233 / 417
第4章:恋愛『授業参観編』
203 授業参観日の朝
しおりを挟む
――翌朝のこと。
肉体的にも精神的にも疲労が蓄積していたマサキとネージュの二人は、いつの間にか寝てしまい朝になっていた。そして今も意識は夢の中にある。
そんな二人は心地良い温もりに包まれている。
それはビエルネスの妖精族の魔法だ。
ビエルネスの手のひらからは、深緑、薄緑、深黄色、薄黄色、さらには黒色に近い緑色の魔法の粉が光となり、マサキとネージュの二人を包み込んでいるのである。
この魔法は、抗不安剤のような精神を安定させる作用があるビエルネスお得意の魔法だ。
その魔法があまりにも心地良くて、マサキとネージュの二人は夢と現実の狭間を彷徨っていた。
睡眠時間的にも体力的にも、もう起きてもいい頃。ルーティンを考えても起きる時間帯だ。けれど、温かい。心地良い。まだ寝ていたいと、脳が起きるのを拒んでいる。
しかし、その拒否反応もすぐに止まる。
なぜならビエルネスの抗不安剤のような精神を安定させる魔法が終わってしまったからだ。
心地良さは徐々に消えていき、温もりも冷めていく。そうなると必然的に目を覚ますものだ。
「んっ……ん……」
寝ぼけた顔のマサキの第一声は、愛兎のルナが声を漏らしている時のものと似ていた。
飼い主とペットは似てくるという言葉があるが、まさにそれである。
マサキの横で密着しながら眠っていたネージュも、マサキが起きるのとほぼ同時で意識が覚醒した。
青く澄んだ大きな瞳をパチパチと、何度も瞬きを繰り返して、部屋の明かりを慣れさせている。
白銀色の垂れたウサ耳は垂れたままで、ネージュは起き上がった。
「……おはようございます」
今にも眠りにつきそうなマサキ、先に起きていたクレール、半透明の羽を羽ばたかせてぷかぷかと浮かんでいるビエルネス、マサキの枕元で鼻をひくひくとさせて箱座りをしているルナ、そして合鍵を使い部屋の中に入り朝食の準備をしていたジェラ三姉妹に向けて言った挨拶である。
その銀鈴の挨拶に各々答える。
「んー、ジュ……お……はよ、う……」
「おにーちゃん、おねーちゃん、おはようだぞー」
「マスターもネージュ様やっと起きましたね。おはようございます」
「ンッンッ」
「おはよー」
「おはよー」
「おはようございますッス!」
全員の挨拶が垂れたウサ耳に届いたネージュは、ここで完全に意識が覚醒する。その途端、慌て始めた。
「た、大変です! 朝食を用意しないと……デールとドールが遅刻しちゃいます!」
朝食の準備はいつもマサキとネージュとクレールの三人が行っている。その朝食の準備が整う頃にジェラ三姉妹が部屋にやってくる。それがいつもの日常だ。
しかし、意識が覚醒したばかりのネージュの青く澄んだ瞳には、ダール、デール、ドールのジェラ三姉妹がいる。つまりネージュとマサキは寝坊してしまったのである。それを理解したからこそネージュは慌て始めたのだ。
「それに今日は、授業参観があるじゃないですか。私としたことが……今すぐ朝食の準備をしますね」
「その必要はないぞー」
と、薄桃色の垂れたウサ耳が顔の右半分を隠してしまっている兎人族の美少女クレールが、満面の笑みをネージュに向けた。
その笑顔の後ろには、クレールたちが用意したであろう朝食が、ウッドテーブルの上にずらりと並んでいた。
ずらりと言っても貧乏生活真っ只中のネージュたちにとってのずらりだ。一般家庭からしたら少ないとも思えるほどの量しかない。
「これみんなで作ったんですか?」
「うん。そうだぞー。二人は疲れてるだろうと思って作ったんだぞー!」
授業参観に向けての特訓で肉体的疲労、精神的疲労が蓄積してしまったが、長時間睡眠を取ったおかげですっかり回復している。その長時間睡眠を成し遂げられたのは、クレールたちのおかげだ。
無人販売所イースターパーティーの閉店作業から朝食作りまで、マサキとネージュが休んでいる分をカバーしてくれたのである。その結果、マサキとネージュは一度も目覚めることなく長時間睡眠をとることに成功したのである。
「そうだったんですね。ありがとうございます」
「えっへっへー。みんなでがんばったんだぞー。だからおにーちゃんもそろそろ起きてー」
マサキは未だに寝ぼけていた。枕から頭をはなれさせなけらば二度寝もあり得る。それほど睡魔がマサキを夢の中へと手招きしているのである。
