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第10部 また降りてきた一隻の船

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 地球にあった街は、どんどんとその砲撃の被害にあった。  ライルの目の前に映るのは、散った残骸と人の肉片。 ライルの中で何かがはじけ飛んだ。 

「少尉、このまま進軍しまっ、わぁぁぁぁぁぁ……」

「なんだ!? どうした!?」
 急な悲鳴に

 2体の内、1機のエターが、砂煙から出てきたニフティーにつかまり、破壊されていた。

「あいつ!生きていたのか」

 もう一人のエターのパイロットは驚て、一度離脱する。


「おまえら、いい加減にしろよ。 町までめちゃくちゃにして、沢山人殺して! 宇宙人が! 許さないからな」

 ライルはすぐさま、母艦にとびかかろうとした。 母艦の近くには離脱したエターがいる。スクレイは通信を飛ばす。

「マレー! あいつを撃ち落せ」

 マレーは指示に従って、ニフティーを追撃した。


「横から、わぁぁぁぁあぁぁ」

 ライフルが当たったライルはそのまま地面に叩きと落とされる。

「あいつ、ライフルが貫通しない?!」


「お前たちはどうして町までめちゃくちゃにするんだ。 これが欲しいだけならこんな事する必要はないだろ!」


 町の中にはライルが配給をしていた町もあった。


 紫色の機体が引き返してくる

「マレーは艦体を援護してやれ、落ちてきた奴は俺がやる」

「かしこまりました。 しかし、少尉! あいつにはライフルが効きません」

「あぁん? それで落としたんじゃねぇのか!? なら効いてるだろうが」


 好戦的なスクレイは躊躇なく倒れたニフティーに斧のような接近武器を叩きつけた。

「おうおう、回避する反応は素晴らしいね」

 避けたニフティーを楽しそうに追うスクレイ。

「こいつら、動くものなら何でも殺そうとするのか」

 ライルはしつこく追いかけてくるスクレイに宇宙人が何たるかを覚えた。

「いつまで逃げまとうつもりだ新型!」

 スクレイは戦いを好む男であった。 決して鬼ごっこをしたい訳ではない。 そんな状態にしびれを切らせた彼は、スピードを加速させた。
 後ろ向きのニフティーを切り叩く。

