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第七章 一転
選抜。
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剪定という手入れ方がある。余分な枝などを切ることにより樹木のバランスを整えられ、成長しやすくなるのだ。
一人が一本の樹と例えるなら、勉強のために趣味の時間を削ったり、ダイエットのためにおやつを我慢するのが剪定に当たるのだろうか。
比良山は野望を叶えるために多くの人を枯らす樹、要は捨てたり裏切ったりもしてきたことになる。
(……恋人を捨てることも、俺が成長するための選択肢なのか?)
恐ろしい成長方法に頭を振るう。比良山はなにもそこまで話していない。だが霧が晴れたのはごく僅かな時間で、真相もさらに謎に包まれる。
水樹は進学を選択したが、未来のビジョンがイマイチ浮かばない。なんとなくで決めたせいもある。
(ここを卒業し、彼方と同棲する。……その先は? 彼方はどの未来に進みたい? 同じ道を選ばずに手を繋いだとして、俺はどこを……)
自分の在り方に頭を悩ませる度、彼方を怒らさせた問題から遠ざかっていく。未だに席に戻らない彼方本人も心配だ。もう保健室に送り届けてから二時間は経つ。
「「遊佐君?」」
複数の声が重なり、ドクンと心臓が跳ねた。
「遊佐殿、大丈夫でござるか?」
心配の声を掛けたのは彼方ではない。はす向かいに座る眼鏡の男子だ。曖昧に頷きつつ、ぐるりとクラス中から視線を浴びていることに気づいた。
(み、皆……なんで俺なんかじろじろ見て……)
また自分は人の話を聞かなかったのか。机の下にある拳をぐぐっと握り締める。冷たい汗が背中を流れ落ちる前に、副委員長のハツラツとした声が響いた。
「遊佐君にこのクラスを代表して、女装コンテストに出場してもらうけれどいいかしら?」
ポニーテールを揺らす委員長がこんこんと黒板を叩く。『遊佐 水樹』の下には正の漢字が五つと四角目が残ったものが書かれていた。
(じょ……女装コンテスト?)
黒板を凝視すると、クラスから次々と声が上がる。
「絶対っ、優勝するよ! 想像しても遊佐くんめちゃくちゃ似合うもん!」
「そうだそうだ。いくらあのヤンキー達がまいた種とはいえ、遊佐なら安心だな」
「すまねえ。オレらに女装が似合えばタイマン張れるのに……」
「お前らにいくらメイクを施そうが豚に真珠だろ。勝負は鼻から決まっている。勝つなら本気でいくぞ。一組の秘密兵器見せてやるぞ!」
ざわつき始めるがほぼ全員、水樹を推薦するつもりらしい。「どんな衣装がいいかな?」と席を立って水樹の席に来た女子達はコスプレ雑誌を広げた。
「これとかどう? 美髪美麗ならマッドサイエンティストが鉄板だよね~」
「王道のプリンセスもいいわよ。ほら、ソシャゲで流行してるでしょ」
「あれねー!」
「ええっ、あの……」
一言も会話を交わしたことのないクラスメイト達が勝手に話を進めていく。副委員長も壇上から止めに入るが、闘志満々の皆は聞く耳も貸さない。
セクシーさもキュートさの欠片もない自分が女装を? 冗談はやめて欲しい。無駄に高い身長と長髪が衣装で少し映えるだけだ。
「遊佐さんはどう思う?」
「お、俺は……ええっと……」
(さっき、タイマンとかまいた種とか聞こえた。本気の勝負なら俺なんかを出場させない方がクラスのためだ)
「……俺は、女装どころかクラス代表のコスプレなんて向かないと思い……ます。皆さんの期待に添えません……し、衣装の素敵さも台無しにするだけ、かと……」
水を打ったように静まり返る一組。嫌がらせ行為だと思いたくないが、後になって「やっぱり推薦しなきゃ良かった」と責められるのは勘弁だ。それに文化祭とも大きな行事になれば、見ず知らずの人にも醜態を晒すことになる。彼方は恋人だから容姿を褒めただけだ。第三者と意見がイコールなわけない。
「……マジか」
誰かが呟いた後、ため息が耳に入る。どちらにせよ空気を最悪にした者に待つのは、これ以上関わりを待たないようにするためのシカト。
「嘘でしょ」
「なんだよ……」
失望する声にぎゅっと目を閉じ、現実逃避する。
「あのセコム、全く機能してねえ!」
「セコムのクセになんだあいつ、遊佐君を褒めてないのか!? 鬼か!?」
(……セコム?)
