべながらネージュの問いかけに答える。
「これはですね、妖精族の魔法の応用で、日焼け止めのローションです! 時間が経てば肌に浸透してヌメヌメの不快感もなくなりますので安心してください。それに擦っても洗っても日焼け止めの効果ぎ落ちることはありません。これで心置きなく水遊びができますよー!」
ビエルネスが放った水は日焼け止めローションだった。
「日焼け止めのローションですか」
「ば、万能すぎる」
「す、すごいぞ」
「すごいッス!」
「すごーい!」
「すごーい!」
「ンッンッ!」
万能すぎる妖精族の魔法に驚くマサキたち。そして驚いている間も日焼け止めローションは肌に浸透していく。
ルナに至っては、チョコレートカラーのもふもふの体毛が艶々サラサラになり始めていた。
デールとドールの二人は幼いからか、誰よりも肌への浸透が早く、すでにヌメヌメの不快感は消えていた。
そもそも双子の姉妹は、ヌメヌメヌルヌルのローションを楽しんでいたので不快感などとは一切思ってはいなかった。
そんな中、うんうんと頷きながら魔法の成功に満足しているビエルネスは、パタパタと半透明の羽を羽ばたかせてマサキの方へと向かった。
そしてマサキの肩に止まると耳打ちを始める。
「すぐに乾いてしまうので、目に焼き付けるなら今ですよ」
「言われなくても焼き付けてる」
マサキはヌメヌメヌルヌル状態の兎人ちゃんたちを真っ直ぐな瞳に映していた。
そんなマサキの頬をビエルネスが掴んだ。そして、こっちを向けと、言わんばかりの力で勢いよくマサキの顔を自分のところへ振り向かせた。
「どこ見てるんですか。ちゃんと目に焼き付けてください」
「いや、待て、お前のはもうすでに焼き付けた。だからあっちの天国を見させてくれ」
「好きなポーズはありますか?」
「話を聞け。というか離してくれ」
そこからビエルネスは一度もマサキの頬を離さなかった。
残念ながらマサキはローションまみれの兎人ちゃんたちを目に焼き付けることができなかった。
それどころかマサキは生き地獄を味わうこととなる。
「おねーちゃんのマフマフすごいヌルヌルだぞ」
「そうなんですよ。いっぱいかかっちゃったみたいで」
「ダールは背中がヌルヌルだぞ」
「ビックリして避けちゃったんで、背中とお尻がヌルヌルするッスよー」
気になる兎人ちゃんたちの会話。これが生き地獄の原因だ。
マサキは、それを見ることが出来ずに聞くだけという生き地獄を日焼け止めローションが乾くまで味わうのだった。
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