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第七章 一転
不安と焦り。
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「水樹……っちゅ、う……ふん……」
「あっあ、ひゃ……んん……」
昼休み開始のチャイムが鳴り終わる前、彼方に手を引かれ旧校舎の空き教室へ入った。扉を閉めるのを待てずにキスをされ、プチプチとボタンを外されていく。ぬろっと分厚い舌が消えかけたキス跡を舐め、吸いついた。
同時に耳朶も揉まれて扉を背が滑る。座り込んだら距離が縮まり、太陽と雄の匂いが混ざる匂いが鼻を刺激した。
(匂いがだんだん濃くなって、頭がくらくらする。でも今日はいつもより激しい……?)
四つくらいキスマークをつけられ、最後は唇を奪われる。離れた唇は燃える炎のように真っ赤で胸の奥がじんじんした。
「水樹もやって」
まだ興奮冷めやらぬ彼方の熱い息がかかり、水樹もおずおずと肌に吸いついた。
(また、彼方の体が痩せている)
唇が触れる度、彼方の体にしがみつく度に実感する細さ。食事量も減少した。顔色は悪くなさそうなので単なるダイエットだといいんだが……。
「ふへへ、くすぐったいなあ。水樹の甘噛みは」
溢れる笑みに不安を押し流された。必死にかみかみ。ペンダントの飾りが何度か腕を撫で、顎から耳朶に手が添えられる。わかっていても噛んでしまった。
「消毒して?」
「う、うん……。ちゅ……ん、ぺろ……っん」
「気持ち……」
唯一の弱点だった噛んでからのキス及び消毒は克服され、付け入る隙がない。むしろ楽しみの一つにされた。
「……っぷは。なんとか付いた」
キスマークではなく歯型が。そう、歯型だ。鎖骨にほんのりピンクの噛み跡。
「つ、次は歯型じゃないの付けるから!」
「そう? 歯型も水樹のだってわかるからいいのに」
「ダメだ! 今度は一個だけでもキスマーク付けたい。練習するから」
吸引力が足りないのなら風船を膨らませたらいい。自分の手でやるのもありだと調べたらでてきた。
(今は長袖の季節だし、仮にすごい跡になっても袖で隠せばOKだよね!)
モチベーションが上がり、今夜から頑張ろうと心に決めれば、彼方は両腕で抱き留めた。
「……ひっう!!」
耳朶をかぷりといかれて下から尖った薄い部分を唇で挟まれた。
「誰に練習するの?」
腹の底に響く低音に背筋がぞくりとする。彼方はきっとなにか勘違いをしている。
「ふ、ふう……ひああっ……」
「他の奴だったら許せない。この甘噛みもキスマークも水樹も僕のだ」
「自分っ! 自分の手とかでやる……からあ……」
「とかって言うからには他にもあるんだよね?」
「ああと、ふう……風船だ、け。吸引力もな、ないから……ひっん」
「約束のキスね」
また息吐く間もなく唇を奪われる。今日の彼方は彼方で好きだが、ちょっと独占欲高めだ。
彼方は夏頃からたまに飢えた虎みたいになる。どんなに愛を食おうが腹が減る虎。最初は夏の暑さや夏期補習の疲労回復で性欲が高まったのかと認識していたが、どうやら違うようだ。
何度も思うが自分を番にしたり、パートナーにもらう輩は彼方以外に考えられない。現れたとしたらよっぽどの物好きだ。
(俺がきちんと樹なれないから彼方は不安なのかな。早急に答えを見つけなきゃ)
あの会話を聞かれたわけじゃない。何度か言おう言おうとしたが、雰囲気や予定に押し流されてやめた。まだ解答の手がかりもない。自分のせいで彼方と諸共崩れるのは嫌だな、と水樹の心に不安が芽生えてきたのであった。
少し焦り気味の恋人の愛を受けながら昼休みを半分以上注ぎ込んだ。
「今日で比良っちの音楽も終わりだね」
制服を直す最中、話を振られた。
「あ、あうん」
「長いようやら短いようやら。どう、比良山先生の音楽はキツかった?」
笑いの奥に心配の影が見え、首を振る。比良山は思いの外、発声練習や音楽の基礎を重視するタイプで説明と実践を交互にする授業内容だった。授業終わりには「わからなかった箇所はプリントに書くように」と指示し、次にはびっちり書かれた返事やアドバイスが返される。真面目に取り組んだ結果、次回に持ち越し……みたいなことも多々あった。あの音楽を受けた全員が比良山をキツいとは思っていないだろう。
「水樹がそう思うのなら良かった。最後の授業も無理しないでよ?」
