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―― 第三章 ――
【016】伝説の杖
しおりを挟む この歳になり、私に妹が出来るとは思っても居なかった。
と言っても…彼女は父の再婚相手の連れ子で、私と血の繋がりは無い。
ただ、こうなったからには彼女とは良い関係を築いて行きたいと思って居た。
そして、せっかくだからと彼女を我が家に招待する事に─。
すると、やって来た義妹を見た夫は…何故か驚いた表情になり、その後は満面の笑みを浮かべ彼女を家にあげた。
そして、彼女と楽しそうに話をし始めた。
どうやら、夫と義妹はすぐに打ち解けた様だ。
するとその後も、義妹を家に招待したい…今度はいつ遊びに来てくれるのかと、夫は義妹の事を気に掛ける様に─。
そんなの彼女の都合だってあるし、そもそもこの家には生まれたばかりの我が子がい居る。
だから義妹に来て貰っても、彼女の相手をしてあげられないと答えた。
すると夫は…彼女の相手は俺がするから構わない、お前は子供の相手だけして居ろと言う。
それを聞いた私は…どうして夫がそんなに義妹に会いたがるのか、不思議でならなかった。
そんな時…夫の古い知人が、私の家を訪ねて来た。
生憎夫は不在だったので、彼の相手は私がする事に─。
彼には、夫や子供の話をよく聞いて貰って居た。
そして、義妹の件を話したのだが…それを聞いた彼は、深刻そうな顔でこんな話を始めた。
夫には、本当は私とは別に結婚したかった相手が居たと言う。
だが、彼女は家の事情でこの地を出て行く事になり…二人が結ばれる事は無かった。
そして夫は…つい最近、そんな彼女に生き写しの女性に出会った…これはきっと運命だ…そんな彼女と結ばれる為には、妻も子も捨てなければならないと言ったそうだ。
「…だから、君とお子さんが心配になり訪ねたんだが─。」
それを聞いた私は、夫にそんな人が居た事や…夫が義妹にその人を重ね、私と子供を捨て様として居る事を知りショックを受けた。
そして…夫は用事で出かけると言って居たが、もしかしたら義妹に会いに行ったのかも知れないと思った。
夫をこのままにしておいては、義妹に迷惑がかかる。
何より…私だけでなく子供まであっさり捨て様としたあの人を、私は許せない─。
そな私を見て、彼は今から義妹に会いに行こうと言って馬車を出してくれた。
そして実家へと向かえば…そこには、嫌がる義妹に抱き着こうとして居る夫の姿が─。
それを見た彼はすぐに夫を制止にかかり、私は義妹を背に隠した。
「あなたは一体何をやっているの!この子はあなたの愛する女じゃないのよ!?」
「でも、こんなにそっくりなんだ!それに前話した時、彼女は俺の事を話しが楽しくて素敵な旦那様と褒めてくれた。それは俺に好意があるからだ!」
すると義妹は、震えながらもキッパリとこう言った。
「私はただ、姉の夫であるあなたに敬意をもってお話して居ただけ…。そもそも、私には結婚を約束した愛する方が居ます。ですから、あなたの事をそう言う意味で好きになる事はありません!」
この言葉に、夫はショックを受けた様でその場に崩れ落ちた。
そして私は、そんな夫に離縁を突き付けた。
すると、夫は離縁など大袈裟だと言ったが…私はそれを無視し、こう言った。
「あなたが子供の面倒をちっとも見てくれないのは…私を時々冷めた目で見るのはどういう事かと思って居たけれど、やっとそれが分かったわ。あなたの様な夫は…そして父親はもう要らない。この子に付き纏うのは辞め、今からでもその女に会いに行ったらいいわ─!」
その後…この出来事を知った私の父は、大事な娘二人を傷付けた夫を許さず…離縁したならもう赤の他人だと言って、彼の事業を支援する事を辞めた。
それにより、元夫の事業は傾き…やかて彼は、多額の借金を抱えて破産する事に─。
そして住む家さえ失くした彼は、本当にかつて愛したその女に助けを求め合いに行ったが…彼女はもうとっくに結婚しており、彼の事など忘れてしまって居た。
それを知った彼は、自分は何て馬鹿だったのかと後悔したそうだが…もう遅いのだった。
一方、私はと言うと…元夫の知人である彼と恋人関係となり、近く再婚しよう言う話になって居る。
彼は、離縁した私を心配し実家にも頻繁に顔を見せてくれ…良き相談相手となってくれて居た。
そんな日々を過ごす内…私達は自然と惹かれ合い、そういう仲になったのだ。
彼は私だけでなく、子供の事も大事にしてくれ…そんな私達なら、きっと良い家族になれるのではないかと思って居るわ─。