「遊佐くん、鏡って知ってる?」
「馬鹿、それくらいわかるわよ。……美人って単語はわかる?」
「もー、みっちゃんによっちゃんてばー。セコかなが節穴なだけだよー。ほらほら。はい、鏡」
渡された手鏡に自分のキョトン顔が映る。こうして見るとやはり父の血が濃い。
(だからといい、俺は美人とかの類に入らない気が)
「セコムがいない間に言質取ろうとしたのにっ。彼方め、なんだよあいつ!」
「彼方君って校内でもトップクラスに褒め上手で有名な男子だよね?」
「……あ、彼方に褒めてもらったことはあります」
本人のいないところで株が落ちるのは本意じゃないので素早くフォローに入ったが、難しそうな顔をされた。「やはりセコムのフォローか許可が必要か?」と悩ましげに呟くクラスメイトもいる。
「僕と水樹がどうしたの」
微妙で収集がつかない空気を変える声。鷹橋と入室した彼方は黒板を一見し、視線を水樹へ移動させる。声色も表情も「無」といった感じで心の内が読めない。
(名前を間違えたことを謝る……。いや、まずは体調のことを聞くのが優先だ)
しかし、こんなにも遠かっただろうか。いくら人に囲まれても他の生徒より抜きん出る身長の水樹でさえ、彼方との距離が果てしなく遠く感じる。
「クラス代表は水樹か。なるほどね、いいんじゃない?」
彼方の承諾に「本当か!?」「セコムから許可が降りたぞ!」とクラスが沸く。当の本人は嫌な顔をするどころか軽く笑い、水樹は事態を飲み込めていなかった。「却下だ、却下。水樹を見世物にできるかよ!」と冗談であっても上手く切り返し、代わりに拒否してくれることに期待した己の浅はかな考えにも絶句する。
(……まだ怒っているんだよな)
「それからクラス代表って一人までだっけ、副委員長?」
「二人までエントリー可能よ」
「そう。じゃ、僕も出る」
さらっと参加表明した彼方に水樹を含め、全員が固まる。
暖色系統で纏め、女装する彼方を想像した。ツインテールもリボンもフリルも合う。にかっと笑う顔は最高のアクセサリーとなり、大人びたスタイルを選んでも似合う。目の保養と言っても過言ではない。
「まあ、たしかに彼方は可愛い系だが……。可愛い系か」
「可愛い系と美人系ならいけそう! 優勝間違いなし!」
「そうよそうよ! ここはセコムに任せましょう!」
イマイチな反応が一転し、賛同者が増える。
「あと、提案なんだけど出し物を男女逆転カフェとかにすればどう? ちょうどハロウィン時期の文化祭だ。僕達がコスプレするんだったら、皆もやれば楽しいよ。男女逆転じゃなくてもさ」
またもや彼方の新提案にクラスのボルテージは上昇する。クラスのノリがいいのか、彼方の突拍子もない企画力が凄いのか。とても保健室帰りのクラス委員長がする偉業ではなかったが、水樹の胸は躍る。
(やっぱり彼方はすごい。俺は流れを滞させるだけで終わったもんな)
集団の頂点で彼方がキラキラしている。太陽に値する人物だからどこだって輝けるだろう。崩してもすぐに一人で立ち上がれる。誰かを導き、自分でも開拓する。その輝かしい姿を眺めるのが嬉しくもあり、誇らしくもあり……。
──ズキン。
(色々、頑張らなきゃ……な)
一人が一本の樹と例えるなら、勉強のために趣味の時間を削ったり、ダイエットのためにおやつを我慢するのが剪定に当たるのだろうか。
比良山は野望を叶えるために多くの人を枯らす樹、要は捨てたり裏切ったりもしてきたことになる。
(……恋人を捨てることも、俺が成長するための選択肢なのか?)
