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【後編】第十章 チョコレートに溶かされて
夢に向かって歩き出す。
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大晦日は一緒に年越しそばを食べながら特番を観たり、正月には二人で初詣に行ったりし、年末年始も水樹は彼方と楽しく過ごした。
「うおお!! 打倒卒業テスト! 鷹っちへの雪辱を晴らす!」
雪も溶ける熱気と蓄積した闘志で英語教科を突破した彼方は、本人史上最高の百点を叩きだした。
「英語に全振りってか。総合的に高い水樹を見習え」
……と、普段よりも意地の悪い評価でさらに彼方の恨みを燃やしたわけだが、「面倒事が一つ減って肩の荷が下りたわ」と漏らす鷹橋の顔は、我が子が子離れしたそれだった。
周囲が入試や就活に勤しむ空気の中、水樹達もまた己の将来に進む。彼方は片っ端からコンクールへ応募し、登校日以外は家に籠って描き続ける日が続いた。一方で水樹は。
「ねえねえねえ!! 水樹さんいる!?」
Legendプロダクションに届いた一通の封筒が羽生のテンションを有頂天にさせた。
「あ、はい。いますけど……」
読書をしていた水樹は出された封筒を凝視する。水樹宛てのものだった。既に開封済みの中身を取り出すと、明朝体の印字が並ぶ紙切れが。
『厳正なる審査の結果──』
最初に目に入ったのはその一文。緊張感がマックスに達した。
「──や」
「おのれええ、羽生! 勝手に資料を持ち出すなああ!」
「げっ。だって社長が置いておくから悪いんです! 水樹さんも今か今かと結果を……」
水樹を中心にぐるぐる駆け回る神崎と羽生の言い合いも、姿も目に入らなかった。
『第二次審査のお知らせ』
数字と漢字が配列する部分を何度も読み返し、内容を咀嚼する。
「や……った……」
「た」はほとんど消えた。プリントがガタガタ震え、肩に手が置かれるまで揺れは収まらなかった。振り返ると汗だくかつ満面の笑みの神崎と羽生がいる。
「おめでとうございます、水樹さん! 最高のスタートじゃありませんか!」
「自己PR頑張っていたものね。努力は必ずしも認められるとは限らないけど、報われて良かったわ」
「……はいっ!」
声優になり初のオーディション。一次予選突破なんてミラクル、本人が一番信じられないが、周囲に祝福されると脱力した体に実感が湧いてくる。
挑んだのはアニメ発のヒーローアイドル作品だ。
(父さんも辿り着けなかった舞台へ一歩近付けた。幸先のいいスタートだが気は抜けない。でも、純粋に嬉しい!)
父の雪辱を晴らすため狙って受けたというよりは、たまたまチャンスがそこにあったから迷わず飛び付いた。
「チームのマドンナ的存在・麗音を水樹さんが演じる世界線……。今からワクワクが止まらなくなってきた!」
「麗音さんはメンタル面の強さとミステリアスな雰囲気が魅力的ですよね。テープの歌撮りも頑張らないと。受かりたいなあ……」
「願望を抱くだけじゃダメよ。必ず掴み取るつもりで挑みなさい。あ、適度なリラックスは大切にね」
「が、頑張ります」
二次は麗音の他に受けた三役も含めたキャラクターのセリフや歌をテープに録音し送るテープテスト、三次はスタジオでのオーディション。新人からベテランまで強者達が勢揃いした戦場所。そこを突発するためにも相応の努力と構成力が必要だ。
早速、羽生達と作戦を練るために「第十回 水樹専用緊急会議」を開くと、開けっ放しの扉から重めのコンコン。
「どなたかしら」
「あっ、忘れていました。こんなこともあろうかと、助っ人を呼んでいたんです。彼女には水樹さんの歌レッスンに携わっていただきます」
Legendプロダクションは事務所を立ち上げる以外にもレッスンスタジオをいくつも同ビル内に作った。軌道が安定したら養成所を作る神崎の思惑もあり、所属人数が少ない今は最大限利用させてもらっている。高品質な機材の使用や講師とのワンツーマン指導は、経験値が浅い水樹からしても贅沢な体験だった。これも長年、女性声優の第一線で活躍する神崎が良いものに出会ってきたお陰だ。