 ライルもただ逃げていた訳ではない。 ただ、武器がないのだ。 その為走った。 エターが持っていたライフルを掴むため、大勢を低くした時。


「何だと!こいつ!」

 振りかざした斧がすかたんを食らうと、スクレイはそのまま飛んで行ってしまった。



「大臣! 新型が一機で敵と交戦していると連絡が入りました」

「何だと! あの若者がか。 あり得ない、それにしたって何ができる。 たったの1機で。あの戦力にかなうはずがない」

 軍防長官は意見をもうした。大臣が口を開く。

「確かに、そうだ、軍謀議長官の言う通りだ。 何か策を考えねば」

「策などあるものか! 逃げるんですよ大臣!」




「捕えた!」

 ライルが射出した弾が1発だけ当たる。

「あれだけ撃って、1発だけ? 新型のパイロット、 さては未熟だな」

 スクレイは一気に押し返し、ライルを追い詰めた。 幾らライフルを撃っても当たらない、何せ至近距離ではライフルの射程になど入れる事すら難しい。


「貰った」

 大振りした斧に吹き飛ばされるニフティー。 それを見て大目玉をスクレイは食らった。

「何だあの機体。 切れてないだと。 何ちゅう機体だよ」

 再びスクレイは詰め寄る。 ライルもやられ前と体勢を立て直す。

「この反則機体が」

 何度かスクレイの攻撃がニフティーに入る。 普通ならば、真っ二つの所、なぜかニフティーにに切り込みが入るだけである。

「くそ、どれだけ硬いんだあれあれは。 最量級戦艦と戦っているとでもいうのか、チクショウが」

『また来ます』

 追い詰められた、ライル。 手に持っていたライフルで防ごうとするが、一瞬にしてライフルは切れそのまま刃がニフティーに当たる。


「っわあぁぁぁあぁ」

 衝撃と重みがライルを襲った。

「聞こえるか、新型のパイロット、 てめぇはここで終わらせてもらう。 このアルカ―ナ所属、スクレイ隊、体調のスクレイ・ダーンがな!」

「訳の分からない事を、地球をめちゃくちゃにして、許されると思っているのか!」

「ん!? なんだその声、子どものような話かただな。 まだ若造か! それ故に未熟だったか」

「お前の攻撃など、俺たちには効かないさ! 痛い目見せてやる」

「何をお怒りかは知らんが、お前らとてこの惑星等別に何のゆかりもないだろうが。 戦場になったらどこもこうなるだろ」

「くそ野郎が」

 その言葉にスクレイが反応した。

「確かに、おめぇの機体は硬い。だけどな、攻撃を通さない訳じゃない。 一発一発は耐えても、ずっと当て続ければどうなる?」

 話している間にも、ニフティーの胸元にはスクレイの斧が当たり続けている。それは火花を散らしゆっくりとニフティーの装甲をはがしていった。

「いつまで耐えられるかな、新型!」

『警告、じきコックピット内にエネルギーブレードが到達します。 危険』

 ライルは息を飲んだ。 殺される。 どうやっても、この体制を覆せない。




「隊長! 空から、接近する艦の影があります」

「何? まだ降りてくると言うのか。 今度はいったい誰だ? ここは我々が任されたのではないのか?」

「違います。 我々の艦ではありません。 それが、全く登録されていない物体です」

 ギエンはニギューに帰投するように伝え、艦隊に戻った。


 空からもう一隻の白い一隻の船が姿を現した。

「どこの艦だ」

 戦艦に戻ったギエンは、ブリッジのモニターで確認を急がせいた。

「あのマークはなんだ? 見たことがありません」

「L.S.E.E.D……、あれは、L.S.E.E.Dだ。 連合艦隊の船だ」

 ギエンはL.S.E.E.Dの文字にいち早く気づき、艦を後退させる様に伝える。

「話には聞いていた、まさかあれが、奴らの新型艦か? 敵の戦力が未知だぞ。 艦を隠せ」



 新しく降りてきた戦艦の隊員たちは、地球の状態を見て驚いていた。 敵艦の反応を見て降りてきてみれば、戦争がのような光景が広がっていたからである。

「ノン艦長! これは」

「分かっている。すでに帝国軍はこの惑星に降りていたんだ。 なんて早いんだ」

 レーダーで航路を読むシノ=ハスギが声を発する! 

「艦長! 中心で押されているあれ。! 新型機じゃないですか」

「何だと! 誰かが乗っているのか? 誰が乗っているって言うんだ」

「モニター拡大します」


 そこに映し出されたのは、今にも、帝国軍機体にコックピットを切断されようとしている姿だった。 


「主砲、用意。 あの新型機体を助けろ。 両部電子砲放てぇ!」

 戦艦についていた、両側の砲弾がスクレイ機に向けられた。

「何だ?警戒音?」

 エターのマレーが狙われている事を伝える。

「少尉、避けてください。 戦艦が……」



「あ、あれは……なんだ……」

 大臣は鼻水を垂らすほど驚いた。

 宇宙から戦艦が2隻降りてきて苦しめられていたと言うのに、また一隻変なのが下りてきた。

「大臣! もう逃げましょう、 どんどんと、どんどんどんどん降りてきます。 地球は終わりだ」


 地球からしてみれば、恐怖でしかなかった。 地球の裏側から援軍が来るまで、まだまだかかる。
 一隻ですら、手負いなのに、これ以上増え続けるだから、狂気の沙汰ではなかった。 冷静だった大臣も初めて、思考を止めた。 


「目標の機体の反応あり。 避けられました」


「くっ、急ぎ艦体を新型に近づけろ。 回収する」





「畜生が、マレー何だあの艦は。 見たことがねぇ」

「分かりません。 急に現れました」

 スクレイは降りてきた艦隊を拡大してみる。 しかし。アームズドールの拡大では戦艦ほどの拡大はできない。 

「ほぉ、 とりあえず、攻撃してきやがったんだ。 見方って訳ではないらしいな……」 



 ライルの近くにはたくさんのレーザー砲が降りそそいだ。機体が激しく揺れる中、目の前のソルスティツィオが離れた。

「た、助かった、……のか。 あの艦体はなんだ? また新しいのが下りてきた……」

 ライルは息を飲んだ。 また敵の艦隊が増えた。 そう思ったとき恐怖でしかなかった。 
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