そんなマサキの頭にルナが乗った。
「ンッンッ」
短い手足。もふもふぶよぶよのお腹。生暖かい体温。ルナから感じる全てがマサキを夢の世界へと誘った。否、突き落とした。
「ス、スハースハー……スハー」
「ンッンッ」
マサキは耐えることも、拒むことも、逃れることもできず、二度寝を開始した。ルナは無表情のまま鼻の動きが緩やかになっていく。そして鼻のひくひくという動きが止まった。
これはウサギが眠っているという証拠だ。草食動物のウサギは、いつ肉食動物に襲われるかわからない。だから瞳を開けたまま寝ることがある。その時は、鼻のひくひくという動きが止まるのである。
「こら、ルナちゃん。マサキさんを夢の世界から解放しなさい」
「ンッンッ」
ネージュは白くて細長い腕で、マサキの頭の上に乗るルナを持ち上げた。その瞬間、ネージュはゆっくりと布団の中へと沈んでいった。
「もふもふ……あたたかい……で、す……」
「ンッンッ」
意識が完全に覚醒したはずのネージュだったが、ルナのもふもふボディにやられてしまい、夢の世界へと突き落とされてしまったのである。
「姉さんも何やってるんッスか。ルナちゃんも朝ごはんの時間ッスよ」
「ンッンッ」
睡魔の根原であるルナを今度はダールが持ち上げた。
その様子をクレールとデールとドールのちびっこ三人組がじーっと見ていた。
その視線に気付いたダールは口を開く。
「アタシは寝ないッスよ! お腹が空いて倒れそうッスけど!」
「なーんだ。このまま全員寝てしまうんじゃないかと思ったぞー」
「どんな状況ッスか!」
と、ダールは笑いながらルナを皿の前に置いた。
皿にはルナのエサが入っている。ウサギ用のエサとニンジン、バナナ、牧草を混ぜ合わせたものだ。
ルナは鼻をひくひくとさせながら、ゆっくりとエサを食べ始める。
「ンッンッ」
もぐもぐ、もぐもぐと、小さな口からエサを溢しながらもゆっくりと、ルナのペースで食事を進めていく。
そんなルナの姿と、マサキとネージュの寝ているを交互に見たダールは、デールとドールに指示を始めた。
「デール、ドール、兄さんと姉さんを起こしてくるッスよ」
「はーい!」
「はーい!」
デールとドールは姉に言われた通り、マサキとネージュを起こしに向かう。そして双子の姉妹の小さな手でマサキとネージュの腕を引っ張った。
「お兄ちゃん起きてー」
「お姉ちゃん起きてー」
双子の姉妹の声が耳に入ったマサキとネージュの二人は、驚いた様子で瞳を開けた。そして同時に口も開いた。
「お、起きてますよ」
「お、起きてる起きてる」
と、子供の前では強がってしまうのが大人だ。そのままマサキとネージュは、デールとドールに引っ張られるままに、朝食が並ぶウッドテーブルの自分の椅子の前にまで案内された。
その後ろをビエルネスが付いていく。先ほどまでビエルネスが静かだったのは、魔法を使った疲労とマサキの寝顔を見て興奮していたからである。
「マスターの寝顔でお腹いっぱいです。ハァハァ……」
そんな独り言を溢すビエルネスにマサキが気付いた。
「おっ、やっぱり二日酔いから回復したか。というかさっき俺に魔法かけてなかったか? 気のせい? 夢か?」
「マスターの夢の中に私が!? もーう、マスターったら! 私のこと好きすぎですよ~。ハァハァ……」
「あっ、気のせいだったみたいだ」
興奮し始めたビエルネスに対して素っ気ない態度を取ったマサキ。これは作戦、否、攻略だ。
素っ気ない態度を取る事によって、興奮状態のビエルネスから真実を聞き出そうというもの。
「そんな冷たい目をしないでくださいよ~。興奮するじゃないですか~。ハァハァ……」
攻略でもなんでもない。逆効果だった。
「で、実際のところどうなの?」
「クレール様に話を伺いまして、朝一番にいつもの魔法をかけさせていただきましたよ~」
「やっぱりな。通りでいつも以上に落ち着いてるわけだ」
手を開いて閉じて心身の変化を確認するマサキ。その動作で変化を心身の変化を感じることは無いが、心身の変化を感じようとするときは大体この動きをしてしまうものだ。
隣に座っているネージュもマサキと同じように小さな手のひらを開いて閉じてを繰り返している。マサキと同じ気持ちでいつも以上に心が落ち着いていると感じているからだ。
「それじゃあ、俺とダールの二人で授業参観に行けるってことでいいんだよな?」