と言っても…彼女は父の再婚相手の連れ子で、私と血の繋がりは無い。
ただ、こうなったからには彼女とは良い関係を築いて行きたいと思って居た。
そして、せっかくだからと彼女を我が家に招待する事に─。
すると、やって来た義妹を見た夫は…何故か驚いた表情になり、その後は満面の笑みを浮かべ彼女を家にあげた。
そして、彼女と楽しそうに話をし始めた。
どうやら、夫と義妹はすぐに打ち解けた様だ。
するとその後も、義妹を家に招待したい…今度はいつ遊びに来てくれるのかと、夫は義妹の事を気に掛ける様に─。
そんなの彼女の都合だってあるし、そもそもこの家には生まれたばかりの我が子がい居る。
だから義妹に来て貰っても、彼女の相手をしてあげられないと答えた。
すると夫は…彼女の相手は俺がするから構わない、お前は子供の相手だけして居ろと言う。
それを聞いた私は…どうして夫がそんなに義妹に会いたがるのか、不思議でならなかった。
そんな時…夫の古い知人が、私の家を訪ねて来た。
生憎夫は不在だったので、彼の相手は私がする事に─。
彼には、夫や子供の話をよく聞いて貰って居た。
そして、義妹の件を話したのだが…それを聞いた彼は、深刻そうな顔でこんな話を始めた。
夫には、本当は私とは別に結婚したかった相手が居たと言う。
だが、彼女は家の事情でこの地を出て行く事になり…二人が結ばれる事は無かった。
そして夫は…つい最近、そんな彼女に生き写しの女性に出会った…これはきっと運命だ…そんな彼女と結ばれる為には、妻も子も捨てなければならないと言ったそうだ。
「…だから、君とお子さんが心配になり訪ねたんだが─。」
それを聞いた私は、夫にそんな人が居た事や…夫が義妹にその人を重ね、私と子供を捨て様として居る事を知りショックを受けた。
そして…夫は用事で出かけると言って居たが、もしかしたら義妹に会いに行ったのかも知れないと思った。
夫をこのままにしておいては、義妹に迷惑がかかる。
何より…私だけでなく子供まであっさり捨て様としたあの人を、私は許せない─。
そな私を見て、彼は今から義妹に会いに行こうと言って馬車を出してくれた。
そして実家へと向かえば…そこには、嫌がる義妹に抱き着こうとして居る夫の姿が─。
それを見た彼はすぐに夫を制止にかかり、私は義妹を背に隠した。
「あなたは一体何をやっているの!この子はあなたの愛する女じゃないのよ!?」
「でも、こんなにそっくりなんだ!それに前話した時、彼女は俺の事を話しが楽しくて素敵な旦那様と褒めてくれた。それは俺に好意があるからだ!」
すると義妹は、震えながらもキッパリとこう言った。
「私はただ、姉の夫であるあなたに敬意をもってお話して居ただけ…。そもそも、私には結婚を約束した愛する方が居ます。ですから、あなたの事をそう言う意味で好きになる事はありません!」
この言葉に、夫はショックを受けた様でその場に崩れ落ちた。
そして私は、そんな夫に離縁を突き付けた。
すると、夫は離縁など大袈裟だと言ったが…私はそれを無視し、こう言った。
「あなたが子供の面倒をちっとも見てくれないのは…私を時々冷めた目で見るのはどういう事かと思って居たけれど、やっとそれが分かったわ。あなたの様な夫は…そして父親はもう要らない。この子に付き纏うのは辞め、今からでもその女に会いに行ったらいいわ─!」
その後…この出来事を知った私の父は、大事な娘二人を傷付けた夫を許さず…離縁したならもう赤の他人だと言って、彼の事業を支援する事を辞めた。
それにより、元夫の事業は傾き…やかて彼は、多額の借金を抱えて破産する事に─。
そして住む家さえ失くした彼は、本当にかつて愛したその女に助けを求め合いに行ったが…彼女はもうとっくに結婚しており、彼の事など忘れてしまって居た。
それを知った彼は、自分は何て馬鹿だったのかと後悔したそうだが…もう遅いのだった。
一方、私はと言うと…元夫の知人である彼と恋人関係となり、近く再婚しよう言う話になって居る。
彼は、離縁した私を心配し実家にも頻繁に顔を見せてくれ…良き相談相手となってくれて居た。
そんな日々を過ごす内…私達は自然と惹かれ合い、そういう仲になったのだ。
彼は私だけでなく、子供の事も大事にしてくれ…そんな私達なら、きっと良い家族になれるのではないかと思って居るわ─。
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