「いつもありがとう。音楽前にはいつもこうして彼方がずっと傍にいてくれたから、その温もりを残したまま授業を迎えられたよ」
空き教室のあれこれの前から、次が音楽だと彼方は必ず一緒にいてくれた。大切な昼休みを全て水樹に使うために、木曜日の昼食は事前購入したパン類で済ます。
「里美先生に交代すれば木曜日の昼休みは自由に使えるね。他のクラスで食べてきてもいいんだよ?」
水樹は声が戻った後も不安を抱いていた。自分に付きっきりの彼方から誰かとの時間を奪っているかもしれないと。二年半もここにいたら自分の定位置くらいわかる。
いくら十九歳の高校三年生だとしても、恋愛や心配事以外に青春を送りたかったのではないか、と時々思う。転校先で送る高校最後の一年を彼方らしく過ごして欲しくて──
「……どうして、そんなこと言うの?」
窓かドアの隙間からか、秋風の凍えそうな寒さが肌を震えさせる。埃と一緒に器官に入り、噎せそうになった。
「だってこの半年間、俺の我儘に付き合わせてしまったでしょ? 彼方には他の友人もいて……」
「それって、もう僕と一緒にいたくないってこと?」
彼方の瞳から光が失われていく。赤みがかったオレンジ色が吸い取られ、曇天の空と同じ鈍色に。体感したことのある状況に心臓の音が不快に聞こえた。
「ち、違うよ!? 彼方のために……」
「そう思うのなら、悲しいこと言わないで。望んで君といる、前に話したはずだよね?」
眉根を寄せた顔が怒りを含む。苦しそうで、辛そうで。それ以上、水樹は口にできなかった。
『……お前はいつもオレの逆鱗に触れる。オメガはアルファを逆撫でする天才なのか?』
失言や配慮不足が原因で、奏斗を不機嫌にさせてばかりだった。怒り、制裁を振い、捨てた。今はあれが良くなかった振る舞いだとわかりつつも、やはり自分は聡くない。聡くない者は無自覚に人の想いを踏みにじる。
捨てられることを恐れた自分と同じ想いをさせた可能性がある。謝罪しなければと思うが、冷たい空気が湿った唇を撫でるだけ。
「……とにかく授業頑張ろ。頭も冷えるはずだ」
「う、うん。奏斗も美術頑張ってね」
言った瞬間は気づかなかった。胸ぐらを掴まれ、背中に痛みが走る。血のような瞳に困惑する自分が映った時、初めて自分の失態が明らかになった。
「なんて」。彼方はたしかにひくついた笑顔で唇を動かした。
「ごめんなさいっ! わざと間違えたつもりも、今も想ってるとかじゃ決してなくて……」
彼方の瞳を見るのがこんなにも怖くなったのは初めてで、背筋が凍りついたのは久々だった。伏せる視線も相まってそんな感情が濃く表れたのだろうか。
「僕は、守谷 彼方だ! あんな……あんな奴とは全然、違う……っ、似ても似つかないただの……っ!!」
そこまで言い切り、彼方は顔を苦くさせた。瞳からはらりはらりと涙が落ちる様子は鱗や羽が取れるように、とても残酷だった。
「ごめんなさい、ごめんなさい……彼方。俺、本当に……」
言葉が見つからない。逃げ腰でぶつかっても意味がないとわかっているのに。ただ、震えが止まらなかった。
「……体をぶつけたことは謝る。だけど、二度とその名前を僕に出さないでくれ」
ちゃんと返事できた気がしない。どうして急に奏斗の名前が口から零れたのか、自分のせいなのに怒り狂う彼方がこんなにも怖いのか、どれもわからない。
胸元から手が離れ、彼方はバッグを持つとそのまま教室を去った。重力に逆らえずに膝が崩れる。
馬鹿、阿保。代表的な屈辱表現が浮かんだがしっくりこない。たった一つの事実の方がぽっかり空いた穴にはまる。
「俺は彼方を捨てようと……した?」
──バタン。
そう遠くない先で、なにかが崩れる音がした。力の入らない足がそっちへ向かう。廊下に出た途端、息を吸う音だけがはっきり耳に届き、視界がぐにゃぐにゃと揺らいだ。
オレンジの色の髪色が廊下に流れ、鞄の中身が見える。くの字に曲がった背に、水樹より小さな男の体。
「……彼方!!」
蹲って倒れる恋人に水樹は駆け寄った。
「あっあ、ひゃ……んん……」
昼休み開始のチャイムが鳴り終わる前、彼方に手を引かれ旧校舎の空き教室へ入った。扉を閉めるのを待てずにキスをされ、プチプチとボタンを外されていく。ぬろっと分厚い舌が消えかけたキス跡を舐め、吸いついた。
同時に耳朶も揉まれて扉を背が滑る。座り込んだら距離が縮まり、太陽と雄の匂いが混ざる匂いが鼻を刺激した。
(匂いがだんだん濃くなって、頭がくらくらする。でも今日はいつもより激しい……?)