今以上に質の高いレッスンが受けられるのかと期待し視線を扉の方へ向けると、ヒールを鳴らす人物が死角から登場する。
黒髪ロングに、研いだ刃のような目付き。口を閉ざすと恐ろしさが増す女性。
「はじめまして、比良山 聖です。いつも翠がお世話にな──」
辺りを見回す目が留まる。自分も間抜け面を顔をしていただろう。
「お、お世話になりました!!」
考えるよりも先に体が動き、頭を垂れた。悲鳴とも取れる声に場は戸惑いを隠し切れないまま粛清するが、比良山の一言が切り裂く。
「これからお世話をする側なんですが」
さも当然だという返しに羽生は笑う。
「そうですよ! 姉ちゃんはコミュニケーション不足だし、後輩への面倒見も人望もありませんけど、歌と楽器の才能だけは抜きん出ているんですから!」
一点の曇りもない瞳で語られるも、羽生の背後に立つ比良山はわかりやすく眉間に皺を寄せる。殺し屋ばりの刺すような視線だった。
「すみません、比良山さん。羽生君は悪気が全くない馬鹿なんです」
「いいえ。こちらこそタチの悪い従姉妹で申し訳ないです。重要な役割を担った以上、翠も徹底的に再指導しますので」
「是非そうしてください。遠慮なく」
「エェ……ナンカボク、ヘンナコトニマキコマレタ」
不気味に笑い合う女性二人に反発しようとする男一人を、水樹は遠く眺めていた。まさか蒼空学園を去った比良山が歌のレッスンを引き受けるとは。
遊佐 勇樹のファン。ズバズバとした物言いも全部が的外れではない。ボイトレで「水樹さんは腹式呼吸が上手いのね」と講師から褒められたのも、あの助言や授業が成長させるものとなったからだ。
放置された水樹に比良山はいち早く気づき、水樹の前に立つ。姿勢の正しさは凛とした雰囲気を引き立てる。水樹の体が揺れたのは学校以外で会うと思ってもみなかったせいだ。
「ご存知の通り、私は教えるのが下手くそです。一匹狼を好むタイプのため、教育者どころか皆とワイワイするタイプは向きません」
きっぱり言い放つ比良山に「なにもそこまで言わなくても……」と止めに入る羽生に聞く耳も持たない。だが彼女が口にすると自己卑下じゃなく、変えられぬ事実をただ述べたようにも受け取れる。
「しかし仕事を受けた以上、貫き通すのが私の役目。遊佐 水樹さんに思い出オーディションをさせるためにここへ来たのではありませんから」
彼方に出会う以前は人に苦手意識を持ちやすく、身長が伸びようが自己評価はずっと低いままだった。倦怠期や別れを乗り越えた今では、仕事やプライベートの場面には誰かが必ずいて、サポートしてくれることを知った。今までが気づけなかった? 運が返済され始めた? たしかなのは周りに恵まれたこと。自分以外の誰かの夢に想いを賭けることは美しく尊い。
(思い出じゃなく、取りに行くんだ。新人声優の俺が夢を掴んで、ものにするんだ)
「姉ちゃんよ、声優業界の水樹さんはもう『遊佐 水樹』じゃないんだよ」
「……ゆさゆーの名字を受け継がなかったの?」
信じられない、という顔をされた。
肩を竦める羽生と目が合い、こくり、と頷く。
「ああ、はい。俺の声優名は『守谷 水樹』。本名の水樹は変わらずそのままに。守るに谷と書き、守谷です」
そう。声優名は本名にせず、名字を弄った。遊佐 勇樹の息子だとバレると面倒くさいとかではなく、どうせ物理的に離れるのなら名字という部分で彼方に守ってもらいたい。
法的な拘束も番の絆も今はまだないだが、これくらい許されるだろう。母や神崎達にも好きにしていいと了承を得たし、彼方本人には大泣きされた。
改めて「よろしくお願いいたします」と比良山に一礼する。神崎や羽生も続く。やはり自分は周囲に恵まれた。
「こちらこそ、また貴方の指導ができて光栄です。夢物語には終わらせませんよ」