恐ろしい成長方法に頭を振るう。比良山はなにもそこまで話していない。だが霧が晴れたのはごく僅かな時間で、真相もさらに謎に包まれる。
水樹は進学を選択したが、未来のビジョンがイマイチ浮かばない。なんとなくで決めたせいもある。
(ここを卒業し、彼方と同棲する。……その先は? 彼方はどの未来に進みたい? 同じ道を選ばずに手を繋いだとして、俺はどこを……)
自分の在り方に頭を悩ませる度、彼方を怒らさせた問題から遠ざかっていく。未だに席に戻らない彼方本人も心配だ。もう保健室に送り届けてから二時間は経つ。
「「遊佐君?」」
複数の声が重なり、ドクンと心臓が跳ねた。
「遊佐殿、大丈夫でござるか?」
心配の声を掛けたのは彼方ではない。はす向かいに座る眼鏡の男子だ。曖昧に頷きつつ、ぐるりとクラス中から視線を浴びていることに気づいた。
(み、皆……なんで俺なんかじろじろ見て……)
また自分は人の話を聞かなかったのか。机の下にある拳をぐぐっと握り締める。冷たい汗が背中を流れ落ちる前に、副委員長のハツラツとした声が響いた。
「遊佐君にこのクラスを代表して、女装コンテストに出場してもらうけれどいいかしら?」
ポニーテールを揺らす委員長がこんこんと黒板を叩く。『遊佐 水樹』の下には正の漢字が五つと四角目が残ったものが書かれていた。
(じょ……女装コンテスト?)
黒板を凝視すると、クラスから次々と声が上がる。
「絶対っ、優勝するよ! 想像しても遊佐くんめちゃくちゃ似合うもん!」
「そうだそうだ。いくらあのヤンキー達がまいた種とはいえ、遊佐なら安心だな」
「すまねえ。オレらに女装が似合えばタイマン張れるのに……」
「お前らにいくらメイクを施そうが豚に真珠だろ。勝負は鼻から決まっている。勝つなら本気でいくぞ。一組の秘密兵器見せてやるぞ!」
ざわつき始めるがほぼ全員、水樹を推薦するつもりらしい。「どんな衣装がいいかな?」と席を立って水樹の席に来た女子達はコスプレ雑誌を広げた。
「これとかどう? 美髪美麗ならマッドサイエンティストが鉄板だよね~」
「王道のプリンセスもいいわよ。ほら、ソシャゲで流行してるでしょ」
「あれねー!」
「ええっ、あの……」
一言も会話を交わしたことのないクラスメイト達が勝手に話を進めていく。副委員長も壇上から止めに入るが、闘志満々の皆は聞く耳も貸さない。
セクシーさもキュートさの欠片もない自分が女装を? 冗談はやめて欲しい。無駄に高い身長と長髪が衣装で少し映えるだけだ。
「遊佐さんはどう思う?」
「お、俺は……ええっと……」
(さっき、タイマンとかまいた種とか聞こえた。本気の勝負なら俺なんかを出場させない方がクラスのためだ)
「……俺は、女装どころかクラス代表のコスプレなんて向かないと思い……ます。皆さんの期待に添えません……し、衣装の素敵さも台無しにするだけ、かと……」
水を打ったように静まり返る一組。嫌がらせ行為だと思いたくないが、後になって「やっぱり推薦しなきゃ良かった」と責められるのは勘弁だ。それに文化祭とも大きな行事になれば、見ず知らずの人にも醜態を晒すことになる。彼方は恋人だから容姿を褒めただけだ。第三者と意見がイコールなわけない。
「……マジか」
誰かが呟いた後、ため息が耳に入る。どちらにせよ空気を最悪にした者に待つのは、これ以上関わりを待たないようにするためのシカト。
「嘘でしょ」
「なんだよ……」
失望する声にぎゅっと目を閉じ、現実逃避する。
「あのセコム、全く機能してねえ!」
「セコムのクセになんだあいつ、遊佐君を褒めてないのか!? 鬼か!?」
(……セコム?)