四つくらいキスマークをつけられ、最後は唇を奪われる。離れた唇は燃える炎のように真っ赤で胸の奥がじんじんした。
「水樹もやって」
まだ興奮冷めやらぬ彼方の熱い息がかかり、水樹もおずおずと肌に吸いついた。
(また、彼方の体が痩せている)
唇が触れる度、彼方の体にしがみつく度に実感する細さ。食事量も減少した。顔色は悪くなさそうなので単なるダイエットだといいんだが……。
「ふへへ、くすぐったいなあ。水樹の甘噛みは」
溢れる笑みに不安を押し流された。必死にかみかみ。ペンダントの飾りが何度か腕を撫で、顎から耳朶に手が添えられる。わかっていても噛んでしまった。
「消毒して?」
「う、うん……。ちゅ……ん、ぺろ……っん」
「気持ち……」
唯一の弱点だった噛んでからのキス及び消毒は克服され、付け入る隙がない。むしろ楽しみの一つにされた。
「……っぷは。なんとか付いた」
キスマークではなく歯型が。そう、歯型だ。鎖骨にほんのりピンクの噛み跡。
「つ、次は歯型じゃないの付けるから!」
「そう? 歯型も水樹のだってわかるからいいのに」
「ダメだ! 今度は一個だけでもキスマーク付けたい。練習するから」
吸引力が足りないのなら風船を膨らませたらいい。自分の手でやるのもありだと調べたらでてきた。
(今は長袖の季節だし、仮にすごい跡になっても袖で隠せばOKだよね!)
モチベーションが上がり、今夜から頑張ろうと心に決めれば、彼方は両腕で抱き留めた。
「……ひっう!!」
耳朶をかぷりといかれて下から尖った薄い部分を唇で挟まれた。
「誰に練習するの?」
腹の底に響く低音に背筋がぞくりとする。彼方はきっとなにか勘違いをしている。
「ふ、ふう……ひああっ……」
「他の奴だったら許せない。この甘噛みもキスマークも水樹も僕のだ」
「自分っ! 自分の手とかでやる……からあ……」
「とかって言うからには他にもあるんだよね?」
「ああと、ふう……風船だ、け。吸引力もな、ないから……ひっん」
「約束のキスね」
また息吐く間もなく唇を奪われる。今日の彼方は彼方で好きだが、ちょっと独占欲高めだ。
彼方は夏頃からたまに飢えた虎みたいになる。どんなに愛を食おうが腹が減る虎。最初は夏の暑さや夏期補習の疲労回復で性欲が高まったのかと認識していたが、どうやら違うようだ。
何度も思うが自分を番にしたり、パートナーにもらう輩は彼方以外に考えられない。現れたとしたらよっぽどの物好きだ。
(俺がきちんと樹なれないから彼方は不安なのかな。早急に答えを見つけなきゃ)
あの会話を聞かれたわけじゃない。何度か言おう言おうとしたが、雰囲気や予定に押し流されてやめた。まだ解答の手がかりもない。自分のせいで彼方と諸共崩れるのは嫌だな、と水樹の心に不安が芽生えてきたのであった。
少し焦り気味の恋人の愛を受けながら昼休みを半分以上注ぎ込んだ。
「今日で比良っちの音楽も終わりだね」
制服を直す最中、話を振られた。
「あ、あうん」
「長いようやら短いようやら。どう、比良山先生の音楽はキツかった?」
笑いの奥に心配の影が見え、首を振る。比良山は思いの外、発声練習や音楽の基礎を重視するタイプで説明と実践を交互にする授業内容だった。授業終わりには「わからなかった箇所はプリントに書くように」と指示し、次にはびっちり書かれた返事やアドバイスが返される。真面目に取り組んだ結果、次回に持ち越し……みたいなことも多々あった。あの音楽を受けた全員が比良山をキツいとは思っていないだろう。
「水樹がそう思うのなら良かった。最後の授業も無理しないでよ?」
「いつもありがとう。音楽前にはいつもこうして彼方がずっと傍にいてくれたから、その温もりを残したまま授業を迎えられたよ」
空き教室のあれこれの前から、次が音楽だと彼方は必ず一緒にいてくれた。大切な昼休みを全て水樹に使うために、木曜日の昼食は事前購入したパン類で済ます。