正面には顔を綻ばせる比良山がいる。かつての偏見は薄らいだ気はするが、果たして親の七光りがどこまで影響しているのか。
だがそれも上手く活用すれば、強い味方を得られる。
「はいっ!」
「うおお!! 打倒卒業テスト! 鷹っちへの雪辱を晴らす!」
雪も溶ける熱気と蓄積した闘志で英語教科を突破した彼方は、本人史上最高の百点を叩きだした。
「英語に全振りってか。総合的に高い水樹を見習え」
……と、普段よりも意地の悪い評価でさらに彼方の恨みを燃やしたわけだが、「面倒事が一つ減って肩の荷が下りたわ」と漏らす鷹橋の顔は、我が子が子離れしたそれだった。
周囲が入試や就活に勤しむ空気の中、水樹達もまた己の将来に進む。彼方は片っ端からコンクールへ応募し、登校日以外は家に籠って描き続ける日が続いた。一方で水樹は。
「ねえねえねえ!! 水樹さんいる!?」
Legendプロダクションに届いた一通の封筒が羽生のテンションを有頂天にさせた。
「あ、はい。いますけど……」
読書をしていた水樹は出された封筒を凝視する。水樹宛てのものだった。既に開封済みの中身を取り出すと、明朝体の印字が並ぶ紙切れが。
『厳正なる審査の結果──』
最初に目に入ったのはその一文。緊張感がマックスに達した。
「──や」
「おのれええ、羽生! 勝手に資料を持ち出すなああ!」
「げっ。だって社長が置いておくから悪いんです! 水樹さんも今か今かと結果を……」
水樹を中心にぐるぐる駆け回る神崎と羽生の言い合いも、姿も目に入らなかった。
『第二次審査のお知らせ』
数字と漢字が配列する部分を何度も読み返し、内容を咀嚼する。
「や……った……」
「た」はほとんど消えた。プリントがガタガタ震え、肩に手が置かれるまで揺れは収まらなかった。振り返ると汗だくかつ満面の笑みの神崎と羽生がいる。
「おめでとうございます、水樹さん! 最高のスタートじゃありませんか!」
「自己PR頑張っていたものね。努力は必ずしも認められるとは限らないけど、報われて良かったわ」
「……はいっ!」
声優になり初のオーディション。一次予選突破なんてミラクル、本人が一番信じられないが、周囲に祝福されると脱力した体に実感が湧いてくる。
挑んだのはアニメ発のヒーローアイドル作品だ。
(父さんも辿り着けなかった舞台へ一歩近付けた。幸先のいいスタートだが気は抜けない。でも、純粋に嬉しい!)
父の雪辱を晴らすため狙って受けたというよりは、たまたまチャンスがそこにあったから迷わず飛び付いた。
「チームのマドンナ的存在・麗音を水樹さんが演じる世界線……。今からワクワクが止まらなくなってきた!」
「麗音さんはメンタル面の強さとミステリアスな雰囲気が魅力的ですよね。テープの歌撮りも頑張らないと。受かりたいなあ……」
「願望を抱くだけじゃダメよ。必ず掴み取るつもりで挑みなさい。あ、適度なリラックスは大切にね」
「が、頑張ります」
二次は麗音の他に受けた三役も含めたキャラクターのセリフや歌をテープに録音し送るテープテスト、三次はスタジオでのオーディション。新人からベテランまで強者達が勢揃いした戦場所。そこを突発するためにも相応の努力と構成力が必要だ。
早速、羽生達と作戦を練るために「第十回 水樹専用緊急会議」を開くと、開けっ放しの扉から重めのコンコン。
「どなたかしら」
「あっ、忘れていました。こんなこともあろうかと、助っ人を呼んでいたんです。彼女には水樹さんの歌レッスンに携わっていただきます」
Legendプロダクションは事務所を立ち上げる以外にもレッスンスタジオをいくつも同ビル内に作った。軌道が安定したら養成所を作る神崎の思惑もあり、所属人数が少ない今は最大限利用させてもらっている。高品質な機材の使用や講師とのワンツーマン指導は、経験値が浅い水樹からしても贅沢な体験だった。これも長年、女性声優の第一線で活躍する神崎が良いものに出会ってきたお陰だ。
今以上に質の高いレッスンが受けられるのかと期待し視線を扉の方へ向けると、ヒールを鳴らす人物が死角から登場する。