「遊佐くん、鏡って知ってる?」
「馬鹿、それくらいわかるわよ。……美人って単語はわかる?」
「もー、みっちゃんによっちゃんてばー。セコかなが節穴なだけだよー。ほらほら。はい、鏡」
渡された手鏡に自分のキョトン顔が映る。こうして見るとやはり父の血が濃い。
(だからといい、俺は美人とかの類に入らない気が)
「セコムがいない間に言質取ろうとしたのにっ。彼方め、なんだよあいつ!」
「彼方君って校内でもトップクラスに褒め上手で有名な男子だよね?」
「……あ、彼方に褒めてもらったことはあります」
本人のいないところで株が落ちるのは本意じゃないので素早くフォローに入ったが、難しそうな顔をされた。「やはりセコムのフォローか許可が必要か?」と悩ましげに呟くクラスメイトもいる。
「僕と水樹がどうしたの」
微妙で収集がつかない空気を変える声。鷹橋と入室した彼方は黒板を一見し、視線を水樹へ移動させる。声色も表情も「無」といった感じで心の内が読めない。
(名前を間違えたことを謝る……。いや、まずは体調のことを聞くのが優先だ)
しかし、こんなにも遠かっただろうか。いくら人に囲まれても他の生徒より抜きん出る身長の水樹でさえ、彼方との距離が果てしなく遠く感じる。
「クラス代表は水樹か。なるほどね、いいんじゃない?」
彼方の承諾に「本当か!?」「セコムから許可が降りたぞ!」とクラスが沸く。当の本人は嫌な顔をするどころか軽く笑い、水樹は事態を飲み込めていなかった。「却下だ、却下。水樹を見世物にできるかよ!」と冗談であっても上手く切り返し、代わりに拒否してくれることに期待した己の浅はかな考えにも絶句する。
(……まだ怒っているんだよな)
「それからクラス代表って一人までだっけ、副委員長?」
「二人までエントリー可能よ」
「そう。じゃ、僕も出る」
さらっと参加表明した彼方に水樹を含め、全員が固まる。
暖色系統で纏め、女装する彼方を想像した。ツインテールもリボンもフリルも合う。にかっと笑う顔は最高のアクセサリーとなり、大人びたスタイルを選んでも似合う。目の保養と言っても過言ではない。
「まあ、たしかに彼方は可愛い系だが……。可愛い系か」
「可愛い系と美人系ならいけそう! 優勝間違いなし!」
「そうよそうよ! ここはセコムに任せましょう!」
イマイチな反応が一転し、賛同者が増える。
「あと、提案なんだけど出し物を男女逆転カフェとかにすればどう? ちょうどハロウィン時期の文化祭だ。僕達がコスプレするんだったら、皆もやれば楽しいよ。男女逆転じゃなくてもさ」
またもや彼方の新提案にクラスのボルテージは上昇する。クラスのノリがいいのか、彼方の突拍子もない企画力が凄いのか。とても保健室帰りのクラス委員長がする偉業ではなかったが、水樹の胸は躍る。
(やっぱり彼方はすごい。俺は流れを滞させるだけで終わったもんな)
集団の頂点で彼方がキラキラしている。太陽に値する人物だからどこだって輝けるだろう。崩してもすぐに一人で立ち上がれる。誰かを導き、自分でも開拓する。その輝かしい姿を眺めるのが嬉しくもあり、誇らしくもあり……。
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