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―― 第五章 ――
【079】重なる体温(★)
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「オ、オニキス……ッ、んぁ」
そのまま服をはだけられて、胸の突起を唇で挟まれた。ちろちろと舌先で舐められる。
こんな感覚初めてだったから、僕は狼狽えた。
しかしオニキスの手は止まらず、もう一方の手で陰茎を撫でられる。
「フっ、ン」
手を上下に動かされる内に、中心が熱くなっていった。
それから紫色の小瓶を手に取り、オニキスが指を濡らした。
「それ、何?」
「フランの奴がな、初めてだったり久しぶりだったりするとキツイから使えって、わざわざ香油を渡してくれたんだよ」
「香油って何?」
僕が首を傾げると、オニキスが静かに笑った。
「痛くないようにする潤滑油だ」
「?」
何かこれから痛いことが始まるのだろうかと思案して、そう言えば城にいた頃、男同士の性交渉は後ろの孔で行うと聞いたことを思い出した。
「ま、待って。まさか、え?」
オニキスは、そう言う好意を僕にする気なのだろうか?
びっくりして目を瞠っている内に、オニキスの指が、僕の中へと入ってきた。
「ンあ……ひ」
ぬめる感触がして、するりと指が入ってくる。
「や、やだぁッ」
慌てて腰を引こうとしたが、片手で左の手首をきつく掴まれていて、動けない。
「う」
冷たいその感触に体が震えた。
それから指は、一本、二本と増えていき、縦横無尽に蠢き始めた。
「あ、ハ」
吐息をする度に声が漏れてしまう。同時に涙もまた零れてくる。
「!」
その時指にある一点を掠められて、僕は目を見開いた。ビクンと体が跳ねた。
「此処が良いのか?」
僕の姿に微笑して、その箇所ばかりを、指を揃えてオニキスがつき始める。
「や、ヤダ、ッ、止め……ンあッ」
ゾクゾクと不思議な快楽が背筋を這い上がってくる。こんな感覚知らなかった。
その内に香油と言うらしい代物の冷たさはなくなり、タダグチャグチャと音だけが響くようになる。
「うあ、あッ」
僕が喉を振るわせると、オニキスが優しい顔をした。
「挿れても良いか?」
「え、う、ン」
最早訳が分からなくなっていた僕は、曖昧に答えた。
睫の上に涙が乗っているのが分かる。
その瞬間だった。
「うああア――!!」
それまでの指とは違う、何か大きくて硬く、太い者が中へと入ってきた。
「や、いや、アッ、ひ、ンア――!!」
僕の眦からは涙がこぼれ、中へとオニキスの陰茎が入ってきたのだと分かる。
ゆっくりと突き入れられたそれは、全て挿いりきると動きを止めた。
「大丈夫か?」
「あ、ああっ」
大丈夫なはずがなかったが、上手く言葉が出てこない。
内部がまるで、オニキスのそれの形を覚えさせられるように、抉られていた。
「動いても良いか?」
「っ」
しかし聞いているというのに、その時既に、激しくオニキスが腰を押し付け始めた。
「あ、ああ、ン、うあ、あああ――!! ひゃ、ッう、うあっ、やぁああ!!」
そのまま何度も打ち付けられて、僕は次第に訳が分からなくなり始めた。
時折浅く腰を引かれては、ゾクゾクする箇所を突き上げられて、声と一緒に涎が垂れそうになった。
「ひゃッ」
その上、前を手で扱かれ、僕は、体中が熱くなって、熱に絡め取られていった。
こんな感覚知らなかった。
自分の体の熱さと、僕とは違うオニキスの体温。
それらが混ざり合っていくような不思議な感覚がする。
「出すぞ、良いか?」
「うあ」
上手く答えられないまま、僕は感じる場所を突かれ、前を手で扱き上げられて、あっけなく果てた。同時に内部に温かい何かを感じて、オニキスもまた精を放ったことを知った。
そのまま――僕は意識を失うように、眠り込んでしまったのだった。
そのまま服をはだけられて、胸の突起を唇で挟まれた。ちろちろと舌先で舐められる。
こんな感覚初めてだったから、僕は狼狽えた。
しかしオニキスの手は止まらず、もう一方の手で陰茎を撫でられる。
「フっ、ン」
手を上下に動かされる内に、中心が熱くなっていった。
それから紫色の小瓶を手に取り、オニキスが指を濡らした。
「それ、何?」
「フランの奴がな、初めてだったり久しぶりだったりするとキツイから使えって、わざわざ香油を渡してくれたんだよ」
「香油って何?」
僕が首を傾げると、オニキスが静かに笑った。
「痛くないようにする潤滑油だ」
「?」
何かこれから痛いことが始まるのだろうかと思案して、そう言えば城にいた頃、男同士の性交渉は後ろの孔で行うと聞いたことを思い出した。
「ま、待って。まさか、え?」
オニキスは、そう言う好意を僕にする気なのだろうか?
