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chapter:後 ……それからの日常……
【番外】膝抱っこ(砂鳥視点)
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最近、ローラは藍円寺さんへの溺愛っぷりを隠す事が無くなってきた。
藍円寺さんは、ローラへの愛ゆえなのか、翡翠色の数珠を手首から外している。
だからローラは暗示をかけたい放題だ。
それでも二人きりの時は、あまり使っていないらしい。けれど――人前では、容赦なく使用している。例えば、僕と火朽さんの前だとかで。
「ん」
現在ローラは椅子に座り、膝に藍円寺さんを載せている。
僧服姿で横がけにローラの膝の上に座っている藍円寺さんは、とろんとした顔でローラを見ている。白い手をローラの首に回し、うっとりとした顔でローラを見ている。人がいるのに、このようにしているのは、暗示がかかっているからにほかならない。
「ぁ……」
ローラはそんな藍円寺さんの腰を片腕で抱き、もう一方の手では頬をなでている。唇では鎖骨に吸い付き、時に舐める。その度に、藍円寺さんが蕩けたような瞳をし、小さく声を漏らす。
「どうして欲しい?」
「もっとキスしてくれ」
暗示により素直な藍円寺さんは、溶け切った瞳でローラに答えている。
微笑したローラが、ついばむように藍円寺さんの唇を奪う。
二人は何度も何度も戯れのようなキスをしている。
そうしながら、ローラが服の上から、覆うように藍円寺さんの右胸に触れた。そして人差し指と薬指で見つけ出した胸の突起を挟み、振動させている。
「ぁ、ァ」
藍円寺さんが瞼を閉じた。まつ毛が震えている。すぐに白い肌が朱く染まり、頬が艶っぽくなった。藍円寺さんを甘やかしているローラを眺めながら、僕はコーヒーを淹れる練習をする。僕の正面では、火朽さんがスマホを見ていた。紬くんとの待ち合わせ時間を待っているらしい。
「ローラ……」
「もう我慢できないか?」
「……っ、ン……」
藍円寺さんの首筋をなぞりながら、ローラがにやりと笑う。這わせた舌から吸血しながら、己の快楽物質を流し込んでいるらしい。どんどん藍円寺さんの瞳が欲情していく。それが強すぎたのか、藍円寺さんが震えた。
そのまま、強引にローラが藍円寺さんの唇を奪う。
静かに目を閉じた藍円寺さんはローラの胸元の服を掴んでいる。
そして――直後、ビクンとして目を見開き、ローラを押し返そうとした。
目を開いた藍円寺さんの瞳を見ると、完全に艶が宿り、欲情でチカチカと染まっていた。
あんまりにも色っぽい。
震えるまつげ、紅潮した頬、汗ではりつく黒髪、快楽が宿る瞳。
全身をガクガクと震わせながらローラの腕の中にいる藍円寺さんは綺麗だった。
どこからどう見ても果てるギリギリ直前で、快楽を止められたようにしか見えず、懇願するような瞳でローラを見ては目を閉じるのを繰り返している。
「ぁ……っ、ローラ、俺……っ……」
泣きそうな声で、小さく藍円寺さんが声を出した。なんとか嬌声を抑えようとしたのはわかるのだが、無理だったらしくそのままギュッと目を閉じ唇も閉じてローラの肩の服に口を当てた。藍円寺さんは、はひどい快楽に焦がされるように震えて耐えていた。
「ローラっ、ッ、ぁ……や、やめ……だ、だめだ、俺もう、おかし……っ……うあああ」
もう限界なのだろう、ボロボロと藍円寺さんが泣き出した。
「砂鳥、火朽、しばらく研究室に行ってくる」
ローラは僕達にそう声をかけると、藍円寺さんを腕に抱いて立ち上がった。
そして攫うように霧になって消えてしまった。
「ご盛んですね」
見送っていると、火朽さんが言った。僕はそちらに顔を向ける。
「火朽さんは、紬くんとはどうなんですか?」
「非常に良好な関係を構築していますよ」
