【革命大戦紀 SLIVED EKURIPUSU/スリヴドゥエクリプス】

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世紀4012、人類は少数の集合体で、各々の生活を行っていた。文明が発達した都市と、そこに住まない者たち、レジスターの暮らしはより格差を極めた。 この有り余った広大な土地では、自給自足を余儀なくされ暮らす者がほとんどであった。 これも人間の欲の産物。  何百年も前の事。 この地球上から半数以上の人間が消えた。今残っているのはその頃と比べ3分の1程度だと言われている。飢えや貧困で以前の地球の暮らしは姿を変え、町の衰退、需要と供給の崩落。人口の低下は以前の経済の維持を不可能として、いつしか小さな集団を築きあげて行くのだった。 皆、「自分たちの」暮らしを良くするために

それから大きな戦争が起こる。 それは全ての生き物を揺るがすような戦争だった。
そしてそれが終結すると、世紀4273 1期 それは終わりの日と呼ばれる事となる。




 ある一つの民家でそれは読まれていた。 外は大雨で嵐が来ているのがわかるぐらいに家は揺れ、窓ガラスは震えている。 空一面を照らす光は何度も点滅し、そして大きな音と共に周囲の状況をかき消す。
 天災に怯える子供たちを寝かしつけている一室。

 暖かい色の蛍光灯が部屋を照らしていた。
「昔、昔のお話。 それは世界が、いやすべてが、おかしくなってしまった人間たちの世界。過ちを繰り返して人は変わろうと努力していた。数の多さから愚かな人々は、平和や豊かさを目指し平等であるべく過去の過ちから一生懸命それを直そうとした。それでも行き過ぎた人間の欲は絶えず、新たな災害をもたらし続けた。しかし結果として良くなった事もある。 だがそれは同時に良くならなかった人も生み出すこととなった。 ”矛盾”。 それは人が作り出した”主義”から決して取り除く事のできない規則を唱え、繁栄を築いてきた結果でもあった。 だからこそ争いは絶えなかった。 取り除きたかったそれは決して取り除く事などできず。まちがった自由を尊重していった。

 それで平等を掲げたものだから矛盾は、大きな不満をもたらし続ける存在へとなり続けた。
これが大きな間違えであり、行き過ぎた自由は、ルールと基準を超え、すべての考えに正義は有りとして一つの塊は分裂したのだった。
このままではいけないとそれを唱え、一つの国ができ、そして淘汰されていった。 偉い人たちの発明や、技術、開発は人々の事を考え多大な恩恵や利便さを与えて、世界をボロボロにしていった。ようは使い方なのだが。 人とは自分の満足の事しか考えられない動物。 そんな場所に外の世界から一人の救世主が現れたの。
 彼は無益な争いや、自己の利便は間違いだと示そうとした。手を取り合って仲良くするべきだと。 幾度となく彼の前には立ちはだかる者が現れた。その度に彼は立ち上がり、そしてその先にある脅威から私たちを救ってくれた。
 それから彼は、危険や脅威が迫る度に、それを止めてくれ、私たちを助けてくれる。
 そうして彼は人々に危険が降りかかると必ず助けに来てくれる存在となってくれたの」


「ねぇ?いつも言われるその人は、すごい力を持った人なの? 神様?」

「ふふふ。そうなのかもね。 ただ、彼は私たちと同じ人よ。 すごかったとしたら、彼は決しておれなかった。頑張り続ける事が出来たのね。正し目を持ち続ける事が出来たらからっていうのもあるのかもしれないけれど。


「ただしいめ?」

「この世界で人が一人で生きていくのは大変な事なんだよ。だからみんなで手を取りあって生きていこうとしたの。 だから沢山繁栄したし、便利にも、脅威にも戦えた。自由を目指して。だから無敵みたいに思う人もいる。 
自由なんだから、何をやってもいいって。自分の事だけを考える人が増えていくの。 自由の意味を間違えて」

「自由の意味? 難しい話は分からないよ」

 「そうだね。あなたも大人になったらわかるわ。

 また大きな落雷が鳴る。  近くに落ちたようなそんな恐怖を感じさせる音。 窓は何度も激しく叩きつけられた。

「きゃぁぁぁぁぁぁ」

 子供は一緒に入っていた親に怯えて抱き着いた。

 我が子をそっと撫でる。

「だからこんな嵐も怯える事はないわ。 何かあるならきっと彼が助けてくれる。 さぁ、早く寝なさい。 楽しい夢を見ておやすみなさい」

 

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