びっくりして目を瞠っている内に、オニキスの指が、僕の中へと入ってきた。
「ンあ……ひ」
ぬめる感触がして、するりと指が入ってくる。
「や、やだぁッ」
慌てて腰を引こうとしたが、片手で左の手首をきつく掴まれていて、動けない。
「う」
冷たいその感触に体が震えた。
それから指は、一本、二本と増えていき、縦横無尽に蠢き始めた。
「あ、ハ」
吐息をする度に声が漏れてしまう。同時に涙もまた零れてくる。
「!」
その時指にある一点を掠められて、僕は目を見開いた。ビクンと体が跳ねた。
「此処が良いのか?」
僕の姿に微笑して、その箇所ばかりを、指を揃えてオニキスがつき始める。
「や、ヤダ、ッ、止め……ンあッ」
ゾクゾクと不思議な快楽が背筋を這い上がってくる。こんな感覚知らなかった。
その内に香油と言うらしい代物の冷たさはなくなり、タダグチャグチャと音だけが響くようになる。
「うあ、あッ」
僕が喉を振るわせると、オニキスが優しい顔をした。
「挿れても良いか?」
「え、う、ン」
最早訳が分からなくなっていた僕は、曖昧に答えた。
睫の上に涙が乗っているのが分かる。
その瞬間だった。
「うああア――!!」
それまでの指とは違う、何か大きくて硬く、太い者が中へと入ってきた。
「や、いや、アッ、ひ、ンア――!!」
僕の眦からは涙がこぼれ、中へとオニキスの陰茎が入ってきたのだと分かる。
ゆっくりと突き入れられたそれは、全て挿いりきると動きを止めた。
「大丈夫か?」
「あ、ああっ」
大丈夫なはずがなかったが、上手く言葉が出てこない。
内部がまるで、オニキスのそれの形を覚えさせられるように、抉られていた。
「動いても良いか?」
「っ」
しかし聞いているというのに、その時既に、激しくオニキスが腰を押し付け始めた。
「あ、ああ、ン、うあ、あああ――!! ひゃ、ッう、うあっ、やぁああ!!」
そのまま何度も打ち付けられて、僕は次第に訳が分からなくなり始めた。
時折浅く腰を引かれては、ゾクゾクする箇所を突き上げられて、声と一緒に涎が垂れそうになった。
「ひゃッ」
その上、前を手で扱かれ、僕は、体中が熱くなって、熱に絡め取られていった。
こんな感覚知らなかった。
自分の体の熱さと、僕とは違うオニキスの体温。
それらが混ざり合っていくような不思議な感覚がする。
「出すぞ、良いか?」
「うあ」
上手く答えられないまま、僕は感じる場所を突かれ、前を手で扱き上げられて、あっけなく果てた。同時に内部に温かい何かを感じて、オニキスもまた精を放ったことを知った。
そのまま――僕は意識を失うように、眠り込んでしまったのだった。
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