黒髪ロングに、研いだ刃のような目付き。口を閉ざすと恐ろしさが増す女性。
「はじめまして、比良山 聖です。いつも翠がお世話にな──」
辺りを見回す目が留まる。自分も間抜け面を顔をしていただろう。
「お、お世話になりました!!」
考えるよりも先に体が動き、頭を垂れた。悲鳴とも取れる声に場は戸惑いを隠し切れないまま粛清するが、比良山の一言が切り裂く。
「これからお世話をする側なんですが」
さも当然だという返しに羽生は笑う。
「そうですよ! 姉ちゃんはコミュニケーション不足だし、後輩への面倒見も人望もありませんけど、歌と楽器の才能だけは抜きん出ているんですから!」
一点の曇りもない瞳で語られるも、羽生の背後に立つ比良山はわかりやすく眉間に皺を寄せる。殺し屋ばりの刺すような視線だった。
「すみません、比良山さん。羽生君は悪気が全くない馬鹿なんです」
「いいえ。こちらこそタチの悪い従姉妹で申し訳ないです。重要な役割を担った以上、翠も徹底的に再指導しますので」
「是非そうしてください。遠慮なく」
「エェ……ナンカボク、ヘンナコトニマキコマレタ」
不気味に笑い合う女性二人に反発しようとする男一人を、水樹は遠く眺めていた。まさか蒼空学園を去った比良山が歌のレッスンを引き受けるとは。
遊佐 勇樹のファン。ズバズバとした物言いも全部が的外れではない。ボイトレで「水樹さんは腹式呼吸が上手いのね」と講師から褒められたのも、あの助言や授業が成長させるものとなったからだ。
放置された水樹に比良山はいち早く気づき、水樹の前に立つ。姿勢の正しさは凛とした雰囲気を引き立てる。水樹の体が揺れたのは学校以外で会うと思ってもみなかったせいだ。
「ご存知の通り、私は教えるのが下手くそです。一匹狼を好むタイプのため、教育者どころか皆とワイワイするタイプは向きません」
きっぱり言い放つ比良山に「なにもそこまで言わなくても……」と止めに入る羽生に聞く耳も持たない。だが彼女が口にすると自己卑下じゃなく、変えられぬ事実をただ述べたようにも受け取れる。
「しかし仕事を受けた以上、貫き通すのが私の役目。遊佐 水樹さんに思い出オーディションをさせるためにここへ来たのではありませんから」
彼方に出会う以前は人に苦手意識を持ちやすく、身長が伸びようが自己評価はずっと低いままだった。倦怠期や別れを乗り越えた今では、仕事やプライベートの場面には誰かが必ずいて、サポートしてくれることを知った。今までが気づけなかった? 運が返済され始めた? たしかなのは周りに恵まれたこと。自分以外の誰かの夢に想いを賭けることは美しく尊い。
(思い出じゃなく、取りに行くんだ。新人声優の俺が夢を掴んで、ものにするんだ)
「姉ちゃんよ、声優業界の水樹さんはもう『遊佐 水樹』じゃないんだよ」
「……ゆさゆーの名字を受け継がなかったの?」
信じられない、という顔をされた。
肩を竦める羽生と目が合い、こくり、と頷く。
「ああ、はい。俺の声優名は『守谷 水樹』。本名の水樹は変わらずそのままに。守るに谷と書き、守谷です」
そう。声優名は本名にせず、名字を弄った。遊佐 勇樹の息子だとバレると面倒くさいとかではなく、どうせ物理的に離れるのなら名字という部分で彼方に守ってもらいたい。
法的な拘束も番の絆も今はまだないだが、これくらい許されるだろう。母や神崎達にも好きにしていいと了承を得たし、彼方本人には大泣きされた。
改めて「よろしくお願いいたします」と比良山に一礼する。神崎や羽生も続く。やはり自分は周囲に恵まれた。
「こちらこそ、また貴方の指導ができて光栄です。夢物語には終わらせませんよ」
正面には顔を綻ばせる比良山がいる。かつての偏見は薄らいだ気はするが、果たして親の七光りがどこまで影響しているのか。
だがそれも上手く活用すれば、強い味方を得られる。
「はいっ!」
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