転生すればそりゃ最強ですよね(笑)

( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )白夜

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その景色は

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どれほどの間気を失っていたのだろうか。
数時間、もしかすると数日間眠っていたのだろうか?
そんなことを調べる方法はないが
俺はふと目を覚ました。
そこは何も無い草原だった。

「巫女!咲!鹿乃!大丈夫か?」

俺は慌てて3人の体を揺する。
3人の状態が分からない以上、揺するという行動はあまり良くないが、そんな状況判断をしている余裕は今の俺にはなかった。

「ん…」

「良かった!」

どうやら息はあるようだ。
俺は3人を優しく起こしてゆく。

「何が起こったの?」

「ここどこ?」

「学校ではなさそうだね」

3人とも意識は戻ったが、イマイチ現状を呑み込めていないようだ。
当たり前だ、1番初めに目を覚ました俺でさえ状況を理解していないのだから。

「一旦状況整理しよう」

「って言ってもね?」

「今が全てだろう?」

正論すぎてぐうの音も出ない。
学校でご飯を食べていて、魔法陣でよく分からない場所に飛ばされた。
それが、全貌であり全てだ。

「一旦、街でも探しましょ?」

「それしか無さそうだな」

「夢のファンタジー世界?!」

「縁起でもないこと言うなって!」

俺は咲の頭にチョップする。
元はと言えば、こいつの発言のせいじゃないのか?
そんなわけは無いのだが。
兎にも角にも、止まっていても何も始まらないので俺たちは歩みを始めた。

「どこまでも草原が続いてるな」

「これ終わりあるのかな?」

「終わりはあるだろうさ」

「あるよね?」

歩き始めて数時間が経ち、運動に自信がある俺達も少し心身共に堪え始めていた。
そんな時だった。

「あれって門じゃない?」

人一倍目がいい巫女が、門を見つける。

「出来したぞ!」

「やっとゴールだね!」

「さすがに疲れたね」

目の前に、ゴールが見え元気を取り戻す俺達。
少しペースを上げ、門へと向かう。
門には、兵隊のような人が立っている。

「若者が揃ってどうしたんだ?遭難者か?」

「そんな所です」

「それは大変だったな、これでも飲め!」

そう言い、俺達へ水を差し出す。
正直、ありがたかった。

「ありがとうございます!」

「喉カラカラだよー」

門兵から、水を受け取ると俺たちは一気に飲み干す。

「相当喉が渇いていたんだな、どこから来たんだ?」

「日本という国のものなんですが、ご存知ですか?」

一旦お決まりの、質問をする。

「日本?聞いたことないな?」

お決まりの質問には、お決まりの返答が返って来るものだ。

「やっぱり、異世界ってこと?」

「みたいだな…」

「やったネ!」

「やったねでは無いよ咲」

「とりあえず、街の中に入ったらどうだ?」

俺らが、話しているのを見て門兵が提案する。
確かに門の前で話していても、何も進展しない。

「何点かお聞きしたいんですが、いいですか?」

「俺のわかることならなんでも聞いてくれ?」

「ここの場所の名前、それとここでの一般的なお金の稼ぎ方を教えてください」

情報は必要最低限。
情報は大いに越したことはないが、今情報過多になるのは余計に事情をこじらせてしまう。

「ここは、ラルドア王国だ。お前らの年齢位なら大体は冒険者が主流な職業だな」

案の定ファンタジーだな。

「ありがとうございます!」

その話を聞き、門兵と別れる。
門をくぐった俺達は、一旦街の中心をめざし歩いていた。

「白亜、どこに向かってるの?」

「そんなに急ぎ足で」

方針を何も伝えずに、向かってしまっているので鹿乃と巫女から質問が来る。

「街の中心に向かってるんだよ」

「大体クエスト受けるのは街の中心だからね!」

説明中に、咲が被せ気味に入ってくる。
流石に定石をわかっている。

「今の俺たちは、一刻もお金を稼がないといけない状態だ。幸いにも今は昼間な訳で1秒でも早く今日の宿代と飯代だけでも稼がないとダメなんだ」

なるほどと言わんばかりに、2人は頷く。
説明をしているとあっという間に、それっぽい建物に着く。
扉を開くと、受付のお姉さん掲示板にたくさんの張り紙、ゲームそのまま持ってきました感満載のクエスト受付だった。
俺は、急ぎ足で受付のお姉さんに話しかける。

「クエスト受けたいんですけど、どうすればいいですか?」

「クエストを受けるには、冒険者登録して頂かないとダメですね」

「じゃあそれでお願いします!」

「かしこまりました!でしたらこちらで試験をさせて頂きますのでどうぞー」

トントン拍子で話を進める。
お姉さんに、導かれるまま隣の部屋へ入る。

「では、皆さんこの水晶に手をかざしてください」

言われるまま、俺たちは水晶に手をかざす。
手をかざすと、水晶は発光し機械的なものに光が流れる。

「こちらの機械で、皆様のパラメーターやスキルを登録させていただきます。後ほど詳細はカードにしてお渡ししますね!」

試験とやらはあっさりと終わり、元の部屋へ戻される。

「こちら皆様の、冒険者カードになります。命と同じくらい大事なので大切にしてくださいね」

笑顔でサラッと怖いことを言う。
俺たちは、カードを受け取り会議をする。

「スキルだって!やっぱりチート能力とかあるのかな?!」

咲だけがワクワクだ。
そのカードには、さながらゲームのように自身の攻撃力防御力などが記載され、スキル欄には自信の持っているスキルが詳細に記載されていた。

「レベルとかもあるんだ!」

「みんなどんな感じた?」

みなで見比べてみるが、全員10~15と言った感じで、その値が高いのか低いのかは分からない。

「スキル欄は、本人にしか見えない仕様になってるんだね」

「一応個人情報だからか?」

「どーする?クエスト」

「受ける他ないだろ」

そう、俺たちに受けないという選択肢は無いのだ。

「一旦俺が1人で行ってくる」

「えー 咲も行きたい!」

「やめておこう。白亜なりに考えがあるのだろ」

「任せて大丈夫なの?」

「任せとけって!」

俺は、ざっと見て手頃そうなクエストを探す。

「お姉さん、いくらあれば一日の宿とれますか?」

「大体10000セル位じゃないですかね?」

「ならこのクエスト受けます!」

「了解しました!でしたら初クエスト頑張って来てくださいね!」

サクッと受付を済まし、俺は受付から飛び出す。

「じゃあ、行ってくるから皆でできるだけ安い宿でも探しといてくれ!日が暮れる前にここ集合な!」

「行っちゃったね」

「ずるいねー1人で」

「まあ、私たちのことを思ってだろう」

「言われた通り、宿探しながら情報でも集めよっか」

こうして二手に別れた白亜と巫女達
お互いに、行動を始める。
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