「里美先生に交代すれば木曜日の昼休みは自由に使えるね。他のクラスで食べてきてもいいんだよ?」
水樹は声が戻った後も不安を抱いていた。自分に付きっきりの彼方から誰かとの時間を奪っているかもしれないと。二年半もここにいたら自分の定位置くらいわかる。
いくら十九歳の高校三年生だとしても、恋愛や心配事以外に青春を送りたかったのではないか、と時々思う。転校先で送る高校最後の一年を彼方らしく過ごして欲しくて──
「……どうして、そんなこと言うの?」
窓かドアの隙間からか、秋風の凍えそうな寒さが肌を震えさせる。埃と一緒に器官に入り、噎せそうになった。
「だってこの半年間、俺の我儘に付き合わせてしまったでしょ? 彼方には他の友人もいて……」
「それって、もう僕と一緒にいたくないってこと?」
彼方の瞳から光が失われていく。赤みがかったオレンジ色が吸い取られ、曇天の空と同じ鈍色に。体感したことのある状況に心臓の音が不快に聞こえた。
「ち、違うよ!? 彼方のために……」
「そう思うのなら、悲しいこと言わないで。望んで君といる、前に話したはずだよね?」
眉根を寄せた顔が怒りを含む。苦しそうで、辛そうで。それ以上、水樹は口にできなかった。
『……お前はいつもオレの逆鱗に触れる。オメガはアルファを逆撫でする天才なのか?』
失言や配慮不足が原因で、奏斗を不機嫌にさせてばかりだった。怒り、制裁を振い、捨てた。今はあれが良くなかった振る舞いだとわかりつつも、やはり自分は聡くない。聡くない者は無自覚に人の想いを踏みにじる。
捨てられることを恐れた自分と同じ想いをさせた可能性がある。謝罪しなければと思うが、冷たい空気が湿った唇を撫でるだけ。
「……とにかく授業頑張ろ。頭も冷えるはずだ」
「う、うん。奏斗も美術頑張ってね」
言った瞬間は気づかなかった。胸ぐらを掴まれ、背中に痛みが走る。血のような瞳に困惑する自分が映った時、初めて自分の失態が明らかになった。
「なんて」。彼方はたしかにひくついた笑顔で唇を動かした。
「ごめんなさいっ! わざと間違えたつもりも、今も想ってるとかじゃ決してなくて……」
彼方の瞳を見るのがこんなにも怖くなったのは初めてで、背筋が凍りついたのは久々だった。伏せる視線も相まってそんな感情が濃く表れたのだろうか。
「僕は、守谷 彼方だ! あんな……あんな奴とは全然、違う……っ、似ても似つかないただの……っ!!」
そこまで言い切り、彼方は顔を苦くさせた。瞳からはらりはらりと涙が落ちる様子は鱗や羽が取れるように、とても残酷だった。
「ごめんなさい、ごめんなさい……彼方。俺、本当に……」
言葉が見つからない。逃げ腰でぶつかっても意味がないとわかっているのに。ただ、震えが止まらなかった。
「……体をぶつけたことは謝る。だけど、二度とその名前を僕に出さないでくれ」
ちゃんと返事できた気がしない。どうして急に奏斗の名前が口から零れたのか、自分のせいなのに怒り狂う彼方がこんなにも怖いのか、どれもわからない。
胸元から手が離れ、彼方はバッグを持つとそのまま教室を去った。重力に逆らえずに膝が崩れる。
馬鹿、阿保。代表的な屈辱表現が浮かんだがしっくりこない。たった一つの事実の方がぽっかり空いた穴にはまる。
「俺は彼方を捨てようと……した?」
──バタン。
そう遠くない先で、なにかが崩れる音がした。力の入らない足がそっちへ向かう。廊下に出た途端、息を吸う音だけがはっきり耳に届き、視界がぐにゃぐにゃと揺らいだ。
オレンジの色の髪色が廊下に流れ、鞄の中身が見える。くの字に曲がった背に、水樹より小さな男の体。
「……彼方!!」
蹲って倒れる恋人に水樹は駆け寄った。
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