「その通りですよ~。効果が切れるまでは大丈夫です」
「そうか。いつも助かってるよ。ありがとう」
「いえいえ。こんなのマスターのためとならば、朝飯前ですよ」
「す、すげー、本当の意味で朝飯前だ。この言葉がこんなにピッタリな状況初めて……」
「そうでしょー、そうでしょー。エッヘン」
なぜか腰に手を当ててドヤ顔をするビエルネス。
マサキはそのドヤ顔には何も言わず笑顔で返した。
「兄さん。改めて今日はよろしくお願いしますッス」
「おう。こちらこそよろしく。っと、その前に朝食だ!」
こうして授業参観へ行くための条件はクリアしたのだった。
肉体的にも精神的にも疲労が蓄積していたマサキとネージュの二人は、いつの間にか寝てしまい朝になっていた。そして今も意識は夢の中にある。
そんな二人は心地良い温もりに包まれている。
それはビエルネスの妖精族の魔法だ。
ビエルネスの手のひらからは、深緑、薄緑、深黄色、薄黄色、さらには黒色に近い緑色の魔法の粉が光となり、マサキとネージュの二人を包み込んでいるのである。
この魔法は、抗不安剤のような精神を安定させる作用があるビエルネスお得意の魔法だ。
その魔法があまりにも心地良くて、マサキとネージュの二人は夢と現実の狭間を彷徨っていた。
睡眠時間的にも体力的にも、もう起きてもいい頃。ルーティンを考えても起きる時間帯だ。けれど、温かい。心地良い。まだ寝ていたいと、脳が起きるのを拒んでいる。
しかし、その拒否反応もすぐに止まる。
なぜならビエルネスの抗不安剤のような精神を安定させる魔法が終わってしまったからだ。
心地良さは徐々に消えていき、温もりも冷めていく。そうなると必然的に目を覚ますものだ。
「んっ……ん……」
寝ぼけた顔のマサキの第一声は、愛兎のルナが声を漏らしている時のものと似ていた。
飼い主とペットは似てくるという言葉があるが、まさにそれである。
マサキの横で密着しながら眠っていたネージュも、マサキが起きるのとほぼ同時で意識が覚醒した。
青く澄んだ大きな瞳をパチパチと、何度も瞬きを繰り返して、部屋の明かりを慣れさせている。
白銀色の垂れたウサ耳は垂れたままで、ネージュは起き上がった。
「……おはようございます」
今にも眠りにつきそうなマサキ、先に起きていたクレール、半透明の羽を羽ばたかせてぷかぷかと浮かんでいるビエルネス、マサキの枕元で鼻をひくひくとさせて箱座りをしているルナ、そして合鍵を使い部屋の中に入り朝食の準備をしていたジェラ三姉妹に向けて言った挨拶である。
その銀鈴の挨拶に各々答える。
「んー、ジュ……お……はよ、う……」
「おにーちゃん、おねーちゃん、おはようだぞー」
「マスターもネージュ様やっと起きましたね。おはようございます」
「ンッンッ」
「おはよー」
「おはよー」
「おはようございますッス!」
全員の挨拶が垂れたウサ耳に届いたネージュは、ここで完全に意識が覚醒する。その途端、慌て始めた。
「た、大変です! 朝食を用意しないと……デールとドールが遅刻しちゃいます!」
朝食の準備はいつもマサキとネージュとクレールの三人が行っている。その朝食の準備が整う頃にジェラ三姉妹が部屋にやってくる。それがいつもの日常だ。
しかし、意識が覚醒したばかりのネージュの青く澄んだ瞳には、ダール、デール、ドールのジェラ三姉妹がいる。つまりネージュとマサキは寝坊してしまったのである。それを理解したからこそネージュは慌て始めたのだ。
「それに今日は、授業参観があるじゃないですか。私としたことが……今すぐ朝食の準備をしますね」
「その必要はないぞー」
と、薄桃色の垂れたウサ耳が顔の右半分を隠してしまっている兎人族の美少女クレールが、満面の笑みをネージュに向けた。
その笑顔の後ろには、クレールたちが用意したであろう朝食が、ウッドテーブルの上にずらりと並んでいた。
ずらりと言っても貧乏生活真っ只中のネージュたちにとってのずらりだ。一般家庭からしたら少ないとも思えるほどの量しかない。
「これみんなで作ったんですか?」
「うん。そうだぞー。二人は疲れてるだろうと思って作ったんだぞー!」
授業参観に向けての特訓で肉体的疲労、精神的疲労が蓄積してしまったが、長時間睡眠を取ったおかげですっかり回復している。その長時間睡眠を成し遂げられたのは、クレールたちのおかげだ。