そう言ってうっすらと笑った火朽さんは、どこか腹黒そうな瞳で笑っていたから、僕はそれ以上は聞かない事にして頷いておいた。これは、最近比較的よくある日常である。
藍円寺さんは、ローラへの愛ゆえなのか、翡翠色の数珠を手首から外している。
だからローラは暗示をかけたい放題だ。
それでも二人きりの時は、あまり使っていないらしい。けれど――人前では、容赦なく使用している。例えば、僕と火朽さんの前だとかで。
「ん」
現在ローラは椅子に座り、膝に藍円寺さんを載せている。
僧服姿で横がけにローラの膝の上に座っている藍円寺さんは、とろんとした顔でローラを見ている。白い手をローラの首に回し、うっとりとした顔でローラを見ている。人がいるのに、このようにしているのは、暗示がかかっているからにほかならない。
「ぁ……」
ローラはそんな藍円寺さんの腰を片腕で抱き、もう一方の手では頬をなでている。唇では鎖骨に吸い付き、時に舐める。その度に、藍円寺さんが蕩けたような瞳をし、小さく声を漏らす。
「どうして欲しい?」
「もっとキスしてくれ」
暗示により素直な藍円寺さんは、溶け切った瞳でローラに答えている。
微笑したローラが、ついばむように藍円寺さんの唇を奪う。
二人は何度も何度も戯れのようなキスをしている。
そうしながら、ローラが服の上から、覆うように藍円寺さんの右胸に触れた。そして人差し指と薬指で見つけ出した胸の突起を挟み、振動させている。
「ぁ、ァ」
藍円寺さんが瞼を閉じた。まつ毛が震えている。すぐに白い肌が朱く染まり、頬が艶っぽくなった。藍円寺さんを甘やかしているローラを眺めながら、僕はコーヒーを淹れる練習をする。僕の正面では、火朽さんがスマホを見ていた。紬くんとの待ち合わせ時間を待っているらしい。
「ローラ……」
「もう我慢できないか?」
「……っ、ン……」
藍円寺さんの首筋をなぞりながら、ローラがにやりと笑う。這わせた舌から吸血しながら、己の快楽物質を流し込んでいるらしい。どんどん藍円寺さんの瞳が欲情していく。それが強すぎたのか、藍円寺さんが震えた。
そのまま、強引にローラが藍円寺さんの唇を奪う。
静かに目を閉じた藍円寺さんはローラの胸元の服を掴んでいる。
そして――直後、ビクンとして目を見開き、ローラを押し返そうとした。
目を開いた藍円寺さんの瞳を見ると、完全に艶が宿り、欲情でチカチカと染まっていた。
あんまりにも色っぽい。
震えるまつげ、紅潮した頬、汗ではりつく黒髪、快楽が宿る瞳。
全身をガクガクと震わせながらローラの腕の中にいる藍円寺さんは綺麗だった。
どこからどう見ても果てるギリギリ直前で、快楽を止められたようにしか見えず、懇願するような瞳でローラを見ては目を閉じるのを繰り返している。
「ぁ……っ、ローラ、俺……っ……」
泣きそうな声で、小さく藍円寺さんが声を出した。なんとか嬌声を抑えようとしたのはわかるのだが、無理だったらしくそのままギュッと目を閉じ唇も閉じてローラの肩の服に口を当てた。藍円寺さんは、はひどい快楽に焦がされるように震えて耐えていた。
「ローラっ、ッ、ぁ……や、やめ……だ、だめだ、俺もう、おかし……っ……うあああ」
もう限界なのだろう、ボロボロと藍円寺さんが泣き出した。
「砂鳥、火朽、しばらく研究室に行ってくる」
ローラは僕達にそう声をかけると、藍円寺さんを腕に抱いて立ち上がった。
そして攫うように霧になって消えてしまった。
「ご盛んですね」
見送っていると、火朽さんが言った。僕はそちらに顔を向ける。
「火朽さんは、紬くんとはどうなんですか?」
「非常に良好な関係を構築していますよ」
そう言ってうっすらと笑った火朽さんは、どこか腹黒そうな瞳で笑っていたから、僕はそれ以上は聞かない事にして頷いておいた。これは、最近比較的よくある日常である。
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