無人販売所イースターパーティーの閉店作業から朝食作りまで、マサキとネージュが休んでいる分をカバーしてくれたのである。その結果、マサキとネージュは一度も目覚めることなく長時間睡眠をとることに成功したのである。
「そうだったんですね。ありがとうございます」
「えっへっへー。みんなでがんばったんだぞー。だからおにーちゃんもそろそろ起きてー」
マサキは未だに寝ぼけていた。枕から頭をはなれさせなけらば二度寝もあり得る。それほど睡魔がマサキを夢の中へと手招きしているのである。
そんなマサキの頭にルナが乗った。
「ンッンッ」
短い手足。もふもふぶよぶよのお腹。生暖かい体温。ルナから感じる全てがマサキを夢の世界へと誘った。否、突き落とした。
「ス、スハースハー……スハー」
「ンッンッ」
マサキは耐えることも、拒むことも、逃れることもできず、二度寝を開始した。ルナは無表情のまま鼻の動きが緩やかになっていく。そして鼻のひくひくという動きが止まった。
これはウサギが眠っているという証拠だ。草食動物のウサギは、いつ肉食動物に襲われるかわからない。だから瞳を開けたまま寝ることがある。その時は、鼻のひくひくという動きが止まるのである。
「こら、ルナちゃん。マサキさんを夢の世界から解放しなさい」
「ンッンッ」
ネージュは白くて細長い腕で、マサキの頭の上に乗るルナを持ち上げた。その瞬間、ネージュはゆっくりと布団の中へと沈んでいった。
「もふもふ……あたたかい……で、す……」
「ンッンッ」
意識が完全に覚醒したはずのネージュだったが、ルナのもふもふボディにやられてしまい、夢の世界へと突き落とされてしまったのである。
「姉さんも何やってるんッスか。ルナちゃんも朝ごはんの時間ッスよ」
「ンッンッ」
睡魔の根原であるルナを今度はダールが持ち上げた。
その様子をクレールとデールとドールのちびっこ三人組がじーっと見ていた。
その視線に気付いたダールは口を開く。
「アタシは寝ないッスよ! お腹が空いて倒れそうッスけど!」
「なーんだ。このまま全員寝てしまうんじゃないかと思ったぞー」
「どんな状況ッスか!」
と、ダールは笑いながらルナを皿の前に置いた。
皿にはルナのエサが入っている。ウサギ用のエサとニンジン、バナナ、牧草を混ぜ合わせたものだ。
ルナは鼻をひくひくとさせながら、ゆっくりとエサを食べ始める。
「ンッンッ」
もぐもぐ、もぐもぐと、小さな口からエサを溢しながらもゆっくりと、ルナのペースで食事を進めていく。
そんなルナの姿と、マサキとネージュの寝ているを交互に見たダールは、デールとドールに指示を始めた。
「デール、ドール、兄さんと姉さんを起こしてくるッスよ」
「はーい!」
「はーい!」
デールとドールは姉に言われた通り、マサキとネージュを起こしに向かう。そして双子の姉妹の小さな手でマサキとネージュの腕を引っ張った。
「お兄ちゃん起きてー」
「お姉ちゃん起きてー」
双子の姉妹の声が耳に入ったマサキとネージュの二人は、驚いた様子で瞳を開けた。そして同時に口も開いた。
「お、起きてますよ」
「お、起きてる起きてる」
と、子供の前では強がってしまうのが大人だ。そのままマサキとネージュは、デールとドールに引っ張られるままに、朝食が並ぶウッドテーブルの自分の椅子の前にまで案内された。
その後ろをビエルネスが付いていく。先ほどまでビエルネスが静かだったのは、魔法を使った疲労とマサキの寝顔を見て興奮していたからである。
「マスターの寝顔でお腹いっぱいです。ハァハァ……」
そんな独り言を溢すビエルネスにマサキが気付いた。
「おっ、やっぱり二日酔いから回復したか。というかさっき俺に魔法かけてなかったか? 気のせい? 夢か?」
「マスターの夢の中に私が!? もーう、マスターったら! 私のこと好きすぎですよ~。ハァハァ……」
「あっ、気のせいだったみたいだ」
興奮し始めたビエルネスに対して素っ気ない態度を取ったマサキ。これは作戦、否、攻略だ。
素っ気ない態度を取る事によって、興奮状態のビエルネスから真実を聞き出そうというもの。
「そんな冷たい目をしないでくださいよ~。興奮するじゃないですか~。ハァハァ……」
攻略でもなんでもない。逆効果だった。
「で、実際のところどうなの?」
「クレール様に話を伺いまして、朝一番にいつもの魔法をかけさせていただきましたよ~」
「やっぱりな。通りでいつも以上に落ち着いてるわけだ」
手を開いて閉じて心身の変化を確認するマサキ。その動作で変化を心身の変化を感じることは無いが、心身の変化を感じようとするときは大体この動きをしてしまうものだ。
隣に座っているネージュもマサキと同じように小さな手のひらを開いて閉じてを繰り返している。マサキと同じ気持ちでいつも以上に心が落ち着いていると感じているからだ。
「それじゃあ、俺とダールの二人で授業参観に行けるってことでいいんだよな?」
「その通りですよ~。効果が切れるまでは大丈夫です」
「そうか。いつも助かってるよ。ありがとう」
「いえいえ。こんなのマスターのためとならば、朝飯前ですよ」
「す、すげー、本当の意味で朝飯前だ。この言葉がこんなにピッタリな状況初めて……」
「そうでしょー、そうでしょー。エッヘン」
なぜか腰に手を当ててドヤ顔をするビエルネス。
マサキはそのドヤ顔には何も言わず笑顔で返した。
「兄さん。改めて今日はよろしくお願いしますッス」
「おう。こちらこそよろしく。っと、その前に朝食だ!」
こうして授業参観へ行くための条件はクリアしたのだった。
0
お気に入りに追加
448
あなたにおすすめの小説
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜
橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?
器用さんと頑張り屋さんは異世界へ 〜魔剣の正しい作り方〜
白銀六花
ファンタジー
理科室に描かれた魔法陣。
光を放つ床に目を瞑る器用さんと頑張り屋さん。
目を開いてみればそこは異世界だった!
魔法のある世界で赤ちゃん並みの魔力を持つ二人は武器を作る。
あれ?武器作りって楽しいんじゃない?
武器を作って素手で戦う器用さんと、武器を振るって無双する頑張り屋さんの異世界生活。
なろうでも掲載中です。
100年生きられなきゃ異世界やり直し~俺の異世界生活はラノベみたいにはならないけど、それなりにスローライフを楽しんでいます~
まーくん
ファンタジー
榎木広志 15歳。
某中高一貫校に通う平凡な中学生。
趣味は可愛い物を愛でること。
それが高じて編み物にハマっている。
その趣味は同級生からは白い目で見られることが多いが、本人は全く気にしていない。
親友の健二だけが唯一の理解者かもしれない。
15歳の榎木広志は、入学説明会に訪れた高等部への渡り廊下の上で深い霧に包まれる。
霧が晴れると、そこには狐の神様がいて、広志に異世界に行くよう促す。
ラノベの主人公のようにチートな能力を貰って勇者になることを期待する広志だったが、「異世界で100年間生きることが目的」とだけ告げて、狐の神様は消えてしまった。
異世界に着くなり、悪党につかまりたった2日で死んでしまう広志に狐の神様は生きるためのヒントをくれるが....
広志はこの世界で100年間生き抜くことが出来るのか。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界転移は分解で作成チート
キセル
ファンタジー
黒金 陽太は高校の帰り道の途中で通り魔に刺され死んでしまう。だが、神様に手違いで死んだことを伝えられ、元の世界に帰れない代わりに異世界に転生することになった。
そこで、スキルを使って分解して作成(創造?)チートになってなんやかんやする物語。
※処女作です。作者は初心者です。ガラスよりも、豆腐よりも、濡れたティッシュよりも、凄い弱いメンタルです。下手でも微笑ましく見ていてください。あと、いいねとかコメントとかください(′・ω・`)。
1~2週間に2~3回くらいの投稿ペースで上げていますが、一応、不定期更新としておきます。
よろしければお気に入り登録お願いします。
あ、小説用のTwitter垢作りました。
@W_Cherry_RAITOというやつです。よろしければフォローお願いします。
………それと、表紙を書いてくれる人を募集しています。
ノベルバ、小説家になろうに続き、こちらにも投稿し始めました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる